モバイルデバイスの普及やSNS利用の拡大に伴い、Web広告を導入する企業が年々増加しています。
手間や費用を抑えられる・ターゲットを絞って配信できる・効果を日々測定して改善を図れることがWeb広告の主なメリットです。
本記事では、Web広告の種類や運用のやり方、必要なスキルなどWeb広告を運用するために必要なことを初心者の方向けに徹底解説します。これからWeb広告の運用を始める方は参考にしてみてください。
Web広告運用とは
Web広告の運用とはコンバージョン率のアップを目的として、Web広告の管理や改善をすることです。
Web広告は、Webサイトなどのインターネット上で配信される全ての広告を指します。
また、コンバージョン率は広告をクリックした人のうちどの程度の人が成約に至ったかを示す割合です。
Web広告には少ない費用から配信をスタートできる・簡単に効果の測定ができるなどのメリットがあります。
さらに、ターゲットを絞って、認知度向上・販売数の増加・リピートの増加などの目的に合わせた配信ができることも魅力です。
主なWeb広告の種類
Web広告には、広告の表示場所や形式が異なる3つの種類があります。
それぞれ詳しく解説します。
ディスプレイ広告
ディスプレイ広告は、Webサイトの広告枠内に表示されます。テキストだけでなく、画像や動画で視覚的にユーザーに訴求できるのが特徴です。
掲載先のコンテンツに連動した広告が表示される仕組みのため、潜在的なユーザーにもアプローチできます。
また、ディスプレイ広告の効果は広告のクリエイティブに大きく影響されます。
デザインやボタンの設置場所などを工夫して、ユーザーの興味を引くようなデザインにするとよいでしょう。
表示場所 | Webサイト内の広告枠 |
形式 | 画像・動画・テキスト |
広告の効果 | 認知拡大・ブランディングなど |
リスティング広告
リスティング広告は、キーワード検索したときに検索結果画面の上部や下部に表示されます。
検索連動型広告とも呼ばれ、ユーザーが検索したキーワードに関連する広告が表示される仕組みです。
そのため、購買意欲などが高い顕在的なユーザーにアプローチできます。
なお、リスティング広告の運用においては、検索キーワードの設定が重要です。継続的にキーワードを分析して、テキストや配信設定に手を加えましょう。
表示場所 | キーワード検索の結果画面上部・下部 |
形式 | テキスト |
広告の効果 | コンバージョンの向上・集客など |
SNS広告
SNS広告は、Twitter・InstagramなどのSNS上に表示される広告です。ターゲティングの精度が高く、潜在的なユーザーに対してアプローチできます。
また、リツイート機能などで広告が拡散されることによって、より大きな効果を得ることができます。
SNSユーザーの興味を引くためには質が高く、インパクトのある広告クリエイティブを作成することが重要です。
表示場所 | SNS(Twitter・Instagram・Facebook・LINEなど) |
形式 | 画像・動画・テキスト |
広告の効果 | 潜在層への認知拡大・ブランディング |
Web広告運用のやり方はOODAサイクル
Web広告運用では、現状を把握したらスピーディーに行動することが重要です。
以下の4つのサイクルを日々実践し、繰り返すことで効果が得られるでしょう。
観察(Observe)
状況判断・方針決定(Orient)
意思決定(Decide)
行動・改善(Action)
それぞれのポイントを解説します。
観察(Observe)
状況をしっかりと観察して、理解を深めるステップです。市場や自社の競合に関する情報を収集し、注意深く見極めます。
また自社の現状を客観的に見ることも重要です。なお、情報を収集するときは最新の情報かどうかを必ず確認しましょう。
そして観察のステップで意識すべきキーワードは、柔軟な思考と臨機応変な対応の2つです。
自分が立てた計画や先入観にとらわれずに、ありのままの情報を理解することを意識しましょう。
状況判断・方針決定(Orient)
状況判断と方針決定はOODAサイクルの中で、最も重要なステップです。観察のステップで収集した情報を分析して素早く現状を判断します。
分析した結果を元に仮説を立てて、今後取るべき施策の方向性を固めましょう。
慣れないうちは大量の情報を整理して方針を決定するのに苦労するかもしれません。
しかし、OODAサイクルを回して広告を運用するうちに少しずつスキルが向上し、スピーディーにこなせるようになるでしょう。
意思決定(Decide)
意思決定のステップでは、状況判断・方針決定のステップで決定した方針に関して、具体的に取り組む施策を決定します。
複数の施策案がある場合、最も早く効果が表れるであろう施策に優先的に取り組むことが重要です。
広告にかかる費用・手間や、観察のステップで見極めた自社の現状なども考慮して施策を決めます。
変化の早いWeb広告業界で最大限の効果を得るために、スピード感をもって意思決定することを意識しましょう。
行動・改善(Action)
行動・改善のステップでは、意思決定のステップで決定した施策を実行に移していきます。
のんびりしているとせっかく集めた情報が古くなって状況が変化してしまうため、施策をスピーディーに実行することが重要です。
なお、意思決定のステップで決めた施策にこだわる必要はありません。行動・改善ステップでは、次サイクルの観察ステップを開始し、並行して進めていきます。
そのため状況が変わった場合や成功が難しいと判断した場合は、最初の観察のステップに戻ってOODAサイクルを繰り返しましょう。
Web広告運用に必要なスキル
Web広告運用には、以下の4つのスキルが必要です。
数字を使って分析する力
さまざまなツールを臨機応変に使い分ける力
ユーザー心理を想像する力
すぐに結果が出なくても根気よく続ける力
それぞれ詳しく解説します。
数字を使って分析する力
Web広告を運用するには、数字を使って現状を分析する能力が必要です。
目標設定・利益・コンバージョン率などの全てを数字で分析して課題を見つけ出し、対策を講じなければなりません。
例えば広告配信の効果に応じて、どの広告にどれだけの予算を投じるかなどを振り分けます。
また、どの項目の数字をどの程度向上すれば目標に到達できるのか、などを考えられる論理的な思考能力も重要です。
さまざまなツールを臨機応変に使い分ける力
状況に合わせて多様なツールを使い分ける能力もWeb広告を運用する上で必要です。
Web広告を運用するには、配信管理ツール・分析ツールなどのさまざまなツールを使用します。
例えば以下のようなツールは、分析したい項目に応じて使い分けなければなりません。
ツールの機能 | 分析できる項目 |
広告効果を測定するツール | コンバージョン、クリック率など |
ユーザーのアクセスを解析するツール | サイトのアクセス数、アクセスしたユーザーの属性など |
ユーザー心理を想像する力
Web広告の運用には、ユーザーの心理を想像する能力も欠かせません。
クリックしてもらえる広告を作成するためには、ユーザーの視点に立って考えることが非常に重要です。
また、ユーザーの目に留まるようなインパクトのある広告を作成することも求められます。
広告運用の仕事にはクリエイティブな要素もあるため、アイデアを生み出す発想力や、アイデアを形にする創造力も大切です。
すぐに結果が出なくても根気よく続ける力
Web広告の運用には、すぐに結果が出なくても根気よく継続する能力も必要です。
広告の効果が即座に表れないことも多々あるため、数字と向き合って効果を測定しながら、細やかに改善していくことが大切です。
そのため数字の分析などの地味な作業を毎日継続できる方は、Web広告運用に向いているといえるでしょう。
反対に、すぐに諦めてしまう方や地味な作業が苦手な方は、Web広告運用の仕事に向いていません。
Web広告運用に関するよくある質問
Web広告運用に関するよくある質問として、以下のような質問があります。
独学の勉強で運用できる?
自分でするより代理店に頼んだ方がいい?
それぞれの質問に回答します。
独学の勉強で運用できる?
独学の勉強でもWeb広告の運用は可能です。何度も失敗することを前提にトライアンドエラーの精神で挑みましょう。
なお、独学での勉強方法は以下のとおりです。
自分でするより代理店に頼んだ方がいい?
自分でWeb広告を運用する場合と代理店に依頼する場合には、それぞれ以下のようなメリット・デメリットがあります。
自分に合った方法でWeb広告を運用しましょう。
まとめ|初心者がWeb広告を運用するなら基本から学ぼう
初心者の方がWeb広告を運用するときは、基本からしっかりと勉強しましょう。
Web広告の種類と特性を理解し、目的に応じた広告を配信することが結果に結びつきます。
また正確な状況判断とスピーディーな行動がWeb広告運用のポイントです。そのため、Web広告の運用はOODAサイクルを繰り返して行います。
初めから目標とする成果を得ることはできないかもしれませんが、分析・改善を重ねて根気よくWeb広告を運用しましょう。