インタビュー

福岡空港が動画を制作。制作きっかけとこれからの想いとは

By renew編集部

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公開日 2021.01.13
福岡空港トップ

新型コロナウイルスにより、2020年はこれまでの常識が大きく変わる年となりました。特に経済面では飲食業や宿泊業、また各社航空会社の減便や人員縮小は大きな話題となり、同様にテナント料や飛行機の離発着時の着陸料等で収益を得ていた空港自体も大きな影響を受けています。

そんなまだまだ警戒する状況が続く中、福岡空港が少しでも明るいニュースを届けようと新たな取り組みをはじめるということで、プロジェクト担当の富田一生さんにお話しを伺ってきました。

サービス向上のための組織

――このコロナ禍で新しい取り組みをスタートさせたということですが、具体的にはどういった内容のものでしょうか?

富田:きっかけのところからお話ししますと、2020年8月に「TEAM FUK(チーム福岡空港)」という組織を設立しました。これは空港全体のサービス向上に向け、イギリスの航空輸送産業専門リサーチ会社SKYTRAX社が行う空港査定において最高ランクの「5スターエアポート」獲得をひとつの目標にした組織体です。

この「5スターエアポート」を獲得するためには、福岡空港の運営会社である私たちが頑張ることはもちろんですが、私たちだけではなく、入居いただいている物販・飲食店や清掃会社、そして航空会社といった、福岡空港に関わる全事業者一体でサービスを良くしていく必要があるだろうと考えました。

福岡国際空港株式会社:富田さん

▲福岡国際空港株式会社:富田さん

――「TEAM FUK」には全事業者が加わっているということで、何社くらいの事業者が関わっているのでしょうか?

富田:福岡空港自体には約180事業者が入っていますが、「TEAM FUK」には事業者数の多い航空会社と物販・飲食会社については代表企業に加わっていただき、現在は17事業者で運営しています。人数で言うと50名くらいになります。

――17事業者とはいえ、それでも大人数ですね。

富田:そうですね。そのためスタートしたばかりということもありましたが、ひとつの組織として「一体感の醸成」が必要だと感じていました。

そこでまず取り組んだのが福岡空港事業者一体となった「お見送り活動」というものです。これは従来、A社の飛行機に搭乗されるお客さまにはA社のスタッフがお見送りしていたのですが、会社間の垣根を越えてA社便のお客さまだけどB社、C社のスタッフも一緒になってお見送りするという取り組みです。国内線に就航いただいている全航空会社に加え空港会社も参加したこの活動は福岡空港が初です。

福岡空港「お見送り活動」

――利用者からすると気持ちがいいですね。

富田:おかげさまで好評をいただいており、私たちの取り組みから国内他空港でも同様の活動が広がっていきました。

動画で感謝とエールを届けたい

――「お見送り活動」に加え、また新たな取り組みをスタートするとお聞きしましたが、どういったものなのでしょうか?

富田:2020年はどうしてもコロナ禍で暗いニュースが多くなってしまいました。そんな世の中に、福岡空港から少しでも明るいトピックスを届けたいという意見が挙がり、「TEAM FUK」で議論した結果、お客さまに笑顔と感動を届ける動画とポスターの制作をすることになりました。

――動画というのはどのような内容のものになるのでしょうか?

富田:詳しくは公開される動画(2021年2月上旬公開予定)をご覧いただきたいと思いますが、2本つくっていまして、1本目はお客さまに対して感謝を伝える動画です。2本目はこんなご時世ですが一緒に頑張りましょうというエール系の動画になります。

2本とも空港の開館前やお土産や飲食店の開店前の映像を流しつつ、福岡空港はこういったかたちで動いているという裏側までをお伝えする動画になっています。

福岡空港撮影風景

――普段私たちが見ていた空港とは違った裏側を見ることができるということですね。

富田:はい。コロナ対策は万全にしていると言っても、いまは「ぜひ空港を利用してください」とは言えない状況です。そんな中でも福岡空港に関わる人たちがどんな想いで働いているのかを知っていただき、少しでもファンになっていただけたら嬉しいです。私たちとしてもこれまでの感謝をお伝えし、皆さまにエールが届けられたらと思っています。

福岡空港の新たな楽しみ方

――飛行機に乗らないとどうしても空港とは疎遠になってしまいますが、動画など空港に行かなくても接する機会があると身近に感じますね。

富田:そうですね。そういう意味ではSNS、特にTwitterに力を入れていまして、Twitterでも現状の福岡空港の取り組みをお伝えしています。お店の限定商品情報やお得なキャンペーン情報も発信しているのでぜひご覧いただきたいです。

――限定商品やお得なキャンペーン情報があると飛行機に乗らなくても空港に行く新たな動機になりますね。

富田:まさにそういったお客さまもいらっしゃいまして、2020年8月に展望デッキをオープンしたのですが、実は日本で一番近く飛行機を見ることができる展望デッキになっています。広さも十分にあり密にならず、お子さんも楽しめるということでご家族に人気のスポットになっています。Twitterで福岡空港限定商品の情報をキャッチして、そういったものをテイクアウトして展望デッキで楽しむ方もいますので、飛行機に乗ることがなくても楽しんでいただけると思います。

展望デッキ

▲展望デッキ

――福岡空港は都市部にも近いので、ちょっとしたドライブスポットとしてもいいかもしれませんね。

富田:そうですね。いまは苦しい状況が続きますが、一緒に乗り越え、また福岡空港をご利用いただく際に安全安心に、そして快適にご利用いただけるよう、いまできることを福岡空港全体で精いっぱいやって、お客さまをお迎えしたいと思います。

空港を利用すること自体が少なくなってしまった2020年。福岡において"空港が近い"ということは仕事でも暮らしの面でもメリットでした。物理的距離が近いという点は変わらず、新たなお楽しみスポットとして福岡空港という選択肢はありなのかもしれません。そして何より、福岡空港を安全安心に利用してもらおうと懸命に働く人々がいます。2021年2月に公開される動画やポスターには、そういった方々のありのままの姿が映っているかと思います。公開後にはぜひご覧いただき、物理的距離以上に福岡空港が"身近な場"になりますように。

▷福岡空港の動画(2021年2月ついに公開!)

たくさんの「ありがとう」を、ありがとう編

▷福岡空港の動画(新バージョン公開!)

さあ、がんばろう。編

特設サイト

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