
「40歳までに自分の会社を」との夢を抱き、大学の建築学科で学んだ後、数々の現場で経験を積み、株式会社オウミ建設を創業した松田裕資さん。「一つひとつの現場に丁寧に対応し、責任ある仕事をしたい」と語る松田さんに、起業に至った経緯や現在のお仕事内容、これからの展望についてお話を伺いました。
■プロフィール
株式会社オウミ建設
代表取締役 松田裕資さん
滋賀県出身。大分の大学で建築を学び、卒業後は福岡市の地場ゼネコンに就職。マンションや学校といった大型の現場を経験する。その後、住宅メーカーで木造建築を学び、40歳手前で独立。個人事業主として半年間活動した後、2020年6月23日に株式会社オウミ建設を設立。
「40歳までに独立」長年の夢を追い続けて
――建設業界に入ったきっかけはありますか?
実家が滋賀県で建設業を営んでいるので、子どもの頃から「いつかは自分も起業したい」という夢を思い描いてきました。建築現場を身近に感じながら育ったので、目指してきたのはやっぱり建築現場。大分の大学の建築学科に入学し、卒業後は福岡で就職しました。親の跡を継ぐという話もあったのですが、地元には同じように建設の仕事をしている親戚もいるので、私が戻る必要はないかなと思ったんです。その代わり、私は福岡でたくさんの現場に触れたいと考え仕事に取り組んできました。
――独立までの経緯を教えてください。
社会人になっても「いつかは自分も起業したい」という思いは一切ブレることがなく、目標を40歳に定め、経験を積みながら独立を意識して人脈づくりをしてきました。大学卒業後すぐに入社したのは、福岡市の地場のゼネコンで、マンションや学校など大きな建物の建築に現場監督として携わっていたのですが、リーマンショックで仕事がなくなったこともあり、30歳で転職しました。その際も独立したときのことを考え、「木造建築の知識も身につけたい」と住宅メーカーに。そこで10年近く経験を積み、十分なスキルが身につき、良い職人さんたちとたくさん知り合えたところで独立しました。

一つひとつの現場に、責任と情熱を持って取り組みたい
――起業の際の思いについて教えてください。
以前勤めていた会社では、現場監督として働いていたので、とにかく現場が大好き。信頼して仕事を任せてくださったお客さまのためにも、一つひとつの現場に責任を持ってきちんと自分の目で確認するとともに、情熱を持ってご対応できたらと考えています。だから、巨大な会社にしたいという構想は持っていないんです。あくまでも一つひとつの現場に丁寧に対応できる範囲でやっていきたいという思いでいます。
――起業から現在まで、どのような歩みでしたか?
住宅メーカーを退職したのち、半年間は個人事業主として活動し、それから法人化してオウミ建設を創業。子どもの頃からの夢がようやく叶った瞬間でした。創業してすぐにコロナ禍になってしまったのですが、ありがたいことに木造アパートの建設の仕事や住宅メーカーの下請けの仕事をいただき、それぞれの現場を回って忙しい日々を過ごしていたのも良い思い出です。ただ、最初の1年間はずっとひとりだったこともあり、2期目に入って1人雇うまで、何もかも自分でやる生活。それぞれの現場を駆け回り、休む暇はもちろん眠る暇もないような日々でしたが、独立前に職人さんたちとのつながりを築けていたので、たくさんの方に助けていただきながらなんとかやれたのだと思います。
その後、1年に1~2名のペースで社員も増え、5期目となった現在は9名の賑やかな会社になりました。
自社ブランド「HIYOTORI HOME(ヒヨトリホーム)が遂に始動

――戸建てやリフォームを行う自社ブランドについて教えてください。
さまざまな現場に携わらせていただいていますが、起業して一番したかったのは、高品質な戸建ての注文住宅とリフォームをお客さまにお届けすること。すべてを一からオリジナルで始めるのは難易度が高いので、株式会社LIXILと提携して断熱パネルのすぐれた耐久性が続くスーパーウォール工法を取り入れつつ、自社設計のブランド「HIYOTORI HOME(ヒヨトリホーム)」を運営しています。先日ようやく戸建ての注文住宅を受注することができ、注文住宅の業務が本格的に始動しました。「HIYOTORI HOME(ヒヨトリホーム)」の強みである断熱材耐久性、高気密、高断熱など当社ならではの技術を活かし、多くのお客さまに高品質でエコな快適住宅を丁寧にお届けしたいと思っています。
――これからの目標はありますか?
昨年は新たに営業スタッフが加わったので、これでHIYOTORI HOMEの魅力をより多くの方に伝えることができると思うとワクワクします。以前は「戸建て住宅だけでやっていきたい」と考えていたこともあったのですが、いろいろなことができる社員が増えているので、時代に合ったさまざまな建物に対応していけたらというのが今の考えです。昨年には特定建設業の許可資格も取得でき、大きな案件にも取り組めるようになりました。お客さまのご要望にひとつでも多くお応えできる会社に育てていけたらと思います。
株式会社オウミ建設について
▷Fukuoka Growth Nextでは西日本シティ銀行スタッフが毎週水曜日常駐しています。創業に関するご相談も承っていますのでお気軽にお越しください。
▷福岡市と北九州市には創業期のお客さまをサポートする専門拠点『NCB創業応援サロン』を設置していますので、こちらにもお気軽にお越しください。
[NCB創業応援サロン福岡]
福岡市中央区天神2-5-28 大名支店ビル7階
平日:9:00~17:00
TEL:0120-713-817
[NCB創業応援サロン北九州]
北九州市小倉北区鍛冶町1-5-1 西日本FH北九州ビル5階
平日:9:00~17:00
TEL:0120-055-817
お知らせ

◎コワーキング施設「The Company DAIMYO」
大学卒業後、印刷会社に就職し『FUKUOKA STYLE』編集部に所属。独立後は企業や官公庁、大学などの広報物の編集・取材・ライティング等に携わる。現在は福岡市内でクリエイティブオフィス「shirotoiro」を運営。プランナー・編集者・ライター・ディレクターとして活動しながら、エステサロン「momotoiro」の運営も行う。食べることが大好きですが、グルメライターではありません。