お役立ち

【ミライへの路に挑む企業】被災者の思いに寄り添い、適切かつ迅速に保険金支払いをサポート|株式会社 高本損害鑑定事務所

By 山本 佳世

|
公開日 2024.08.30

多様な生き方や働き方が広がりつつある現代。企業にはこれからますます、さまざまな人が働きやすい環境を整えることが求められます。社員の働きやすさを叶える企業の取り組みとは?この連載では、実際に働き方改革に積極的に取り組む企業で働く人や経営者にインタビュー。今回ご紹介するのは、事故や災害の際に損害鑑定を行う株式会社高本損害鑑定事務所です。90年以上の長い歴史に若い力が融合することで生み出される風通しの良い社風や、仕事に欠かせない専門知識を学ぶ教育制度について伺いました。

※ここで紹介する企業は私募債発行に際してSDGsに資する取り組み、中でも働き方改革を積極的に行うことを要件に取り込んだ、西日本シティ銀行が提供する、次世代ワークスタイル応援私募債「ミライへの路」を発行している企業です。※私募債についてはこちら

社員インタビュー

株式会社高本損害鑑定事務所 福岡本部 福岡2課 課長(2015年入社)
坂田太洋人(さかた たひと) さん

Q:この仕事を選んだ理由を教えてください。

私は割と珍しい方なのかもしれませんが、大学生になった頃から「鑑定人になりたい」と思っていました。そのきっかけは学生時代に自転車とタクシーの事故に遭い、実際に損害保険のお世話になったこと。当時私は法学部の学生だったのですが、普段授業で使う判例百選を保険会社の担当者さんも持たれていて、そこに付箋がギッシリと付いて使い込んでいる様子を見て「さすがプロだ!」と感銘を受けたんです。
その後、就職活動を通じて保険会社について調べている中で「損害鑑定人」という仕事があることを知り、興味を抱くようになりました。

Q:入社の決め手は何ですか?

一言で言うと、雰囲気の良さ。面接を受けた際に面接官の方の対応がとても気さくでリラックスできる雰囲気で、若手の方が上司の方と親しく話されている様子も目の当たりにして安心感を覚えました。
私は東京での採用だったのですが、当時東京本部ができて間もない頃で「東京でもどんどん事業を展開するぞ!」という勢いを感じたことも決め手の一つです。

Q:入社して感じたこの会社の良さはどのようなところですか?

先ほど話した面接時の印象の答え合わせができたと言いますか、改めて雰囲気や風通しがいい会社だなと感じています。みんな営業先から会社に帰ってくるとそれぞれ結果を報告し合いますし、分からないことは先輩後輩、上司部下関係なく尋ね合って解決できるようにしています。そういうことも義務的にやっているのではなく、自然にコミュニケーションを取るという風通しの良さが社員全員に浸透しているところも当社の魅力だと思います。

Q:現在の業務を教えてください。

損害保険登録鑑定人という仕事になります。聞き慣れない方も多いかもしれませんが、これは事故や災害が起こった時に損害保険会社などから委託を受け、現場調査を行って被害にあった建物や動産の損害額を算定し、適切な保険金の算定をサポートします。
もう一つ、写真や見積書などを元に書類上で保険金の算定をするという仕事もあります。私は現地に出て鑑定したいという思いを持って入社しましたが、今は両方の業務に従事しています。
鑑定の対象になるのは建物だけでなくパソコンやカメラ、電車、クレーン車、飛行機などジャンルも種類も実にさまざまです。

Q:鑑定に必要な専門知識はどのように身につけられたのですか?

当社では一般社団法人日本損害保険協会が実施する損害保険登録鑑定人認定試験(3級鑑定人、2級鑑定人、1級鑑定人)に合格し、同協会に登録された者だけが鑑定を行なうようになっています。その資格を取るために「保険」「電気・機械」「建築」などの試験科目を学ばないといけないので、まずは資格取得を目指して知識を身につけることになります。私のように文系出身でも入社してから建築や電気のことを学ぶケースも多いんですよ。
ただやはり現場に出ないと覚えられないことの方が多いので、最初は先輩に付いて実践的に学び、提携する建築士や技術士などの専門家の方にも教えていただきながら知識を習得していきます。

Q:毎月どれくらいの鑑定をされているのでしょうか?

現場に出て鑑定するパターンですと、大体月に20件ほどになります。ただ台風シーズンなど災害が起こりやすい時期やタイミングは異なるので、毎月の件数にはバラつきがあります。
災害や事故が発生した場所に行くため鑑定場所も実にさまざまで、記憶に新しいところでは2024年1月に発生した能登半島地震の際にも石川県にしばらく滞在していました。

Q:業務のやりがいや嬉しかったことを教えてください。

事故や災害に遭われた方は保険金をなるべく多く受け取りたいと思われる一方、保険会社の方は適切な金額を支払いたいと考えられています。そのバランスをとることがやりがいであり、腕の見せどころですね。
それと、自分が行った鑑定に対して納得してもらえること。そのためにもなぜこの保険金の額になったのか、プロとして技術的な側面からも丁寧に説明できるように努めています。

Q:福利厚生や制度はどうですか?

特に珍しい福利厚生があるわけではありませんが、自分のペースで仕事ができるのは良い環境だと感じています。基本的な就業時間は9時~17時ですが、前日に遅くまで業務を行った際、翌日の午前を午前休にしたり、上の子の遠足に妻が同伴するため、下の子と在宅しながらテレワークで仕事をしようなど、担当事案のスケジュールと自分のスケジュールを大切にしながら、柔軟な働き方を選択できることが当社の魅力の1つです。

Q:今後の目標を教えてください。

今年から福岡本部で課長を任させることになったのでまずは部下の育成に励み、後任を任せられる人材が育ったら私は次のステップに進んでいきたいと思います。
 

トップインタビュー

株式会社高本損害鑑定事務所
代表取締役 髙本 吉孝(たかもと よしたか)さん
福岡市出身。東京の大学卒業後、同業他社にて鑑定人として勤務。その後、株式会社高本損害鑑定事務所に入社。2011年10月に代表取締役に就任。

創業90年を超える老舗企業。全国に拠点を広げ、いち早く安心を届ける

1933(昭和8)年に九州初の鑑定会社として誕生しました。創業当時は、高い建物などが密集しておらず木造建築物が主流であった為、主に火災事故の鑑定を行っておりました。
お客さまのニーズが時代とともに多様化する中、常に応えられる専門家集団として質を高めるべく努力してまいりました。
損害鑑定一筋90年で培った深い専門知識と豊富な実績から、九州・関東・東北と全国へ拠点を拡大し、災害時にいち早く被災された方々に安心をお届けできるように、多くの鑑定人を動員できることは当社の強みの1つでもあります。
被災地の厳しい環境の中で、困った人のお役に少しでも立っていると感じられることが、社員のモチベーションに繋がっています。

若手の採用に力を入れ、損害鑑定の“みらい”を担う人材を育てる

当社は、大規模災害時の対応から日常の損害事案まで、幅広い領域を対応する専門家集団です。
業界では、1人前の鑑定人になるには10年かかるといわれています。
ベテラン鑑定人のノウハウなどの伝承を次の世代へと繋げていくために、若手の採用と育成を会社一丸となって取り組んでおります。
当社では、「損害保険登録鑑定人」の資格取得が必要となりますが、新卒入社の方には、内定者交流会を兼ねて、資格取得に向けた勉強会を行っています。難しい試験になりますが、入社までに取得することもできます。入社後は、先輩とマンツーマンで業務の流れを学ぶ「PA制度」を軸に、新人教育研修、キャリアアップ研修、提携専門家との勉強会など、多くの学ぶ機会を設け、一人ひとりがいきいきと誇りを持って働ける職場環境を目指しております。
会社のキャッチフレーズである、「わたしたちが創る損害鑑定の“みらい”」に向け、より社会に貢献できるよう邁進してまいります。

株式会社 高本損害鑑定事務所
創業:1933(昭和8)年6月
代表者:代表取締役 髙本 吉孝
所在地:福岡県福岡市博多区店屋町2-33(本社・福岡本部)
東京都中央区京橋2-7-8 FPG links KYOBASHI 3F(東京本部)
東北オフィス、さいたまオフィス、熊本オフィス
TEL:092-283-7381(本社)
FAX:092-283-7368(本社)
URL:https://takason.co.jp/

Writer

おすすめの記事

対談記事【ビジネスのヒント】|接骨院から建設業へ。驚きの経歴と経緯
続きを読む >

お役立ち

2025.10.23

対談記事【ビジネスのヒント】|接骨院から建設業へ。驚きの経歴と経緯

経営に関する悩みや課題を抱える事業経営者の皆さまにとって、銀行の営業担当者は心強いサポーターの一人です。そこで、リニュー編集部では、事業経営者と西日本シティ銀行の営業担当者にスポットをあててインタビュー。サポートのきっかけや、事業の成功までの道のりなどをざっくばらんにお話しいただきます。

【今月のZero-Ten Park】株式会社ストリ|心と体に美しさと健やかさを
続きを読む >

ニュース

2025.09.30

【今月のZero-Ten Park】株式会社ストリ|心と体に美しさと健やかさを

福岡を中心に世界5カ国15拠点を展開するシェアオフィス&コワーキングスペース「Zero-Ten Park」。そこに入居している、今注目したい企業をピックアップ。今回は「株式会社ストリ」をご紹介します。

働き方改革に注力している企業ってどんなところ?|次世代ワークスタイル応援私募債「ミライへの路」
続きを読む >

お役立ち

2023.11.21

働き方改革に注力している企業ってどんなところ?|次世代ワークスタイル応援私募債「ミライへの路」

これから就職先を探している学生のみなさんにとって、どんな企業が自分にとって働きやすいのか、気になりますよね。そこで今回は、西日本シティ銀行が取り扱う次世代ワークスタイル応援私募債『ミライへの路*』を発行している企業のみなさんにご協力をいただき、その企業で実際に働いている若手の社員に直撃インタビュー。なぜ入社を決めたのか、実際に働いてみてどんな感じなのか、などをヒアリングしました。また、併せて、各企業の経営者にも、求める人材像や今後の展望などをお話しいただきました。取材に協力いただいた企業は、地元・福岡で働き方改革に注力している、優良企業ばかりです。ぜひ、就職希望先の候補の一つとして、働く先輩たちのリアルな声をご一読ください。

【ミライへの路に挑む企業】地球を守り働く人の成長を支える環境調査会社|株式会社ENJEC
続きを読む >

お役立ち

2025.07.18

【ミライへの路に挑む企業】地球を守り働く人の成長を支える環境調査会社|株式会社ENJEC

多様な生き方や働き方が広がりつつある現代。企業にはこれからますます、さまざまな人が働きやすい環境を整えることが求められます。社員の働きやすさを叶える企業の取り組みとは?この連載では、実際に働き方改革を積極的に取り組む企業で働く人や経営者にインタビュー。今回は、九州を中心に、水質、大気、土壌といった環境にまつわる調査・分析の事業を手がける、福岡市の株式会社ENJEC(エンジェック)に取材しました。

質の高い人材紹介サービスで、企業も求職者も従業員も幸せに |株式会社GR8キャリア 小畑和貴さん
続きを読む >

インタビュー

2025.06.11

質の高い人材紹介サービスで、企業も求職者も従業員も幸せに |株式会社GR8キャリア 小畑和貴さん

医療・福祉業界の人材紹介サービスをメインに事業展開する株式会社GR8(グレイト)キャリア。代表の小畑和貴さんは宮城県出身で福岡に移住し、住宅メーカーから人材紹介業界に転職したという異色のキャリアの持ち主です。創業から1年足らずでメンバーは20人ほどに増え、順調な滑り出しといえます。しかし、組織や利益の拡大は求めず、あくまでも「質の高いサービス提供」と「社員とその家族が笑顔で過ごせること」にこだわり続けたいという小畑さんに、その思いの根源や起業のストーリーを聞きました。

番組・動画制作から拠点の運営まで、幅広い事業を展開|株式会社move on.e 岩谷直生さん
続きを読む >

インタビュー

2025.06.02

番組・動画制作から拠点の運営まで、幅広い事業を展開|株式会社move on.e 岩谷直生さん

20歳から放送局の番組制作に関わり、個人事業主を経て、41歳で番組と動画制作を主軸にした株式会社move on.eを設立した岩谷直生さん。長年のディレクター経験を生かして、マスメディアの番組やイベントを手掛ける一方で、子どもに向けた全く新しい事業にも意欲的にチャレンジしています。

【事業継続力強化計画認定制度】概要や認定のメリット、申請支援事業も紹介
続きを読む >

お役立ち

2025.11.25

【事業継続力強化計画認定制度】概要や認定のメリット、申請支援事業も紹介

近年、地震や台風などの自然災害、感染症の流行など、企業経営を取り巻くリスクが多様化しています。 こうした中で注目されているのが、災害や緊急事態に備えて事業を継続できる体制を整える「事業継続力強化計画(BCP)」です。 この計画の認定を受けることで、補助金申請時の加点や税制優遇など、さまざまなメリットがあります。 そこでこの記事では、事業継続力強化計画認定制度の概要や認定メリットに加えて、計画策定・申請を支援する取り組みについても解説します。

【中小企業必見】最低賃金引上げに伴う負担軽減策とは?福岡県の支援策も紹介
続きを読む >

お役立ち

2025.11.25

【中小企業必見】最低賃金引上げに伴う負担軽減策とは?福岡県の支援策も紹介

令和7年度の最低賃金引上げにより、全国的に人件費の負担が増加しています。特に中小企業や小規模事業者にとっては、賃上げへの対応が経営上の大きな課題となっています。 こうした状況を受け、国や自治体では、最低賃金の引上げに伴う事業者の負担を軽減するため、各種支援策を打ち出しています。 この記事では、最低賃金引上げに対応するための国の主な支援策に加え、福岡県独自の支援制度について解説します。