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クラウドファンディングにはどんな税金がかかる?資金調達時に知っておきたい税の仕組み

By 山下 耕太郎

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公開日 2020.10.20
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更新日 2025.03.04
クラウドファンディングには「投資型」と「非投資型」がある

資金調達方法の一つであるクラウドファンディングにはさまざまな種類があり、それぞれの仕組みによって、起案者にかかる税金や会計処理の仕方が異なります。この記事では、クラウドファンディングで資金調達したときにどのような税金がかかるのかについて解説します。

クラウドファンディングには「投資型」と「非投資型」がある

クラウドファンディングの種類は、主に「投資型」「非投資型」に分けられます。

投資型クラウドファンディング

投資型クラウドファンディングは、出資者が事業主に資金を提供し、配当や利息などのリターンを得るものです。

投資型クラウドファンディングには、「貸付型クラウドファンディング(ソーシャルレンディング)」「ファンド型クラウドファンディング」「株式型クラウドファンディング」の3つがあります。

貸付型クラウドファンディング

貸付型クラウドファンディングはソーシャルレンディングとも呼ばれ、資産運用を行いたい投資家と、資金需要がある企業をマッチングさせるプラットフォームサービスです。ソーシャルレンディング事業者はWebサイトを運営し、サイト上でファンドを組成して投資家から資金を集めます。

企業はファンドによる調達資金で融資を受け、ソーシャルレンディング事業者に金利分も含めて返済します。そして投資家には、投資元本に利率を加え、ソーシャルレンディング事業者の手数料を差し引いた金額が分配されます。

株式型クラウドファンディング

株式型クラウドファンディングは、企業が行う資金調達の一つです。企業は個人投資家に未公開株を提供する代わりに資金を募ります。

株式型クラウドファンディングは「株式投資型」とも呼ばれ、投資家は出資する企業の詳細な情報をもとに投資を行い、非上場企業の未公開株を手に入れられることが特徴です。

ただし、借り手側の企業は年間1億円未満、投資家は1社につき月50万円までと投資金額に制限があります。また、クラウドファンディング事業者は、「第1種少額電子募集取扱業」の資格取得が必要です。

ファンド型クラウドファンディング

ファンド型クラウドファンディングとは、株式型クラウドファンディングと同じように企業が行う資金調達の一つで、個人投資家から特定の事業に対して出資を募る仕組みです。

投資家は、出資額や売上の成果に応じた金銭的なリターンを受け取ります。また、金銭的なリターンと合わせ、その事業で作られたサービスやモノなどを受け取れることもあります。

非投資型クラウドファンディング

非投資型クラウドファンディングには、「寄付型クラウドファンディング」と「購入型クラウドファンディング」の2種類があります。

寄付型クラウドファンディング

寄付型クラウドファンディングとは、プロジェクトに対して支援者がお金を寄付する仕組みです。被災地の支援など社会貢献性の強いプロジェクトが多いのが特徴です。

通常の寄付と同じように、サービスや商品などのリターンは基本的に発生しません。ただしプロジェクトによっては、支援者へのお礼として写真や手紙をリターンにする場合があります。

購入型クラウドファンディング

購入型クラウドファンディングとは、プロジェクトに対して支援者がお金を支援し、そのリターンとしてサービスやモノを受け取れる仕組みです。

支援者は起案者が設定したグッズや商品、サービスなどを購入するような感覚で支援できます。ただし、金銭的な見返りがリターンになることはありません。

クラウドファンディングにおける税金の扱い

クラウドファンディングのリターンによって会計処理や税金の計算は異なる

投資型クラウドファンディングではお金のリターンもありますが、非投資型クラウドファンディングではお金でのリターンは保証されておらず、サービスや商品などによるリターンが一般的です。

そのため、クラウドファンディングの種類によって会計処理の方法やかかる税金に違いがあり、どのケースでどんな税金がかかるかを知っておく必要があります。

次項からそれぞれのタイプごとの税金の仕組みについて解説します。

「投資型」で支援金を調達した場合の会計処理と税金の仕組み

「投資型」で支援金を調達した場合の会計処理と税金の仕組み

投資型クラウドファンディングの場合、金融商品取引法が適用されます。会計処理の方法は投資型の種類によって異なります。

「貸付型クラウドファンディング」の税金・会計処理方法

貸付型クラウドファンディングの場合は、「貸付金および借入金」として会計処理をします。

資金提供が行われたときには税金がかかりませんが、資金調達で得た資金を元手に実現した事業で利益を得た場合、個人事業主は所得税、法人は法人税の課税対象になります。

「株式型ファンド型クラウドファンディング」の税金・会計処理方法

投資型クラウドファンディングの株式型とファンド型では、新株発行に関わる会計処理を適用し、貸借対照表の貸方科目で扱います。そして個人の場合は雑所得、法人の場合は損益計算書に収益として計上します。

株式型やファンド型も資金提供が行われたときには税金がかかりませんが、投資によって得た利益に対しては税金がかかります。

非投資型」における会計処理と税金の仕組み

「非投資型」における会計処理と税金の仕組み

「購入型クラウドファンディング」の税金・会計処理方法

購入型クラウドファンディングでは、支援者は資金提供することでサービスや商品を受け取っているとみなされるため、商品売買と同じ会計処理になります。つまり、振り込まれた資金が売上とみなされ、それに対し消費税がかかるのです。

寄付型クラウドファンディング」の税金・会計処理方法

寄付型クラウドファンディングはリターンが発生しないので、贈与と同じ扱いになります。ただし、個人・法人のどちらが資金調達するのか、また個人・法人のどちらから資金を集めるかによって税金の種類が異なります。下記にてパターン別の扱い方を確認しておきましょう。

個人から個人の場合

個人同士の場合は贈与の扱いとなり、寄付を受けた個人に贈与税がかかります。ただし、贈与税は110万円の基礎控除を超えた場合に発生します。

法人から個人の場合

法人から個人の場合は、一時所得となります。一時所得の金額は、総収入額から収入を得るための費用と最高50万円以上の特別控除額を差し引いて計算します。

法人から法人、個人から法人の場合

法人が寄付を受けた場合、「受贈益」が発生するので法人税が課せられます。ただし、事業費にかかる必要経費と手数料は損金算入が可能です。

クラウドファンディングに失敗するとどうなる?未達成時の対処法&成功のための心得

クラウドファンディングによる資金調達で確定申告が必要なケース

クラウドファンディングによる資金調達で確定申告が必要なケース

投資型クラウドファンディングの資金調達者が会社員などの給与所得者だった場合で、以下のような条件を満たしているときは、確定申告の必要があるため注意しましょう。

また、確定申告の必要がない場合でも、住民税の申告は行わなければいけません。

●給与所得が2,000万円以上

●クラウドファンディングによる事業利益が年間20万円を超える

●還付申告を行いたい

まとめ

クラウドファンディングの種類によって、資金調達者の会計処理や税金に違いが生じます。特に、金銭的なリターンがある「投資型」と、金銭的なリターンがない「非投資型」では処理が大きく異なります。また、個人事業主が資金調達をした場合は確定申告が必要なケースもあるため、注意するようにしましょう。

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  • クラウドファンディング

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