地震や豪雨、台風などにより、大きな災害が起こることがあります。災害時に身近な人の安否が知りたいことは言うまでもありませんが、近頃は企業などにおける従業員の安否確認の重要性についても再認識されています。本記事では、主に企業が災害時に安否確認を行う目的や実施方法について説明します。
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安否確認とは?内容や目的について
日本は災害の多い国ですから、「安否確認」という言葉を耳にする機会も多くなっています。まずは、安否確認とはどういう意味なのか、何のために行うのかを確認しておきましょう。
安否確認とは
大きな災害や事故の際に必要な生存確認
「安否」とは、無事か否か、安全か否かという意味です。安否確認とは、ある人の生存や無事を確認するという意味になります。大きな災害や事故の現場に人がいた場合には、まずその人の生存確認をしなければなりません。ケガをしていないか、その他に問題はないかも確認が必要になります。
安否確認が必要な場面
安否確認をする代表的な場面は、災害が起こったときです。地震、台風、豪雨などの自然災害が起これば、死傷者が出ることもあります。大きな事故に巻き込まれたときにも、安否確認が必要になることがあるでしょう。
安否確認の目的
身近な人の無事を確認できれば、何より安心できるでしょう。また、安否確認をすることで、自分がとるべき行動を判断できます。もし相手が困っているようなら、何らかの形で援助できるでしょう。
企業においては、従業員の安否確認をして、事業継続の可否を判断しなければなりません。人間が災難に巻き込まれている限り、まずは安否確認が必要になると言えます。
災害時に備えて安否確認の方法を考えておくことが大切
地震などの自然災害が起こると、通信網が断絶してしまうことがあります。いつもは電話やメッセージアプリですぐに連絡ができる人でも、思うように連絡がとれなくなるかもしれません。緊急事態における安否確認の方法は、普段から考えておく必要があるでしょう。
企業が災害時に安否確認を行う意味
上にも書いたとおり、企業が安否確認をすることには、事業の継続可否について判断するという目的があります。そのほかの目的も含め、企業が災害時に安否確認を行う意味について整理しておきましょう。
事業の継続可否を判断するため
企業を動かしているのは従業員です。事業を継続するためには、従業員が無事でなければなりません。特に、医療やライフラインなど災害時でも稼働を期待される企業では、事業継続や早期の事業再開を考えなければならないでしょう。
災害が起こったら速やかに従業員の安否を確認し、事業継続の可否を判断する必要があります。
BCPにおいて安否確認は重要な意味を持つ
BCPとは、事業継続計画(Business Continuity Plan)のことです。災害やテロなどの緊急事態に遭遇した場合でも、事業を継続または早期に再開できるようあらかじめとっておく対策がBCPです。
平常時からBCPを準備しておくことで、事業縮小や倒産を防いで、企業価値を維持することも可能になります。安否確認のシステムを整えておくことは、BCPを実行する上でも重要と言えます。
従業員との信頼関係を維持するため
事業を継続するためには、従業員との信頼関係が重要です。心身ともに安全であるからこそ、従業員は安心して働くことができます。そのため、緊急事態に陥ったときでも、企業は従業員と家族の無事を確認し、安全を守るための措置をできる限り講じる必要があります。
災害などの際に社員の安全を守る手段として、BCP対策や安否確認の方法をきちんと備えておくと、従業員から会社への信頼が高まるでしょう。
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企業における安否確認で必要なこと
災害はいつ起こるかわかりません。BCPの一環として、安否確認の方法を考えておきましょう。安否確認の方法を選ぶときに注意しておきたいことをピックアップします。
従業員全員に迅速に連絡できる
事業継続可否の判断は速やかに行う必要があります。安否確認に時間がかかり過ぎると意味がありません。そのため、従業員全員とスピーディーに連絡がとれる手段を選びましょう。
通信回線が断絶しにくい
災害時には通信回線がつながりにくくなります。できるだけ断絶しにくい通信手段を選ぶことも大切です。
安否情報の集約がしやすい
従業員から安否情報の回答があったら、回答を集計したり、整理したりすることも必要になります。そのため、集計や整理がしやすい方法を選ぶのがよいでしょう。
緊急事態でも使いやすい
災害時にはただでさえパニックになってしまいがちなので、慣れない連絡作業は難しいことがあります。従業員ができるだけ簡単に安否情報を連絡できるような手段が望ましいでしょう。
安否確認にはどんな方法がある?
安否確認には、次のような方法が考えられます。それぞれの方法にメリットやデメリットがありますので、自社で安否確認を行う場合に適した方法を考えておきましょう。
電話
従業員に電話をして、無事を確認する方法です。電話をかければ直接話ができますので、相手が無事かどうかがすぐにわかります。従業員の数が多い場合、一人一人に電話をかけていると時間がかかるので、緊急連絡網を作っておくのが望ましいでしょう。
災害時には電話がつながらないことも
災害時には通信回線が正常に機能しなくなり、電話がつながらないことが多くなります。通信網が断絶していなくても、多くの人が一斉に電話をかけることにより、つながりにくいこともあるでしょう。災害時の安否確認の手段としては、不十分な場合があります。
メール
従業員全員のメールアドレスを登録していれば、メールを利用して安否確認ができます。メールは携帯電話やスマートフォンでも使えますから、安否確認にも有効なツールです。電話と違って、複数の人に一度にメールを送信することもできます。
緊急時でも、従業員へ一斉にメールを送って返信してもらうことで、従業員の安否情報を確認しやすくなるでしょう。
電話と同様に、スムーズに連絡がとれないことがある
電話と同様、メールも災害時にはつながりにくくなる可能性があります。多くの人が一斉にメールを送信すれば、サーバーがダウンしてしまうことがあるからです。仮にメールを送信できても、相手の方で正常に受信できているかどうかもわかりません。
また、最近では連絡手段としてLINEなどのメッセージアプリを使うことが多いため、メールを受信してもすぐにチェックしない人が増えていると考えられます。従業員が多い場合には、返信を整理するのにも時間がかかってしまうでしょう。
SNS・メッセージアプリ
災害が起こったときでも、インターネットが使えれば、SNSで情報を発信することができます。SNSで被害の情報を伝えたり、メッセージアプリで無事を報告したりすることも可能です。LINEなど日頃から使い慣れているツールで安否確認ができれば心強いでしょう。
アクセス集中のリスクはある
SNSやメッセージアプリも、災害時にアクセスが集中すれば、サービスへの負荷がかかって機能しなくなる可能性はあります。また、日常的に従業員とSNSやメッセージアプリを使ったコミュニケーションを行っていなければ、いざというときに使えないでしょう。
災害用伝言ダイヤル
災害時に利用できる電話を通じた伝言板が、災害用伝言ダイヤルです。災害用伝言ダイヤルは、NTTコミュニケーションズが提供し、NTT東日本、NTT西日本が運営しています。
災害に遭った人は「171」に電話し、自らの電話番号をキーとしてメッセージを登録することができます。安否を確認したい人は、「171」に電話し、相手の電話番号を入力すると登録されているメッセージを再生することができます。
企業の安否確認には適さない
災害用伝言ダイヤルは、家族や友人との間の安否連絡に利用することが想定されています。従業員の自宅の電話番号を調べたり、171に電話してメッセージを引き出したりするのには時間がかかりますから、企業で従業員の安否を一斉に確認したい場合には向いていないと言えるでしょう。
安否確認システム
安否確認に特化したネットワーク(安否確認システム)を利用して緊急時の安否確認を行う方法もあります。安否確認システムには、災害発生時に安否確認のメールを自動で送信できる機能や、従業員の安否回答を集計して表示できる機能などが付いています。
自社でサーバーを構築するオンプレミス型や、クラウドサーバーを利用するクラウド型などさまざまなタイプのサービスがあり、自社で使いやすいものを選べます。
事前の訓練が必要
安否確認システムは、日常的に使うものではありません。いざというときに使えるようにするためには、定期的に訓練しておく必要があります。
ビジネスチャット
業務用の連絡にビジネスチャットを利用している企業も多いでしょう。一般のメッセージアプリと違って、ビジネスチャットにはファイルの添付や共有などビジネスで使いやすい機能が付いています。日常の業務に便利なビジネスチャットですが、災害時の安否確認にも利用できます。
普段利用しているビジネスチャットなら、操作に戸惑うようなこともありません。ビジネスチャットの場合、LINEなどと比べ、緊急時にアクセスが集中する可能性も低いと言えます。
安否確認の自動集約は難しいことも
ビジネスチャットは安否確認に特化したものではないため、安否確認システムで使えるような自動集計ツールなどは使えません。ただし、オプションとして安否確認機能を備えたビジネスチャットも登場しており、今後は同様のサービスが増えていく可能性があります。
「西日本FH BigAdvance」を利用するのもおすすめ
さまざまな経営課題をサポートしてくれる「西日本FH BigAdvance」では、ビジネスチャットも利用できます。事業を進める際に利用するのはもちろん、災害時の安否確認ツールとして活用するのもおすすめです。
災害に備えて安否確認方法を考えておこう
現代ではネットワークの発達により通信手段が増えていますが、災害時に使える方法は限られています。緊急事態に備えて、従業員の安否をスムーズに確認できる方法を考えておきましょう。電話やメールといった方法のほか、「西日本FH BigAdvance」のようなビジネスチャット機能があるサービスを利用するのも一つです。
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AFP(日本FP協会認定)、行政書士、夫婦カウンセラー
大学卒業後、複数の法律事務所に勤務。30代で結婚、出産した後、5年間の専業主婦経験を経て仕事復帰。現在はAFP、行政書士、夫婦カウンセラーとして活動中。夫婦問題に悩む幅広い世代の男女にカウンセリングを行っており、離婚を考える人には手続きのサポート、生活設計や子育てについてのアドバイス、自分らしい生き方を見つけるコーチングを行っている。