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長崎の補助金・助成金・支援金とは?制度の対象と要件&申請方法まとめ

By 大野 翠

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公開日 2020.08.18

新型コロナウイルス感染症の拡大防止による業務縮小によって、さまざまな業界に経営上の影響が出ています。

それにより、国が主導で実施している持続化給付金などの支援策を中心として、各自治体も特色のある給付金制度などを展開しています。

そのうち、今回は長崎県の新型コロナウイルス感染症対策の支援についてまとめます。

緊急事態宣言の影響に関する支援とは?経営者・個人事業主必見の「一時支援金」について

長崎の補助金・助成金・支援金

長崎県の代表的な支援策

長崎県の代表的な支援策をお伝えします|長崎銀行・西日本シティ銀行

まずは、長崎県で事業をしている個人事業主や、中小企業が申請できる主な支援策を紹介します。

※本記事は2020年(令和2年)8月現在の情報をまとめています。最新情報に関しては、長崎県のホームページなどを確認してください。

長崎県新しい生活様式対応支援補助金

長崎県新しい生活様式対応支援補助金は、県内で事業を営む、店舗等において消費者と接する機会の多い業種が対象です。

新型コロナウイルスを想定した「新しい生活様式」実践のためのガイドラインに則り、さらに「新しい生活様式」を普及させるため、営業継続・再開に向けて感染症拡大防止対策を導入する際に必要な経費を支援します。

個人事業主・中小企業どちらも対象

この補助金の対象は、中小企業と小規模事業者です。小規模事業者には個人事業主も含まれます。ただし、補助対象業態が具体的に示されているため、それらに該当する業態でない場合は申請できない点に注意しましょう。

補助限度額

1事業者あたり10万円以内( 消費税は補助対象外)

※店舗数に関わらず10万円を上限とした支援で、1事業者あたり1回限りの申請。

申請方法

当該ホームページから必要書類をダウンロードし、必要項目を記載のうえ、郵便追跡のできる方法(簡易書留など)で申請します。なお、感染拡大予防の観点から郵送のみの対応となっており、その他の申請方法はありません。

提出先

〒850-8690 長崎中央郵便局私書箱第120号

長崎県新しい生活様式対応支援補助金申請受付センター宛

提出期間

6月15日(月)~10月30日(金)当日消印有効

問い合わせ先

「長崎県新しい生活様式対応支援補助金申請受付センター」

・コールセンター0120− 853− 258

・開設期間6月15日(月)〜10月30日(金)9:00〜17:00(毎日)

テレワーク導入助成金

テレワーク導入補助金は、国の助成金である「働き方改革推進支援助成金(テレワークコース)」を受給した企業が対象です。国のテレワーク助成金に上乗せする形で、長崎県がさらに助成を行うというものです。

上限額と助成率

上限額は1企業あたり50万円で、助成率は以下のとおりとなっています。

  • 国の助成率が3/4の場合、県の助成率=1/4(国の助成の1/3)
  • 国の助成率が1/2の場合、県の助成率=1/2(国と同額)

申請方法

申請書類と添付書類を下記へ郵送してください。

申請書は当該ホームページからダウンロードしてください。

申請書

・テレワーク導入助成金交付申請書

・テレワーク導入助成金算定書

添付書類

・働き方改革推進支援助成金支給決定通知書(写)

・働き方改革推進支援助成金支給申請書(写)

・働き方改革推進支援助成金事業実施結果報告書(写)

・預金通帳(写) ※口座振込先の金融機関名、本支店名、口座番号、口座名義カナ等が記載されている箇所の通帳の写し

提出期限

国の支給決定日から60日以内

提出先

〒850-8570 長崎県長崎市尾上町3-1
長崎県 産業労働部 雇用労働政策課 労政福祉班
電話 095-895-2714

問い合わせ先

長崎県産業労働部雇用労働政策課

電話095- 895- 2714

FAX 095- 895- 2582

長崎県における雇用対策としての支援制度

長崎県における雇用対策としての支援制度|長崎銀行

長崎県緊急雇用維持助成金

国が主導している雇用対策の支援として「雇用調整助成金」があります。これに該当し、助成金を受けている事業者に対して、長崎県は独自で「長崎県緊急雇用維持助成金」を設けています。

従業員の雇用の維持をするために従業員を休業させた企業に対し、国の「雇用調整助成金」に上乗せして、休業手当等の一部を長崎県が助成します。

上限額と助成率

あくまでも国の支援の上乗せですので、国が実施している「雇用調整助成金」を受給していることが前提条件です。なお、国の雇用調整助成金の助成率が10/10である場合は、長崎県の助成金は対象外となります。

それ以外の場合の助成率は以下のとおりです。

  • 国の助成率が2/3の場合、県の助成率は「休業手当総額の7/30」
  • 国の助成率が4/5の場合、県の助成率は「休業手当総額の1/10」
  • 助成限度額は1事業者あたり100万円

申請方法

下記の書類を、長崎県産業労働部と雇用労働政策課に郵送します。

交付申請書は当該ホームページからダウンロードしてください。

  • 交付申請書
  • ① 国から郵送される「雇用調整助成金等の支給決定通知書」(写)
  • ② 国から郵送される「雇用調整助成金等の助成額算定書」(写)
  • ③ 振込みを希望する口座の預金通帳(写)⇒1回目の申請のみ

提出期限

国の支給決定日から2ヶ月以内に提出してください。
※ただし、令和2年6月30日以前に国の支給決定があった場合は令和2年8月31日まで

提出先

〒850-8570 長崎県長崎市尾上町3-1
長崎県 産業労働部 雇用労働政策課 労政福祉班
電話:095-895-2714

問い合わせ先

長崎県産業労働部雇用労働政策課

電話:095-895-2714

FAX :095-895-2582

特定経営基盤維持事業

特定経営基盤維持事業は国境離島地域(壱岐対馬、五島列島など)を対象とし、これまでの雇用機会拡充事業により新たな事業を創出した事業者に対して、主に固定費などの経営基盤の維持に必要な経費を支援します。

ただし、特定経営基盤維持事業の補助金と持続化給付金の両方を受け取ることはできません。本事業の交付決定後に持続化給付金の給付を受けた場合でも本事業の補助金を受け取ることができなくなりますので注意が必要です。

また、持続化給付金の支給要件を満たさない場合でも本事業の補助金を受け取ることができる可能性があります。対象地域の行政窓口に相談してみましょう。

上限額と助成率

法人400万円、個人200万円を上限とした補助金で、助成率は3/4です。

申請方法

対象地域の行政窓口にて相談、申請となります。行政によって対応が違いますので、事前に確認しておきましょう。

問い合わせ先

対象地域の行政窓口

観光業等に関する長崎県独自の支援策

観光業等に関する長崎県独自の支援策

長崎県独自の支援策は、観光や交通に携わる業種、漁業などへのサポートが手厚いという特徴があります。

これは、長崎県は全国的にも観光地が多いことで有名であり、海の多い立地を生かした海産物製造が盛んであることが起因していると考えられます。

長崎県ホームページ内に支援制度の一覧が掲載されていますので、自身が営む事業に該当するものがないか確認してみることをおすすめします。

観光地受入態勢ステップアップ事業

観光地受入態勢ステップアップ事業は、県内に事業所を置く宿泊事業者、交通事業者、地場旅行会社、観光協会など観光に携わる業種を対象としています。

従業者の雇用を維持し、魅力ある観光地づくりにつながる取り組みを行う場合、最大1,000万円の支援が実施されます。担当部署は長崎県・観光振興課となっており、申請は郵送またはメールで行います。

漁業経営継続支援事業費補助金

漁業経営継続支援事業費補助金は、国の経営継続補助金を活用して経営の継続を図るための取り組みを行う漁業者(法人・個人どちらも)が対象です。自己負担分の1/4のさらに半分である1/8が支援されます。1漁業者あたり16万6,000円が上限です。

申請方法などについては、担当部署である長崎県水産経営課に相談してみましょう。

問い合わせ先

長崎県水産経営課
電話:095-895-2833

水産、農畜産、公共交通、医療等に関する支援策

このほか、長崎県ではさまざまな支援策が設けられています。

水産関係、農畜産関係に対しては、「水産物保管等支援緊急対策事業補助金」「肉用牛経営体質強化緊急支援事業費補助金」「長崎県農業経営継続支援事業(補助金)」があります。

公共交通に対しては、「長崎県公共交通事業継続等支援事業奨励金」という支援が挙げられます。

また、医療・介護・障害福祉に関連する施設や事業所に対し、長崎県独自で慰労金の支給も行っています。

今年起業した事業者が利用できる支援制度

今年起業した事業者が利用できる支援制度

新型コロナウイルス感染症の拡大が広がり始めたころは、2020年(令和2年)に創業したばかりの事業者は支援の対象外でした。しかし今では、少しずつ対象が広がりつつあります。該当するものがあれば、申請を検討してみましょう。

持続化給付金(国が実施)

長崎県独自の支援ではありませんが、起業したばかりの事業者が申し込むことのできる支援策で一番わかりやすく、広く認知されているのは「持続化給付金」です。

新型コロナウイルス感染症が原因となり、前年度の収入に対して50%以上減少した事業者(法人・個人事業主)が対象です。申請期限は2021年(令和3年)1月15日までです。

2020年(令和2年)1月から3月に起業した事業者も対象となりますが、申請要件となっている「収入減」に関して、税理士の確認が必要です。

【参考】持続化給付金の申請方法とは?対象やもらえる条件・注意すべきポイント

補助金はもらえない場合もある点に注意

補助金とは、給付金のように「条件に該当すれば受給できる」という性質のものではありません。一定の審査があり、不採択になる場合もあります。

補助金の概要をよく読んだ上で、自身の事業が該当するようであれば積極的に申し込みをしてみましょう。

銀行でも各種支援の相談ができる

例えば長崎銀行では、支援や融資など創業関連の相談を受け付けています。創業関連では以下のような支援金制度もあります。

ながさき創業支援資金

ながさき創業支援資金は、以下2つをいずれも充足すれば申込できます。

①長崎県内で新たに事業を始める方、または、事業を始めて5年未満の方

②日本政策金融公庫の融資承認を得られる方

この支援金は、運転資金や設備資金に使うことが可能であり、融資金額上限は3,000万円です。詳細は長崎銀行までお問い合わせください。

ながさき事業応援資金

ながさき事業応援資金は、長崎県信用保証協会の保証対象となる法人・個人を対象としています。こちらも、ながさき創業支援資金と同様に、運転資金・設備資金に使用することができます。融資期間は10年以内、融資限度額は5,000万円以内です。ながさき事業応援資金の詳細も長崎銀行までお問い合わせください。

緊急事態宣言の影響に関する支援とは?経営者・個人事業主必見の「一時支援金」について

まとめ

このように、長崎県独自の支援策や、国の支援に上乗せする内容の支援策はいくつも準備されています。

長崎県で活動している事業者は、長崎県や住んでいる地域のホームページを確認し、支援制度について調べてみることをおすすめします。

不明な点は、県や行政の相談窓口、長崎労働局、地域の商工会議所などの担当部署へ相談しましょう。

【監修】長崎銀行
*画像をタップ/クリックすると長崎銀行の公式Webサイトにアクセスできます

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