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【経営者注目】ESG(esg)経営とは?取り入れて企業価値を高める方法

By 森本由紀

|
2021.11.22

経営者であれば、ESGという言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?環境や社会に配慮した経営戦略を表す造語で、企業が長期的に持続するために欠かせない考え方として世界中で認識されています。本記事ではESG経営について解説しますので、導入する際の参考にしていただければ幸いです。

近年注目されているESG経営とは

近年、企業が目指す経営の方向性として、ESGというキーワードが注目されていることをご存じでしょうか?ESG経営は、企業の長期にわたる持続的な成長を可能にする考え方です。まずは、ESGの定義や注目されている理由について説明します。

ESGとはどんな考え方?

ESGとは、「Environment(環境)」「Social(社会)」「Governance(企業統治)」の3つの要素の頭文字をとった言葉です。具体的には、ESG経営とは以下のような点を重視した経営といえます。

環境への配慮

環境にやさしい事業活動をすることです。CO2の削減や再生可能エネルギーの利用、環境汚染の防止など、自然環境へのダメージを抑える工夫や環境ビジネスへ注力することなどが考えられます。

社会への影響

社会問題の解決や社会への貢献です。職場における男女平等やダイバーシティの推進などの人権尊重の取り組み、ワーク・ライフ・バランスの確保など労働環境の整備、地域社会のニーズに合わせた商品開発などが該当します。

企業統治の体制強化

企業統治は、コーポレートガバナンスとも呼ばれます。積極的な情報開示やコンプライアンスの徹底、社外取締役の活用といった透明性の高い企業経営を行い、不祥事を回避することなどが含まれます。

ESGが注目されているのはなぜ?

18世紀に起こった産業革命以降、科学技術は目覚ましく発達し、企業は大量生産により大きな利益を得られるようになりました。しかし20世紀に至り、企業による利益追求はさまざまな負の影響をもたらしたのも周知の事実です。地球温暖化などの環境問題のほか、労働環境の悪化や度重なる不祥事など、経済社会は見過ごせない問題を抱えることになりました。社会の発展と企業の存続を考えたとき、利益追求だけを重視した経営を改める必要があります。こうしたことから、ESGというキーワードが注目されるようになったのです。

ESGという言葉はいつから使わるようになった?

ESGという言葉が使われるようになったのは、2006年(​​平成18年)当時の国連のアナン事務総長が提唱した「責任投資原則(PRI)」です。PRIでは、売上高や利益などの財務指標にだけ注目するのではなく、環境影響や社会貢献を考慮して投資先を選ぶ「ESG投資」が呼びかけられています。以降、ESGは特に投資における文脈で使われることが多くなっています。

ESG投資とは?

PRIで述べられているとおり、ESGを重視した経営を行っている企業に投資することです。2021年(令和3年)8月時点では、世界の4000以上と日本の90以上の機関がPRIに署名しています。投資家にとって、ESG投資は国際的なスタンダードとなっているのです。投資家の動向の変化が、企業のESG経営を促進しているといえます。

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SDGsとの違いは?

SDGsは近年日本でも広くPRされており、多くの人が認知しているキーワードです。「Sustainable Development Goals(持続可能な開発⽬標)」の頭文字をとった造語ですが、2015年(平成27年)の国連サミットで世界共通の目標として採用されました。ESGとSDGsも目指すところは共通していますが、ESGは個々の企業が、SDGsは人類が一緒になって目指す目標という違いがあります。

CSRとの違いは?

CSRとは、「Corporate Social Responsibility(企業の社会的責任)」のことです。企業は利益を出すことを目的とした営利法人ですが、責任もあります。企業は、ステークホルダー(利害関係者)に対して適切な対応をしなければなりません。CSRには、安全で高品質な商品・サービスを提供する責任やコンプライアンスに則った経営、環境への配慮などが含まれます。CSRはあくまで企業の責任ですが、ESGはその責任にもとづき企業がとる経営戦略を意味します。

ESG経営を取り入れることで、企業にどんな効果が期待できる?

環境汚染や社会問題に配慮した経営を目標に掲げる企業は増えています。企業がESG経営を行うことには、どんなメリットがあるのでしょうか?

持続的な発展を支える基礎となる

ESG経営は、世界を長期にわたって持続可能なものにしていく「サステナビリティ(持続可能性)」の動きに対応したものです。良好な状態で持続的に発展していくことは、企業の目標でもあるでしょう。サステナビリティを推進するうえでは、ESGを基礎に経営戦略を考えるのが有効です。

企業のイメージアップにつながる

ESG経営に取り組めば、企業のイメージが良くなります。現代の企業には単にモノやサービスを売ることだけでなく、社会貢献が求められます。利益を追求するだけの姿勢では、消費者も離れていってしまうでしょう。ESG経営により、企業のブランド力が向上します。

従業員のモチベーションが上がる

ESG経営により従業員が働きやすい環境を整備すれば、離職率の低下が期待できます。企業の社会的評価も上がり、従業員の労働意欲も増すでしょう。ESG経営は、優秀な人材の確保や生産性の向上につながります。

資金調達がしやすくなる

ESGを重視した企業に投資を行うESG投資は、世界的なスタンダードになりつつあります。ESG経営を促進すれば、資金調達が容易になるのです。金融機関も企業のESG経営を重視しているため、融資を受ける際にもメリットがあります。

経営リスクの防止

企業が存続していくためには、ステークホルダーの信頼を維持することが欠かせません。環境問題や労働問題を引き起こすようなことがあれば、企業の信用力が低下してしまいます。ESGへの取り組みを明確にすることで、経営リスクを回避できます。

新規事業の創出

ESG経営を進めようとすると、環境問題や社会問題の解決を意識することになります。多方面に目を向けることで、新たなビジネスチャンスが生まれるかもしれません。ESGに配慮した新規事業を始めるなら、投資家の資金も集めやすいでしょう。

顧客ターゲットの拡大

環境や社会への影響を重視した商品開発は、新たな顧客層を開拓することにもつながります。顧客層の拡大により事業が大きく成長し、利益も増大する可能性があります。

ESG経営を成功させるために重要なポイント

ESG経営の重要性を理解できたとしても、すぐに実現するのは困難です。企業がESG経営を成功させるためのポイントを説明します。

企業全体での取り組みが必要

企業のトップがESGを意識することは重要です。しかし、経営陣だけでESGを実現しようとしてもうまくいきません。トップから一般従業員まで、組織全体が一丸となって取り組む必要があります。社内研修でESG教育を行うなど、従業員の意識改革を行いましょう。

新たな価値の創造を目指す

ESGに取り組むにあたっては、将来的に達成したい目標を明確にしておくべきです。ESGの推進により、新たな価値を創造することを目指しましょう。企業の目指すビジョンがステークホルダーに伝われば、高い評価を得られます。

積極的な情報発信

企業のESGへの取り組みは社内のみならず、社外へも積極的に情報発信することが重要です。従業員に対しては社内報を活用するほか、定期的な研修で意識向上を図りましょう。取引先や投資家に向けても、適切なESG情報開示を行う必要があります。

専門家のアドバイスも活用

ESG経営を進めていくうえでは、計画の策定やモニタリングが必要です。第三者的な立場から、ESG経営の取り組みを支援してもらえるアドバイザーがいれば心強いでしょう。社外の専門家に、コンサルティングやサポートを行ってもらうのは有効な方法です。

気になるESG経営の今後について

これから、ESGを意識した経営を進めたいと考えている経営者も多いのではないでしょうか?気になるESG経営の今後の見通しについて説明します。

ESGを無視した経営は困難

ESGは世界共通のガイドラインとして、欧米を中心に広く浸透しています。現状、日本ではESGの認知度は決して高いとはいえません。しかし、企業が長く存続していくためには、環境や社会に対する影響を意識した経営が不可欠です。今後はどこの企業でも、ESG経営が当たり前になるでしょう。

コロナがESGを促進

新型コロナウイルス感染症の流行は、企業のESG経営の導入を促進しています。たとえば、テレワークの導入は在宅勤務を可能にし、子どものいる女性が勤務しやすい環境の整備につながりました。コロナによる企業環境の変化は、女性活躍やダイバーシティを推進するきっかけになっています。ESGがポストコロナの時代を支える基本的な考え方になることは、間違いないでしょう。

投資家の関心もさらに高まる

ESGの観点から企業を評価するESG投資への関心は、今後ますます高まるはずです。投資家に選ばれる企業になるために、環境負荷の低減や地域社会への貢献に力を入れる会社は増加するでしょう。ESGが企業のブランド価値を決めることになります。

ステークホルダーの意識も変化

顧客や取引先、従業員、株主など、企業を取り巻くステークホルダーの意識も変わってきています。たとえば、ゴミを減らせるような環境にやさしい商品を求める顧客は少なくありません。産休・育休を取得しながら働き続けたいという女性や定年退職後の勤務継続を希望する従業員は、これからますます増えるでしょう。こうしたステークホルダーの意識の変化も、企業のESGを後押しすると思われます。

まとめ

ESGは、環境問題、社会問題を解決する世界共通のフレームワークとなっています。財務評価にのみとらわれた事業展開を進めても、ステークホルダーの支持は得られません。ポストコロナ時代の生き残りのためにも、ESGを意識した経営戦略を意識しておくことが大切です。

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