2021年7月に福岡市で設立された、WEBマーケティング・コンサルティングを行う株式会社Liam(リアム)。美容サロンの集客を中心とした専門性の高さと、課題解決に導く幅広い提案力が強みです。設立から1年余りでサロンはもちろん、スポーツジムや各種店舗など幅広いクライアントに支持されています。注目は、そのビジネススタイル。会社のアドレスはアクロス福岡1Fで、コワーキングスペースを利用しています。「最初はパソコン1台から副業で始めたんですよ」と話す代表の寺尾さんに、起業ストーリーを聞きました。
■プロフィール
株式会社Liam(リアム)
代表取締役 寺尾さん
愛知県出身。全国に支店を持つ総合美容メーカーでマーケティングや営業を10年ほど経験。その後、美容サロンに特化した広告代理店でWEBマーケティング業務に携わる。独学でもITマーケティングを学び副業での起業を経て、2021年7月、福岡市に株式会社Liam(リアム)を設立。
コロナ禍で自分らしい生き方、働き方を考えた
――まずは事業内容について教えてください。
美容サロンを中心としたWEBマーケティング・コンサルティングを行っています。最近はサロンだけでなく、スポーツジムなど関連業種、各地の店舗などローカルビジネスにも広がりつつありますね。今、集客方法のほとんどがインターネットという時代です。当社では、サイト制作にとどまらず、WEB広告運用やSEO対策までを対応しています。というのは、お客様はさまざまな媒体を介して来店されるので、全体的な目線でクライアントの抱えている課題を捉え、経営フェーズに応じたITマーケティングをお手伝いしております。
――前職までのキャリアから、起業されようと思ったきっかけをお聞かせください。
総合美容メーカーに長く務め、マーケティングや営業を担当していました。会社は大好きだったのですが、コロナ禍で生き方の多様化に直面して、自分らしい働き方について考えるようになったんです。会社の業績は好調でしたが、すべては会社あってのこと。「自分ひとりの力で何かできるだろうか」と考えたのが、最初のきっかけですね。
――美容業界から、なぜITマーケティングで起業されたのですか?
私が学生時代は、若い起業家が注目されていた頃で、「自分も将来インターネットメディアをつくってみたい」と考えたことがありました。媒体を通じて何かを伝え、人の行動を後押しすることができたらと。コロナ禍がきっかけで改めて自分の夢に立ち返り、独学でITマーケティングを学び始めました。より専門的・実際的に身につけるため、美容に特化したネット関連の広告代理店に転職しました。
――広告代理店での経験を経て独立されたんですか?
そうなんですが、広告代理店時代に副業から始めたのが最初の起業ですね。美容ライターとしてまとめサイトの記事を書いたり、新規メディアの立ち上げに関わったり…。最初は月3万円程から売り上げ目標を設定して、それを毎月更新していきました。会社が終わってからの時間と休日を費やしていたので大変でしたが、SNSで見つけた副業仲間と励まし合ったりして、モチベーションを保っていました。次第に売り上げが安定してきて、ITマーケティングのノウハウやメディアのつくり方も分かってきたタイミングで、退職・独立を決めました。
飛躍的に1を10にするのではなく、1を積み重ねて10になるのが理想
――独立にあたり資金の準備はどのようにされたのでしょうか?
自己資金のみでスタートです。副業時代は会社の給料で生活し、副業での利益を独立の資金に回しました。オフィスや店舗を構えていたわけでもなくパソコン1台で始めたので、副業での失敗もなく、事業資金がショートすることもありませんでしたね。
――副業から着実に積み上げて独立されたのですね。他にやっておいてよかったことはありますか?
やはりサラリーマン時代の経験は役立っていると思います。美容メーカー時代には新規事業の責任者なども務めましたが、家賃や設備投資をいかに抑えるかなど、リスクを減らす考え方の癖はその頃からついていると思いますね。もともと性格的に大胆なことはやらないタイプで、1をいきなり10にするより、1を積み重ねて結果10にしていくということを心がけています。とはいえ行動は大事ですから、金銭的なリスクが少ない方法を見極めながら、とにかく何でもやってみて、トライアンドエラーを繰り返して次に繋げるようにしています。これは副業時代も今でもそうですね。
――独立して最初に取り組んだことは何でしょうか?
過去の知り合いや経営者の方、お客さまにご挨拶に伺いました。つまり人脈をつてに営業活動を始めたわけですが、すぐにこの方法は長く続けられないと思いました。ご祝儀的なこともあって独立当初から何件か受注はできたんですが、紹介だけだと再現性がなく中長期的には難しいですし、人脈や過去に頼らず自社の強みだけで新規開拓できるノウハウが必要だと。一時はあえて美容業界から離れ、他業種へ提案するなど試行錯誤していました。そうして改めて美容というチャンネルでの広告集客やSNS展開という得意分野をより強化し、新規のお客さまへ提案・受注できるようになりました。
――今後の展望についてお聞かせください。
地域に根ざした、ローカルビジネスのサポートをしていきたいです。資本力がある企業であれば大手のマーケティング会社で活発な戦略を展開できると思いますが、地域の事業主さんには「ITやマーケティングは右も左もわからない」という方も多いです。そうした方々とITビジネスとの垣根を無くしていければ。それから当社としては、新事業や店舗展開などにも着手したいと思っています。今は私を含め3名の社員と外部スタッフで業務を進めていて、特にコンサルティングは私自身が行っていますが、将来的に私がいなくても事業が回せるような人材と出会えたら嬉しいです。
――これから起業を考えている方に一言アドバイスをお願いいたします。
大きな出資があるのであれば別ですが、ゼロから立ち上げるならリスクを少なく、スモールビジネスや副業から始めるのはおすすめです。あとはひたすら行動あるのみ。たとえ独立を目指して副業を始めても、「1日1時間やっています」程度だと時代のスピードについていけないかも知れませんね。一時は頑張る時も必要です。働き方が多様化している今なら、チャレンジもしやすいのではないでしょうか。
株式会社Liamについて
お知らせ
◎コワーキング施設「The Company DAIMYO」オープン!
▷福岡市と北九州市には創業期のお客さまをサポートする専門拠点『NCB創業応援サロン』を設置していますので、こちらにもお気軽にお越しください。
[NCB創業応援サロン福岡]
福岡市中央区天神2-5-28 大名支店ビル7階
平日:9:00~17:00
TEL:0120-713-817
[NCB創業応援サロン北九州]
北九州市小倉北区鍛冶町1-5-1 西日本FH北九州ビル5階
平日:9:00~17:00
TEL:0120-055-817
フリーライター・編集者
福岡市出身。大学卒業後、フリーペーパー編集部や企画制作プロダクションにて編集・ライティング業務に従事。2017年よりフリーランス。未就学児2人の子育てに奮闘中。