インタビュー

時代に応じたさまざまな建設に対応|株式会社オウミ建設代表取締役 松田裕資さん

By 田村 麻記

|
公開日 2025.03.26

「40歳までに自分の会社を」との夢を抱き、大学の建築学科で学んだ後、数々の現場で経験を積み、株式会社オウミ建設を創業した松田裕資さん。「一つひとつの現場に丁寧に対応し、責任ある仕事をしたい」と語る松田さんに、起業に至った経緯や現在のお仕事内容、これからの展望についてお話を伺いました。

■プロフィール
株式会社オウミ建設
代表取締役  松田裕資さん

滋賀県出身。大分の大学で建築を学び、卒業後は福岡市の地場ゼネコンに就職。マンションや学校といった大型の現場を経験する。その後、住宅メーカーで木造建築を学び、40歳手前で独立。個人事業主として半年間活動した後、2020年6月23日に株式会社オウミ建設を設立。

「40歳までに独立」長年の夢を追い続けて

――建設業界に入ったきっかけはありますか?

実家が滋賀県で建設業を営んでいるので、子どもの頃から「いつかは自分も起業したい」という夢を思い描いてきました。建築現場を身近に感じながら育ったので、目指してきたのはやっぱり建築現場。大分の大学の建築学科に入学し、卒業後は福岡で就職しました。親の跡を継ぐという話もあったのですが、地元には同じように建設の仕事をしている親戚もいるので、私が戻る必要はないかなと思ったんです。その代わり、私は福岡でたくさんの現場に触れたいと考え仕事に取り組んできました。

――独立までの経緯を教えてください。

社会人になっても「いつかは自分も起業したい」という思いは一切ブレることがなく、目標を40歳に定め、経験を積みながら独立を意識して人脈づくりをしてきました。大学卒業後すぐに入社したのは、福岡市の地場のゼネコンで、マンションや学校など大きな建物の建築に現場監督として携わっていたのですが、リーマンショックで仕事がなくなったこともあり、30歳で転職しました。その際も独立したときのことを考え、「木造建築の知識も身につけたい」と住宅メーカーに。そこで10年近く経験を積み、十分なスキルが身につき、良い職人さんたちとたくさん知り合えたところで独立しました。

一つひとつの現場に、責任と情熱を持って取り組みたい

――起業の際の思いについて教えてください。

以前勤めていた会社では、現場監督として働いていたので、とにかく現場が大好き。信頼して仕事を任せてくださったお客さまのためにも、一つひとつの現場に責任を持ってきちんと自分の目で確認するとともに、情熱を持ってご対応できたらと考えています。だから、巨大な会社にしたいという構想は持っていないんです。あくまでも一つひとつの現場に丁寧に対応できる範囲でやっていきたいという思いでいます。

――起業から現在まで、どのような歩みでしたか?

住宅メーカーを退職したのち、半年間は個人事業主として活動し、それから法人化してオウミ建設を創業。子どもの頃からの夢がようやく叶った瞬間でした。創業してすぐにコロナ禍になってしまったのですが、ありがたいことに木造アパートの建設の仕事や住宅メーカーの下請けの仕事をいただき、それぞれの現場を回って忙しい日々を過ごしていたのも良い思い出です。ただ、最初の1年間はずっとひとりだったこともあり、2期目に入って1人雇うまで、何もかも自分でやる生活。それぞれの現場を駆け回り、休む暇はもちろん眠る暇もないような日々でしたが、独立前に職人さんたちとのつながりを築けていたので、たくさんの方に助けていただきながらなんとかやれたのだと思います。

その後、1年に1~2名のペースで社員も増え、5期目となった現在は9名の賑やかな会社になりました。

自社ブランド「HIYOTORI HOME(ヒヨトリホーム)が遂に始動

――戸建てやリフォームを行う自社ブランドについて教えてください。

さまざまな現場に携わらせていただいていますが、起業して一番したかったのは、高品質な戸建ての注文住宅とリフォームをお客さまにお届けすること。すべてを一からオリジナルで始めるのは難易度が高いので、株式会社LIXILと提携して断熱パネルのすぐれた耐久性が続くスーパーウォール工法を取り入れつつ、自社設計のブランド「HIYOTORI HOME(ヒヨトリホーム)」を運営しています。先日ようやく戸建ての注文住宅を受注することができ、注文住宅の業務が本格的に始動しました。「HIYOTORI HOME(ヒヨトリホーム)」の強みである断熱材耐久性、高気密、高断熱など当社ならではの技術を活かし、多くのお客さまに高品質でエコな快適住宅を丁寧にお届けしたいと思っています。

――これからの目標はありますか?

昨年は新たに営業スタッフが加わったので、これでHIYOTORI HOMEの魅力をより多くの方に伝えることができると思うとワクワクします。以前は「戸建て住宅だけでやっていきたい」と考えていたこともあったのですが、いろいろなことができる社員が増えているので、時代に合ったさまざまな建物に対応していけたらというのが今の考えです。昨年には特定建設業の許可資格も取得でき、大きな案件にも取り組めるようになりました。お客さまのご要望にひとつでも多くお応えできる会社に育てていけたらと思います。

株式会社オウミ建設について

■会社概要
会社名:株式会社オウミ建設(HIYOTORI HOME)
URL:https://www.oumi-k.com/
所在地:福岡県糟屋郡志免町片峰3丁目6番21号
設立:2020年6月23日
代表取締役:松田裕資

■事業内容
注文住宅(スーパーウォール工法)/住宅リフォーム/木造アパートの建設/外構工事/マンションのリノベーション など

■問い合わせ先
https://www.oumi-k.com/contact.php
092-404-0855

Fukuoka Growth Nextでは西日本シティ銀行スタッフが毎週水曜日常駐しています。創業に関するご相談も承っていますのでお気軽にお越しください。

▷福岡市と北九州市には創業期のお客さまをサポートする専門拠点『NCB創業応援サロン』を設置していますので、こちらにもお気軽にお越しください。

[NCB創業応援サロン福岡]
福岡市中央区天神2-5-28 大名支店ビル7階
平日:9:00~17:00
TEL:0120-713-817
[NCB創業応援サロン北九州]
北九州市小倉北区鍛冶町1-5-1 西日本FH北九州ビル5階
平日:9:00~17:00
TEL:0120-055-817

お知らせ

◎コワーキング施設「The Company DAIMYO」

西日本シティ銀行・大名支店ビルの5階、6階にコワーキング施設「The CompanyDAIMYO」ご利用受付中!
↓↓詳細はこちらをご確認ください。
https://thecompany.jp/multi-location/daimyo/

Writer

おすすめの記事

対談記事【ビジネスのヒント】|接骨院から建設業へ。驚きの経歴と経緯
続きを読む >

お役立ち

2025.10.23

対談記事【ビジネスのヒント】|接骨院から建設業へ。驚きの経歴と経緯

経営に関する悩みや課題を抱える事業経営者の皆さまにとって、銀行の営業担当者は心強いサポーターの一人です。そこで、リニュー編集部では、事業経営者と西日本シティ銀行の営業担当者にスポットをあててインタビュー。サポートのきっかけや、事業の成功までの道のりなどをざっくばらんにお話しいただきます。

【今月のZero-Ten Park】株式会社ストリ|心と体に美しさと健やかさを
続きを読む >

ニュース

2025.09.30

【今月のZero-Ten Park】株式会社ストリ|心と体に美しさと健やかさを

福岡を中心に世界5カ国15拠点を展開するシェアオフィス&コワーキングスペース「Zero-Ten Park」。そこに入居している、今注目したい企業をピックアップ。今回は「株式会社ストリ」をご紹介します。

働き方改革に注力している企業ってどんなところ?|次世代ワークスタイル応援私募債「ミライへの路」
続きを読む >

お役立ち

2023.11.21

働き方改革に注力している企業ってどんなところ?|次世代ワークスタイル応援私募債「ミライへの路」

これから就職先を探している学生のみなさんにとって、どんな企業が自分にとって働きやすいのか、気になりますよね。そこで今回は、西日本シティ銀行が取り扱う次世代ワークスタイル応援私募債『ミライへの路*』を発行している企業のみなさんにご協力をいただき、その企業で実際に働いている若手の社員に直撃インタビュー。なぜ入社を決めたのか、実際に働いてみてどんな感じなのか、などをヒアリングしました。また、併せて、各企業の経営者にも、求める人材像や今後の展望などをお話しいただきました。取材に協力いただいた企業は、地元・福岡で働き方改革に注力している、優良企業ばかりです。ぜひ、就職希望先の候補の一つとして、働く先輩たちのリアルな声をご一読ください。

【ミライへの路に挑む企業】地球を守り働く人の成長を支える環境調査会社|株式会社ENJEC
続きを読む >

お役立ち

2025.07.18

【ミライへの路に挑む企業】地球を守り働く人の成長を支える環境調査会社|株式会社ENJEC

多様な生き方や働き方が広がりつつある現代。企業にはこれからますます、さまざまな人が働きやすい環境を整えることが求められます。社員の働きやすさを叶える企業の取り組みとは?この連載では、実際に働き方改革を積極的に取り組む企業で働く人や経営者にインタビュー。今回は、九州を中心に、水質、大気、土壌といった環境にまつわる調査・分析の事業を手がける、福岡市の株式会社ENJEC(エンジェック)に取材しました。

質の高い人材紹介サービスで、企業も求職者も従業員も幸せに |株式会社GR8キャリア 小畑和貴さん
続きを読む >

インタビュー

2025.06.11

質の高い人材紹介サービスで、企業も求職者も従業員も幸せに |株式会社GR8キャリア 小畑和貴さん

医療・福祉業界の人材紹介サービスをメインに事業展開する株式会社GR8(グレイト)キャリア。代表の小畑和貴さんは宮城県出身で福岡に移住し、住宅メーカーから人材紹介業界に転職したという異色のキャリアの持ち主です。創業から1年足らずでメンバーは20人ほどに増え、順調な滑り出しといえます。しかし、組織や利益の拡大は求めず、あくまでも「質の高いサービス提供」と「社員とその家族が笑顔で過ごせること」にこだわり続けたいという小畑さんに、その思いの根源や起業のストーリーを聞きました。

番組・動画制作から拠点の運営まで、幅広い事業を展開|株式会社move on.e 岩谷直生さん
続きを読む >

インタビュー

2025.06.02

番組・動画制作から拠点の運営まで、幅広い事業を展開|株式会社move on.e 岩谷直生さん

20歳から放送局の番組制作に関わり、個人事業主を経て、41歳で番組と動画制作を主軸にした株式会社move on.eを設立した岩谷直生さん。長年のディレクター経験を生かして、マスメディアの番組やイベントを手掛ける一方で、子どもに向けた全く新しい事業にも意欲的にチャレンジしています。

【事業継続力強化計画認定制度】概要や認定のメリット、申請支援事業も紹介
続きを読む >

お役立ち

2025.11.25

【事業継続力強化計画認定制度】概要や認定のメリット、申請支援事業も紹介

近年、地震や台風などの自然災害、感染症の流行など、企業経営を取り巻くリスクが多様化しています。 こうした中で注目されているのが、災害や緊急事態に備えて事業を継続できる体制を整える「事業継続力強化計画(BCP)」です。 この計画の認定を受けることで、補助金申請時の加点や税制優遇など、さまざまなメリットがあります。 そこでこの記事では、事業継続力強化計画認定制度の概要や認定メリットに加えて、計画策定・申請を支援する取り組みについても解説します。

【中小企業必見】最低賃金引上げに伴う負担軽減策とは?福岡県の支援策も紹介
続きを読む >

お役立ち

2025.11.25

【中小企業必見】最低賃金引上げに伴う負担軽減策とは?福岡県の支援策も紹介

令和7年度の最低賃金引上げにより、全国的に人件費の負担が増加しています。特に中小企業や小規模事業者にとっては、賃上げへの対応が経営上の大きな課題となっています。 こうした状況を受け、国や自治体では、最低賃金の引上げに伴う事業者の負担を軽減するため、各種支援策を打ち出しています。 この記事では、最低賃金引上げに対応するための国の主な支援策に加え、福岡県独自の支援制度について解説します。