みなさんは毎日何時間くらい眠っていますか?日本人の平均睡眠時間は6~7時間と言われ、人生のおよそ4分の1以上を費やしている計算になります。そんな大切な睡眠の質を上げる寝装品を企画し、世に送り出してくれるのが、今回ご紹介する「株式会社 アルファ」。品質・価格・品揃え・企画力について自信を誇る製品の魅力や、SDGsに関わる取り組みについて代表取締役社長の廣田勇樹さんにたっぷりとお話を伺いました。
敷パッドや布団カバーなどの軽寝具を企画製造
ーーまずは、御社の成り立ちや事業内容について教えてください。
廣田:弊社は1986年に私の父である先代が創業した寝装品の会社です。寝装品とはその名の通り寝る際に使用する製品のことで、寝具とも呼ばれています。業界的にはマットレスや羽毛布団などの「重寝具」、布団カバーや敷パッドなどの「軽寝具」の2種類に分けられ、弊社は主に後者の軽寝具の企画製造を行う会社です。
創業当時から寝装品を取り扱う会社ではありましたが、当時は問屋としてメーカーから仕入れた商品を販売店に卸す役割を担っていたので、重寝具も軽寝具も取り扱っていました。転換期が訪れたのが2000年頃、先代が中国での製造にいち早く目をつけたんです。そこから我々がメーカーとなって商品を企画設計するようになり、軽寝具に特化して中国の提携工場で商品を製造しています。
ーー具体的に、どんな商品を製造されているのですか?
廣田:主力として製造しているのは敷パッドです。夏はひんやり、冬は暖かく感じる季節性がある商品、ずれにくい商品といったさまざまな目的のもの、そして色やサイズもバリエーション豊富に展開しているので、敷パッドだけでもおよそ500種類はあると思います。その他にも布団カバーや各種シーツ、枕など多彩な軽寝具を製造しています。色やサイズバリエーションを含めると、トータルで2000種類くらいの商品を製造しているのではないでしょうか。
ちょっといいもの・便利なアイテムをお手頃価格でお届け
ーーそんな御社の商品にはどんな強みがあると思われますか?
廣田:品質と価格、品揃え、企画力に自信があります!
品揃えにつきましては先ほどお話しした通りですが、品質と価格につきまして、弊社の魅力は品質の良い商品を手頃な価格でお届けできることだと思っています。それができるのが、スケールメリットを生かした価格訴求力。これまでに数多くの商品を製造してきた経験とノウハウからどんなものが求められているか把握できていますし、製造のポイントも押さえているので、厳しい品質基準をクリアすることができるのです。
ーー品質をキープしながら価格を抑えてくれるのはありがたいです!
廣田:単に価格を抑えるだけではなく、さらに何か付加価値を付けたり、色や柄にも徹底的にこだわったりするようにしています。ただ、その中でも我々や小売店にも利益が生じるのはなかなか簡単にできることではないと思っていますが、それができるのも弊社の強みですね。
ーー企画力に関しては、どのように商品開発を行っているのでしょうか?
廣田:商品部が主体となってマーケティングを行っており、商品の販売動向の分析や、毎月1回は市場に出てリサーチしています。
取引先から「こんな商品を作ってほしい」と依頼されることが多いことも、弊社の特徴かもしれません。最近の例で言いますと、物価がどんどん上がってきているでしょう? そんな中でも、これまでと同じ品質と価格帯でこんな商品を作ってほしいと言う難題を持って来られることもあるんですよ(笑)。
そのようなちょっと難しいご相談でも、弊社の場合は幅広い品揃えがありますので、既存の商品をブラッシュアップすることで新たな商品を低価格で作り出すことができるのです。
ーー寝装品にも時代のトレンドはあるのでしょうか?
廣田:今は「睡眠負債」という言葉があるほど、寝不足で悩む方が増えている傾向がありますね。その原因の一つに寝る際の"不快感"があり、弊社ではそれを改善するために敷パッドの裏地にメッシュを使って通気性を良くしたり、天然素材を使って肌触りを良くしたりして快適に眠れるお手伝いをさせていただいています。
他に、肌触りの良い防水シーツはお子さんや高齢者、ペットを室内で飼われている方にも喜ばれていますし、寝具インストラクターが監修した快適な眠りに徹底的にこだわった寝装品も開発しています。
直近で言いますと、"節電"をキーワードにした商品のニーズが高まっていることを実感しています。これだけ電気代が上がっていますので、少しでも消費電力が抑えられるように、この冬は電気を使わなくても暖かく感じる毛布や敷パッドなどが好評でした。
地球環境にも配慮し、みんなが幸せになれる商品づくりを目指す
ーー環境に配慮した商品も展開されているのですね。
廣田:最近はSDGsを意識した商品のニーズが高まっているので、弊社でもさまざまな関連商品を製造しています。有害な薬剤を使用していないオーガニックコットンや、ペットボトルから繊維を再生したリサイクル綿など、地球環境に配慮した原材料を使った商品づくりを行っています。
そんな中でも特に好評を得ているのは、パッケージが簡素化された商品。ひと昔前は商品を箱に入れたりビニールで覆っていたりしていたと思いますが、最近はゴミが出にくいパッケージや、ポストに入るようなコンパクトな包装が喜ばれますので、弊社としてもそのようなパッケージの開発にも積極的に取り組んでいます。
ーー御社に入った際に社内の電気の一部が消えていることに気が付いたのですが、会社的にもSDGsは意識しているのでしょうか?
廣田:不要な電気を消すなど社内の節電を意識したり、移動の際にはなるべく公共機関を利用したりしてSDGsの目標達成に向けた取り組みを推進しています。
>>株式会社アルファ 「SDGsの取り組み」
健全で働きやすい職場環境をつくるためにも、産休や育休制度の取得を積極的に勧めていることも特徴ですね。実は私自身も毎日子どもを保育園に送り迎えしていますし、行事やイベントに積極的に参加するようにしているんですよ。誰もが働きやすい職場で業務を行える環境づくりを進めています。
ーー働きやすい環境ですし、何より快適な眠りをもたらす商品の企画製造ということで、社員のみなさんはやりがいを感じられそうですね。
廣田:敷パッドひとつとっても、寝装品は生活を豊かにする商品だと思っています。単純に新しい敷パッドやシーツで眠ったら気持ち良いですよね?それが自分の好きな色や柄であったり、暖かかったりひんやりしたり、洗濯が楽になったり…。何か付加価値があることで喜んでいただけますし、その声は我々にも伝わっていますので、とてもやりがいを感じられます。
我々の理想は、弊社の商品を使うことでみなさんの生活が豊かになることです。その中で弊社の社員も充実した日々を過ごせ、商品を製造する中国の工場も業績が伸び、商品を販売する小売店のイメージが上がる。目先の利益ではなく、そんな幸せの連鎖が起こることを目標に、日々の業務に取り組んでいます。
インタビュー中、商品を手にしながら「これにはこんな特徴があるんですよ!」と、キラキラとした目でお話ししてくださった廣田社長。その姿からも自社製品への愛着と、「快適な眠りをもたらしたい」という熱い気持ちが伝わってくるようでした。数々の商品を展開し、各地の小売店やオンラインショップで販売されているとのことなので、みなさんが普段使っている寝装品も「アルファ」のものかもしれません!
福岡県福岡市出身・福岡市在住。地元の大学を卒業後、ペット雑誌「犬吉猫吉」や旅行情報誌「九州じゃらん」の編集に携わり、フリーライターとして独立。ペット雑誌の経験を活かし、ペット関連の取材や執筆をする"(自称)ペットライター"としても活動中。趣味はネコグッズ集め、ライブ鑑賞、プロ野球観戦。