
西日本シティ銀行は、2020年4月にデジタル戦略部を新設して、お客さまのデジタル化やDX支援を積極的にサポートしています。
今回はその事例のひとつとして、デジタルマーケティングの足掛かりとしてホームページのリニューアルに着手しはじめた株式会社日創様(以下、日創様)のケースをご紹介します。
日創様は北九州市の小倉と福岡市の中洲にてサウナ&カプセルホテル「グリーンランド」を展開中。同社がデジタルマーケティングに着目しはじめたきっかけから、今後の展開までお話しを伺いました。
【登場人物】
安東伸章さん:日創 代表取締役
仲村正幸さん:西日本シティ銀行 デジタル戦略部
萩原博文さん:西日本シティ銀行 三萩野支店
※所属は取材当時のものです
コロナ禍での危機感
――今回、日創様がホームページのリニューアルに着手しはじめたきっかけは何だったのでしょうか?
安東:当社がサウナ&カプセルホテル「グリーンランド」を引き継いでから15年以上が経ちます。店舗を小倉店と中洲店に絞り、カプセルホテルをはじめ、サウナや館内のレストラン、そしてマッサージ施設で地元の皆さま、観光客の皆さまにご利用いただいておりました。
しかし、新型コロナウイルスの影響は当社にも例外なくあり、観光客はもちろんのこと行動制限もあったことから売上が大きく落ち込んでしまいました。
その影響で家に籠らざるを得ない状況になった際に、スマートフォンといった小型のデジタル端末に触れる機会が増えていたことに気づきました。そんな中で自社のホームページを見返して漠然とした危機感を覚えたんです。

――「漠然とした危機感」ですか。具体的にはどのような点でしょうか?
安東:自社のホームページは前回作ってから5年以上が経過しており、見えないことはないのですが、スマートフォン用の表示が最適化されていませんでした。他社のものだと自然と目に入っていた情報が、自社の場合だと見難く、お客さまに情報がしっかり届かない、見てもらえないと思ったんです。デジタル化が叫ばれている昨今に、この状態だと取り残されてしまうのではないかと危機感を覚えました。
――そんな中でのホームページリニューアルだったんですね。
安東:見難いという理由からホームページのリニューアルをするというより、お客さまに当社の情報を適切に届けるデジタルマーケティング視点で何かしなくてはいけないという感じでした。とにかく「デジタルを活用した何か」が必要だろうという感じです。そんな中で西日本シティ銀行さんからあるセミナーの紹介をいただきました。
――どのようなセミナーでしょうか?
萩原:当行が主催した「地方企業のデジタルマーケティング課題とWebサイト改善方法」という株式会社メンバーズ(以下、メンバーズ)さんをゲストにしたセミナーでした。当支店長の佐渡から日創さんのお困りごとに合うのではないかと協議をしてご案内しました。

安東:まさしくドンピシャなタイトルでした。セミナーにはもちろん参加させていただきましたが、本当に知らない事ばかりで大変勉強になりました。特にTwitterやインスタグラムといったSNSなんかは、もっと若い人ばかりが使うイメージだったのですが、40代~60代も幅広く利用されている状況が数値で把握できました。そして何より私自身もGoogle検索からインスタグラムのハッシュタグで情報を得ていたことに気づき、結局知らず知らずのうちにSNSを活用していて、時代の変化に衝撃を受けました。
――セミナーを受けられた後はどのようにアクションを起こされたのでしょうか?
安東:セミナーを受講して、これまで不勉強であったところも認識し、デジタル化の動きを改めて肌で感じました。そして当社に当てはめた際にどうなのかを考えた時に、お客さまが訪れる受け皿となるホームページのリニューアルがまず必要だろうと感じました。SNSで綺麗な情報を発信しても、足元のホームページが古いとお客さまがそこで離れてしまうため、そこから着手することにしました。
しかし、リニューアルをするにもスマートフォン表示の最適化が必要ということ自体はわかりますが、果たしてどういうデザインやコンテンツの配置が今の時代にあっているのか、やはり素人なのでわからない、そんな時のよりどころとなる判断材料が欲しいと考えていました。
仲村:そんなお悩みがあるというのを支店長の佐渡、担当の萩原から共有しており、次はデジタル戦略部として「Web診断」サービスをご案内しました。
こちらもメンバーズさんのサービスではありますが、現状のホームページをプロ目線で分析し、改善ポイントを洗い出すことができるサービスであるため、指標とするには最適だと思いご案内しました。安東社長にもすぐに実行のご意向をいただきましたね。

安東:そうですね。Web診断の結果は散々だったのですが(苦笑)、それを踏まえて次は実際にリニューアルしていただく事業者を選んでいきました。
将来を見据えた関係性
――リニューアル事業者の選定というのは、御社でつながりのあるところでしょうか?
安東:こちらも西日本シティ銀行さんのご紹介で3社から見積もりをいただきました。それぞれ強みがあっていろいろ悩みましたが、現在はそのうちの1社とリニューアルを進めているところです。
――その1社はどのように選定されたのでしょうか?
安東:見積価格以上に重要視したのが、まずは目指すところはどこなのか方向性を一緒に定め、リニューアル後も定期的にフォローいただけそうな会社なのかという点を重視しました。デジタルの変化が早いというのは実感していましたので3年もしたら古くなるのではないかと思い、リニューアルして終わりではない関係性を築ける会社さんにお願いしたつもりです。
実はホームページ以外でも早速良い効果がありまして、その会社の担当者さんに「グリーンランド」にお越しいただき、施設内のWi-Fi環境についても相談したんです。するとすぐに詳しい方と調査に来てくださって、施設の環境改善にまでつながっています。ホームページリニューアルを超えた効果を実感しているところです。

――リニューアルをきっかけに新たな動きに発展されていますね。まさにホームページはリニューアル真っ最中だと思いますが、先ほどの目指す方向性含め、今後のビジョンについてお聞かせください。
安東:昨今のサウナブームも相まって、これまでよりも若い世代の利用者が増えています。そんな中で1年前に「グリーンランド」の公式アプリをリリースしたのですが、予約機能やお得なクーポンをはじめ操作性もスムーズなことから、アプリに慣れている方はこちらの利用が増えています。
しかし、そうでない方についての案内にはやはりホームページの充実が必要だと考えています。日々SNSで発信する情報とも連動し、四季の移り変わりを含め、まずはお客さまそれぞれのデバイスに適切に表示されることは最低限に整えていきたいと思います。
また、サウナブームによってサウナに興味があるけれども躊躇しているお客さまはまだまだ多いと思います。そうしたお客さまがまずは「グリーンランド」のご利用をきっかけにサウナを好きになっていただけると嬉しいですね。サウナを好きになっていただくとまた「グリーンランド」のリピーターになっていただける可能性もありますので。
そしてもう一つ考えていきたいこともあります。

▲グリーンランドグループ公式アプリ
――もう一つというのはどんなことでしょう?
安東:ある程度の緩和は進んでいますが、コロナの影響は引き続きあります。今後も観光客の減少に加えオンライン会議が常態化し出張も減ることが想定されるため、カプセルルームの稼働率がコロナ前まで回復しないのではないかと考えています。
そのためこのカプセルルームをどう有効活用していくのか、例えばワーク(仕事)と休暇(バケーション)を組み合わせた「ワーケーション」という言葉が話題になりましたが、カプセルルーム付きのサウナとコワーキング利用プランをつくるなど、いろいろと考えていきたいと思います。

▲グリーンランド中洲店
まずは足元のホームページリニューアルから着手した同社ですが、その先に見据えるものにはお客さまに満足していただけるものは何かを考える姿でした。
ホームページリニューアルの公開は2022年7月予定とのことで、その公開も楽しみにしつつ「グリーンランド」に足を運んでみたいと思います。
グリーンランドについて
施設名:サウナ&カプセルホテル「グリーンランド」
Webサイト:http://greenland-group.jp/
中洲店:福岡県福岡市博多区中洲3-16-17
TEL:092-291-9000
小倉店:福岡県北九州市小倉北区京町2-1-7
TEL:093-521-6211
営業時間:年中無休・24時間営業(中洲店・小倉店)
renew編集部は西日本シティ銀行・デジタル戦略部内の編集チームです。福岡・九州のビジネスに寄与できるようさまざまな情報を発信していきます。