ネット起業って実際どう?ネット起業の魅力&成功させるポイントまとめ

起業や創業、独立というと、以前であれば資金面や準備面でのハードルが高く、誰でもできるものとは言い難いものだったように思えます。ところが、現在はパソコン1台あればビジネスを興すことができる「ネット起業」の普及によって、サラリーマンや主婦、学生でも起業がしやすい時代と言えるのではないでしょうか。今回は、ネット起業での成功例の多いビジネスモデルや、成功するためのポイントについて解説します。
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ネット起業の魅力とは?
ネット起業が注目される理由の代表例として、多額の資金が必要なく自分一人で始められるということが挙げられます。
在宅で仕事ができる
2020年はコロナ禍によって「仕事はできるだけ在宅で行う」という考え方が新しいスタンダードになりつつあります。ネットビジネスは在宅で起業できるのが魅力ですが、世の中の流れも相まってますますネット起業の特徴がアドバンテージとなるのではないでしょうか。
パソコンとネット環境があれば始められる
ネット起業の大きな魅力の一つに「場所を選ばない」という点があります。
店舗も事務所も必要なく、自宅で開業することが可能です。例えば、主婦(主夫)の人が自宅でネット起業すれば、家事や育児をしながら自分のペースで仕事をすることができるでしょう。起業する場所が都会でも郊外でも、スペースの広さも関係なく、パソコンとネットにつながる環境さえあれば始められるのが大きなメリットです。

起業のコストが抑えられる
ネット起業にかかる費用として、パソコン代、インターネットの接続料、サーバー代などが挙げられます。このように、大きな初期投資が必要ないこともネット起業のメリットといえるでしょう。
会社を辞めて独立しなくても「副業」という方法がある
始めやすい「週末起業」
ネット起業は、会社を辞めて本格的に専業で取り組むこともできますが、副業として始めることも可能です。最近流行の「週末起業」というライフスタイルなどが当てはまります。サラリーマンが空いた時間を利用して給料以外の収入を得ることは、家計の安心にもつながるでしょう。
副業から本業につなげることも
試行錯誤の結果、副業が軌道に乗り安定した収入を得られるようになったら、会社を辞めて事業に専念するのも方法のひとつです。ネット起業は開始時にコストがかからないため、試行錯誤の課程で失敗してもリスクが少ないことがメリットになりえますね。
顧客を無限に広げることができる
ネットビジネスの魅力は、ネットを通じて世界中とつながれることです。特定の地域限定でなく、日本全国、全世界を対象にしたビジネスを展開することができると考えられます。「国内の顧客を対象にしたネットショップを運営していたところ、海外からの引き合いもある」などということもありえます。ローコストで広い商圏を持つことができれば、それだけビジネスチャンスが広がるといえるでしょう。
ネット起業で注意すべき点は?

成果が出るのに時間がかかる可能性がある
ここまでネットビジネスの魅力をお伝えしましたが、ネットビジネスは積み重ねによって成果が出てくるものが多いということも知っておきましょう。積み重ねにどの程度の時間がかかるかは、取り組むビジネスの種類や取り組み方によって異なると考えられます。ネット起業を始めるなら、成果が出るまでにはある程度の時間が必要だと考えておくのがおすすめです。
ネット起業にはどんなビジネスモデルがある?

では、ネット起業を考えている人向けに、現在どんなネットビジネスが考えられるかを紹介します。
ネットショップ運営
ネットショップとは
ネットショップの運営は、コストを抑えて始められるネット起業の一つです。以下は、同じ商材をネットショップと実店舗で販売したと仮定した場合の比較です。
ネットショップのメリットとして、ローコストで開業でき、世界中の人を顧客にできる点が挙げられます。その反面、集客について対策をする必要がある点はデメリットともいえるでしょう。
初心者が使いやすいネットショップ構築サービス
ネットショップを開業しようと思ったとき、ネットショップ構築サービスを利用してネットショップを運営していくのが一般的といえます。ですが、初心者は数あるサービスの中で、どれを選べばよいか悩むこともあるでしょう。初心者にとって使いやすいと考えられるのは、「レンタルショッピングカート(ASPサービス)」と「モール(ネットショップ出店ASPサービス)」です。
レンタルショッピングカートとモールの比較
レンタルショッピングカートとは、提供されたクラウド上でネットショップを運営できるサービスです。サービスによっては、無料でネットショップを開設できるものもあります。一方、モールとは、楽天市場やAmazonなど多数のネットショップを集めたネット上のショッピングモールのようなものです。
レンタルショッピングカートもモールも、ネットショップ開業から運営に必要な機能はほぼすべて提供されます。以下はそれぞれのメリット・デメリットの比較です。
アフィリエイト
アフィリエイトとは
アフィリエイトとは成果報酬型の広告のことです。ブログなどに掲載した広告経由で商品やサービスが売れた場合、広告主から報酬を受け取ることができます。
例えば、ダイエットのブログ記事を書いてサプリメントの広告を掲載し、興味を持った読者がその広告をクリックして商品を購入した場合、購入金額の数%が報酬になります。アフィリエイトは誰でも参入できる反面、安定した収入を得るにはノウハウが必要なため、情報収集が大切といえます。
アフィリエイトの始め方①アフィリエイトのサイト、ブログを開設する
アフィリエイトをする人をアフィリエイターといいます。アフィリエイトを始めるには、サイト・ブログの開設が必要です。方法はさまざまですが、初心者はアフィリエイトの利用が可能な無料ブログでスタートするのもよいでしょう。
アフィリエイトの始め方②ASPに登録する
ASPとは「アフィリエイトサービスプロバイダ」の略で、アフィリエイターと企業をつなげる役割を担う業者のことです。有名なASPにはA8やバリューコマースが挙げられます。自分のやりたいジャンルの取り扱いが多いASPに登録するのが一般的ですが、中には登録に審査があるASPもあります。
アフィリエイトの始め方③広告掲載する商品を選ぶ
商品や商材はさまざまなジャンルがあります。自分のサイトやブログのコンセプトに合った商品・商材を選ぶようにしましょう。例えば、美容のブログにはエステティックサロンなど美容関連の広告が適していると考えられます。
商品のジャンルの例として、次のようなものが挙げられます。
・健康、美容
・グルメ、食品
・ファッション
・旅行
・学び、資格
アフィリエイトの始め方④バナーなどの広告素材を掲載する
商品や商材を決定したら、ASPで用意された広告素材を自身のサイトやブログ記事に掲載しましょう。この広告素材経由で商品やサービスが購入されると成果報酬が発生します。
クラウドソーシング
クラウドソーシングとは
クラウドソーシングとは、インターネットを介して不特定多数の人に業務を委託するという新しい仕事の形態です。仕事の発注をしたい人と仕事を請けたい人のマッチングをネット上で行う仕組みとなっています。ライター、デザイナー、ITエンジニアなどのスキルを持った人の副業だけでなく、フリーランスの人が本業として請け負うケースも少なくありません。
クラウドソーシングで委託される仕事
クラウドソーシングで受発注されている仕事にはさまざまな種類があります。
・動画編集
・データ入力
・翻訳
・ブログ記事の執筆
・プログラミング
専門知識が必要なものから、特別なスキルが不要の仕事もたくさんあります。
クラウドソーシングで仕事をするには
クラウドソーシングで仕事をするには、クライアントとクラウドワーカーを結びつけるクラウドソーシングサイトに登録することから始めましょう。サイトへの登録や仕事の受注は無料ですが、クライアントからの支払額に対して手数料が発生することがあります。
主なクラウドソーシングサイトにはランサーズ、クラウドワークスがあります。仕事の種類によって掲載数が多いサイト・少ないサイトがあるので、よく調べて利用しましょう。
情報コンテンツビジネス
情報コンテンツビジネスとは
情報コンテンツビジネスとは、自分自身の知識やスキルを文章や動画、音声といった形で商品にして販売することです。販売できるサイトはUdemy、NOTE、infotopなどがあります。アイデア次第で思わぬヒット商品が生まれる可能性も考えられます。
コンテンツにはどのようなものがあるか
以下は、情報コンテンツビジネスで販売されているコンテンツの一例です。
・痩せるエクササイズ
・恋愛必勝法
・プログラミング講座
・株式投資必勝法
・ビジネス英会話講座
ノウハウを文章にまとめたり、エクササイズの動画を製作したり、さまざまなやり方が考えられるでしょう。
コンテンツビジネスのメリット・デメリット
コンテンツビジネスは「情報」が商品であるため、一度作ってしまえば何度でも複製することが可能であり、利益率が高い点がメリットといえるでしょう。反面、商品自体を自分で作らなくてはならないため、参入時のハードルがやや高いのがデメリットと考えられます。
ネットでの新規事業を成功させる方法

ここからは、ネットビジネスで成功するために押さえておくべきポイントをチェックしていきます。
ローコストでビジネスをスタートさせる
ビジネスの開業に多額の資金が必要な場合、失敗のリスクも高くなるといえます。お金をかけずに起業し、初期は低予算で運営して、なるべく早くビジネスを軌道に乗せることを目指しましょう。
幸いにして、ネットビジネスは店舗型ビジネスのような家賃や人件費がかからないという特徴があります。事業が安定してきたところで投資をしていくのは、継続的な発展のためにプラスになるといえますが、滑り出しの時点ではなるべくお金をかけないほうがよいでしょう。
利益率の高い商品やサービスを探す
ネットビジネスに限らず小規模なビジネスを展開する場合、利益率は高いことが望ましいと考えられます。薄利多売型のビジネスは労力が多く必要になるため、少人数もしくは一人でやっていくビジネスには向いていないでしょう。
例えば、ネットショップにおけるモール利用は利益率が低くなりやすい傾向にあります。そこでおすすめなのが、レンタルショッピングカートとモールを並行して利用する方法です。初期は集客力のあるモールで販売し、徐々にレンタルショッピングカートの集客を軌道に乗せていくなど、利益率を考えながら事業を進めていきましょう。
安定した収入が得られるビジネスを探す
ビジネスを安定させるには、売上げを安定させる仕組み作りができるかどうかがポイントになります。例えば、商品やサービスを売り切りの物だけにするのではなく、月謝のように継続的に収入が得られる仕組みを作るのもよいでしょう。ネットショップで定期購入コースなどを設定するのも方法の一つです。
ビジネスのための投資を惜しまない
ネットビジネスは低予算で運営できる分、継続的運営のための情報収集や勉強にかかる費用は惜しまないことが大切といえます。PCやソフトなどのインフラを整えたり、事業や顧客の最新情報などを得るために費用をかけたりすることは、事業の安定化のために必要なものと考えられます。将来のため、必要に応じて投資をしていきましょう。

まとめ
パソコン1台で始められ、仕事をする場所を選ばないのがネット起業の魅力です。小規模でも世界中とつながれるため、大きなビジネスチャンスの可能性があるといえるでしょう。ネットショップ運営業者などのサービスを活用すれば、パソコンに強くない人でも始めやすいといえます。
また、失敗してもやり直しがききやすいこともネットビジネスのメリットと考えられます。まずは自分のできそうなビジネスから試しに始めてみましょう。
- 起業
Writer
群馬FP事務所代表、CFP®、証券外務員二種、DCアドバイザー
国内生保に法人コンサルティング営業を経て2007年に独立系FPとして開業。企業型確定拠出年金の講師、個人向け相談全般に従事。現在は法人向けには確定拠出年金の導入コンサル、個人向けにはiDeCoやNISAでの資産運用や確定拠出年金を有効活用したライフプランニング、リタイアメントプランニングを行っている。
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