やりたいプロジェクトがあるけれども資金がない場合には、クラウドファンディングがおすすめです。クラウドファンディングは気軽に資金調達ができる方法であり、初心者でも始めやすい仕組みとなっています。今回は、クラウドファンディングの特徴とやり方について分かりやすく解説します。
クラウドファンディングの仕組みと方法
事業者が気軽に行える資金調達方法
クラウドファンディングという言葉を耳にするものの、どういう仕組みなのかいまいち分からない人もいるでしょう。クラウドファンディングは資金調達方法のひとつで、ひと言でいうと「ネットで出資を募集する仕組み」です。
何かやりたいプロジェクトがあったときの資金支援を、募集サイトであるプラットフォームで行います。プラットフォームは特性によって金融型、購入型、寄付型などがあります。
リターンの内容によって、3種類の支援方法に分かれる
金融型
プラットフォームの特性として、金銭的リターンを返すのが「金融型」です。支援してくれた人に対して、配当の支払いなど金銭の利益をリターンとします。
購入型
「購入型」は、支援によって完成した商品やサービスを提供するものです。支援の成果を受け取れるため、支援者は「応援している」という気持ちになりやすいといえます。
寄付型
「寄付型」には、支援に対して配当のような見返りがありません。社会貢献活動のように、困った人たちを助けることを目的としたプロジェクトの多くがこの形態を取っています。
目標金額に達したらプロジェクトがスタート
クラウドファンディングを始める際には、募集段階で目標金額を設定します。そして、支援金が目標に達したら支援が決定となり、プロジェクトがスタート可能となります。
反対に、目標金額を下回った場合は、基本的にクラウドファンディングにおける支援を受けることができません。
目標金額を達成しなければ決済されない
クラウドファンディングでは、支援者がいくらかの支援をした際にお金の決済が行われるわけではありません。あくまでも目標金額を達成して初めて決済されるのです。
これがクラウドファンディングの主な特徴のひとつであり、支援希望者は目標金額を目指してアピールすることとなります。
All-in方式なら、目標未達成でもプロジェクトが実施される
クラウドファンディングの中には、支援が1件でもあればプロジェクトが実施されるAll-in(オールイン)方式もあります。目標を達成しなくても支援してもらえる点は、All-in方式のメリットといえます。
一方で、支援者が少なくても、リターンの提供やプラットフォームへの手数料がかかる点はデメリットといえるでしょう。
クラウドファンディングに失敗するとどうなる?未達成時の対処法&成功のための心得
【初心者向け】クラウドファンディングのやり方4ステップ
1.やりたいことを具体的に決める
クラウドファンディングを利用する場合には、まずやりたいことを決めるところからがスタートです。これまで温めていたアイデア、やってみたい事業、思い描いていた夢などを具体化してみましょう。
資金集めは「目的ではなく手段」であると心得る
「クラウドファンディングを使ってお金を集めよう」と安易に考えるのではなく、やりたいプロジェクトありきで検討することが大切といえます。
なぜなら、目的は資金集めではなくプロジェクトの遂行であり、資金集めはその手段です。この目的と手段が逆転してしまうと、支援者に見透かされた内容となり、募集作業が無駄骨に終わってしまうことも考えられます。
2.役割分担をする
「誰と・どのようにするのか」を検討する
やりたい事が決定すれば、その内容を「誰と・どのようにするのか」について検討しましょう。一人でできるプロジェクトならすべて自分で担うのもいいですが、大きなプロジェクトの場合は役割分担をすることで効率的に進められます。
たとえば、クラウドファンディングで映画を作るなら、脚本、監督、撮影、出演などさまざまな役割が必要になります。プロジェクトが決定した段階でチーム編成についても考えておきましょう。
3.目標金額を設定する
高すぎず、低すぎない金額を決める
役割分担が決まれば、次は目標金額の設定です。ここで、1円でも多く集めたいと思って金額を高くしすぎると、達成率が下がってしまう恐れがあります。
反対に金額が低すぎると、少ない資金でプロジェクトを遂行しなくてはなりません。適切な金額となるように、目標金額は慎重に決めましょう。
上回った分は支援金として受け取れる
適切な金額設定の上で、目標金額を上回った分は支援金としてもらうことができます。本当に必要な金額を設定して募集すれば、目標金額以上の支援金を集められる可能性もあるということです。
手数料を考慮する
プラットフォームの手数料は決済額の10%~20%ほどが一般的です。目標金額を決める際には、この手数料も考慮した上で検討しましょう。
4.プラットフォームに申請する
目標額が決まったら、いよいよプラットフォームへの申請です。申請といってもまずは問合せと同義なので、気軽に相談することが可能です。プラットフォームにもよりますが、問合せをすると担当営業から連絡が入り、内容のヒアリングが行われます。
その後に商談(打合せ)をしてからスタートする流れが一般的です。分からないことがあれば担当者に相談しながら進められるため、初心者でも安心して利用できるでしょう。
成功するためには?クラウドファンディングの始め方のコツ
社会的に意味のあるプロジェクトを立ち上げる
社会に役立つプロジェクト
クラウドファンディングで支援金の募集をしたからといって、確実にお金を集められるとは限りません。誰からも支持されないプロジェクトであれば、募集するだけで終わってしまうこともあるでしょう。
クラウドファンディングで支援金を集めるコツとして、社会に役立つプロジェクトを企画することが挙げられます。見た人が面白いと感じるプロジェクトや、「この商品・サービスが欲しい」「助けたい」と思ってもらえるようなプロジェクトを立ち上げましょう。
マーケティングに基づくプロジェクト
多くの事業でマーケティングが必要といわれるとおり、クラウドファンディングにおいても、マーケティングに基づいたプロジェクトであることが大切といえます。
クラウドファンディングもいわば事業であるため、マーケットに受け入れられるポテンシャルがあるからこそ、支援者の心を動かすことができると考えられるでしょう。
たくさんの人に知ってもらうための工夫をする
プロジェクトの存在を知ってもらうことが大切
どれだけ良いプロジェクトの募集でも、目標金額に満たない場合もあります。そもそもプロジェクトが人に見られなければ、支援金を集めることはできません。「プラットフォームに載せているから大丈夫」と思うのではなく、たくさんの人に認知されるような工夫をしましょう。
プレスリリースで広報をする
どのプラットフォームも数多くのプロジェクトが掲載されているので、自身のプロジェクトが埋もれてしまうこともありえます。そうならないように、自分自身でも積極的に広報活動を行いましょう。たとえば、報道陣に発表する「プレスリリース」が挙げられます。
プレスリリースとは、事業内容を報道発表する方法です。プロジェクトを一定の書式にまとめて、記者クラブや各メディアにFAXするとよいでしょう。プレスリリースのフォーマットは、ネット上にあるものを活用すると取り組みやすいのでおすすめです。
SNSで拡散する
プレスリリースのような宣伝方法のほかに、SNSの活用も有効といえます。広報がメディアなどで「広く報せる」方法である一方、SNSでの宣伝はより身近なところから拡散を狙うことができます。
繰り返し投稿を見ているうちに支援してくれることも珍しくないため、何度も見てもらえるように継続して拡散することが大切といえます。
SNSに投稿するのはもちろん、FacebookメッセンジャーやLINEなどで特定の人に直接案内する、シェアやリツイートをお願いするなど、ぜひ有効活用して認知度を高めましょう。
まとめ
クラウドファンディングは気軽にプロジェクトの支援金を募る方法です。プロジェクトの企画からプラットフォームへの申請までいくつかのステップを踏みますが、それほど難しいものではないので初心者にも挑戦しやすいといえます。
社会的に意味のあるプロジェクトの立ち上げを前提に、しっかりと宣伝をして目標金額を達成しましょう。
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