
ファクタリングとは、資金調達手法の一つです。事業者が保有している売掛債権をファクタリング会社へ売却すると、売掛金の支払い期日前に現金を得られる仕組みになっています。スピーディかつ債務者にならずに資金調達できるファクタリングについて、仕組みや利用時の注意点、事業者の選び方を解説します。
ファクタリングとは
資金調達方法の一つであるファクタリングとはどんなものか、意味とタイプ、仕組みを紹介します。
ファクタリングの意味
ファクタリングとは「債権売買」という意味を持つ金融用語です。
ファクタリングとは
事業者が売掛金を売却することで資金調達する方法です。保有している売掛金(売掛債権)を期日前に買い取ってもらうことで、資金繰りを良くします。
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売掛金とは
取引先に対し、代金の支払いを後日請求する方法を「売掛」といい、売掛金はその請求ができる権利・債権を指します。売掛金には支払い期日が設けられています。
たとえばある取引が成立した際、「この代金をA社へ翌月25日に支払います」という約束をします。この場合、A社は売掛金を保有していることになり、翌月25日に売掛金となっていた代金を受け取る仕組みです。
ファクタリングは支払い期日前の資金調達が可能
前述のA社が売掛金を現金化するには、支払い期日まで待つ必要があります。期日前にどうしても資金が必要な場合、資金調達の一つとしてファクタリングが有効です。
ファクタリング会社へ売掛金を売却することで、A社は売掛金の支払い期日前に資金を得られます。売却時には手数料が発生し、手数料分を差し引いた金額がファクタリング会社からA社へ支払われます。
ファクタリングには2タイプある
ファクタリングには以下の2種類があり、「買取型」がファクタリング取引では一般的となっています。
買取型
買取型ファクタリングとは、ファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらう資金調達方法です。前述したA社のファクタリング取引は、買取型に該当します。
保証型
保証型ファクタリングとは、売掛債権の貸し倒れリスクを回避するための取引です。いわば「保険」のようなもので、取引先の倒産など売掛金の回収が難しくなった場合に、ファクタリング会社から保証金を受け取れます。
買取型ファクタリングは資金調達を目的としていますが、保証型ファクタリングは万が一のリスクに対する保証が主な目的です。
ファクタリングの仕組み
ファクタリング取引にあたっては、ファクタリング利用者(以下「事業者」と表記)とファクタリング会社との売買契約が基本です。その際、取引先(売掛先)へ通知するかしないかで、対応方法や手数料が変わります。
2社間ファクタリング
2社間ファクタリングとは、取引先(売掛先)へ通知しないでファクタリング契約する資金調達方法です。事業者とファクタリング会社の2社間で取引契約します。
事業者はファクタリング会社に審査を申し込み、通過すると契約内容の提示を受けます。合意後、契約を結び、手数料を差し引いた金額を受け取るのです。
売掛金の支払い期日に、取引先(売掛先)から売掛金が支払われます。その金額をファクタリング会社へ送金し、取引完了です。
3社間ファクタリング
3社間ファクタリングとは、取引先(売掛先)へ通知し、承認を得たうえでファクタリング契約する資金調達方法です。
事業者はファクタリング会社に審査を申し込み、通過後、契約内容の提示を受けます。合意後、取引先(売掛先)へ「債権譲渡通知」を行い、承諾を得て契約成立となります。
支払いは、ファクタリング会社から手数料を差し引いた金額です。取引先(売掛先)はファクタリング会社へ直接、売掛金を支払い、取引完了です。
2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの比較
2社間ファクタリングの場合、取引先(売掛先)の承認を得ずに取引できます。そのため、スピーディに現金化できるメリットがあります。
3社間ファクタリングは取引先(売掛先)を介する分、時間と手間がかかります。取引先への印象を気にする事業者にも不向きでしょう。
一方、3社間ファクタリングは、ファクタリング会社が直接、売掛先に譲渡債権の存在を確認できるという利点があります。ファクタリング会社にとって、売掛金未回収のリスクが低くなることから、一般に、手数料は割安となります。
ファクタリングの種類

ファクタリングは対象者ごとにサービスが提供されており、主に次の3種類があります。
給与ファクタリング
個人に対応しているサービスとして、給与ファクタリングがあります。急にお金が必要なとき、便利です。
給与ファクタリングとは
給与を債権として売買することで、給料日前にお金を受け取れる方法です。個人で利用できます。
契約が成立すると、給与の予定額から手数料を引いた金額がファクタリング会社から支払われます。勤務先から給与を受け取ったら、ファクタリング会社にその額を支払うことで取引が完了します。
事業者向けファクタリング
円滑な資金繰りのために、ファクタリングの仕組みを活用する事業者は多いです。
事業者ファクタリングとは
事業による取引で発生した売掛金や、受取手形などの売掛債権を売買する資金調達方法です。
早期に資金が必要な場合、事業者が融資を受けるには審査や担保の準備など、時間と手間がかかります。事業者ファクタリングであればこれらは不要となり、スピーディーに現金化できます。また、事業の業績に関係なく利用できるのも大きなメリットです。
医療ファクタリング
3者間ファクタリングの代表ともいえるのが、医療ファクタリングです。入金まで数ヶ月かかる報酬も、医療ファクタリングを利用すればスピーディーな資金調達が可能になります。
医療ファクタリングとは
病院や調剤薬局、介護事業者の各種報酬に関する債権売買による資金調達方法です。一般的に、これらの報酬は入金まで数ヶ月を要します。医療ファクタリングを利用すれば、期間を短縮できるメリットがあります。
ファクタリングのメリットとデメリット

資金調達手段としてファクタリングを検討する際、知っておきたいメリットとデメリットを解説します。
ファクタリングのメリット
ファクタリングには、金融機関からの融資に頼れない事業者でも資金調達しやすいというメリットがあります。
負債にならない
金融機関から融資を受ける場合、お金の借り手は債務者となります。
一方、ファクタリングは金融機関の融資とは異なり、利用しても債務者にはなりません。負債を抱えずに資金調達できます。
保証人や担保が不要
融資による資金調達では、保証人や担保を用意せねばなりません。
ファクタリングであれば、審査対象は売掛先の信用力が中心です。保証人・担保を提供する必要がなく、資金調達のハードルを下げられます。
信用情報が影響しない
ファクタリングとは、債権の売買契約です。金融機関の融資のような貸付契約ではありません。そのため融資を受ける場合に照会される信用情報も、ファクタリング利用時には関係ありません。
事業者の場合、赤字決算や債務超過に陥っていても、ファクタリングを利用できる利点があります。
売掛先の倒産時も安心
もし、売掛先の倒産などにより、ファクタリング取引で売却した売掛金が回収できなくなっても、売却代金の返済義務は生じません。
ファクタリングで締結するのは売掛債権の売買契約であり、召喚請求権や買取請求権はないためです。
ファクタリングのデメリット
メリットが多いファクタリングですが、注意すべき点もあります。
手数料が割高になることがある
金融機関からの融資時に支払う利息と比べて、ファクタリングの手数料は割高になる傾向があります。
手数料率はファクタリング会社ごとに設定されているため、利用時には複数の会社を比較することも大切です。
偽装ファクタリングに注意
悪質な金融業者が、ファクタリングを装って違法な貸付をする事例も増えています。特に個人利用者を対象とした給与ファクタリングは悪質な金融業者が多く紛れているといわれており、注意が必要です。
参考:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」
ファクタリング事業者の選び方

実際にファクタリングを行う場合、どのような方法でファクタリング事業者を選ぶとよいのでしょうか。
貸金業登録がされているか確認しよう
ファクタリング事業を扱う会社を探す際、耳慣れない社名を聞くことも多いでしょう。最も安心なのは、貸金業者として登録されている事業者を選ぶことです。
ファクタリングは、契約内容によっては貸金業に該当することがあります。その場合、貸金業登録されていない事業者が取引するのは違法とみなされます。
金融庁のウェブサービスで登録業者を検索できるので、活用しましょう。
金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」
複数の事業者を比較して決めよう
ファクタリング事業者ごとに、契約条件や手数料が異なります。手数料は、主に取引先(売掛先)の信用度により上下します。各社の基準に照らした審査が行われるため、利用時は複数の事業者を比較するのがおすすめです。
まとめ
売掛金を素早く現金化したい事業者にとって、ファクタリングとはとても助かる仕組みといえます。債務を抱えず、スピーディに資金調達できるのは、ビジネスを円滑に進めるにあたり大きなプラスとなります。注意点を踏まえながら、賢く活用したいものです。
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