
大学時代にホームページの制作を請け負うことからスタートし、個人事業主として起業。その後、たった1年足らずで法人化した合同会社ドルフィン代表の木下銀次郎さんをインタビュー。SES(システムエンジニアリングサービス)事業やWebアプリケーション開発事業といった現在の事業内容をはじめ、起業に至るまでの経緯や学生で起業することのメリットやデメリット、これから先の展望などについてお話を伺いました。
合同会社ドルフィン代表 木下銀次郎(きのした ぎんじろう)さん
福岡県出身。子どもの頃からパソコンが好きで高校は情報科学科に進学。その後、大学の経済学部で学びながら企業のインターンとして経験を積み、大学3年次に起業。4年次に法人化して合同会社ドルフィンを設立。
スタートは友人に依頼されたホームページ制作
――木下さんが起業されたのは大学時代だそうですね。その経緯を教えてください。
木下:子どもの頃からパソコンが好きだったので、高校は情報科学科に入学しました。卒業後は大学の経済学部に進みましたが、当時はまだ具体的に将来を決めていたわけではありません。ただ、プログラミングをかなり勉強していましたし、趣味でいろいろなものを作っていたので、2年次ぐらいからフリーランスサイトに登録して仕事を受けるようになったんです。
一番最初の案件は友人に依頼されたホームページの制作でしたが、少しずついただける仕事が増えていき、経験を積んでいきました。
追い風になったのは、実はコロナ禍になって大学の授業がリモートになったこと。どこの場所にいても勉強ができるので、学生をしながら1年間インターンとして修行させてもらえる会社を探したんです。アプリケーションの開発について知識・技術を深めたいと思い、複数の会社に声をかけた結果、東京で駐車場のオンライン契約をアプリケーションで構築している会社が受け入れてくれました。
おかげでさまざまなスキルが身につき、その後は高度な案件を受注できるようになって仕事の幅が広がったので、その会社にはとても感謝しています。フリーランスとしての売上が上がっていったことで、税理士さんからのすすめもあり、大学4年次に合同会社ドルフィンを設立しました。合同会社を選んだのは、設立コストを抑えられる点に魅力を感じたからです。
――「就職活動をする」という選択肢はなかったのでしょうか?
木下:修行させてくれた会社から「正社員にならないか」というありがたいお話もいただきかなり悩んだのですが、「まだ他の世界も見てみないと」という気持ちがありお断りしたんです。でも、就職活動をするつもりはありませんでした。あまり組織向きのタイプではないという自覚があって…(笑)。「会社の設立も良い経験のひとつ」と考え法人化しましたが、おかげさまで現在4期目になりました。
甘やかしてくれる反面、経験年数で悔しい思いも

――大学の在学中に起業することに対し、周囲からの反対などはありませんでしたか?
特に誰からも反対されることはありませんでした。母は私のことを「何を言っても言うことを聞かない子」だとよくわかっているので、諦めているのか基本何も言いません。「まぁ、がんばってね」というぐらいのテンションでエールをくれることで、背中を押してはくれました。子どもの頃から「自分がやりたいことをやる」という性格で、高校も「自分が行きたいところに行く」など、自分の思ったことを貫いてきたんです。
――大学生で起業したことのメリットとデメリットを教えてください。
「まだ学生なのにこんなことまでできてすごい」と褒めていただいたり、「まだ学生だからね」と甘やかしてくれることが多かったのはメリットだったのかもしれません。ごはんに連れて行ってもらったり、いろいろと世話をしてくれる先輩がいたのはありがたかったです。その反面、「まだ学生だから経験年数少ないよね」と言われてしまったり、意見を言っても受け入れてもらえないことが多々ありました。負けず嫌いな性格なのでそんな時は悔しくてたまらなかったのですが、グッと堪えていたのを覚えています。
――現在はお一人で仕事をされているのですか?
業務委託という形ではあるのですが、手伝ってくれているスタッフが一人います。クライアントは東京の会社ばかりですが、そのスタッフが福岡在住ということもあって、私は東京と福岡を2週間ずつ行き来する生活をしています。
クライアントと共に作り上げた達成感がやりがいに
――現在の主な事業内容は?
メインとなっているのはSES(システムエンジニアリングサービス)事業です。「開発がしたい」というクライアントのチーム内に入り込み、一緒に作業を行っています。それぞれの会社で文化や開発の約束事、規約などが異なるだけでなく、チームの雰囲気も違うので、突然参加してすぐに溶け込むのは大変。さらに、担当したアプリケーションにバグが見つかってサービスが止まったりデータが消えてしまったり…なんてことになれば、損害賠償になることも考えられます。協調性やコミュニケーション力だけでなく、細かいところにまで気を配る必要がある仕事です。
もうひとつは、自分たちで開発したアプリケーションを販売するWebアプリケーション開発事業。現在、AIを使ってブログを生成するアプリケーションが完成しており、どう販売していくかを考えています。サイトのSEO対策のためにブログを書いている会社や人は多いと思いますが、1本書くのに2~3時間かかる記事をAIが2~3分で書いてくれるので、会社であれば人件費の削減につながりますし、そもそもブログの書き方がわからないという方に活用していただけるはずです。
――木下さん、そして貴社の強みは何でしょうか?
クライアント先がどんなチームでも、しっかりコミュニケーションを取りながら業務を進められることです。その結果、信頼を得ることは私が最も得意にしていることだと自負しています。もうひとつは、引き受けた仕事はどんなことがあっても遂行するということ。しっかりと責任を持って最後までやり切ることを信条としています。もちろん、納期に遅れることはありません。
――どんな時に仕事のやりがいを感じていらっしゃいますか?
子どもの頃から好きだったパソコン関連の仕事ができる、ということそのものにもやりがいを感じていますが、やはりクライアントと共に一つのものを作り上げることができた時には大きなやりがいを感じています。クライアントの「ありがとう」という言葉が何よりも嬉しいです。
仲間を増やして、プレイヤーから経営者に

――これからの展望を教えてください。
現在は、クライアントの要望に合わせて開発を行うSES(システムエンジニアリングサービス)事業がメインですが、Webアプリケーション開発部門を育てていき、将来的にはこちらをメイン事業にするのが目標です。自分が考えたものをすぐに落とし込める環境があるので、「そのアイデアをどう形にし、どういった層にアプローチできるのか」を考えることに熱中しています。今年は営業を担当してくれるスタッフを増やし、作ったものをすぐに売れる体制を作っていきたいですね。
アプリケーションの内容については、AIに関するものを専門にしているので、これからもその分野を研究していきたいと考えています。先ほど「AIを使ってブログを書くアプリケーション」の話をしましたが、もう次のアプリケーションの制作にも入っているんです。AIによってもっと世の中を便利にしていく。その一端を担うことができたらと思っています。
――「会社を大きくしたい」と考えられているのはなぜですか?
個人事業主として一人で始め、2~3年の間一人で仕事をしていましたが、一人だとあまり楽しくないなと感じていたんです。そのため、「楽しさ」や「人生的な豊かさ」をプライベートに求めていました。でも、私たちは人生のうちかなり長い時間を仕事に費やしていますよね。だったら仕事の時間が楽しくないと、「おもしろい人生」にはならないということに気づいて…。「仕事を楽しむためにどうしたら良いか」を考えた時、必要なのは「仲間」の存在なんだとハッとしました。だったら仲間を作って、仲間と会社を大きくしていきたいと考えているんです。そのためにも、私はプレイヤーから経営側になろうと決心しています。
――どんな仲間が増えていくことが、木下さんの理想ですか?
人には私のように仕事に命をかけているような人間もいれば、単純に生活のためだけに仕事をしている人間もいます。後者の考え・生き方も尊重したいと思っていますが、私とはタイプが異なるので共に働くのは難しいかもしれません。働くことへの強い意欲を持ち、私と同じ熱量で、「よし、やろう!がんばろう!」と動ける人が仲間になってくれたら良いなと思っています。
合同会社ドルフィンについて
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大学卒業後、印刷会社に就職し『FUKUOKA STYLE』編集部に所属。独立後は企業や官公庁、大学などの広報物の編集・取材・ライティング等に携わる。現在は福岡市内でクリエイティブオフィス「shirotoiro」を運営。プランナー・編集者・ライター・ディレクターとして活動しながら、エステサロン「momotoiro」の運営も行う。食べることが大好きですが、グルメライターではありません。
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