
経営に関する悩みや課題を抱える事業経営者の皆さまにとって、銀行の営業担当者は心強いサポーターの一人です。そこで、らいふくのーと編集部では、事業経営者と西日本シティ銀行の営業担当者にスポットをあててインタビュー。二人の出会いや、事業の成功までの道のりなどをざっくばらんにお話しいただきます。
初回は、ウェディングプラットフォーム『ブラプラ-BRAPLA』を手掛ける株式会社ParaLuxの代表取締役・村田さんと西日本シティ銀行ビジネスサポートセンター北九州で主任を務める木林さんです。
■プロフィール
株式会社ParaLux 代表取締役・CEO・CTO 村田 里史さん
2016年に九州工業大学大学院を卒業。三菱電機株式会社に入社し、名古屋で3年間勤務した後フリーランスとなり、学生時代を過ごした北九州でWEB系の開発を行う。その後、複数社のCTOを経て、2019年に株式会社ParaLuxを設立。北九州のコワーキングスペース『COMPASS小倉』で西日本シティ銀行ビジネスサポートセンターの担当者に出会う。
西日本シティ銀行 ビジネスサポートセンター北九州 主任 木林
2018年入行。預金や資産運用営業など経験後、中小企業・個人事業主向けの創業融資営業をメインで担当。現在はビジネスサポートセンター北九州に所属し、管轄エリア内およそ600件のお客さまを担当。創業時の事業計画の作成から事業資金のお借り入れ、創業後の課題解決のご提案に至るまで相談に応じる。
起業家人生のスタートを支えた出会い
――村田さんは、ウェディングに関する事業を起業されて5年になるそうですが、どのような経緯で西日本シティ銀行に創業のご相談をされたのですか?
村田:創業支援をしているコワーキングスペース『COMPASS小倉』で相談したことがきっかけです。じつは最初に担当された西日本シティ銀行の方は木林さんじゃなかったんです。でも前任の方には本当に良くしていただき、親身になって随分と動いてくださって感謝しかありません。

▲左:株式会社ParaLux、村田さん。右:西日本シティ銀行、木林。
木林:ありがとうございます。創業当時からずっとお付き合いが続いているのでうれしく思います。
村田:先に起業した周囲の人たちに話を聞いても、希望通りに融資をいただけたといった例はあまりないので、難しいかも…と思っていました。でも、西日本シティ銀行さんには何から何までサポートいただいて、おかげで希望通りの融資をいただくことができました。先日も事業拡大のための融資を受けましたが、その際には木林さんにお世話になりました。
木林:村田社長はお若くて年齢も近いこともあって、仲良くさせていただいています。いつも全力で応援しているので、「もっともっと私を活用していただきたい」という思いでサポートさせていただいています。
「結婚式の最適化」を目指して起業
――株式会社ParaLuxの事業について教えてください。
村田:2019年10月に創業し、現在6年目に入ったスタートアップ企業です。複数のサービスからなるウェディングプラットフォーム*『ブラプラ-BRAPLA』を立ち上げ、主にその運営を行っています。ひとりで立ち上げた会社ですが、少しずつ仲間が増え、今では社員が13名、パートが6名、インターンが約10名と大所帯になってきました。そのほとんどがエンジニアで、WEBシステムやホームページ、アプリの受託開発も行っています。
*プラットフォーム=商品やサービスを提供する側と利用する側を結ぶ場
>>『ブラプラ-BRAPLA』は下記の画像をクリック

木林:結婚式の準備って大変そうですもんね。そうした中でParaLuxさんのサービスは画期的だと感じています。
村田:ありがとうございます。「結婚式って大変」という感覚だけが次の世代に引き継がれていくと、結婚式をする人がどんどん減ってしまう。お金が必要以上にかかってしまうこともボトルネックになるかもしれません。招待状や席次表をデジタル化したり、間にいくつもの業者を入れず、結婚式をするカップルとフォトグラファーなどのサプライヤーをできるだけ近づけたり…といった『結婚式の最適化』を目指しているんです。
――なぜ起業に至ったのか、きっかけや経緯について教えてください。
村田:もともと、将来はクリエイティブなことに携わりたいという思いがあり、いつかは起業したいと考えていました。大学では電気や情報系の学びを選択していたのですが、就活の時期になったときに「今の自分に起業はまだ早い」と思い、大手家電メーカーに就職したんです。まずは就職し、同時に仲間探しをしていけたらという思いもありました。
木林:事業のアイデアはどうやって思いついたのですか?
村田:同期が1,000人ぐらいいる会社に勤めていたので、結婚式に参列する機会がとても多かったんです。でも、似たようなものが多く、「せっかくお金をかけているのに記憶に残りづらいのはもったいないな」と思ったのがきっかけでした。
自分らしさや多様性が重要視される中、自分たちらしい結婚式が一般的になると良いなと感じたんです。勤務先は名古屋だったのですが、3年で退職して学生時代を過ごした北九州に戻り、『COMPASS小倉』で準備をはじめました。
創業時は、起業家と銀行の二人三脚が重要
――どのような悩みを西日本シティ銀行に相談したのですか?
村田:『COMPASS小倉』では、起業の方法を教えてもらえるだけでなく、例えば行政書士さんや司法書士さん、税理士さんを紹介してもらうこともできます。その一環として、融資に関する相談が気軽にできるよう西日本シティ銀行の担当者の方が定期的に来てくださっているんです。そこで「起業のための融資を受けられないか」と相談したのが最初ですね。銀行を訪れるよりも気軽に相談ができたように感じています。

木林:西日本シティ銀行は、毎週水曜日に『COMPASS小倉』で融資の相談窓口を開設しています。村田社長がご相談に来られた際には、日本政策金融公庫との協調融資を想定されていらっしゃいましたよね。
村田:そうですね。先に起業した方々から「希望額を借りることができなかった」という話も聞いていたので、日本政策金融公庫さんと西日本シティ銀行さんとで連携して融資していただく協調融資はどうかと相談させていただきました。
私自身が両者と話をしていく流れをイメージしていたのですが、西日本シティ銀行の担当者さんが日本政策金融公庫さんに直接掛け合ってくださり、調整してくださったんです。私自身が掛け合っていたら、同じ金額は借りられなかったと思います。
ほかにも、事業計画書の作成についても丁寧にサポートしていただきました。初めてなので事業計画書の書き方なんてまったくわからなくて…。私の思いを聞きながら、どうまとめたら良いかをアドバイスしてくださったり、手伝ってくださったり。そこまで寄り添っていただけるなんて思ってもいなかったのでありがたかったです。
木林:私たちビジネスサポートセンターの担当者は、担当する事業経営者のみなさまにとって一番身近な存在でいたいという思いでご相談に応じています。無事に起業し、もしくは現在の事業がうまく軌道にのり、どんどん成長していただきたい。そのお手伝いをさせていただきたい一心です。
村田社長はその後も何度か追加で融資を受けられ、会社もすばらしい成長を遂げられています。その発展の力に少しでもなれているのだとしたらうれしいですね。
これからも良きパートナーとして密に連携
――今後の目標や豊富をぜひお聞かせください。
村田:まだまだ走り始めのスタートアップなので、いろいろと課題はありますが、次のラウンドに向けてがんばりたいと思っています。ここ北九州で事業をスタートし、そのサービスを全国展開していますが、これからは東京や関西にも拠点を置いて、そのエリアの現場をより迅速に感じ取れるようになりたいです。
木林:先日、友人の結婚式があったのですが、その招待状がParaLuxさんの提供するサービス『ブラプラ』で届いたんです。ご紹介したわけではなくまったくの偶然だったので、「どんどん世間に広がっているな」と身近で実感することができ、担当者としてうれしく思いました。
友人に聞いてみたところ「とっても使いやすいサービスだよ」と話しており、将来への期待感もさらに膨らみました。
村田:それはとてもうれしいですね。ありがとうございます。

▲木林さんが実際に受け取った招待状の表紙。スマホ画面を下にスクロールしていくと詳細を読むことができるようになっています。
>>Web招待状『ブラプラ』は、こちらをチェック!
木林:些細なことでもご相談いただければ、サポートさせていただきたいと思います。情報収集も得意ですよ。例えば「福岡市に事務所を構えたい」なんてご相談をいただけば、すぐに情報を集めます。それこそ西日本シティ銀行の大名支店にもコワーキングスペースがあり、起業家の皆さんをサポートさせていただいています。どんどん頼っていただけるとうれしく思います。
もちろん、私が結婚するときは逆に村田社長にご相談します(笑)。
――最後に、経営者として金融機関に求めるサービスはありますか?
村田:私たちのようなスタートアップ企業は、特性上、業歴のある企業が融資を受けるときと同じ目線で判断されてしまうとどうしても希望通りに融資を受けることが難しく、資金調達の難易度が高くなってしまうと感じます。また、融資を受ける際には信用保証協会の保証付き融資が中心となるので、保証協会側の審査というハードルも起業をより難しいものにしているかもしれません。
適用金利が少し割高になっても良いので、信用保証協会の保証がなく銀行の責任のみで融資を行う『プロパー融資』をスタートアップに提供できるようなサービスがあると良いですね。
木林:そうですね。私たちとしてももちろん全面的に支援していきたいという気持ちがあるので、より力強いサポートが実現できるようがんばっていきます。
――本日はありがとうございました!
株式会社ParaLuxについて
お知らせ
西日本シティ銀行では、中小企業・個人事業主のみなさまのご相談を承っています。融資についてはもちろん、経営に関する各種ご相談など、専門スタッフが丁寧にサポート。どうぞお気軽にご相談ください。
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大学卒業後、印刷会社に就職し『FUKUOKA STYLE』編集部に所属。独立後は企業や官公庁、大学などの広報物の編集・取材・ライティング等に携わる。現在は福岡市内でクリエイティブオフィス「shirotoiro」を運営。プランナー・編集者・ライター・ディレクターとして活動しながら、エステサロン「momotoiro」の運営も行う。食べることが大好きですが、グルメライターではありません。