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私たちの暮らしの身近にあり、流通には欠かせない段ボール。普段は何気なく使っている段ボールが、どこでどうやって作られているかご存じでしょうか? 日本中に数多く存在する段ボールメーカーの中でも、九州ナンバーワンのシェアを誇るのが福岡市に本社を置く児島段ボール株式会社です。
同社で新たにスタッフを募集中とのことで、熊本工場を訪ねて、同社執行役員・熊本工場長の峰弘一さんと、業務課主任の髙本祐樹さんにお話を伺いました。

九州トップのシェアを誇る段ボールメーカー
――まずは御社のことを教えてください。
峰:児島段ボールは、社名の通り段ボールの製造・販売を手がける会社です。1959年に福岡市で創業して博多駅前に本社を構え、福岡県古賀市と佐賀県吉野ヶ里、熊本県熊本市に計3つの工場があります。営業エリアは九州全域と山口地方をカバーしていて、約360人の従業員がいます。

――御社の製品はどんなところで使われているのでしょうか?
峰:JAさんの農作物をはじめ、社名は出せないのですが大手食品メーカーや飲料メーカー、酒類メーカーさんなど、皆さんがよくご存じの会社と多く取引があります。売上・生産量ともに、おかげさまで九州の段ボールメーカーの中ではトップを走っています。珍しいものでは魚のトロ箱や蜂用の箱を作ったり、平成28年熊本地震のときは県と連携して避難所用の段ボールベッドを作ったりもしました。

――トップメーカーとしての強みはどこにあるのでしょうか?
峰:正直なところ、段ボールはどこが作っても大きな違いはないと思います。ただ、うちは品質にとてもこだわっていて、最新の技術と設備が揃っていますし、何よりもお客さまと信頼関係を大切にしていることが強みですね。
段ボールはかさばって運送コストがかかるため、基本的には取引先の会社や工場の近くで作った方が細やかに対応できてコストも下がります。ですから当社では、古くからある福岡と佐賀工場に加えて、8年前には熊本工場を新設しました。
――そもそも段ボールはどうやって作るのか教えてください。
峰:まずは段ボールの原紙を仕入れ、3枚の原紙を貼り合わせて長い段ボールシートを作ります。そして、そのシートに印刷や切り込みを入れて、段ボール箱に加工します。
意外かもしれませんが、紙は繊細な生き物のようで、空気中の水分の含み具合によって数ミリ伸びたり縮んだりするんですよ。ですから3枚張り合わせるときに、素材や水分量を考慮して機械の設定を微調整しないと、反ったり歪んだりしてしまいます。昔はそれこそ職人技が必要でしたが、今は機械の性能が上がり、ほどほどの経験があればできるようになりました。
――ほとんど機械で作られるのですか?
峰:そうです、機械にものをセットしたり調整したり確認したりするのは人ですが、実際に作る作業はほとんど機械でやっています。
――今回は営業と工場のスタッフを募集されると聞きました。背景を聞かせてください。
峰:段ボールは流通になくてはならない存在です。最近は段ボールのままホームセンター等に陳列するケースも増え、段ボール業界は少しずつ伸びている業界です。当社に関して言えば、コロナ禍でも売上が落ちることなく推移しているため、需要拡大に合わせた形でスタッフを募集することにしました。
段ボールの奥深さとお客さまとの関係
――髙本さんは営業と工場の両方を経験されているそうですね。段ボールに興味があって入社されたのですか?
髙本:私は福岡出身で福岡の大学を卒業後、段ボールの製造は他には無い唯一無二のインパクトがあるなと思い、営業を希望して入社しました。最初は営業担当で、それから熊本工場に異動して、今年で入社から11年になります。

――では、ゼロからスタートされたのですね。
髙本:入社して、工場で段ボールの種類や作り方について研修を受けました。段ボールといえば、いわゆるミカン箱みたいなタイプしか思いつかなかったのですが、上がないタイプやフタつきなど、かなり種類が多いことに驚きました。段ボールは共通品がなくて、入れるものによって大きさも形も違い、完全にオーダーメイドなのです。この工場だけでも1万種類ぐらい作っています。

――熊本工場だけで1万種類ですか。それだけお客さまの多様なニーズがあるんですね。営業の担当者がお客さまと打ち合わせをして作るのですか?
髙本:はい、お客さまから商品を入れるものや使い方をヒアリングし、工場で見本を作ってもらい、実際に商品を入れて微調整します。箱の規格やデザインを考えて、お客さまに見本をお見せしたときに「こういうのがほしかった」と喜ばれるとうれしいです。純粋にお客さまと話すことも楽しいですし、営業としては成績が上がっていくことももちろんですが、お客さま唯一の段ボール製品を納品できたときは嬉しいですね。
――営業の方の役割が大きいのですね。工場ではどんな働き方をされるのですか?
峰:工場については幅広い業務があります。原紙の発注から製造計画、製版、機械ごとのさまざまな業務、出荷まで分かれています。いくら機械で作るといっても各製造ラインの人がしっかり管理しないと良い段ボールはできないので責任感を持つ必要があります。工場内は夏が暑くて、業務によっては力仕事もありますが一部のお客さまの箱の裏には当社の「KDマーク」が入っていて、スーパーなどでマークを見つけると誇らしいものです。ぜひ機会があれば段ボールの裏側を見てみてください。

髙本:私は今、工場で1つの部門を管轄しています。営業もそうですが、工場の仕事もかなり奥が深くて、まだまだ知らないことばかり。ゆくゆくは製造部門全体を統括して見られるように成長していきたいと思っています。
峰:工場ではシートを出す責任者でも、「シートを真っすぐに作るのは永遠のテーマ」というくらいですから(笑)。探究していける仕事ですね。

――児島段ボールで長く働かれてみて、どんな会社だと感じていますか?
髙本:活気があると思います。この工場には高校を卒業してすぐ入ってくる若手から勤続20年30年のベテランまでいて、和気あいあいと働いています。特に若手は仲が良く、みんなで遊びに行ったりしているようです。
峰:うちの一番の魅力は、社長が従業員のことをよく考えてくれることではないでしょうか。もちろん九州での業界トップを維持するための厳しさはある一方で、コロナが流行る前は、毎年夏に従業員と家族を招いてバーベキューをしていました。また、熊本地震のときは被災しても工場を稼働したところ、「大変な中でよく頑張ってくれた」と少なくない特別金を2回も出してくれました。

――最後に、御社に興味を持たれた方にメッセージをお願いします。
峰:段ボールは私たちの生活に欠かせないもので、当社は九州でもトップのメーカーです。業績は右肩上がりなので、安心して長く働いてもらえますよ。
髙本:段ボールの製造は特殊な業界で、はじめはみんな初心者です。必要な資格や技術はなく、ゼロから先輩に教えてもらえるので、気負うことなく検討してもらえれるとうれしいです。ぜひお待ちしています。

昨今の通販需要の高まりで、段ボールを活用した配送を必要とする企業も増えることが予測されます。その分各種要望も多岐にわたるため、営業や工場スタッフの力量が試されそうです。やりがいも大いにある児島段ボールでのお仕事ぜひご応募ください。
会社名 | 児島段ボール株式会社 |
募集期間 | 2021年11月4日まで |
募集職種 | 工場スタッフ |
採用人数 | 各若干名 |
給与 | 経験・スキルを考慮のうえ、決定します |
福利厚生 | 社保完備、家賃補助(条件付)、作業着支給、食事代補助(条件付) |
休日休暇 | 年間104日・自社カレンダーによる(日・祝は休み) |
仕事内容 | 段ボール製造にかかわる業務 機械操作有(フォークリフト免許保有者歓迎) |
応募資格 | 高卒以上 |
雇用形態 | 正社員・パート・アルバイト |
勤務地 | 【福岡工場】 福岡県古賀市日吉3-20-1 【佐賀工場】 佐賀県神崎郡吉野ヶ里町吉田2307-31 【熊本工場】 熊本県熊本市南区城南町藤山885-8 |
勤務時間 | 8:30〜17:00 |
※以下留意事項をご確認の上、ご応募ください。
【応募に際しての留意事項】
ご応募いただいた情報は、直接求人掲載企業様へ届き、求人掲載企業様からご連絡いたします。
募集終了
福岡市出身。九州大学教育学部を卒業、ロンドン・東京・福岡にて、女性誌や新聞、Web、報告書などの制作に携わる。特にインタビューが好きで、著名人をはじめ数千人を取材。2児の母。