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「起業の仕方」の基本ステップについて解説!

By 松田聡子

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2022.02.18
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現在は「資本金1円」で法人が設立できるなど、起業へのハードルが下がっています。起業のアイデアやスキルがあれば、誰でも起業すること自体は可能です。ただし、リスクも伴うため、慎重に準備を進めなくてはなりません。起業には人それぞれの方法がありますが、本記事では一般的な基本ステップについて順を追って解説します。

【ステップ1】具体的な目標を決めよう

ファーストステップは、起業する目的と目標を明確にすることです。起業は航海に例えられ、あてのない船路では目的地にたどり着けません。「会社勤めが嫌だから、独立しよう」「なんとなく儲かりそうだから、とりあえず起業してみる」のような、一時的な感情では成功は難しいでしょう。

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目標を持つことの重要性

起業を成功させるには、目的や目標をできる限り具体的にしましょう。起業することで世の中にどのように貢献していくか、どんな人のために役立つかなどをはっきりさせるのです。起業によって自分が成し遂げたい目的や目標を常に意識することは、困難の克服につながります。

【ステップ2】事業内容を考えよう

起業の目標が定まったら、立ち上げる事業の具体的な内容を検討します。以下では、事業内容を決めるにあたって考えるポイントについて解説します。

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現在持っているスキルや得意分野を活かす

まずは、今持っているスキルや人脈を活かせる事業を考えましょう。会社勤めをしていた人なら、同じ仕事での起業も選択肢の1つです。起業のリスクを抑えるには、全く経験のない分野に手を出さないほうが賢明です。最初は得意分野で始めて、顧客ニーズをくみ取りながら関連事業に展開していくとよいでしょう。

ニーズがあるビジネスかを検討する

事業を通じて提供する商品やサービスを必要とする人がいなければ、ビジネスは成り立ちません。ターゲットとする顧客像を想定し、受け入れられる可能性があるかどうかを検討します。その際は自分中心に考えるのではなく、顧客の視点を意識することが重要です。起業して自分がやろうとしていることと顧客のニーズをうまく結びつけましょう。

収益が見込めるかどうかを見極める

顧客ニーズに対応したビジネスだとしても、十分な収益が得られなければ続けていけません。起業した場合を想定し、期待できる売り上げやかかる経費を試算してみます。どのくらいの売上があればビジネスとして成り立つのかを、事前に検討しておくことは大切です。ここで収益性に問題がある場合、何を改善すべきか考えます。

【ステップ3】事業計画書を作成しよう

事業内容を決定したら事業計画を策定し、事業計画書に落とし込みます。事業計画書は、事業資金を調達する際に金融機関や投資家に提示する書類です。また、起業する人自身が事業をより深く理解することにも役立ちます。

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融資を受けるための説明資料として

事業計画書は、事業内容やビジネスの戦略・収益見込みなどを説明するための書類です。創業時に必要な資金を調達する際に必要となります。

事業計画書に記載する内容

事業計画書に記載する内容に特に決まりはありません。以下にて、主な項目を見ていきます。

事業主のプロフィール

事業主の経歴や資格を記載します。経験のある事業で起業する場合、詳しいキャリアを記すことで信頼性をアピールできます。共同経営で事業を起こす場合、全員のプロフィールを記載しましょう。

経営理念

事業主が事業を通じて成し遂げたい目標を明文化したものが、経営理念です。「自社のサービスで社会に貢献したい」などの事業主の思いを伝えましょう。

事業内容

ターゲットとする顧客や提供する商品・サービス、自社ならではの特色などの事業の概要を説明します。金融機関や投資家に興味を持ってもらえるように工夫しましょう。

製品とサービス

自社の製品やサービスについての説明を記述します。カタログなどを添付してもよいでしょう。製品・サービスの説明は、顧客のニーズや利益の視点に立った記述を心がけることが大切です。また、競合にはない自社の強みが伝わるようにしましょう。

市場・競合分析

自社の製品やサービスの市場についての情報を記載し、市場内での立ち位置を明らかにします。関連して市場規模の推移、現状、将来の予測などの分析も必要です。わかりやすい表やグラフを添付すると、内容に説得力が加わります。主な競合の情報と動向も記載してください。

顧客と事業機会

自社の製品やサービスを利用してくれる、顧客の獲得の見込みについて記載します。顧客がどのような理由で自社製品を選ぶのかを、具体的に示す必要があります。また、すでに継続的な取引のある顧客がいる場合は、その旨を明示します。売り上げの見込みがあれば、融資を受ける際に有利になるでしょう。

生産・仕入れ

商品の生産体制や仕入れ先が確保できていることは、事業が確実に行われる証明になります。起業時に商品が確実に調達でき、利益を得るのに十分な仕入れ価格であることはビジネスの成功に欠かせません。金融機関や投資家に好印象を与えられるでしょう。

マーケティング計画

製品やサービスを買ってくれる顧客を獲得するマーケティング計画も、ビジネスに必須の要素です。広告宣伝の方法や営業戦略を具体的に示します。

利益計画

事業が成り立つためには、十分な利益が必要です。予想される売り上げ、かかる経費から利益の予想を立てて数値を明示します。

資金計画

売り上げや利益の予想をもとに、事業を行うために必要な資金量を見積もっておきます。現状の自己資金と不足分の調達方法を明示します。融資を受ける場合は、返済計画も立てておきましょう。資金計画は重要な項目であり、しっかりと策定する必要があります。

【ステップ4】資金調達方法を検討しよう

ビジネスプランが完成したら、資金調達に取り掛かります。資金調達方法はさまざまあります。起業するビジネスの事業内容や規模によって、最適な方法を選択しましょう。

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自己資金

起業準備として必要な資金をできるだけ自力で貯めておけば、スムーズに事業を始められます。借入をすれば、返済や利息の負担をしなければなりません。事業に出資した自己資金は、事業資金として管理されるようになります。生活費の補填などには使えないため、注意が必要です。また、事業に必要な資金を全額自己資金から賄うケースは、あまり多くありません。不足分は借り入れなどで補うことになります。

共同出資

起業は1人で行うだけでなく、ビジネスパートナーとの共同出資でスタートできます。共同出資により、1人で調達できる金額以上の資金が使えるというわけです。共同経営にはメリットもデメリットもあり、成功のためにはそれぞれの役割分担を明確にする必要があります。

株式の発行

親戚や知人から資金を調達する場合、借入ではなく株式の引き受けをしてもらう方法もあります。出資して株主となった人には、事業利益を配当という形で還元します。株式発行による資金調達には、返済義務がありません。しかし、株主は企業の経営権を持つことになるため、過半数の株式を第三者が持つ状況は避けたほうが賢明です。

金融機関からの融資

一般的に起業したばかりの事業主や会社が、民間の金融機関から直接融資を受けるには審査が必要です。創業間もなくても受けられる可能性の高い融資を紹介します。

日本政策金融公庫

起業・創業希望者は、日本政策金融公庫の「新創業融資制度」に申し込みが可能です。起業直後で実績がなくても、無担保・無保証で3,000万円(うち運転資金1,500万円)まで借りられる場合があります。日本政策金融公庫にはこの他、新規開業資金、女性や若者・シニア起業家を支援する資金、廃業歴のある方の再挑戦支援資金などの融資が用意されています。

制度融資

起業家が利用しやすい資金調達の1つに、制度融資があります。制度融資は地方銀行や信用金庫からの融資に、自治体のあっせんによる信用保証協会の信用保証が付いていることが特徴です。借主は、利息の他に保証料を負担しなければなりません。行政による利息や保証料の一部負担が受けられる地域もあります。福岡県の県制度融資では、県が保証料の一部を負担しています。

クラウドファンディング

起業時の資金調達の手段として、クラウドファンディングも浸透してきました。クラウドファンディングは、インターネットを通じて不特定多数の人々から出資金を集める仕組みです。クラウドファンディングサービスを利用すればビジネスを多くの人に知ってもらうことができ、宣伝効果も期待できます。商品やサービスが受け入れられたり理念に賛同してもらえたりすると、目標の資金が集まる可能性が高くなります。

補助金・助成金の活用

返済する必要のない資金調達手段として、補助金・助成金が挙げられます。補助金・助成金は国や自治体による制度で、受けられる条件や金額はさまざまです。また、いつでも募集しているわけではないため、利用できる補助金・助成金について常にアンテナを立てておく必要があります。

【ステップ5】起業形態を決めよう

起業には、個人事業と会社という形態があります。個人事業主とは、法人を設立せずに個人で事業を行う人のことです。会社などの法人を設立した人は会社役員となり、会社が得た事業の収入から給与をもらうようになります。個人事業主がよいか、会社設立がよいかは次のような条件を考慮して決めましょう。

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事業資金の調達

起業形態を検討するときに資金面から考えると、個人の資金ですべて賄える場合は個人事業主での起業で問題ないと考えられます。しかし、金融機関からの融資を検討するなら、個人事業主でも融資対象になるかを確認しておきましょう。法人化していないと融資が受けられない場合、会社設立を検討することになります。

また、資金提供をしてくれる人がいるケースでは、借り入れではなく出資の形式なら返済の必要がありません。その場合、会社設立が有力な選択肢となるでしょう。

取引条件

事業の取引を始める際に、見込み客の取引先が法人に限定されている場合があります。スタート時にそのような条件の見込み客がいる場合、会社設立をしないと取引の機会を失いかねません。その顧客と継続的に取引したいなら、会社設立をしたほうがよいでしょう。

従業員の有無

事業の内容によっては、最初から従業員を雇うことも考えられます。家族以外の従業員を複数雇用する場合、会社を設立して給与を経費として計上することで、節税になる可能性があります。給与は恒常的な支出なので、個人事業主の場合と会社の場合で試算した結果を比較して考えるとよいでしょう。

売り上げの規模

起業直後に得られる売上高も判断材料になります。売り上げや利益が一定のラインを超えると、法人化したほうが税制面で有利になります。一般的にはそのタイミングで法人化を検討します。しかし、スタート時からまとまった売り上げが見込めるならば、最初から会社設立をしたほうがよいかもしれません。

事業拡大への考え方

1人で起業した場合でも、いずれは従業員を雇って事業を拡大させたい希望があるならば、会社設立を検討してみましょう。1人で同じ内容の仕事を続けていきたい人は、個人事業主でスタートすることをおすすめします。

業種や業態

個人事業主からスタートして、事業が軌道に乗ったら法人化しようと考える人は多いでしょう。しかし、事業によっては法人でないと営業できないものもあります。その場合は会社設立を選ぶしかありません。

【ステップ6】必要書類を準備して手続きしよう

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最後に事業立ち上げの手続きを、個人事業主と会社設立のそれぞれに分けて解説します。

個人事業の手続き

個人事業として起業する場合、開業日から1カ月以内に税務署へ「個人事業の開業・廃業等届出書」の提出をしなくてはなりません。青色申告をする人は、開業日から2カ月以内に「所得税青色申告承認申請書」を税務署へ提出する必要があります。通常は、個人事業の開業・廃業等届出書と所得税青色申告承認申請書を同時に提出することがほとんどです。

「事業開始等申告書」の提出も

個人事業の開業にあたっては、都道府県税事務所へ「事業開始等申告書」の提出も必要です。各都道府県により提出期限や提出先は異なるため、ウェブサイトなどで確認してください。

許認可手続き

法令により許可、認可、登録、免許、指定、認証を必要とする事業が多くあります。これから開業しようと考えている業種について、許認可が必要かどうかは予め確認しておくようにしましょう。

会社設立の基本的な手続き

会社を設立する際の手続きは以下のとおりです。

  1. 定款を作成し、認証を受ける

  2. 出資金の払込

  3. 会社設立の登記申請

  4. 税務署に「法人設立届出書」を提出

  5. 年金事務所に「健康保険・厚生年金保険新規適用届」「健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届」を提出

会社設立の手続きは個人でもできますが、専門家に依頼することも可能です。

起業するなら持っておきたい法人カード

起業したら、事業と個人の支出は分けて管理したいものです。事業の経費の支払いを法人クレジットカードでまとめると、経理処理の手間がかからなくなります。西日本シティ銀行の「for Owners」は、個人事業主も利用できる法人カードです。営業年数不問なので、起業したらすぐに申し込むことをおすすめします。

まとめ

開業するにはやるべきことがたくさんあり、驚いた人もいるかもしれません。特に起業時の資金調達や会社設立の手続きは、手間も時間もかかります。すべての手続きを1人で実行しようとすると、うまくいかずに足踏みすることあるでしょう。
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