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徹底比較!国民年金基金とiDeCo、どっちに加入するべき?併用も?

By 山本 昌義

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2020.05.11
国民年金基金とイデコの違いは?西日本シティ銀行のブログでプロが解説!

将来の資産形成方法として、最近は iDeCo(イデコ/個人型確定拠出年金)が人気ですが、自営業者やフリーランスの方は国民年金基金にも加入できます。しかし、「どちらに加入するべきか悩んでしまう」という方も多くいらっしゃいます。国民年金基金とiDeCoの両者を比較して、自分に合った制度に加入したいですよね。そこで本記事では、国民年金基金とiDeCoを比較し、両者の特徴と最適な選び方をお伝えします。

国民年金基金(確定給付年金)とiDeCo(確定拠出年金)の違いは?

まずは、それぞれの制度の基本的な違いについてお伝えします。

国民年金基金とは?

国民年金基金は「確定給付年金」です。つまり、将来受給可能な年金額が確定します。

「申し込んだ時の予定利率」で掛金が運用されるためです。

このあと説明するiDeCoや、株式・投資信託等とは異なり、将来得られる金額が明確になる点が特徴であり大きなメリットです。

また、自分で運用する必要がないことも安心材料です。

iDeCoとは?

一方のiDeCoは「確定拠出年金」です。

つまり、毎月の拠出額(掛金)が確定している制度です。

将来的な給付額は「加入後の運用実績次第」となるため、将来得られる金額が運用実績によって変わります。

また、どの商品を運用するかを自分で決める必要があります。

※iDeCoでも定期預金のように安定感ある運用方法も選べますが、運用手数料が毎月かかるため、安定しているように見えても実質的には掛金が目減りします。

国民年金基金は節税効果が高く、将来の受給額も明確で、自分で運用する必要もない!

国民年金基金もiDeCoも、どちらも掛金の全額が所得控除対象になります。また、将来的に受け取る年金も公的年金等控除の対象になります。確かに、iDeCoの場合は運用益も非課税なのですが、国民年金基金は将来もらえる金額が明確な上、自分では運用する手間がありません。しかも、全額所得控除対象となることを考えると、国民年金基金の方が気軽に始められそうです。

大切な将来の「年金資産」を確実に準備したいという方は、あらかじめ給付額が確定している国民年金基金を、自分で積極的に運用したい方はiDeCoを選ぶと納得感が高いのではないでしょうか。

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「終身年金」「確定年金」も大事な比較ポイント

次に、もう一つの大事な比較ポイントについてお伝えします。

国民年金基金は終身年金

国民年金基金は「終身年金」です。

つまり、基本的には年金給付一生涯続きます。部分的に途中で給付が終わり、その分多めに年金がもらえるタイプのものもありますが、シンプルに「国民年金基金は給付が終身続く」と考えるのがよいでしょう。

iDeCoは確定年金

一方のiDeCoは「確定年金」です。

つまり、年金を受け取れる期間が確定しています。その間にもらえる年金額も運用結果次第です。つまり、受給額が運用次第ですので、国民年金基金の年金総額を上回るかどうかは未知数です。

寿命や家族の有無によってもメリットが変わる

現代は人生100年時代です。平均寿命が長くなっていることを考えると、一生涯給付が続く「終身年金」、つまり国民年金基金のメリットがますます大きくなっていくことでしょう。もちろん「確定年金」、つまりiDeCoにもメリットがあります。もし途中で自分が早く亡くなってしまった場合、残額が遺族に支払われます。ご自身のみならず、周りにも目を向けたうえで慎重に判断しましょう。

利率が確定しているのが国民年金基金、運用次第なのがiDeCo

国民年金基金の現在の予定利率は1.5%です。iDeCoでの運用結果が、これを上回るか下回るかは未知数なので、単純な利率や利回りでの比較はできません。しかし、もらえる年金が確定している国民年金基金の方が安心です。

なお、国民年金基金の終身年金にも、確定年金に相当する「保証期間」が付くタイプもありますが、掛け金が高くなるなど条件が複雑化するため、まずは通常タイプを検討するのが分かりやすいでしょう。


国民年金基金

iDeCo

確定部分

給付(年金額)

拠出(掛金額)

運用する人

基金

自分

年金タイプ

終身年金

確定年金

予定利率

1.5%

運用次第

選び方は「損得勘定」よりも「自分のライフプラン」を重視

ここからは、国民年金基金とiDeCoの選び方についてお伝えします。

結論から言えば、「国民年金基金」です。経済状況の先行きが見えない中、将来確実な額を受給可能な国民年金基金の特徴は魅力的に映るのではないでしょうか。

もちろん、損得勘定だけでは決められない方もいらっしゃるでしょう。その場合は、ご自身のライフプランに合うかを考えてみてはいかがでしょうか。あなたはどのような人生を歩みたいですか?そのために必要なお金は、いくらでしょうか?

予定利率1.5%の国民年金基金で足りるのか、それを上回る利益に期待を込めてiDeCoを選ぶか…。ぜひ、この機会に自分のライフプランを考え、2つの制度を比較検討しましょう。

自営業なら定年も自由だが、いつまで働けるでしょうか

2つの制度で悩む代表格は自営業者です。

自営業者は定年も自由なので無意識的に「死ぬまで働く」前提で考えがちです。しかし、現実に目を向けると、いつまで働くことができるかは分かりません。

加えて、商売さえ続けていれば生活も安泰というわけでもありません。自営業者は目の前の仕事で頭がいっぱいになりがちですが、この記事きっかけに少し立ち止まって、ご自身のライフプランを考えてみましょう。

自営業者は、国民年金基金とiDeCoを併用できる

実は、もう一つの選び方があります。

国民年金基金とiDeCo、2つとも加入する合わせ技です。これは、自営業者だからこそ可能な方法なのです。どちらか一方をどうしても選べない場合、両方ともに加入する方法も選択肢として考えてみてはいかがでしょうか。

どちらとも掛金を増減できるので、両方に加入し、その後の余裕資産や運用評価を見ながら掛け金を調整することができるのです。特に投資未経験者の場合は、その後の投資への関心が変わることもあるので、少額から両方試してみる方法は好適かもしれません。

なお、掛金の上限は2つ合わせて月額6万8,000円である点にご注意ください。当初はいくら配分するか、どのように配分するか、資金繰りと合わせて考えてみましょう。

国民年金基金とiDeCo、加入しないのが一番のデメリット

中には、損得を考えすぎるあまり、結局どちらにも加入しない選択をする方もいますが、それが一番損な考えでしょう。

国民年金基金と付加年金は併用できませんが、少なくとも「掛金は全額所得控除」であり、国民年金基金なら確実に将来の受給額が増えます。iDeCoも、運用次第ではありますが掛金が増える可能性があります。ここはぜひ、加入するメリットを重視してみてはいかがでしょうか。

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現代は結婚・離婚さえ未知数!国民年金の6.5万円で十分?

最後に、少し補足情報をお伝えします。そもそも、自営業者の将来的な「国民年金」は満額でも一人6.5万円程度です。

ビジネスの未来は未知数ですが、ご自身のライフスタイルも未知数です。現在の国民年金の6.5万円さえ、今後は下がる可能性もあります。少しでも安定感ある「地盤」を作るべきではないでしょうか。ぜひ「複数の収入源の確保」をメリットととらえてみてはいかがでしょうか。

使える制度は何でも調べて試す姿勢が大切!

現代は会社員でも終身雇用が崩壊して将来が未知数ですが、未知数具合は自営業者の方が上といえます。一方で、現代は「老後資金として2000万円必要」とされており、自営業者だって老後対策は極めて重要です。

国民年金基金やiDeCoへの加入は「基本」とさえ言え、それだけでは足りない事も多々あります。使える制度は何でも調べて試す姿勢を持ち、少しでも多く老後のために備えていきましょう。

まずは国民年金基金に加入し、事業環境に応じてiDeCoに追加加入しませんか?

国民年金基金とiDeCoは、どちらも老後への備えとしても目先の節税としても有効です。

今回、この記事を読んでいただいている皆さんは、こういった商品を初めて検討される方が大半だと思います。運用する商品によって将来の受給額が大きく変動するiDeCoよりも、加入時に受給額が確定する国民年金基金の方が安心感を持てるのではないでしょうか。

まずは国民年金基金に加入し、事業環境に応じてiDeCoを追加するスタイルで、いまのうちから将来に向けた対策をしていきましょう。

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