宅地建物取引士(宅建士)は国家資格のなかでも非常に有名な資格であるため、一度は耳にしたことがある方も多いかと思います。
では宅建マイスター(上級宅建士)と言う資格はどうでしょうか。
宅建マイスターは2014年より「宅地建物取引のエキスパート」と言う位置づけにより制定され、2017年より試験制度へと移行しました。
現在でもまだ500名ほどしか登録されておらずマイナーな試験ですが、不動産流通推進センターにより正式に宅建士の上位資格と位置付けられています。
この記事では、宅建マイスターに関する試験概要や更新に関わる解説をしていきます。
宅建マイスター(上級宅建士)とは?
それではさっそく、宅建マイスターの概要について
業界内での位置づけ
宅建マイスターの受験資格は?
宅建マイスターの合格率
といった3つのポイントで解説します。
業界内での位置づけ
宅建マイスターの業界内での位置づけとして、確認してみましょう。
公益財団法人不動産流通推進センターによると
社会環境が複雑化する中、通常の宅地建物の売買において一般消費者が安心な取引を実現するためには、宅地建物取引士であることは当然として、より高度な能力を持つ資格者が求められています。そこで当センターは2014年、「宅地建物取引のエキスパート」を「宅建マイスター」として認定する制度を創設しました。
となっています。
引用:宅建マイスター認定試験
つまり宅建士が不動産売買を行うにおいて、近年のIT導入や海外からの移住者増加といった複雑な社会環境に対応するため、より難しい取引でも対応できるようにしようと言ったポジションですね。
宅建マイスターの受験資格は?
宅建マイスターを受験する資格としては
宅地建物取引士証取得後、5年以上の実務経験を有していること。
実務経験は5年未満だが、当センターが実施する「不動産流通実務検定"スコア"」で600点以上を得点していること。
が挙げられます。
引用:試験要綱
いずれにしても宅建士の資格を持っていることが前提条件となりますね。
宅建マイスターの合格率
宅建マイスターはまだ5回しか実施されていません。
それぞれの回ごとの合格率は
となっています。
宅建士と比較すると受験者数が圧倒的に少ないことから、知名度としてはまだまだ低いことが伺えますね。
また、合格率自体も宅建士が15%前後であるのに対して30%以上のため、一見簡単なようにも思われます。
しかしこの試験における受験者層は既に宅建士を持っていて5年以上経験のあるベテランであることを忘れてはいけません。
その視点で見るとベテランでも3割しか合格できない試験ととらえられます。
宅建マイスターの受験や更新にかかる料金解説
宅建士同様、宅建マイスターも受験料や更新料はそれなりにかかります。
のそれぞれについて確認してみましょう。
受験料
宅建マイスターの受験料は第6回以降、税込みで13,000円です。
第5回までは12,500円だったのですが、消費税率が上がったため受験料も上がっています。
講座・教材
宅建マイスターを取り扱っている通信講座はなく、学習は不動産流通推進センターが発行するテキストを用いることになります。
基本テキストと講習テキスト両方で10,000円を少し超える程度なので、宅建士程コストが高くなることはありません。
テキスト:https://www.bookpc.jp/Order/#/
また、講座についても公式サイトから受講できます。講座の開講時期や受講料については未定なので、公式ページをご確認いただければと思います。
講座:https://www.retpc.jp/meister/training/#kouza
更新頻度
宅建マイスターの場合5年に1度更新が必要です。
宅建士も5年に1度更新が必要なため、更新手続きの煩雑さが2倍になる点では多少デメリットがあると言えますね。
宅建マイスターの合格率や難易度は?わかりやすく偏差値で紹介
宅建マイスターの難易度についても確認しておきましょう。
Forsightによると偏差値は53となっています。
参考:不動産資格の難易度ランキング
下位試験である宅建士の偏差値が偏差値57となっており逆転しているように思われますが、母集団のレベルが高いため偏差値だけを参考にしてはいけません。
宅建士を持っている方々を基準としたなかでの偏差値53であるため難易度はそこそこ高いと言えます。
不動産関係の資格は他にもあり、有名どころだと
などが挙げられます。これらの試験との難易度の比較も確認しておきましょう。
不動産コンサルティング技能登録者と難易度比較
不動産コンサルティング技能試験に合格し登録者となると、法律・経済・金融など不動産全般に関わる広い知識を用いたコンサルティング業務を行えます。
試験の偏差値としては53であるため、宅建マイスターとほぼ同じレベルの難易度ですね。
宅建アソシエイトと難易度比較
宅建アソシエイトとは、売買仲介において顧客を案内するさいに適切な対応ができることを証明する資格です。
同じ宅建と名前がついていますが、こちらはeラーニングを受講し問題を解くだけで簡単に登録できてしまいます。
具体的な合格率や難易度は数値化されていませんが、宅建マイスターよりははるかに簡単と言えるでしょう。
宅建マイスターに関するよくある質問
ここまで、宅建マイスターに関する基本情報や詳細に関してご紹介させていただきました。
実装されてまだ日の浅い宅建マイスターなので、概要が掴み切れていない方も多いです。
最後に宅建マイスターによく寄せられる質問として
宅建マイスターは名刺に記載できる?
「宅建マイスターフェロー」とは?
宅建マイスターの勉強方法は?
といった点について解説していこうと思います。
宅建マイスターは名刺に記載できる?
宅建マイスターは取得後名刺に書けるかどうか気になる方が多いようです。
書いても問題はありませんが、宅建士やファイナンシャル・プランニング技能士のように知名度がそこまで高くない事から、名刺に載せる方は少数派のようですね。
また、登録しておくことでメンバーズカードが貰えるため、それを名刺代わりにしている方も見受けられます。
「宅建マイスター・フェロー」とは?
宅建マイスターは宅建士のリーダー的ポジションで業界の地位向上などといった大きな視点を持ち常に顧客の満足度を追求する必要があります。
その宅建マイスターのなかでとくに有用・有益な意見を論文などで陳べられた方を宅建マイスター・フェローに認定する制度が設けられました。
公式サイトで掲載されるため、一度確認してみてもよいでしょう。
宅建マイスター・フェロー認定者発表!
宅建マイスター・フェローに認定されることで、
サイトへの論文・レポート掲載
宅建マイスターメンバーズクラブ懇談会へ無料招待
宅建マイスター・フェローバッジの提供
などといったいくつかの恩恵を受けられます。
宅建マイスターの勉強方法は?
宅建マイスターの勉強方法についてもよく聞かれますが、宅建士の様に教材が充実しているわけではなく、運営元が行っている集中講座を受け受験すると言った流れになります。
もちろん集中講座を受けなくても受験はできますが、合格者における85%以上の方が集中講座を受講されているので利用しない手はありません。
「第4回宅建マイスター認定試験」合格者アンケート結果
ミニセミナーやテキストで合格されている方もいらっしゃいますが少数派ですね。
宅建マイスターの難易度や受験資格まとめ
今回は宅建マイスターの難易度や受験資格、試験の概要について解説させていただきました。
宅建マイスターはまだまだ知名度が低く、受験者も少ない資格です。
しかし、不動産流通推進センターによって公式に宅建士の上位資格と定められており将来性が期待できる資格です。
今後不動産取引の方法が多様化することは必至です。需要が出始めてから慌てて取るのではなく、いまの段階からコツコツと準備しておくことで、急な需要拡大にも対応できて働ける場が広がると言えるでしょう。
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