インタビュー

糸島から車業界を底上げしていく。田中商店の中古車ビジネスに新風を吹き込む戦略と情熱。【PR】

By 渡邉雅子

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2022.08.31
田中商店

専門分野の異なる中古車店同士をつなぐことで、取引の円滑化、業界の活性化に貢献している株式会社田中商店。代表の田中昌士さんは2015年に個人で開業、幅広い車種の専門知識をもとに独自のビジネスモデルを軌道に乗せ、2018年に法人化。現在は福岡県糸島市内に4拠点を展開しながら成長を続け、全国展開を視野に入れ動き始めています。中古車業界において独自路線を突き進むその背景には、田中さんの車業界にかける想いがありました。

中古車店と中古車店の間をつなぐ、独自のポジション

──中古車ビジネスというと、中古車をオークション会場等から仕入れて、一般のお客さまに販売するイメージがあります。貴社の事業はどのようなものでしょうか?

田中:私たちは「他の中古車店から車を買って、別の中古車店に売る」BtoBのスタイルを主軸にしています。一般のお客さま向けの販売も行っていますが、一般小売は2年前くらいから始めたものですね。

田中商店

──中古車店さん同士の間に入り、具体的にはどのような役割を担われているのでしょう。

田中:例えば軽自動車を専門で扱う中古車店さんは、軽自動車には詳しくても、それ以外の車については細かいところまで知らないのが一般的です。でも、その社長のご友人には高級車に乗る友達の方々が大勢いらして、頻繁に乗り換える方もいらっしゃる。買い替えの際には、「車屋をやっているなら僕のベンツを買い取ってくれない?」などと相談が舞い込むことはめずらしくありません。

ただ、高級車の査定には高級車の専門知識が必要です。高級車はオプションひとつ付けるのにも大きな金額がかかるので、そのオプションがあるかないかで価値が大きく違う。高級車の知識がない軽自動車専門の中古車店さんでは、本来より高く買い取ってしまうこともあります。そこで私たちが間に入って査定をするため、依頼側には何もリスクがないので、とても喜んでいただいていますよ。

これは軽自動車と高級車に限った話ではありません。トラック、輸入車、また輸入車の中でも、どの国のものか、さらにSUV系なのか、スポーツカーなのか……とジャンルは細かく分かれます。皆さん、ご自身の分野にはとても詳しいけれど、それ以外のところはよくわからない状況があるのです。そこで私たちが間に立って、それぞれの中古車店さんの得意なところと不得意なところを橋渡しさせていただいています。

生まれ育った糸島を、車や製造業でも盛り上げていきたい

──創業のきっかけは何だったのでしょうか?

田中:以前勤めていたのは、いわゆる普通の中古車店でした。よくある数人規模でやっている中古車店は、だいたい1店舗しかなく、軽自動車なら軽自動車、トラックならトラックと、種類もほぼ同じような車を扱っているのが普通です。当時から「このままだとできることが限られる、自分はその垣根を越えたい」と感じていました。私は車の知識があったので、自動車流通業として、専門分野の異なる中古車店間の橋渡しができればと思い、独立しました。

──豊富な知識をお持ちなのには、どういったバックグラウンドが。

田中:単純に昔から、車が大好きで。車業界に入る前にも、個人的に車を15台くらい乗り換えているんですよ。小学生の頃から、先生が乗っている車を見て、「これ○○やろ?!」と車種を当てたりとか。好きなことって、どんどん情報を取り込めるんですよね。

──今は主に高級車やスポーツカーなどをメインに扱われているそうですが、その理由は何でしょう?

田中:それも、昔から車好きだったことがひとつの理由ですね。あとは、世間で「車離れ」と言われますが、高級車やスポーツカーにはその感覚がないことです。そもそも「車好き」の方しか買わない車なので。

今まで、糸島市内で3度会社を移転しましたが、どこでやっていても、うちの前を通り過ぎる小学生が興奮するんですよ。「あー、GT-Rやん!」なんて。自分もそんな子どもでしたし、やっぱり今でも車好きな子はいるんだなと思うと、そういった車好きの方のためにも頑張っていこうと改めて思いますね。

田中商店

──糸島に拠点を構えている背景とは。

田中:糸島出身なので、知り合いが多くて動きやすいのはあります。それに、糸島は最近、飲食・観光などが盛り上がっていますが、実は車業界や製造業でも、いい会社はいっぱいあると感じていて。観光以外の産業も熱いというか、また違った角度で地元を盛り上げていければとも思っています。

車業界の、新しいスタンダードをつくっていく

──貴社のようなビジネスモデルは他社でも展開されているのでしょうか?

田中:私たちが手掛けている内容を分割して"一部"を行っている会社はあると思います。ただ、まったく同じことを行う会社は聞いたことがないですね。私たちは、いわゆるディーラーさんの外回り営業のような役割から、買取・販売、そしてお客さま同士をつなげるプラットフォームづくりまで一貫してやっています。同じようなことを始めようとする他社さんもいらっしゃいますが、だいたい半年くらいで諦められることが多いですね。

──なぜでしょう。

田中:おそらく、知識と労力が想像より何十倍もかかるからでしょうか。当社の営業スタッフは、毎日、九州の各エリア(福岡、佐賀、大分、熊本、長崎、北九州)に常駐しているんです。朝、現地でアポがあれば直行直帰もするし、なければ糸島で事務処理や打ち合わせをしてから現地へ移動して。またそのスタッフたちは、高い知識レベルを身につけてもらうために最低でも研修に1年ほどの時間をかけています。その間、そのスタッフにかかる経費はすべて持ち出しです。

──なるほど。時間をかけて作り上げてこられての今があるのだと思いますが、創業期は大変だったのでは。どのように乗り越えてこられたのでしょう。

田中:一番最初は自分ひとりで始めて。次にひとり、スタッフに入ってもらったのですが、その子を育てている間は、私が売り上げた利益は全部その子の給料に消えていました。当時は本当に、ギリギリ生活できるくらいの感じでしたね。その子が売上を出せるようになったら、また2人ほど社員を増やして自分たちの収益をすべて注ぎ込んで……という状況を3年ほどループさせ、やっとある程度形になった実感がありました。「人」を育てることは一番大変ですが、一番大事なことだと考えています。

──その人材の質が、他社とは一線を画する強みとも言えそうです。

田中:そうですね。創業期に苦労して作り上げてきた分、今の私たちの車の知識や情報量は、簡単には真似できないものだと自負しています。車業界はもちろん、輸出入にも携わっているので、貿易に関する情報なども含め、最新情報は常にチェックしています。同業の皆さん、なかなかそういった情報はお持ちでないので、共有することで喜んでいただいていますよ。

田中商店

──他にも、貴社ならではの特徴や強みはありますか?

いわゆる車業界では「安い・キツイ・長時間」などの労働環境や、「身内に車を売らされる」ようなイメージがあるかもしれませんが、当社はこうした慣習を変えるべく、会社として積極的に体制を整えているのも特徴です。給料も同世代の平均額より渡せるように意識していますし、休日や福利厚生も含め、会社として当たり前のことはすべてやっています。若い人も働きたいと思えるように、車業界全体の底上げをしていきたいですね。

田中商店

エリアを拡大しつつ、職人部門も含めて車業界を変革していく

──今後の事業展開の構想をお聞かせください。

田中:九州で確立してきた今の事業モデルを、中国地方や関西、関東など他のエリアにも広げていきたいです。私たちは特殊な車を扱っている分、個人のお客さまに関しても、県外の方がとても多くて。自分たちの直営拠点が全国にあれば、お客さまのケアもしやすく、かつ、日本全体で車の売買がもっと円滑になっていくと思います。
やっぱり、車好きとしては車屋さんに「調子がいい」って思っていてほしいじゃないですか。なかなかうまくいかなかったお店に、私たちが間に入ることで「うまく回るようになった」と喜んでいただけることは、本当に多くて。そこに介在価値を実感していただけるなら、お役に立てるエリアを他のエリアにも広げていきたい。
また、板金や整備などの職人業界では車の販売店以上に、労働環境が厳しいという話をよく聞きます。でもそれでは若い世代がやろうと思えないし、結果として車業界自体が廃れていってしまう。だから格好もお洒落で給料もよく、時間も適正なよい環境をつくろうと、今年から、職人部門の体制づくりにも動き始めています。販売店はもちろん、職人も含めて車業界全体の底上げに貢献していきたいです。

取材に訪れた糸島の拠点では、山々をバックに高級車がずらりと美しく並べられ、思わず「かっこいい……」と見とれてしまいました。通りすがりの小学生が歓声をあげていくというお話も納得です。代表の田中さんは、穏やかな口調でありながら、車業界への熱い思いをお持ちの方でした。糸島から日本全国の中古車業界に新たな風を吹き込んでいく。確かな実績を積み重ねながらそのビジョンを描く田中商店の今後に、期待が高まります。

■会社概要
会社名:株式会社田中商店
URL:https://tanakashouten.jp/
所在地:福岡県糸島市末永438
代表取締役社長:田中昌士

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