インタビュー

欲しい人もあげたい人も!みんなで作る"あげるの連鎖"「Chain」| 株式会社BLUE STYLE

By 山本佳世

|
2022.04.04

業界・業種の垣根を越えたスタートアップ企業と地場企業の「価値共創」を目的とした、オープンイノベーション型のビジネスコンテスト「西日本FHビジネスコンテスト OPEN INNOVATION HUB」。2021年秋から第2回目のエントリーと選考が始まり、去る2022年3月11日に最終選考会を開催しました。今回は最終選考に残った10社の皆さんに、応募したビジネスモデルやそのビジネスにかける想いを伺いました。

■提案者プロフィール
株式会社BLUE STYLE 代表取締役 外谷洋二郎さん

1978年生まれ、島根県出身。長年にわたるECの運用経験を生かし、2013年に個人事業BLUE STYLEを立ち上げ、2017年に株式会社BLUE STYLEに法人化。ECに限らず、さまざまなWEBサイトの構築や運用を担う。

小売業とネット通販を経験し、WEB制作の世界へ

――まずは外谷さんのこれまでの経歴について教えてください。

外谷:地元の島根を出て福岡の九州産業大学芸術学部へ進学し、卒業後は印刷会社に就職しました。転機が訪れたのは27歳の時。父が経営する書道用品の小売店の後を継ぐことになり、島根に戻ったんです。この時にいわゆるBtoCのビジネスに初めて携わって興味を抱き、ネット通販にも挑戦しました。

その後は紆余曲折あって輸入雑貨のネット通販に移行し、福岡に場所を移して本格的にネットビジネスを始めました。ところが為替の変動や東日本大震災によって売り上げが1/4にまで下がってしまったんです。このままでは厳しいと危機感を覚え、現在のBLUE STYLEという会社を立ち上げて、ネットショップの構築やシステム、アプリ開発など、WEB制作に関するビジネスを始めました。

使わないモノを欲しい人に「あげる」新サービス

――今回のビジネスコンテストにはどういった事業内容で応募されたのですか?

外谷:「Chain(チェイン)」という物々交換のプラットフォームです。自分の使わなくなったものを、誰かの欲しいものに交換できるというシンプルな仕組みになっています。似たようなものにオークションサイトやフリマアプリがありますが、それらと大きく異なるのは、"お金"という道具を使わずに物々交換ができること。価格ではなく「自分に必要かどうか」という主観的な"価値"によって、モノのやり取りができることが最大の特徴です。

――「Chain」は具体的にどのように使うのでしょうか?

外谷:「Chain」基本的に1対1ではなく、複数人で使います。例えば靴を出品したAさんは時計が欲しい、メガネを出品したBさんは靴がほしい、時計を出品したCさんはメガネが欲しい…というように、「あげたい」「欲しい」というベクトルが循環する"輪"が出来たら「Chain」が成立し、みなさんの手元に希望のモノが届くというのがおおよその使い方。モノが鎖のようにつながっていくという、新しい物々交換の仕組みになります。

――ユーザーとしては、モノを貰えるほかにどんなメリットがありますか?

外谷:その他のメリットとしては、モノに値段を付けないことによって価格の設定や値引き交渉のストレスが発生しないこと。使わなくなったモノを貰ってくれる相手を自分で捜す手間をかけずに、本当に必要とする人の元へ届けることができるのもメリットかなと思います。

▲Chainイメージ図

お金を使わずにモノを循環できる社会へ

――「Chain」の構築に至ったきっかけは何だったのでしょうか。

外谷:先程もお話したように私はBtoCのビジネスに興味を持っていますが、ネットショップを運営していた経験から新たに在庫を仕入れて売ることにリスクを感じていました。

そこで考えたのが、既存のモノをやり取りする物々交換のサービスです。実は「Chain」の前に、自分の子育て経験をきっかけに、寄付で集めた子ども服を物々交換する「Lynks(リンクス)」というサービスを2015年に立ち上げているんです。評価はされたのですが、子ども服に限定するとどうしてもマーケットが絞られてしまい、ビジネスとして成功させるのは難しいかもしれないと思いました。

そこで、今後は子ども服のジャンルで新たなビジネスを展開していくのか、それとも物々交換のジャンルに振り切るのかどちらかを選択することになり、行き着いたのが後者。物々交換で新たなビジネスを展開するのであれば、どんなサービスができるのかと考えて誕生したのが「Chain」だったんです。

――「Chain」によってどんな社会を実現したいと思いますか?

外谷:お金に縛られずに欲しいモノが手に入る社会や、モノを手に入れる新しいインフラとして物々交換を活用できる社会が実現できたらいいなと思っています。従来の「買う」「売る」「捨てる」という行為に、「あげる」という新たな選択肢を加えたいですね。

今はモノとモノの交換ですが、将来的には"コト"の交換にも広げていきたいですね。例えば家事や仕事の手伝いをしたり、自分が使わない時間に部屋を他の人に貸したり。そういった新たな価値交換の機会を提供できたらいいなと思います。

――今後、一緒にビジネスを展開したいと思う企業はありますか?

外谷:具体的な企業というわけではないですが、「Chain」のサービスは「欲しい」の輪が成立したらモノが貰える仕組みになっていますが、仮に1つのモノに対して10人が欲しいという意志を示していた場合、9人はモノが貰えずに「欲しい」という意志だけが残ることになります。そのままで終わりにするのではなく、ゆくゆくはその意志をデータ化し、情報という価値にして企業に提供して新たなビジネスを展開できたらいいなと考えています。

――とっても面白いサービスになりそうですね。ぜひ使ってみたいです!

外谷:今はまだ開発中で、20%くらいしか完成していないのでお試しいただけないんですよ。これから完成度を高めていきますので、完成した際はプレスリリースを通じてお知らせする予定なので、チェックしてみてくださいね。

使わなくなったモノを「捨てる」「売る」というこれまでの常識に、「あげる」という新しい選択肢を加える「Chain」のサービス。日本では「不用品」と言われているモノはなんと年間推定約7.6兆円(2018年4月経済産業省発表)とも言われているそう。社会的にもサスティナビリテイが求められている今、「Chain」は人々の意識を変えるきっかけにもなり得るのではないでしょうか。

お知らせ

「第2回西日本FHビジネスコンテスト OPEN INNOVATION HUB」最終選考会の様子は、以下YouTubeより視聴が可能です。さらに詳しい株式会社BLUE STYLEのプレゼンの様子、ぜひご覧ください。

Writer

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