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e-Taxで確定申告するやり方とは?申請に必要なものや手続きの方法をガイド!

By 森本由紀

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2023.02.08

確定申告は手間がかかって苦手という人も多いのではないでしょうか。確定申告する際は、インターネットで手続きが完了するe-Taxが便利です。本記事では、e-Taxで確定申告するやり方を説明します。必要な事前準備をし、期限に遅れないよう手続きしましょう。

確定申告するならe-Taxが便利

年間の収入にかかる税金を計算して確定させるために、確定申告は忘れてはならない手続きです。確定申告が必要な人は、e-Taxで行うことを考えてみましょう。まずは、e-Taxの概要を説明します。

e-Taxとは

e-Tax(イータックス)とは「国税電子申告・納税システム」のことです。e-Taxを利用すれば、所得税、消費税、贈与税、法人税などの国税の申告や納税をオンラインで完了できます。

インターネットで確定申告できる

所得税の確定申告は、以前は税務署に確定申告書を提出して行うものでした。しかし現在は、e-Taxというやり方があります。

e-Taxによる電子申告を選択すれば、紙の確定申告書を用意する必要はありません。確定申告書は電子データで税務署に送信します。PCやインターネット環境があれば、自宅からでも手続きが可能です。

e-Taxの利用状況

国税庁の発表によると、2021年度(令和3年度)分の確定申告を自宅などからe-Taxで行った人は442万人です。前年より122万人増加しており、初めて確定申告会場で申告書を作成・提出した人数を上回りました。e-Taxによる確定申告がスタンダードになりつつあることがわかります。

出典:国税庁「令和3年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について(報道発表資料)

e-Taxで確定申告するメリット

確定申告は、従来どおり紙の確定申告書を提出するやり方でも可能です。しかし、e-Taxを使ってインターネットで申告すると、次のようなメリットがあります。

確定申告の手間を減らせる

確定申告書を税務署に持参したり郵送したりするのは、時間や手間がかかるものです。e-Taxであれば、どこへも行かずに確定申告ができます。確定申告期間中は、メンテナンス時間を除き24時間利用可能な点も魅力です。忙しい人でも空いている時間を利用して申告できるため、時間のロスが少なくなります。

65万円の青色申告特別控除が受けられる

個人事業主の場合、青色申告をするケースが多いでしょう。青色申告の一番のメリットは、最大65万円の青色申告特別控除が受けられることです。

2020年(令和2年)分の確定申告以降、e-Taxによる申告(または電子帳簿保存)を行わなければ、65万円の控除が受けられなくなりました。青色申告をする人は、e-Taxを利用しないとメリットを最大限活用できないでしょう。

添付書類を省略できる

紙で確定申告する場合、控除証明書などの添付書類も用意する必要があります。e-Taxで確定申告する場合も、控除証明書などは手元に用意しなければなりません。

しかし、添付を省略できる書類が多いため、手続きの手間は省けます。なお、添付を省略できる書類も、法定申告期限から5年間は保存が必要です。

スピーディーに還付が受けられる

税金の還付が受けられる場合、紙の確定申告では還付金の入金まで1ヶ月~1ヶ月半くらいかかるのが通常です。e-Taxなら紙の確定申告より迅速に処理されるため、還付までの期間が短くなるメリットもあります。

e-Taxで確定申告する大まかな流れ

e-Taxによる確定申告をする前に、手続きの大まかな流れや必要なものを知っておきましょう。

1. 事前準備

e-Taxで確定申告する場合、事前に利用者識別番号を取得しなければなりません。利用者識別番号とは、16桁の数字です。e-Taxの利用申請手続きをすれば発行されるため、忘れないように保存しておきましょう。

2. 申告データの作成

e-Taxの場合、確定申告書はパソコン、スマホなどで作成します。確定申告書の作成は、国税庁のホームページ(確定申告書等作成コーナー)で簡単にできます。このほかに、e-Taxソフトや市販の確定申告ソフトを使うやり方もあります。

3. 申告データの送信

作成した確定申告書のデータを、インターネットで税務署に送信します。送信結果や還付金の処理状況は、e-Taxにログインすれば確認できます。

e-Taxで確定申告するために必要なもの

e-Taxでの申告に必要なものは、次のとおりです。

パソコン及びインターネット環境

インターネットに接続できるパソコンを用意しなければなりません。申告内容によっては、スマートフォン・タブレットの利用も可能です。

マイナンバーカード

e-Taxによる申告は、マイナンバー方式とID・パスワード方式という2つのやり方に分かれます。マイナンバーカード方式で申告する場合には、マイナンバーカードを取得しておかなければなりません。

ICカードリーダライタ

マイナンバーカード方式の場合、マイナンバーカードの読み取りが必要です。ICカードリーダライタがあれば、マイナンバーカードの読み取りができます。

なお、2021年(令和3年)分の確定申告からは、スマホでの代用が可能になりました。マイナンバーカード読み取り対応スマホがあれば、IDカードリーダライタは不要です。

e-Taxでの確定申告には2つのやり方がある

e-Taxで確定申告する場合、マイナンバーカード方式とID・パスワード方式の2つのやり方があります。それぞれどんな方法か確認しておきましょう。

マイナンバーカード方式

マイナンバーカードを使ってe-Taxにログインし、申告データを送信するやり方です。マイナンバーカード読み取りのため、ICカードリーダライタなどを使います。

ID・パスワード方式

事前に税務署で本人確認を受け、IDとパスワードを発行してもらうやり方です。e-Taxにログインするときには、利用者識別番号と暗証番号を入力します。

マイナンバーカード普及までの暫定的な対応

国税庁によると、ID・パスワード方式は暫定的な対応とされています。マイナンバーカードが普及すれば、ID・パスワード方式は廃止されるかもしれません。これからe-Taxを開始する人は、マイナンバーカードを取得しておくのがおすすめです。

e-Taxで確定申告するための事前準備

確定申告が必要な人は、e-Taxによるオンライン申告を検討しましょう。ここからは、e-Taxを始める前に準備しておくことや必要なものを説明します。

マイナンバーカードを取得

マイナンバーカード方式で申告するには、マイナンバーカードが必要です。マイナンバーカードの取得には時間がかかります。確定申告に使いたい場合には、早めに申請手続きをしておきましょう。

マイナンバーカードの申請方法

マイナンバーカードは、オンライン、郵送、証明写真機から申請できます。通常は1ヶ月程度で市区町村から交付通知書が届くため、市区町村の窓口で受け取りましょう。

利用者識別番号の取得

マイナンバーカードをICカードリーダライタで読み取り、e-Taxの受付システムにログインします。「初めてe-Taxを利用される方はこちら」という箇所から進み、必要事項を入力しましょう。マイナンバーカード方式の登録が完了し、利用者識別番号が発行されます。

スマホでログインする方法

2022年(令和4年)1月以降、ICカードリーダライタの代わりにスマホを使ってe-Taxにログインできるようになりました。ただし、スマホはICカードの読み取りに対応していなければなりません。

このやり方でログインするには、まずスマホにマイナポータルアプリをインストールしておきます。スマホでパソコンに表示されたQRコードを読み取り、利用者証明用電子証明書パスワードを入力しましょう。その後マイナンバーカードを読み取れば、パソコンからログインされた状態になります。

利用者識別番号の確認方法

利用者識別番号は、マイナンバーカード方式の届出時に希望すれば通知してもらえます。受付システムにログインしても確認できます。マイナンバーカード方式の場合、通常は番号入力が必要な場面はありません。

ただし、電子納税や税理士への依頼の際に必要になることがあるため、確認・保存しておきましょう。

パソコン環境の整備

e-Taxで確定申告する場合、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」で申告データの作成や送信ができます。「確定申告書等作成コーナー」の動作環境を確認し、用意されている「事前準備セットアップ」ファイルをインストールしておきましょう。

ID・パスワード方式の場合には

ID・パスワード方式で確定申告するには、税務署に行って対面で本人確認を受け、ID・パスワード方式の届出をする必要があります。手続き完了後、利用者識別番号が記載された通知書をもらえるので保管しておきましょう。e-Taxにログインするときには、利用者識別番号と暗証番号を使います。

確定申告データの作成方法

e-Taxの事前準備ができたら、確定申告書のデータを作成しましょう。ここからは、確定申告データを作成する3つのやり方について説明します。

国税庁「確定申告書等作成コーナー」を利用する場合

個人事業主がe-Taxで確定申告する場合、国税庁ホームページの「確定申告書等作成コーナー」を利用する方法がおすすめです。所得税の申告書を選択し、画面の案内に従って金額などを入力しましょう。計算も自動で行ってくれるため、簡単に確定申告書を作成できます。完成した確定申告書のデータは、e-Taxによりそのまま税務署に送信可能です。

e-Taxソフトを利用する場合

国税庁が提供しているe-Taxソフトをダウンロードし、確定申告書を作成するやり方もあります。パソコンにインストールしたe-Taxソフトを起動し、操作マニュアルを見ながら申告書を作成しましょう。e-Taxソフトで作成した確定申告書のデータは、e-Taxの受付システムを経由して税務署に送信できます。

e-Taxソフトは操作方法が若干複雑です。個人事業主の確定申告では、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」を利用した方が簡単でしょう。

確定申告ソフトを利用する場合

市販の確定申告ソフトを使って申告書を作成するやり方もあります。確定申告に対応した会計ソフトであれば、通常は入力した帳簿のデータをもとに自動的に申告書を作成可能です。会計ソフトで作成した確定申告書のデータは、e-Taxソフト(WEB版)を使って送信できます。

スマホで確定申告するやり方は?

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2019年(平成31年)より、スマートフォンとe-Taxを組み合わせた「スマホ申告」がスタートしました。当初は限定的だったスマホ申告の対象も、徐々に拡大されています。2023年(令和4年)現在、スマホ申告による手続きはどうなっているのかを説明します。

スマホ申告ができる人

スマホ申告の対象となるのは、給与所得、雑所得、一時所得など一部の所得のみです。なお、所得控除については、すべての控除がスマホ申告の対象になります。事業所得のある個人事業主はスマホ申告できないため、パソコンを利用しましょう。

スマホ申告できるのは、会社員が医療費控除などの還付申告を行う場合や、副業している人が雑所得の申告を行う場合などです。

スマホ申告の利用状況

国税庁の発表によると、2021年度(令和3年度)分の確定申告では、スマホを使ってe-Taxで申告した人は153万人です。スマホ申告は前年度に比べて約1.5倍に増加しています。

出典:国税庁「令和3年分の所得税等、消費税及び贈与税の確定申告状況等について(報道発表資料)

スマホ申告のやり方

スマホ申告の場合、スマホから国税庁の「確定申告書等作成コーナー」にアクセスして確定申告データを入力します。申告データの入力が完了したら、スマホからe-Taxにより送信が可能です。

スマホ申告に必要なもの

スマホ申告は、マイナンバーカード方式、ID・パスワード方式のどちらでも利用できます。ただし、マイナンバーカード方式でスマホ申告を行うには、マイナンバーカードの読み取りに対応したスマホが必要です。ID・パスワード方式の場合には、利用者識別番号及び暗証番号を入力してe-Taxを利用できます。

まとめ

インターネットを使ってオンラインで確定申告ができるe-Taxには、さまざまなメリットがあります。確定申告にかかる時間や手間をできるだけ少なくするために、e-Taxを活用しましょう。e-Taxを利用する場合には、マイナンバーカード方式が便利です。マイナンバーカードの申請も、早めに行っておきましょう。

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