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ものづくり補助金 19次締切分以降の変更点とは?主なポイント6つを解説

By 佐藤 淳

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公開日 2025.04.01

令和7年2月14日(金)より、ものづくり補助金 19次締切分の公募が開始となりました。
19次締切分では、これまでの公募から複数の内容変更が公表されています。

そこでこの記事では、ものづくり補助金 19次締切分の主な変更点を中心に、本補助金の概要を解説します。

※記事内容は、2025年2月27日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

ものづくり補助金とは

ものづくり補助金は、中小企業・小規模事業者等が、製品やサービスの高付加価値化等に向けてそれらの開発に必要な設備投資等を行う場合に支援する制度です。

19次締切分以降の主な変更点

ものづくり補助金はこれまで複数回にわたって公募を実施してきました。19次締切分では、これまでの公募内容から大きな変更点があります。

そこで、ここでは、19次締切分以降の主な変更点について解説します。

申請枠の見直し

これまでの公募から申請枠を見直し、19次締切分では以下2つの申請枠で公募を行います。

  • 製品・サービス高付加価値化枠
  • グローバル枠

基本要件の見直し

基本要件

以下の要件を全て満たす3~5年の事業計画書の策定及び実行

① 付加価値額の年平均成長率が+3.0%以上増加

② 1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上
または給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加

③ 事業所内最低賃金が事業実施都道府県における最低賃金+30円以上の水準

④ 次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画を公表等(従業員21名以上の場合のみ)

※最低賃金引上げ特例適用事業者の場合、基本要件は①、②、④のみとする。

※ 3~5年の事業計画に基づき事業を実施していただくとともに、毎年、事業化状況報告を提出いただき、事業成果を確認します。

※ 基本要件等が未達の場合、補助金返還義務があります。

出典:令和6年度補正予算 「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の概要

足下の賃上げ状況等を踏まえて基本要件を見直しました。その結果、以下のとおり、大きく2つの変更があります。

1つ目は、1人あたり給与支給総額の年平均成長率に関する要件について見直しを行い、「1人あたり給与支給総額の年平均成長率が事業実施都道府県における最低賃金の直近5年間の年平均成長率以上 又は 給与支給総額の年平均成長率が+2.0%以上増加」していることを要件としました。

2つ目は、これまで加点項目であった次世代育成支援対策推進法に基づく一般事業主行動計画の公表について見直しを行い、21名以上の企業では基本要件となります。

基本要件等が未達の場合は、補助金返還義務があるのでご注意ください。

最低賃金引上げ特例の適用

力強い賃上げの実現に向けて対応する中小企業等の取り組みを支援し、賃上げ環境を整備する目的で、最低賃金引上げ特例を創設しました。

最低賃金引上げ特例では、指定する一定期間において、3か月以上地域別最低賃金+50円以内で雇用している従業員が全従業員数の30%以上いる場合、補助率を50%から66%に引上げます。

ただし、適用対象となる企業規模は中小企業のみで、常時使用する従業員がいない場合や小規模企業・小規模事業者、再生事業者は適用対象外です。

製品・サービス高付加価値化枠の従業員規模区分、上限額 一部変更

製品・サービス高付加価値化枠

グローバル枠

概要

革新的な新製品・新サービス開発による
高付加価値化

海外事業の実施による
国内の生産性向上

補助上限額

5人以下 750万円(850万円)
6~20人 1,000万円(1,250万円)
21~50人 1,500万円(2,500万円)
51人以上 2,500万円(3,500万円)

3,000万円(3,100万円~4,000万円)

出典:令和6年度補正予算 「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の概要

製品・サービス高付加価値化枠の補助上限額に関する「従業員規模の区分」を変更し、新たに「21~50人」「51人以上」の区分を設けました。また、この各区分に対して補助上限額を定めています。

これまで、従業員規模の区分の最大値は「21人以上」でしたが、中小企業等の企業規模に応じた投資ニーズに対応するため変更したものです。

収益納付は不要に

収益納付とは、事業化状況の報告から、本事業の成果の事業化または知的財産権の譲渡または実施権設定などによって収益が得られたと認められる場合、受領した補助金の額を上限としてその収益の納付を義務付けたものです。

これまでの公募では収益納付義務がありましたが、19次締切分以降では不要となりました。

申請方法の一部見直し

申請方法に関して18次締切分までは、事業計画書をwordファイルで作成したのち、電子申請システムにPDF形式のファイルを添付する方式でした。

しかし、19次締切分では、事業計画書の本文を電子申請システムへ入力し、その補足となる図や画像に番号を振ることで本文と連携させたうえで、A4サイズ3ページ以内のPDFにまとめて提出することとなりました。

19次締切分の概要

上記の変更点を踏まえて、ここでは19次締切分の概要を申請枠ごとに解説します。

製品・サービス高付加価値化枠

製品・サービス高付加価値化枠では、製品・サービス開発の取り組みを支援します。

補助対象経費・補助上限額・補助率

活用イメージ

製造業において、最新複合加工機を導入したことにより、これまではできなかった精密加工が可能になり、より付加価値の高い新製品を開発できるようになる例が挙げられます。

参照:令和6年度補正予算 「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の概要
参照:ものづくり補助金 チラシ

過去採択率

直近の18次締切分における製品・サービス高付加価値化枠の採択結果は、以下のとおりです。

参照:ものづくり補助金 公式HP 採択結果

グローバル枠

グローバル枠では、海外需要開拓等の取り組みを支援します。

補助対象経費・補助上限額・補助率

活用イメージ

製造業において海外市場獲得のため、新たな製造機械を導入して新製品の開発を行うとともに、海外展示会に出展する例が挙げられます。

参照:令和6年度補正予算 「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」の概要
参照:ものづくり補助金 チラシ

過去採択率

直近の18次締切分におけるグローバル枠の採択結果は、以下のとおりです。

参照:ものづくり補助金 公式HP 採択結果

公募スケジュール

19次締切分の公募スケジュールは、以下のとおりです。

  • 公募開始:令和7年2月14日(金)
  • 申請受付:令和7年4月11日(金) 17時
  • 応募締切:令和7年4月25日(金) 17時

まとめ

この記事では、ものづくり補助金 19次締切分の主な変更点を中心に、本補助金の概要を解説しました。

申請を予定している人は、採択を目指し、4月11日からの申請受付開始日に向けてしっかりと準備を進めていきましょう!

※renewのサイトポリシープライバシーポリシーはこちら。

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