インタビュー

長年の経験と実績を生かして、従業員の成長と業界の発展に貢献|トラストツリーインベストメント株式会社 木下真一さん

By 山本佳世

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2024.02.22

「トラストツリーインベストメント株式会社」は福岡市博多区にオフィスを構える投資用・事業用不動産の売買専門会社。代表の木下真一さんは別業界から不動産業界へ飛び込み、地道に実績を積み上げられた努力家です。

今回は起業に至った経緯から他社との差別化を図る事業戦略、社員教育にかける熱い思いまでたっぷりと伺いました。

■プロフィール
トラストツリーインベストメント株式会社
代表取締役 木下真一 さん

福岡県築上郡上毛町出身。福岡大学卒業後、宝石時計の卸会社に勤務。会社員をしながら宅地建物取引士の資格を取得し、不動産仲介会社に転職。20年ほど勤めて不動産業や売買仲介の知識やノウハウを習得し、2019(令和元)年に独立してトラストツリーインベストメント株式会社を設立。

投資用・事業用不動産の売買仲介に特化した会社

――投資用・事業用不動産の販売会社ということですが、詳しい事業内容や特徴を教えてください。

木下:不動産業と聞くと、戸建てやマンションといった住宅の賃貸や購入をイメージされる方が多いかもしれませんが、当社が取り扱うのは住むための物件ではなく、ビルやアパートなどの建物、倉庫などの投資や事業をするための不動産です。売主と買主の間に立って、不動産取り引きを円滑に進める仲介に特化した会社になります。

取り扱う投資用の不動産は1億円を超える物件が多く、顧客としては会社の社長や大手企業の役員、地主の方が多いですね。

弊社はグループに『トラスト不動産鑑定株式会社』という不動産鑑定専門の会社があります。不動産鑑定士は不動産の適正な価格を鑑定するプロフェッショナルであり、銀行や行政機関が参照するような公的評価を行うことができます。専門性が非常に高い業種になるため、不動産専門の会社と一緒に仕事をすることは少ないんです。

弊社は他社との差別化を図るためにいわゆる"査定"ではなく、適正価格の公的評価ができる不動産鑑定士に会社へ入っていただきました。

これによって、最近ニーズが増えている相続における不動産の適正価格の判定や、金融機関から融資を受ける際に担保となる不動産の適正価格の判定にも迅速に対応しています。

世の中の役に立つため、宅建の資格を取得して不動産業界に転職

――これまでのキャリアと、起業に至った経緯を教えてください。

木下:大学卒業後、最初は宝石時計の卸売の会社に就職しました。ある時、当時の社長から『竜馬がゆく』という本を勧められて実際に読んでみたところ、「人の役に立つことをやりたい」と思うようになったんです。当時の仕事が人の役に立たない訳ではなかったのですが、卸売業だったので直接顧客の反応を見ることが少なくて。

それから、まずは何か資格を取得しようと思いました。そこで勉強したのが宅地建物取引士の資格です。特に不動産に興味があった訳ではなく、自分のスキルになると思って会社員をしながら勉強に励みました。そうしたら、1回で合格できたんです。

――宅建に1回で合格とはすごい!それから不動産業に移られたのですか?

木下:はい。その勢いで前職を辞めて、タイミングよく大学の先輩の紹介で新たに北九州市で不動産業の会社を創業する方にお会いする機会があり、営業職を探しているということで採用していただいたんです。

――順調に事が進んで行ったのですね。そちらではどんな仕事をされていたのですか?

木下:その会社も当社と同じく不動産の売買仲介を専門にしていました。ただ、入社したての頃は主にオープンハウスの案内を担当して、チラシを作ったり現地での案内板を設置したり、週末は現場に待機して案内をしたり、という仕事をひたすらこなしていました。

平日は夜遅くまで作業して、土日は案内をしていたのでほぼ休みはなかったと思います。福岡市から北九州市に移ったことで知人や友人もおらず最初は営業活動にも苦戦していましたが、地道な努力を続けることで周囲からも徐々に信頼を得られるようになりました。

――そうした経験で、売買仲介の知識やノウハウを得られたのですね。

木下:最初の10年間は北九州市、その後10年間は福岡市の支店で勤務しました。約20年にわたって多種多様な不動産を取り扱ううちに物件やエリアの特性が分かるようになり、「この土地が売れるのはこういう理屈があり、それでここまでの価格がつけられる」という理論的な話ができるようになりましたね。

――福岡市で起業された理由やメリットはあるのでしょうか?

木下:大学も福岡市だったので馴染みがあったことと、もう一つは福岡市の人口が増えていること。不動産価値は人口の増減にも深く関係しているんです。人口が少なければその土地を利用する人が少なくなるので、値段も安くなります。逆に人口が多いと大勢の人が集まるので土地の値段が上がりやすくなります。

不動産というのは株と違って1年や2年で売却することは少なく、基本的には10年や20年といった長いスパンで所有することが大半です。長期的に見ても人口が増える場所に投資用物件を持っておきたいというニーズは多いので、そういう意味でも福岡市で事業をするメリットは大きいと考えました。

――ちなみに、賃貸や購入用ではなく投資用不動産の仲介をするメリットはあるのでしょうか?

木下:やはり金額が大きくなる分、仲介手数料が高額になることでしょうか。3,000万円のマンションの一室を販売した場合、仲介手数料を3%で計算すると90万円になりますが、3億円の投資用物件になると900万円と桁が1つ変わります。もちろん、取引価格で優劣をつけることはありません。弊社ではお客さまに喜んでいただくことが第一であり、どのような案件に対しても常に全力投球の姿勢で臨みます。

しかし、大型案件の取引を成功させた時の達成感はなかなか経験のできない、大きな自信につながりますので、ぜひ社員にもそうした体験をしてもらい、人間的に成長してほしいと考えています。もちろん、その分責任も大きくなるので、専門的な知識を駆使してお客さまに安心・満足いただける取引ができるようにしています。

また、別の理由として、仲介に特化すると少ない社員数でも対応できるという点もあります。賃貸や購入の不動産業の場合、管理部門が必要なのでどうしてもマンパワーがかかってしまうんですが、仲介の場合はその必要がありませんので、少人数で賄えます。ちなみに当社には9名の社員が活躍してくれていますが、この人数でも仲介専門の会社としては人数が多い方なんですよ。

これまでのキャリアで築いたノウハウを従業員に共有し、高みを目指す

――社員さんの話になりましたので、社員教育で気をつけている事があれば教えてください。

木下:投資用不動産は取り扱う金額も大きくなるので、会社というよりも"人"を信頼して売買する風潮が強いんです。そこで、信頼感の維持と向上を経営理念に置いた社員教育に力を入れています。

私がこれまでの営業経験で培った商談のテクニックをマニュアル化して社員に伝えていることも特徴かもしれません。他にも、日々のタスクや気づき、月間の目標を管理する手帳の活用法といった指導もしています。

教育ではありませんが、社員一人ひとりの営業結果や達成率をスマホや社内の画面で共有できるシステムを導入して、全体の士気を高められるようにもしています。

――そうした社員教育の他に、御社の特色や強みはどういったところにありますか?

木下:不動産業界は未だに紙で情報を管理するといった、アナログな文化が根強く残っているんですよ。取り扱っている物件は山のようにあるのにデータ化されておらず、営業の頭の中にしか入っていない、なんていうこともザラにあります。

そこで当社では費用をかけて取り扱っている物件をすべてデータ化し、パソコンやタブレットで管理や閲覧できるオリジナルのシステムを開発しました。絞り込み検索で必要な情報だけを抜き出せますし、それをワンクリックでメール送信することもできます。

▲データ化することで、顧客からの問い合わせにもスピーディーに対応可能に。

これを開発した背景はDX化を進めたいという思いと、新人とベテランの経験の差を埋めること。誰もが経験値に左右されず即戦力として活躍できるように、「この機能があったら便利だな」と自分の営業の経験を取り入れながらシステムを開発しました。

――最後に、今後の展望を教えてください。

木下:今は福岡市を中心に事業を行っていますので、これからは東京や大阪などの九州外にも商圏を広げていけたらと思っています。先ほど不動産業界は遅れているという話をしましたが、情報共有についても閉鎖的な部分が多いんです。現状、東京や大阪の情報はほとんど我々の元に入ってきていません。そこで今後は福岡の魅力を他地域に広めるという意味でも、我々が福岡の不動産情報を九州外にも発信していきたいと思っています。

もう一つは、海外の投資用不動産も取り扱っていくこと。福岡市は人口が増えているとはいえ、あと数十年もすればいずれ人口は減少して土地の価格も下がる事が予想されます。先手を打って、人口が増えている海外の物件にも着手していきたいと思います。

トラストツリーインベストメント株式会社について

■会社概要
会社名:トラストツリーインベストメント株式会社
URL:https://trusttree.jp/
所在地:福岡市博多区博多駅南1-2-3 博多駅前第1ビル 7F
設立:2019年4月19日
代表取締役:木下真一

■事業内容
投資用・事業用不動産の売買仲介業、不動産有効活用、相続サポート

■問い合わせ先
info@trusttree.jp

お知らせ

Fukuoka Growth Nextでは西日本シティ銀行スタッフが毎週水曜日常駐しています。創業に関するご相談も承っていますのでお気軽にお越しください。

▷福岡市と北九州市には創業期のお客さまをサポートする専門拠点『NCB創業応援サロン』を設置していますので、こちらにもお気軽にお越しください。

[NCB創業応援サロン福岡]
福岡市中央区天神2-5-28 大名支店ビル7階
平日:9:00~17:00
TEL:0120-713-817
[NCB創業応援サロン北九州]
北九州市小倉北区鍛冶町1-5-1 西日本FH北九州ビル5階
平日:9:00~17:00
TEL:0120-055-817

◎コワーキング施設「The Company DAIMYO」

西日本シティ銀行・大名支店ビルの5階、6階にコワーキング施設「The Company DAIMYO」ご利用受付中!
↓↓詳細はこちらをご確認ください。
https://thecompany.jp/multi-location/daimyo/

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