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【ミライへの路に挑む企業】業界未経験者も活躍!発想力で地域を守る|大野コンクリート株式会社

By 西 紀子

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公開日 2024.01.29

多様な生き方や働き方が広がりつつある現代。企業にはこれからますます、さまざまな人が働きやすい環境を整えることが求められます。社員の働きやすさを叶える企業の取り組みとは? この連載では、実際に働き方改革を積極的に取り組む企業で働く人や経営者にインタビュー。今回は、福岡・佐賀に工場を持ち、さまざまなコンクリート製品の製造・販売を行う、福岡市の大野コンクリート株式会社を取材しました。

※ここで紹介する企業は私募債発行に際してSDGsに資する取り組み、中でも働き方改革を積極的に行うことを要件に取り込んだ、西日本シティ銀行が提供する、次世代ワークスタイル応援私募債「ミライへの路」を発行している企業です。※私募債についてはこちら

【社員インタビュー】

大野コンクリート株式会社営業(2020年入社) 川原 義隆(かわはら よしたか)さん

Q:この会社を選んだ理由、入社の決め手を教えてください。

私は中途採用で入社しましたが、前職は広告業界の営業職で、当社とは全く異なる業界でした。入社の決め手は、風通しの良さですね。当社のことは知り合いに紹介してもらったのですが、社長や部長と面接させていただいた時に、とても話しやすく、経営陣と社員との壁を感じさせない雰囲気の良さが印象に残りました。30歳という年齢で未知の業界ではありましたが、コロナ禍で転職活動も厳しい状況でしたし、心配よりも「新しい挑戦をしてみよう!」という気持ちが強かったです。

Q:入社して感じた、この会社の良さはどのようなところでしょうか?

実際に入社してからも、面接で感じた「風通しが良い」という印象通りでした。同じフロアに上司も社長もいて日常的にいろいろと話すことができますし、入社したばかりの頃は分からないことが多かったのですが、他の先輩方も頻繁に声をかけて助けてくれました。入社後は約2週間の工場での研修、先輩に同行し営業先を訪問するOJTを経て、2ヵ月後くらいから一人で担当を持つようになりました。

Q:現在の業務を教えてください。

施工業者さまへコンクリート製品を提案、販売することです。道路や宅地造成のためのコンクリート製品が多く、図面をチェックしたり現場の確認を行ったりして、お客さまの要望や状況に適した製品を提案します。私はまだまだですが、仕事をしながら少しずつ学びを重ねているところです。現場の環境やご要望は異なりますのでそれぞれに合った提案が必要です。日々、勉強ですね。

Q:業務でのやりがいや嬉しかったことを教えてください。

前職は新規営業が多かったのですが、当社では決まった業者さまとのやりとりが多く、最初は担当の方と打ち解けるのにも苦労しました。前任者の先輩や上司が築いてきた信頼関係を守らないと…というプレッシャーもありましたが、打ち合わせや提案を重ねることで、少しずつ担当として信頼を得られるようになってくると嬉しいです。

また、提案した製品が使用されている道路を通ると、完成までの行程を思い出すことも多いです。特に苦労した現場は心に残りますね。自分が住んでいる街の道路に当社の製品が使われているのは、感慨深いものがあります。

Q:福利厚生や制度はどうですか?

当社は土日が休日の完全週休二日制なので、家族との時間がつくりやすくなりました。私には4歳と2歳の子どもがいるのですが、有給も取りやすいので、保育園の行事に参加したり、休日に子どもと遊びに行ったりすることも多く、子育てに関わる時間が増えたのは嬉しいです。

Q: 仕事を通じて学んだことはありますか?

現場ごとに求められるものが違うこの仕事は、「こうすれば上手く行く」という答えを出すのは難しいですが、やるべきことに優先順位をつけて、最後まで真摯に向き合うことが大切だと私は思っています。段取りをしっかりしておけば苦労はないのですが、慣れてきてどこかで手を抜いてしまうと、後で痛い目を見るのは自分なので。

また、お客さまとどれだけ深い信頼関係を築いていけるかは、先輩方の背中を見て学ばせてもらったことが多いです。知識やスキルの面では、図面も見ることができない状態で入社しましたが、入社して3年で少しずつ学んできました。専門の資格を取得することで昇給などの制度もあるので、コンクリート技士などの資格取得も目指したいと考えています。

Q:今後の目標を教えてください 

現在は既存のお客さまをメインで担当させてもらっていますが、新規の開拓も営業の仕事だと思うので、私が率先して新規開拓を行っていきたいです。会社の業績に貢献したいというのもありますし、自分自身も成長していきたいと思っています。

また、今は私が一番若手なのですが、今後、新しい方が入社してきても、自信を持って教えられるように、より一層知識やスキルをつけていきたいです。

トップインタビュー

大野コンクリート株式会社
代表取締役 大野憲太郎さん
1979年(昭和54年)生まれ、福岡市出身。福岡大学商学部卒業。大学時代にバンド「NANANINE(ナナナイン)」を組み、卒業と同時に上京してメジャーデビュー。バンド活動休止後、27歳で福岡に帰郷し同社へ入社。製造工場・営業現場での研修を経て専務取締役就任。2014年、34歳より現職。

地域貢献という初心を忘れず、常に安定供給できる会社でありたい

当社は昭和35年に設立し、私で3代目です。コンクリート製品の製造・販売が主で、一部は施工も行っています。実は、私は地元の大学を卒業してすぐ上京し、プロのミュージシャンとして活動していました。27歳で帰郷した際、地元の知り合いの方々から、地域のことや当社についていろいろな話を聞き、「地元で地域のために貢献したい」という思いが募り、入社を決断しました。2代目である父からは一度も、「会社を継いで欲しい」と言われたことはありませんでした。父は幼い頃から"2代目"として育てられてきたので、息子には無理強いしたくなかったのではないでしょうか。

入社当初は工場で製造を学び、その後にグループ会社で営業を学びました。コンクリートのことをイチから勉強したのはもちろんですが、それまで一般的な社会経験が全くなかったため、社会人としての常識や言葉使いも、先輩社員に注意されながら身に付けました。

当社のコンクリート製品は、家を建てるための基礎造りや道路の側溝工事に必要な資材、また、災害復旧のための川縁のブロックといった、市民の安心・安全を守るために必要不可欠なものです。2016年に起きた熊本地震で河川の堤防が壊れた際には、当社のグループ会社にコンクリートブロックの在庫がありましたので即納入し、堤防の復旧に使っていただきました。

当社が創業以来、大切にしているのは「まっとうな商売を継続すること」です。継続するためには、常に自分たちのあるべき姿を忘れないこと。祖父である初代が自宅に「脚下照顧(きゃっかしょうこ)」という四字熟語を掲げていたのですが、まさにこの言葉の通りです。もとは禅宗の教えで、常に自分の足元を見ることの大切さを説いているのですが、私どもの仕事は単に「売上を伸ばし大きく儲ける」ということではなく、地域社会に貢献することで対価をいただいているという基本を忘れずに、地に足をつけて成長していかねばならないと考えています。

コンクリート業界も人手不足が深刻ですが、地域の生活・インフラを支える製品を造り続ける会社は、なくなると社会全体の問題です。その責任は重いですが、初心を忘れずに、常に安心して製品を供給できる会社であり続けることが目標です。

誰でも新しいアイデアを出せる風通しの良い社風を大切に

会社としての基本軸は大切に守りながら、これからはますます、若い世代の新しい力・発想力が必要だと考えています。特にここ数年は新型コロナウイルスの流行や戦争など、先行きが見通せない世の中です。そのような時代においては、会社も経営陣だけの考え方だけでなく、さまざまな意見を聞き、新しい発想力や多様な価値観で仕事をする必要があります。

そのためには社内の風通しの良さ、円滑なコミュニケーションが大切です。当社はオフィス内もガラス張りになっており社員同士が話しやすい環境ですし、私自身も日常的に社員とコミュニケーションを取るようにしています。

今の若い世代は、多彩なアイデアと大きな可能性を持っています。その点では、これから入社する方にも特に業界の経験や専門知識は求めていませんし、実際に業界未経験で入社した社員も活躍しています。お互いに話し合えるコミュニケーション能力があれば、業務上必要なキャリアや資格は仕事を通して身に付けられますし、会社としてもサポートします。

コンクリート業界は安定している分、考えが凝り固まっている側面もあります。「コンクリートで○○を造りたい!」「ネット販売したらどう?」、SNSでの情報発信など、若い世代ならではの着眼点で積極的に声を上げていただき、新しいチャレンジをしていける会社でありたいですね。

大野コンクリート株式会社
設 立:1960年(昭和35)7月2日
代表者:代表取締役 大野憲太郎
所在地:本社 〒819-0036 福岡県福岡市西区吉武61番地1
TEL:092-874-5678
FAX:092-874-5656
URL:http://www.oono-concrete.co.jp/

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