インタビュー

管理栄養士が栄養指導をするアプリ「eat+(イータス)」で人と地域を健康に!|eatas株式会社

By 山本佳世

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2022.03.07

業界・業種の垣根を越えたスタートアップ企業と地場企業の「価値共創」を目的とした、オープンイノベーション型のビジネスコンテスト「西日本FHビジネスコンテスト OPEN INNOVATION HUB」。2021年秋から第2回目のエントリーと選考が始まり、いよいよ2022年3月11日に最終選考会を迎えます。今回は最終選考に残った10社の皆さんに、応募したビジネスモデルやそのビジネスにかける想いを伺いました。

■提案者プロフィール
eatas株式会社 代表取締役 手嶋英津子さん

福岡市出身。中村学園大学大学院栄養科学研究科博士前期課程修了。西南女学院大学の講師として勤務し、全国初の授業用食育アプリを開発。その他、栄養教育やスポーツ栄養の科目を担当し、管理栄養士で唯一のApple Distinguished Educatorに選出される。大学を退職後、2021年3月にeatas株式会社を設立。

人と地域を健康にする栄養指導

――eatas株式会社の事業内容について教えてください。

手嶋:栄養カウンセリングに関するシステム開発をはじめ、法人や個人に向けた栄養カウンセリングサービスの提供、食と健康に関するコンサルティング等を行っています。

――栄養カウンセリングに関するシステム開発とは、どのようなものでしょうか?

手嶋:「人と地域を健康にするアプリ 『eat+(イータス)』」というものを開発しています。簡単に言うと栄養指導用のアプリであり、ユーザーの身体データを活用し、アプリ上でのコミュニケーションを通じて管理栄養士が食習慣の改善を直接サポートするというもの。当社が独自開発した栄養管理メソッドにより、タイプ別の特性に従った指導をすることで、食事改善の効果を最大化できることが特徴です。現在開発を進めているこのアプリを、今回のビジネスコンテストに応募しました。

"楽しく&美味しく"食事を管理

――アプリの開発にはどんな背景や想いがあったのでしょう?

手嶋:痩せたい、健康になりたいと思って食事を変えようと思った時、恐らく多くの人は自分で調べて実践したり、通っているジムのトレーナーにアドバイスを求めたりすると思いますが、「管理栄養士に聞いてみよう」という発想にはあまりならないと思うんです。そこで食事のプロである管理栄養士にも身近に相談できることが当たり前になってほしいという想いがあり、このアプリを開発しました。

アプリを普及するために考えたのが、まずは体づくりへの意識が高い方にアプローチすること。ジムやヨガ教室を利用している方にアプリを使って効果を実感していただき、ゆくゆくはその他の方々にも広めていきたいと思っています。

もう一つには、「栄養管理を継続してほしい」という想いもあります。食事指導には「食事制限がツラい」「カロリーコントロールが面倒くさい」というマイナスのイメージが強く、なかなか継続できないことが課題になっているんです。そこで「このタイプの人にはこんな食事指導が適している」という、人の特性に特化した独自のメソッドを構築することで、栄養管理が継続できるような仕組みを取り入れています。

――今回のビジネスコンテストのテーマである「地域とつながる、家族とつなぐ」は、どのような点で表されていますか?

手嶋:食事指導をしている方から、「ジムで運動した後は何を食べたらいいいの?」「外食をした時に何を選べばいいかわからない」といった声を寄せられることがあります。そこで"人と地域を健康にする"というテーマに基づき、地域のスーパーや飲食店とのマッチングを考えました。「あなたにはここの飲食店のメニューがぴったり」「近くのスーパーで買い物するならこのお惣菜の組み合わせがおすすめ」といったアドバイスができるようにしたいと思っています。

ジムには『eat+』を提供し、利用者の月額会費に含める形で栄養管理やトレーニングのアドバイスを提供できるように。飲食店とスーパーは栄養管理視点のメニュー開発を『eat+』から受けられるというビジネスモデルも考えています。そうして利用者・ジム・管理栄養士・飲食店やスーパーの"四方よし"の仕組みを実現したいですね。

大人の意識を変えることで、子どもの食育に

――人と地域を健康にすることで、どんな社会を実現したいですか?

手嶋:大人の食事への意識を変えることで、子どもの正しい食育にもつなげていきたいですね。偏った食事が原因で、世界的にも子どもの肥満率は上昇傾向にあります。そんな肥満を引き起こす子どもの偏食は、大人の責任も大きいと思うんです。

もう一つは、管理栄養士がもっと活躍できる社会の実現です。管理栄養士は登録者数で見ると日本に20万人以上いるのですが、職業として働いている人はおよそ6万人、実際に栄養指導をしている人はおよそ2万人だと言われています。ニーズはもっとあるはずなのに、もったいないですよね。このアプリをきっかけに、管理栄養士がもっと活躍できる場所や機会を作っていきたいと思っています。

今はジムやヨガなどのフィットネス系にアプローチしていますが、今後は一般企業の福利厚生としても『eat+』がお手伝いできればと考えています。

管理栄養士だからこそできるサポートによって、"栄養管理=ガマン"ではなく、"楽しく美味しく食べる"ことで人と地域を健康したいと話してくれた手嶋さん。人々の健康や栄養に対する意識が変わって食べ過ぎや食事の偏りがなくなり、飢餓で苦しむ世界中の子どもたちを救うことにもつなげたい、という想いも話してくれました。

お知らせ

「第2回西日本FHビジネスコンテスト OPEN INNOVATION HUB」最終選考会の様子は3月11日(金)13時より、以下YouTubeよりオンライン配信されます。さらに詳しいeatas株式会社のプレゼンの様子、ぜひご覧ください。

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