
経営に関する悩みや課題を抱える事業経営者の皆さまにとって、銀行の営業担当者は心強いサポーターの一人です。そこで、リニュー編集部では、事業経営者と西日本シティ銀行の営業担当者にスポットをあててインタビュー。サポートのきっかけや、事業の成功までの道のりなどをざっくばらんにお話しいただきます。
今回は、接骨院の経営から一転、とびの仕事を行う株式会社エイトロックを立ち上げた代表取締役の平川さんと、その経営パートナーであるとび職人の荒牧さん、そして西日本シティ銀行ビジネスサポートセンター福岡で創業支援を行う河村さんにご登場いただきました。
■プロフィール
株式会社エイトロック 代表取締役 平川 和代さん
島根県出身。2016年スポーツクラブのインストラクターとして活動。その後、運動療法の限界を感じて柔道整復師の専門学校に入学。当時まだ小さかった息子さんをお母さまに預け、日中は整形外科などで修行しながら夜は学校で学ぶ日々を過ごす。その甲斐あって資格を取得し、地元・島根で接骨院を開業。その接骨院でとび職人の荒牧さんと出会い、福岡市で株式会社エイトロックを設立。接骨院の再開を視野に入れつつも、縁のなかった建設業に飛び込み、職人たちが快適に働ける環境づくりを構築するため、これまでの経験を活かし経営面を担当し奔走している。
株式会社エイトロック 荒牧 幹治さん
福岡県北九州市出身。とび職人としての仕事で島根県に長期出張に出掛けていたところ、偶然にも平川さんの接骨院に通うことになり意気投合。「いつかは起業したい」という思いと、平川さんの「また何かに挑戦したい」という思いが重なり、いっしょに株式会社エイトロックを立ち上げることに。
西日本シティ銀行 ビジネスサポートセンター福岡 河村
2016年入行。預金や貸付、営業など一通りの業務を経験後、2024年4月からビジネスサポートセンター福岡で中小企業・個人事業主向けの創業支援営業を担当。株式会社エイトロックさまを担当させていただくことで、平川さんのパワーに触れ元気をもらっているのだとか。プライベートではママとして、仕事と育児の両立を行っている。
接骨院から建設業へ。驚きの経歴と経緯
――平川社長の経歴や株式会社エイトロック設立までの経緯はとてもユニークですね。
平川:エイトロックを立ち上げる前は、島根で柔道整復師として接骨院を運営していました。「このまま地域の皆さまに利用していただきながら、この場所で残りの人生を歩んでいけるのかな」なんて思っていたので、まさか自分が建設業の会社を立ち上げて社長をするなんて夢にも思っていなかったんです。
荒牧:私は火力発電関係の仕事で福岡から島根に長期出張をしていたのですが、その前に実は交通事故に遭っていて、その怪我を診てもらうために平川の接骨院に通い始めたんです。そこでまさか人生が変わるなんて、私も思いませんでした。

河村:平川社長は荒牧さんのお話を聞いているうちに建設業にも興味を持ち始めたそうですね。
平川:はい、その通りです。職人気質な性格が似ているなと思ったこともあり、いっしょに組めたらと考えました。荒牧の「いつか自分で起業したい」という思いと、私に接骨院を運営してきた経験があったこと、さらに、息子が福岡の専門学校に通っていて、福岡という場所に縁を感じたこともきっかけになったんです。荒牧が現場を見て、私が経営をして…という役割分担でやっていけたら、と。
河村:これまで経験のない業界にチャレンジされる方はたくさんいらっしゃいますが、もちろんうまく進む方ばかりではなくて…。でも、平川社長はご自身の理念をしっかり持たれていて、お人柄も素晴らしく大きなパワーのある方。「周りの方に助けられているおかげ」とご自身は話されていますが、事業が順調なのにはやはり理由があるのだなと感じます。お会いした当初から、頑張られている姿が同じ女性として誇らしく、微力ながらも何かお手伝いできたら…と感じずにはいられませんでした。

平川:ありがとうございます。私から見ると、河村さんこそ女性でも第一線で活躍されているバリキャリのような方。その頑張りが伝わってくるので、お会いする度に元気と勇気をいただいていますよ。
きっかけは、税理士さんからの紹介のひと言
――西日本シティ銀行との出会いには、どんなきっかけがあったのですか?
平川:最初の1年目は個人事務所としてスタートしたんです。接骨院はいずれまたできたら良いなという思いで、まずは建設業で成り立たせていきたいと考え、足場の仕事に取り組みました。借入は行わず、足場を組むための材料を持たなくてもでき、大きな運転資金がなくても請け負える仕事をやっていたんです。1年経って社員も増え法人化しようとなった時、仕事の幅を広げるためにも車や運転資金が必要だということになり、税理士さんのアドバイスで融資を受けることにしました。じゃあどこの銀行にしようか、という話になるわけですが、税理士さんが「親身になってくれるから、西日本シティ銀行一択だよ」と。
河村:そんな風におっしゃっていただけるのはありがたいですね。
平川:実際に河村さんが親身になって寄り添ってくださり、融資までスピーディーに進みました。無事に車も購入でき、仕事の幅も広がりました。
河村:その後、平川社長個人のNISA口座も作らせていただき、ありがとうございます。
平川:NISA口座の件では支店の方に引き継いでくださってお世話になっていますが、やはり皆さんお人柄が良いんです。あたたかい銀行さんだなと改めて感じています。
河村:ありがとうございます。西日本シティ銀行だけでなく、福岡というまちも気に入ってくださっているご様子でうれしく思います。
平川:福岡で出会う方出会う方、皆さんが力を貸してくださるので感謝しています。来たばかりの頃は知り合いもいなかったのですが、今では楽しく暮らしています。息子もエイトロックの一員となり、最初は別の夢を追いかけながらアルバイトのような形でサポートしてくれていたのですが、今では「足場の仕事一本で、会社の未来を考えていきたい」と話してくれるようになりました。
お金と経営のプロとして何でも頼りたい
――経営をする上で不安はありませんでしたか?
平川:私は現場のことはわからないけど、荒牧は一流の職人でプロ中のプロなので安心ですし、経営面はプロの方を頼りながら、皆さんに助けていただきながら走り出せば何とかなるだろうという考えがありました。今でも少しでも疑問に思ったことやわからないことがあれば、すぐに誰かに話を聞いて助けてもらっています。やっぱり一番の心配事は「社員にお給料をちゃんと払えるか」ということだったのですが、不安があれば河村さんがいろいろな提案をしてくださるので本当に心強いです。おかげで「これなら大丈夫だ」という安心感を持って走れています。
荒牧:本当にそれが一番ありがたいですね。自分たちが思うように仕事ができることに楽しさを感じていますが、同時に「社員たちをどうやって守っていこう」という不安を抱えてしまうので。
河村:ありがとうございます。こんなに褒めていただいて良いのでしょうか(笑)。
平川:河村さんはビジネスマナーも完ぺきな方なので、お話をしているだけで勉強になることばかりです。
河村:私は平川社長とお話ししているととにかく楽しくって。だからついお電話してしまうんですよね。企業の方にとって銀行は「融資を受けるところ」というイメージがほとんどかもしれませんが、経営に関することなら何でもいろいろなご提案やサポートをさせていただくことができます。例えば、建設業界も人手不足だといわれていますが、「人材が欲しい」というご相談でもお役に立つことができるんです。ほかにも、「福利厚生を充実させたい」、「就労管理についてデジタル化を進めたい」など、どんなことでもお手伝いできると思います。
平川:銀行さんだからといってお金のことだけではないんですね!その時はぜひまたご相談します。
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社員がいるから、そこに新たな事業が生まれる
――これからの目標を教えてください。
平川:建設業に携わるようになり、足場の仕事を見るようになって、大変な仕事で高い技術が必要なわりに職人さんのお給料が少ないことを知りました。お給料面を含め、一人ひとりが働きやすい環境づくりをしていきたいですね。
荒牧:とび工事にもいろいろな種類がありますが、すべて高い場所で行われる危険な作業。私は街中だけでなく、工場やプラントなどさまざまな現場での足場に対応できますし、あらゆるとび工事を請け負うことができるので、そうした強みをエイトロックの強みとして育てていけたらと思います。
平川:一番若い子は17歳で、うちの息子もまだ23歳。荒牧は仕事だけでなく、まるでお父さんのように食事や礼儀などのマナーや人との接し方から教えています。「足場を組めれば良いわけじゃなくて、人の気持ちを考えたり、細かいところにまで気を配って働かないとダメだぞ」っていうことまで言うのがすごいなって。
河村:おふたりの役割や責任をもって会社の環境づくりも人づくりもすべて行っていらっしゃる。そうやって会社を成長させていき、いずれはまた接骨院の運営も行いたいと考えていらっしゃいますか?
平川:はい、それもいずれはと思っています。それに、ほかの可能性もあるかなと考えているんです。個性的でそれぞれに魅力や特技のある社員が集まっているので、建設業や健康産業以外にも、社員の個性や能力が生きるステージがあるならば、会社としてしっかりリサーチした上でどんどん挑戦していきます。一人ひとりが「仲間の心を感じることができる」、「人情の機敏を知る」人間であれば、その先に会社の発展があるはず。漠然とした目標かもしれませんが、リーダーとして社員全員が心も体も健康で、さらに仲間がいて、目標があって、仕事があって…という社会的にも健康でいられるよう、道標となる旗を振り続けたいです。
――本日はありがとうございました!
株式会社エイトロックについて
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大学卒業後、印刷会社に就職し『FUKUOKA STYLE』編集部に所属。独立後は企業や官公庁、大学などの広報物の編集・取材・ライティング等に携わる。現在は福岡市内でクリエイティブオフィス「shirotoiro」を運営。プランナー・編集者・ライター・ディレクターとして活動しながら、エステサロン「momotoiro」の運営も行う。食べることが大好きですが、グルメライターではありません。