物流の2024年問題とは、トラックドライバーの時間外労働時間に上限が設けられることで生じる課題を指します。働き方改革法案の「時間外労働時間の上限規制」の猶予期間が終了する2024年4月以降、物流業界はもちろん、荷主企業や一般消費者にも影響が出るでしょう。今回は、2024年問題の中身を詳しく解説します。物流の2024年問題とは誰もが働きやすい社会を実現するために、国をあげた取り組みが進められています。その指針となっている働き方改革により、物流・運送業界における働き方にも変化が起こりそうです。まずは、今話題を集めている「物流の2024年問題」について、概要と背景を解説します。「物流の2024年問題」概要本来、物流の2024年問題とは、トラックドライバーの長時間労働を改善するための前向きな取り組みです。しかし、その思いとはうらはらに、現実的な課題も浮かび上がっています。そのため、「問題」という言葉が使われているのです。物流の2024年問題について、具体的な中身を見ていきましょう。「物流の2024年問題」の中身2024年4月1日以降、働き方改革関連法の「自動車運転業務における時間外労働時間の上限規制」が適用されます。トラックドライバーの労働時間に新たな上限が設けられ、違反した場合は罰則が科せられます。時間外労働時間とは法定労働時間を超えて働いた時間です。1日8時間、週40時間を超過して働いた分が時間外労働となります。時間外労働には上限が設定されています。また、時間外労働分の給与は割増率が適用され、基本給に上乗せされる仕組みです。物流の2024年問題が提起されたきっかけ物流の2024年問題は「働き方改革を推進するための関係法律の整備に関する法律(働き方改革関連法)」が土台にあります。働き方改革関連法働き方改革関連法とは、2018年(平成30年)に成立した法律です。労働者がより働きやすい環境の実現を目指すべく制定されました。これにより、長時間労働の是正や待遇の見直し等が行われています。各業界や産業、企業規模の特性を考慮し、働き方改革関連法の各制度・規制には一部猶予期間が設けられています。段階を経て順次、施行されている状況です。物流の2024年問題も、猶予期間の終了に伴い提起されている課題です。厚生労働省「働き方改革特設サイト」時間外労働時間の上限規制とは働き方改革関連法における「時間外労働時間の上限規制」とは、どのような内容なのでしょうか。「時間外労働時間の上限規制」概要働き方改革関連法には「時間外労働の上限規制」があります。2019年(令和元年)に大企業で、2020年には中小企業で施行されました。時間外労働時間の上限は月45時間、年間360時間となっています。労使間で合意した場合は月100時間未満、年間720時間です。2024年から物流に影響が出る理由トラックドライバーが従事する自動車運転業務は、上限制限に5年の猶予期間が設けられていました。その期限は2024年3月末まで、つまり2024年4月1日からは上限制限の対象になります。これが「物流の2024年問題」の土台です。猶予期間中、トラック運送など自動車運転業務における時間外労働時間は、厚生労働省の「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準(改善基準告示)」を基に各事業者が管理しています。猶予期間の終了による変化これまでトラックドライバーには時間外労働時間の上限がありませんでしたが、2024年4月1日からは働き方改革関連法の「時間外労働時間の上限規制」に従うこととなります。ドライバーは、ほかの職種とは異なる規制を設けています。具体的には、時間外労働時間が年間960時間に変更されるというものです。通常の上限よりも増えているのは、運送中の交通状況や荷物の積み下ろしの時間を考慮しているためです。また、時間外労働時の給与割増率も変わります。従来は25%プラスでした。改正後は月60時間超の給与に対し、50%プラスに引き上げられます。物流事業者が抱える課題運送や物流事業者は、2024年問題によりどんな影響を受けるのでしょうか。売り上げの減少労働が企業の売り上げに直結している労働集約型産業である運送・物流業界において、時間外労働時間の上限制限は売り上げ減少を招きかねません。企業における労働量が減るため、必然的に売り上げも減ってしまうという考え方です。事業者の固定費は従来のまま、もしくは上昇傾向であるにも関わらず仕事の量が減れば、売り上げ減少による利益減少の圧力は更に大きくなります。長時間労働・低賃金トラック運転手は、走行距離に応じた運行手当を受け取っています。時間外労働時間の上限規制がスタートすれば、稼働時間が従来より短縮され、走行距離も短くなるでしょう。そもそも、トラックドライバーなど自動車運転業に携わる人の賃金は、他の業界に比べて低い傾向にあると言われています。実際、国土交通省の調査では以下の報告がなされています。年間賃金は、労働時間が長いにも関わらず、全職業平均と比較して約1〜3割低い。引用元: 国土交通省「自動車運転業務の現状」2024年問題でさらに影響を受けるとなれば、従事者にとっても大きな打撃となります。人材確保が難しい有効求人倍率は全職業平均の約2倍。人手不足が年々深刻化。引用元:国土交通省「自動車運転業務の現状」元々、配送に携わるドライバーの人材確保が難しい状況にありました。2024年問題を視野に入れると、より一層厳しくなると予測できます。時間外労働に上限が設けられれば、ドライバーの稼働時間が減ります。そして、配送できる荷物の量も減少します。今までと同じ荷物量を同じスケジュールで配送しようとすると、ドライバーの確保が必須です。現状でも人材確保が難しい中で、さらに人を増やすのは非常に大変なことです。ドライバーの高齢化平均年齢は、全職業平均と比較して約3〜17歳高い。引用元:国土交通省「自動車運転業務の現状」配送・物流の産業におけるドライバーの平均年齢は高めになっており、高齢化が課題となっています。業務量の限界や退職者の増加、将来の担い手教育など、人材確保や育成の難しさをより深刻なものにしているのです。荷主・個人消費者への影響2024年問題は、物流業界以外にも波及すると見られます。荷主や一般消費者にとっても、決して他人事ではないのです。荷主が受ける影響商品の配送を委託する側である荷主にとっても、2024年問題は非常に大きなテーマです。運賃の値上げ物流企業が2024年問題による売り上げ・利益減少をカバーする手段として、運賃の値上げが挙げられます。運賃が上がれば、荷主の負担は増加します。取引の縮小配送運賃の値上げは荷主にとって、取引縮小につながる恐れがあります。従来の物流オペレーションでは運用できなくなり、さまざまな変更を余儀なくされることを視野に入れておくべきでしょう。一般消費者への影響さらに一般消費者においても、2024年問題の影響を少なからず受けるものと見られます。即日配達が困難にネットショッピングをする際に便利な配送サービスである「即日配達」が利用できなくなるのではと指摘されています。ドライバーの稼働時間減少や、人材不足による影響です。配送料の値上げこの流れでいくと、荷物の配送料が値上げされてもおかしくありません。これまで送料無料だった商品も、配送料の負担を求められる可能性があります。インターネットで日常的に買い物をする人は、家計負担が増えることになります。物流の2024年問題を見据えた、新たな物流システムへ2024年問題がいよいよ現実味を帯びてきた中、物流の新たなシステム構築に取り組む企業が増えています。デジタル化の推進限られた労働時間の中で今までと同程度の業務量をこなすために、システムの見直しが有効です。デジタル化を進めることで、業務効率アップを目指せます。トラック予約受付における荷待ち時間の短縮、車両管理のシステム化によるトラック稼働率向上などは、2024年問題の課題解決に役立ちます。業務効率化は人材確保にも有効物流業務のデジタル化は仕事の効率化につながるだけでなく、人材採用における訴求ポイントにもなります。社内システムの整備により業務効率が上がれば、これまでよりも短い時間で売り上げを確保できるようになるためです。同業他社との差別化にもつながるでしょう。リレー運送の本格導入これまでひとりのトラックドライバーが担当していた配送業務を、複数で担う動きも出ています。いわゆる「リレー運送」です。別の地点から来たトラック同士が中継地点で待ち合わせをし、互いの荷台を引き継ぎます。その後、それぞれの出発地へと引き返すのです。リレー形式にすることでトラックドライバーの日帰り勤務が可能になり、稼働時間の短縮につながります。まさに、時間外労働時間の上限規制にマッチした方法といえます。ドライバーの働き方改革につながるかリレー方式によりドライバーの拘束時間を短くできれば、働き方も大きく変わります。日帰り勤務により身体への負担が軽減され、プライベートの時間をより多く持つことが可能です。また、従来の働き方は厳しいと感じていた人にもドライバー勤務の門戸が開かれるのではないかと、期待が高まっています。ゆっくり配送また、荷主の新サービスも注目を集めています。通称「ゆっくり配送」と呼ばれているものです。ゆっくり配送は、海外のネットショップを中心に取り組みが始まっています。通常の配送予定日よりも予定を遅らせることで、商品購入者が特典を得られるサービスです。荷主・配送業者・一般消費者の「三方よし」な仕組みゆっくり配送は荷主や配送業者、消費者それぞれに大きなメリットがある仕組みです。荷主や配送業者が得られるメリットは、繁忙期の業務・コスト削減、供給能力の負担を軽減できることです。消費者には、割引クーポンなどの特典を得られる利点があります。スピーディな配送システムは、利用者にとって非常に便利です。一方、「そこまで急いでいない」というユーザーもいます。ゆっくり配送は、この点に着目した効率的なシステムです。まとめ物流の2024年問題は、物流業界だけの問題に留まりません。今後、物流業務システムの見直しや配送サービスの変更、運賃改定などが進められ、各業界や一般消費者にも何らかの影響が出るでしょう。ただ、2024年問題は、配送現場を担うトラックドライバーの労働環境を改善するための法規制が基になっています。働きやすさや業務効率のアップなど、業界におけるプラスの面にも期待したいところです。>>「価値の連鎖」バリューチェーン、「供給の連鎖」サプライチェーンについて
ファクタリングとは、資金調達手法の一つです。事業者が保有している売掛債権をファクタリング会社へ売却すると、売掛金の支払い期日前に現金を得られる仕組みになっています。スピーディかつ債務者にならずに資金調達できるファクタリングについて、仕組みや利用時の注意点、事業者の選び方を解説します。ファクタリングとは資金調達方法の一つであるファクタリングとはどんなものか、意味とタイプ、仕組みを紹介します。ファクタリングの意味ファクタリングとは「債権売買」という意味を持つ金融用語です。ファクタリングとは事業者が売掛金を売却することで資金調達する方法です。保有している売掛金(売掛債権)を期日前に買い取ってもらうことで、資金繰りを良くします。>>西日本シティ銀行ではWebで完結できるクラウドファクタリングサービスをスタートしました!売掛金とは取引先に対し、代金の支払いを後日請求する方法を「売掛」といい、売掛金はその請求ができる権利・債権を指します。売掛金には支払い期日が設けられています。たとえばある取引が成立した際、「この代金をA社へ翌月25日に支払います」という約束をします。この場合、A社は売掛金を保有していることになり、翌月25日に売掛金となっていた代金を受け取る仕組みです。ファクタリングは支払い期日前の資金調達が可能前述のA社が売掛金を現金化するには、支払い期日まで待つ必要があります。期日前にどうしても資金が必要な場合、資金調達の一つとしてファクタリングが有効です。ファクタリング会社へ売掛金を売却することで、A社は売掛金の支払い期日前に資金を得られます。売却時には手数料が発生し、手数料分を差し引いた金額がファクタリング会社からA社へ支払われます。ファクタリングには2タイプあるファクタリングには以下の2種類があり、「買取型」がファクタリング取引では一般的となっています。買取型買取型ファクタリングとは、ファクタリング会社に売掛債権を買い取ってもらう資金調達方法です。前述したA社のファクタリング取引は、買取型に該当します。保証型保証型ファクタリングとは、売掛債権の貸し倒れリスクを回避するための取引です。いわば「保険」のようなもので、取引先の倒産など売掛金の回収が難しくなった場合に、ファクタリング会社から保証金を受け取れます。買取型ファクタリングは資金調達を目的としていますが、保証型ファクタリングは万が一のリスクに対する保証が主な目的です。ファクタリングの仕組みファクタリング取引にあたっては、ファクタリング利用者(以下「事業者」と表記)とファクタリング会社との売買契約が基本です。その際、取引先(売掛先)へ通知するかしないかで、対応方法や手数料が変わります。2社間ファクタリング2社間ファクタリングとは、取引先(売掛先)へ通知しないでファクタリング契約する資金調達方法です。事業者とファクタリング会社の2社間で取引契約します。事業者はファクタリング会社に審査を申し込み、通過すると契約内容の提示を受けます。合意後、契約を結び、手数料を差し引いた金額を受け取るのです。売掛金の支払い期日に、取引先(売掛先)から売掛金が支払われます。その金額をファクタリング会社へ送金し、取引完了です。3社間ファクタリング3社間ファクタリングとは、取引先(売掛先)へ通知し、承認を得たうえでファクタリング契約する資金調達方法です。事業者はファクタリング会社に審査を申し込み、通過後、契約内容の提示を受けます。合意後、取引先(売掛先)へ「債権譲渡通知」を行い、承諾を得て契約成立となります。支払いは、ファクタリング会社から手数料を差し引いた金額です。取引先(売掛先)はファクタリング会社へ直接、売掛金を支払い、取引完了です。2社間ファクタリングと3社間ファクタリングの比較2社間ファクタリングの場合、取引先(売掛先)の承認を得ずに取引できます。そのため、スピーディに現金化できるメリットがあります。3社間ファクタリングは取引先(売掛先)を介する分、時間と手間がかかります。取引先への印象を気にする事業者にも不向きでしょう。一方、3社間ファクタリングは、ファクタリング会社が直接、売掛先に譲渡債権の存在を確認できるという利点があります。ファクタリング会社にとって、売掛金未回収のリスクが低くなることから、一般に、手数料は割安となります。ファクタリングの種類ファクタリングは対象者ごとにサービスが提供されており、主に次の3種類があります。給与ファクタリング個人に対応しているサービスとして、給与ファクタリングがあります。急にお金が必要なとき、便利です。給与ファクタリングとは給与を債権として売買することで、給料日前にお金を受け取れる方法です。個人で利用できます。契約が成立すると、給与の予定額から手数料を引いた金額がファクタリング会社から支払われます。勤務先から給与を受け取ったら、ファクタリング会社にその額を支払うことで取引が完了します。事業者向けファクタリング円滑な資金繰りのために、ファクタリングの仕組みを活用する事業者は多いです。事業者ファクタリングとは事業による取引で発生した売掛金や、受取手形などの売掛債権を売買する資金調達方法です。早期に資金が必要な場合、事業者が融資を受けるには審査や担保の準備など、時間と手間がかかります。事業者ファクタリングであればこれらは不要となり、スピーディーに現金化できます。また、事業の業績に関係なく利用できるのも大きなメリットです。医療ファクタリング3者間ファクタリングの代表ともいえるのが、医療ファクタリングです。入金まで数ヶ月かかる報酬も、医療ファクタリングを利用すればスピーディーな資金調達が可能になります。医療ファクタリングとは病院や調剤薬局、介護事業者の各種報酬に関する債権売買による資金調達方法です。一般的に、これらの報酬は入金まで数ヶ月を要します。医療ファクタリングを利用すれば、期間を短縮できるメリットがあります。ファクタリングのメリットとデメリット資金調達手段としてファクタリングを検討する際、知っておきたいメリットとデメリットを解説します。ファクタリングのメリットファクタリングには、金融機関からの融資に頼れない事業者でも資金調達しやすいというメリットがあります。負債にならない金融機関から融資を受ける場合、お金の借り手は債務者となります。一方、ファクタリングは金融機関の融資とは異なり、利用しても債務者にはなりません。負債を抱えずに資金調達できます。保証人や担保が不要融資による資金調達では、保証人や担保を用意せねばなりません。ファクタリングであれば、審査対象は売掛先の信用力が中心です。保証人・担保を提供する必要がなく、資金調達のハードルを下げられます。信用情報が影響しないファクタリングとは、債権の売買契約です。金融機関の融資のような貸付契約ではありません。そのため融資を受ける場合に照会される信用情報も、ファクタリング利用時には関係ありません。事業者の場合、赤字決算や債務超過に陥っていても、ファクタリングを利用できる利点があります。売掛先の倒産時も安心もし、売掛先の倒産などにより、ファクタリング取引で売却した売掛金が回収できなくなっても、売却代金の返済義務は生じません。ファクタリングで締結するのは売掛債権の売買契約であり、召喚請求権や買取請求権はないためです。ファクタリングのデメリットメリットが多いファクタリングですが、注意すべき点もあります。手数料が割高になることがある金融機関からの融資時に支払う利息と比べて、ファクタリングの手数料は割高になる傾向があります。手数料率はファクタリング会社ごとに設定されているため、利用時には複数の会社を比較することも大切です。偽装ファクタリングに注意悪質な金融業者が、ファクタリングを装って違法な貸付をする事例も増えています。特に個人利用者を対象とした給与ファクタリングは悪質な金融業者が多く紛れているといわれており、注意が必要です。参考:金融庁「ファクタリングに関する注意喚起」ファクタリング事業者の選び方実際にファクタリングを行う場合、どのような方法でファクタリング事業者を選ぶとよいのでしょうか。貸金業登録がされているか確認しようファクタリング事業を扱う会社を探す際、耳慣れない社名を聞くことも多いでしょう。最も安心なのは、貸金業者として登録されている事業者を選ぶことです。ファクタリングは、契約内容によっては貸金業に該当することがあります。その場合、貸金業登録されていない事業者が取引するのは違法とみなされます。金融庁のウェブサービスで登録業者を検索できるので、活用しましょう。金融庁「登録貸金業者情報検索サービス」複数の事業者を比較して決めようファクタリング事業者ごとに、契約条件や手数料が異なります。手数料は、主に取引先(売掛先)の信用度により上下します。各社の基準に照らした審査が行われるため、利用時は複数の事業者を比較するのがおすすめです。まとめ売掛金を素早く現金化したい事業者にとって、ファクタリングとはとても助かる仕組みといえます。債務を抱えず、スピーディに資金調達できるのは、ビジネスを円滑に進めるにあたり大きなプラスとなります。注意点を踏まえながら、賢く活用したいものです。>>西日本シティ銀行ではWebで完結できるクラウドファクタリングサービスをスタートしました!
世界のお金・サービス・モノの流通を大きく加速させるプラットホームとして、イーサリアムが注目されています。独自の暗号資産「イーサ」はビットコインとよく比較される、ニーズが高まっている仮想通貨の1つです。この記事では、イーサリアムとはどんな特徴を持つのか、ビットコインとの比較とともに解説します。イーサリアムとはイーサリアム(ETH)とは、ウェブ上で契約を自動実行したり、暗号資産として送金・決済できたりできるプラットフォームです。まずはイーサリアムとはどんな特徴を持つものなのか、取引方法、歴史とあわせて紹介します。イーサリアムの特徴イーサリアムは今、世界中のさまざまなシーンで使われ始めています。開発のしやすさや便利さなどから「ビットコインを超える流通量になるのではないか」と称されることもあるほどです。イーサリアムとは、どんな特徴を持つプラットフォームなのでしょうか。イーサリアムの定義とはイーサリアムはプラットフォーム(動作環境)の名称です。イーサリアムプロジェクトと呼ばれる、プロックチェーン技術を元に開発されたプラットフォームを指します。ただ、日本においてイーサリアムは、主に以下の2つの意味で使われることが多いです。プラットフォームプラットフォーム内で流通している暗号資産「イーサ(ETH)」イーサリアムでできることシステム開発者はイーサリアムのプラットフォームを利用し、目的・用途に応じてプログラミングします。その結果、独自のブロックチェーン上に取引履歴を記録したり、契約システムを自動化したりできます。イーサリアムは開発時にあらかじめ取引内容を設定することで、取引の自動化が可能です。そのため、暗号資産のやりとりだけでなく、不動産取引や商品の売買などにも活用されています。新ビジネスや業務効率化も期待されます。自動販売機にたとえられるイーサリアムのプラットフォームプラットフォームとしてのイーサリアムは、よく自動販売機に例えられます。自動販売機に決められた額の通貨を入れると、売買契約が自動的に行われ、商品を受け取れます。イーサリアムもまさに同じような仕組みです。イーサリアム(ETH)の取引方法イーサリアムでは、暗号資産「イーサ(ETH)」を使ってお金をやり取りします。イーサとは、プラットフォームの中で利用可能な独自の仮想通貨を指します。イーサを介してイーサリアムでの取引をするための方法は次のとおりです。仮想通貨取引所で売買イーサは他の暗号資産と同様、仮想通貨取引所に流通しています。イーサを取引できる仮想通貨交換業者を通じて、取引所で売買します。市場動向やニーズに応じて、イーサの価格は変動する仕組みです。買うタイミング・売るタイミングによって差益を得られます。逆に、損失が発生することもあるので注意しましょう。口座に入金してイーサを購入実際にイーサを購入するには、仮想通貨取引所の口座にお金を入金して手続きします。現物取引だけでなく、レバレッジを効かせた取引ができる業者もあります。ウォレットで取引イーサも他の仮想通貨と同様に、自分の「ウォレット」が必要です。ウォレットとは仮想通貨を保有・管理するサービスです。自分が持っているイーサで商品を購入したり、オンライン上のゲームやアプリなどを利用したりする際に使用します。仮想通貨取引所の多くは、取引口座をウェブウォレットとして提供しています。それ以外にも、PCのソフトウェアウォレットや、スマートフォンのモバイルウォレットなどで取引が可能です。>>あわせて読みたい:暗号通貨の取引に関する税金の基礎知識や確定申告の方法イーサリアムの歴史イーサリアムは2013年(平成25年)、ヴィタック・ブテリン氏により考案されました。彼が立ち上げたイーサリアム財団により開発され、2015年(平成27年)に一般公開までこぎつけます。その当時は、取引がブロックチェーンに記録されない仕様になっていました。実証実験を6ヶ月ほど重ね、「ホームステッド」と呼ばれるアップデートが実施されます。2016年(平成28年)、ここからイーサリアムの本格始動です。アップデートを重ねて現在の仕様にしかし、ホームステッドの約3ヶ月後、The DAOという投資ファンドのイーサがおよそ360ETH(当時の時価で52億円ほど)盗まれる事件がありました。これを機に、イーサリアムは分裂や改善などを繰り返します。現在はイーサリアム2.0が実装されていますが、継続的にアップデートを行い機能向上を図っています。イーサリアムの仕組みイーサリアムが支持されている理由は、ユーザー同士が第三者の介入を経ずとも安全に直接取引できる仕組みにあります。ブロックチェーンプラットフォームブロックチェーンとは「ブロック(取引履歴)」が1本のチェーン(鎖)のように、過去からつながっている状態で記録される技術です。データ破壊や改ざんをしにくく、システム障害などによる稼働停止のリスクが低いという特徴があります。ブロックチェーンが持つメリットについては「ブロックチェーンとは?初心者にもわかりやすく解説」にてご紹介しています。DApps(ダップス)DAppsは、日本語で分散型アプリケーションと呼ばれています。特に注目すべき特徴は、ブロックチェーンによる取引記録を暗号化・分散管理できる点です。DAppsを利用することにより、操作ログも含めた過去の取引を全てブロックチェーン上に記録できるメリットを得られます。ユーザー全てがコードを見れる分、不正・改ざんすることが困難になっているのです。スマートコントラクトさらに、スマートコントラクトにより、イーサリアムでの取引がスムーズになっていることも大きな特徴です。契約実行の自動化が可能スマートコントラクトとは、契約内容をプログラムに落とし込み、一定条件を満たした場合に自動で決められた動作を実行する仕組みです。支払いや契約手続きなどを自動化できます。たとえば「1イーサを支払ったらAというデータをダウンロードできる」というプログラムを、あらかじめ組んでおきます。実際にユーザーが1イーサを支払うと、システムが稼働して自動でデータ取得をできる契約が実行されるのです。DeFi(分散型金融)の起爆剤になるかスマートコントラクトでは、あらかじめプログラミングしておけば、管理者がいなくても設定した契約が自動実行されます。この仕組みは、今注目されているDeFi(ディーファイ)と大いに関わりがあります。DeFiとは分散型金融の略称です。従来、金融サービスには必ず金融機関による管理が必要となりました。しかし、DeFiの場合、スマートコントラクトのような機能を使えば管理者なしで金融サービスを提供できます。独自の暗号資産・トークンを発行できるイーサリアムのプラットフォームでは独自の暗号資産「イーサ」の他、NFTなどのトークンが流通しています。そのため、仮想通貨を利用した資金調達にイーサリアムを応用できます。NFTも作成可能NFTとは、非代替性トークンと訳されるデジタルデータのことです。ブロックチェーンを元にして作成されます。NFTを活用すれば、データの購入履歴や所有権、作品が本物である証明などが可能になるのです。デジタルアートやゲームアイテムなど、有形のものから無形のものまで多彩なジャンルで活用されています。イーサリアムでも、NFTを発行可能です。NFTマーケットプレイスでは、イーサリアムが圧倒的なシェアを誇るとされています。NFTとは?という方に向けて基礎知識の解説記事もご用意していますのであわせてご覧ください。イーサリアムとビットコインの違い暗号資産といえば、代表的なのがビットコインです。ここでビットコインの概要や歴史、イーサリアムとはどんな違いがあるのか確認しておきましょう。ビットコインとはビットコインとは、世界で初めてブロックチェーン技術を用いて開発された暗号資産です。ビットコインの歴史はイーサリアムより古く、2008年(平成20年)発表の論文がはじまりといわれています。この論文を元に作られたソフトウェアが2009年(平成21年)に公開され、ビットコインの取引が本格的に開始されました。リアルタイムでビットコインをやりとりでき、価格変動による差益を狙えるなどの特徴が支持されています。イーサリアムとビットコインの仕組みを比較イーサリアム(ETH)とビットコインは、ブロックチェーン技術を用いた暗号資産という点では同じです。一方、銘柄の単位や送金時間など、いくつかの違いもあります。ここでは、特に知っておきたいイーサリアムとビットコインの違いをピックアップします。目的の違いビットコインの目的は「価格の移転」です。言い換えると、暗号資産による決済・取引が主な役割となります。イーサリアムは暗号資産そのものというよりは、多彩な目的でブロックチェーンを活用できるよう設計・開発されたプラットフォームが本来の姿です。そのプラットフォーム内で、独自の暗号資産「イーサ」を用いた決済・取引が行われています。スマートコントラクトの有無ビットコインでは信頼性を確保するため、通貨の取引履歴が記載されている台帳を管理しています。使用している台帳は、スマートコントラクトの機能を有していません。イーサリアムは台帳に、契約条件などの情報も記載し管理できる機能「スマートコントラクト」を備えています。契約取引を記録できる分、活用シーンの幅が広がっている点で大きな違いがあるといえます。発行上限の有無ビットコインには発行上限数2,100万BTCという決まりがあります。しかし、イーサリアムには発行上限数がありません。ビットコインでは、発行数に上限を定めることで希少性を担保しています。イーサリアムの希少性は発行上限の設定ではなく、イーサリアム運営者が供給量に制限をかける「バーン」により保たれているのです。イーサリアムの将来性イーサリアムはお金やサービス、モノの取引や契約方法を大きく変えた、歴史的なプラットフォームの1つです。その将来性と今後の課題とは、どのようなものがあるのでしょうか。イーサリアム(ETH)に投資するメリットまずは、イーサリアムへの投資で得られるメリットから確認していきましょう。半減期が存在しないイーサリアムには発行上限数が設定されておらず、半減期も存在しません。半減期とは、仮想通貨に希少性を出すため、仮想通貨の発行数が増えるほど供給量が減らされていくことです。流通する仮想通貨を年々減少させて市場での流通量を減らすことで、その仮想通貨の価値を高める狙いがあります。現時点で、イーサリアムにはこの半減期がありません。流通量が安定するというメリットを得られるのです。金融資産の管理をしやすくなる暗号資産の取引における承認作業「マイニング」スピードが速いのも、イーサリアムの魅力です。マイニングが十数秒に1回行われるため、決済を迅速に完了できます。また、ブロックチェーンの強固なシステムにより、イーサリアムがハッキングされるリスクをかなり抑えています。先ほど紹介したDeFi(分散型金融)としての役割も加味すると、イーサリアムの活用で金融資産の管理がよりしやすくなるといえます。イーサリアムが抱える課題と現在の取り組みイーサリアムには他のプラットフォーム・暗号資産とは異なる魅力的なメリットがある一方、理解しておきたい課題も存在します。処理が追いつかなくなるリスクイーサリアムの需要が高まれば、取引量も増加します。そのため、場合によっては処理が間に合わなくなる恐れがあります。たとえば、取引情報の送付遅延や取引の承認不可などの事態です。これは「スケーラビリティ問題」と呼ばれています。ただ、今後さらに開発・改善が進めば、このリスクを抑えることが可能になるといわれています。ガス代(手数料)の上昇さらにスケーラビリティ問題に数えられる課題として、ガス代上昇があります。ガス代とは、イーサリアム取引で発生する手数料です。イーサを送金する際、現在は数百円から数千円のガス代がかかります。ガス代の改善案が現在検討されており、手数料引き下げに向けたアップデートも想定されます。とはいえ、将来的にガス代が上昇しないとは言い切れません。環境への配慮従来、イーサリアムにおける承認方法は、Proof of Work方式でした。ただ、報酬を得るためのコンピュータ計算による消費電力の増加が、環境にも影響するという指摘も多かったのです。そこで現在、承認方法をPoS(Proof of Stake)方式へ移行しました。PoSの場合、イーサの保有により報酬を得られるシステムです。これまでのコンピュータの高速計算が不要になり、消費電力削減を実現しています。まとめ金融の世界においても、イーサリアムはこれまでとは異なる取引手段として注目されています。特に新たな金融サービスの仕組みであるDeFi(分散型金融)を支えるプラットフォームとして、イーサリアムの存在感がさらに増しそうです。スピーディで改ざんしにくい金融取引の選択肢として、今後もイーサリアムの動向から目が離せません。
不動産投資には、物件を保有する以外の選択肢があります。それがREITです。REITとは個人投資家向けに設計された金融商品で、国内外の多彩な不動産へ投資できるものです。この記事ではREITについて、意味や種類、仕組みや現物不動産投資との違いを解説します。REIT(リート)とはREITとは、個人投資家にとってどんな可能性を秘めた投資商品なのでしょうか。まずはREITの概要を解説します。REITの意味REIT(リート)とは「Real Estate Investment Trust」の略称です。日本語にすると「不動産投資信託」を意味します。この名称のとおり、REITとは不動産を投資対象とする金融商品です。REITは1960年代にアメリカで誕生した不動産投資の仕組みです。2001年(平成13年)に日本でも市場が新設されました。日本の不動産投資信託は「J-REIT(ジェイリート)」と呼ばれています。REITの仕組みREITに投資することで、一般個人でも不動産のオーナーとして間接的に投資・利益享受できます。その仕組みは次のとおりです。REITにおけるお金の流れREITは、不動産投資法人が投資者から運用資金を集め、その資金を元に不動産へ投資します。その結果得られた利益の一部は「配当」として投資者へ支払われる仕組みです。購入・売却申し込みや投資資金の支払いなど、投資者による実際の手続きは基本的に銀行や証券会社で行います。申し込みを受けた金融機関を通じて不動産投資法人に情報が共有され、投資資金や配当のやりとりが発生する流れです。REITならではの仕組み・特徴不動産投資法人とは「窓口」としての機能を担う機関です。実際に不動産を運用するのは資産運用会社で、投資に関する事務・管理業務を行うのは資産保管会社や信託銀行になります。不動産投資法人は法律により自身で不動産運用することを禁止されており、他の企業に外部委託しています。また、不動産投資法人では投資主総会が開催されます。投資主総会とは株式会社における株主総会にあたり、経営について投資家の意思を示せます。REITの種類REITには個別銘柄はもちろん、投資信託やETF商品も存在します。本来、REITとは個別銘柄を指しますが、投資信託やETFなどを含めた総称として使われることもあります。具体的なREITの種類について見ていきましょう。個別銘柄REITの個別銘柄とは「〇〇リート」のように不動産投資法人が発行する投資証券の銘柄のことです。1口単位で購入できます。REIT銘柄には次の2種類があります。単一用途特化型REIT(オフィスビル特化、物流施設特化、ホテル特化など)複数用途REIT(複合型REIT、総合型REIT)単一用途特化型REITとは、特定の用途で使用されている不動産への投資に特化しているREITです。複数用途REITとは、複数の用途で使用されている不動産へ投資するREITのことです。その中でも複合型REITは、2つの用途を組み合わせた投資先で運用します。また、総合型REITは3つ以上の用途で使用されている不動産をセット、または用途を限定しない投資先で運用します。投資信託(J-REIT)日本のREITに投資する場合、投資信託(J-REIT)でも運用できます。REITの投資信託と個別銘柄との違いは、少額で購入できたり、一定額を少しずつ積み立てて投資できたりする点です。REITを投資信託商品で購入すれば、ファンドマネージャーに運用を委託できます。また、運用によって得られた利益は分配金として受け取れることもあります。運用委託する分、売買手数料以外に信託報酬などが発生します。ETFETFとは、指数の値動きに連動して価格変動する上場投資信託です。REIT型のETFは東証REIT指数に連動した運用を目指します。ETFでREITに投資する主な目的は、分散投資効果を高めることです。REIT型ETFを1銘柄購入すれば、市場に上場している全REIT銘柄へ間接投資できることになります。値動きは指数に連動するため、REITの個別銘柄よりも価格の上下が緩やかになる可能性が高いのも特徴です。REITと不動産投資の違い金融商品であるREIT以外にも、自分が不動産物件のオーナーになって資産運用する方法があります。現物不動産への投資と、REITによる不動産投資との違いを紹介します。不動産投資とは一般的に、不動産投資とはビルやマンションなどの現物不動産へ直接投資することを意味します。投資家が自ら不動産のオーナーとなり、テナント料や賃貸料を収入として得る仕組みです。不動産経営では、管理費や修繕費が必ずかかります。収入からこれらの経費を差し引いた金額が投資利益となります。REITと不動産投資の比較同じ不動産への投資でも、REITと現物不動産投資ではさまざまな違いがあります。投資の元手通常、現物不動産を購入するには数千万円以上の資金が必要です。ローンを組んで資金調達し、返済しながら不動産経営をするのが一般的といえます。REITの場合、個別銘柄なら数万円単位、投資信託であれば百円単位から購入可能です。投資対象現物不動産は1物件あたりの元手が大きい分、複数の物件を保有するのは個人投資家にとってハードルが高いといえます。REITであれば個人でも分散投資できます。REIT自体が複数の不動産へ投資する商品設計になっているため、数万円の投資額で大きな分散投資効果を得られるのです。不動産の管理・メンテナンス現物不動産を運用するにあたり、建物の管理・修繕は必須です。コストやメンテナンスが定期的に発生することを踏まえた不動産経営が求められます。REITは現物不動産への投資とは異なり、物件を直接保有するわけではないため、これらの課題から解放されます。流動性と換金性不動産物件を売買するには、仲介業者へ委託したり売り手・買い手を探したりと多くの手間と時間がかかります。手続きも非常に煩雑で、オーナーへの負担もそれなりに大きいものです。資産運用を目的としているREITは、金融商品の一種です。現物不動産とは違い、金融機関で手続きをすれば所定の日数を経て購入・売却できます。REITのメリットとデメリットこれらの特徴を踏まえて、REITで得られるメリットとデメリットを挙げてみます。REITのメリットREITでの資産運用には、以下のメリットがあります。少額から分散投資できるREITとは、不動産投資をできるだけ容易にするべく証券化・金融商品化したものです。取引単位も投資信託であれば数百円からとなっており、少額から分散投資できます。資産管理しやすい不動産投資のプロが、個人投資家に代わって資金を運用してくれるのも大きな利点です。銘柄選びや運用資金の管理などは、資産運用会社が担当します。具体的な運用状況は定期的に開示される決算書類でチェックできるので、安心です。安定した高利回りを期待できるREITとは原則、運用益の多くが投資家へ配分されるものです。その理由は、不動産投資法人の法人税は、利益の90%超を投資家へ還元すればほとんどかからない仕組みになっているからです。ちなみに株式の場合は、企業利益から法人税や内部留保などが差し引かれた金額を踏まえて、企業が配当額を決定します。REITは利益から引かれる金額が少ない分、安定的に高利回りを得られる可能性があります。売却しやすい保有しているREITを売却する場合、株式のように金融市場に売却注文を出し、取引します。換金性が弱点になりがちな不動産投資ですが、REITを選択すれば時間をかけずに手放すことが可能です。インフレ対策も可能インフレとは物価上昇のことで、お金の価値が下落することを意味します。不動産は通常、インフレになると価値やテナント・賃貸料も上昇する傾向にあります。その分、利益増加も狙いやすいのが特徴です。REITで不動産に投資することで、インフレによる資産価値下落のリスクを抑える効果も期待できます。REITのデメリット魅力の多いREITですが、知っておきたいデメリットもあります。運用結果が投資資金を下回る恐れがあるREITは投資商品であるため、運用状況によっては元本を下回る恐れがあります。また、分配金の金額についても保証はありません。価格や収益が減少するリスクを頭に入れておきましょう。分配金に対する控除が適用されないREITでは、収益に応じて分配金が支払われます。この分配金は株式と同様、配当所得に該当しますが、配当控除の適用外ですので注意が必要です。倒産・上場廃止リスクがある不動産投資法人は、投資家の資金以外に金融機関から受けた融資を投資資金としています。融資状況やキャッシュフロー悪化などの影響により、経営破綻する恐れもゼロではありません。また、証券取引所の上場廃止基準に該当する場合、投資家保護のためREIT銘柄が取引終了となることがあります。可能性を広げるREITの選び方とはより効果的な資産運用を目指すために、REITを選ぶ際は次の項目を確認して投資先を選びましょう。投資先の候補を挙げるまずは、どんな不動産に投資するか検討します。興味のある分野から選択肢を絞ったり、ニュースなどから得たトレンド情報を元に今後伸びそうなジャンルを見定めたりしながら候補を挙げましょう。投資目的を定めるREITで得られる利益には、REITの取引価格上昇と分配金があります。どちらを主な目的とするか、もしくは両方バランスよく目指すか、あらかじめ決めておくと銘柄選択しやすいです。投資先や運用金額・期間に最適な金融商品を選ぶどんな分野の不動産に投資したいかある程度明確にできると、REIT商品もおのずと絞られてきます。投資の元手や運用可能な期間から適したREITを選びましょう。投資先や運用資金、投資スタンスをより具体的に投資先候補や自身の投資資金を、できるだけ具体的に挙げてみます。そうすることでREITの個別銘柄を買うのか、投資信託やETFで運用していくべきなのか、判断が容易になります。運用コストを考慮する購入するREITの種類や取引する金融機関によって、販売手数料などの運用コストが発生します。利益率だけでなく、引かれるコストも確認したうえで最適なREITを選びましょう。まとめREITは個人投資家にとって、不動産投資の敷居を下げてくれる金融商品です。不動産物件への直接投資とは異なり少額で分散投資ができ、インフレ対策も可能など魅力が多いといえます。メリットとデメリットを踏まえてREITを活用し、より意味のある資産運用を目指しましょう。>>西日本シティ銀行のREIT(リート)商品はこちらです。*投資信託のご留意事項について商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会
ドラッカーのマネジメント理論は今もなお、多くのビジネスパーソンから支持されています。この記事ではドラッカーの名言を交えながら、現代の企業ビジネスにも役立つマネジメント手法や考え方、マネージャーに求められる能力について解説します。ドラッカーの略歴「マネジメントといえばドラッカー理論」と考えるビジネスパーソンは多いでしょう。なぜ1900年代に確立されたマネジメント理論が、現代でも支持されているのでしょうか。まずは、ドラッカーの経歴やマネジメント理論が支持されている理由について紹介します。ドラッカーとはドラッカーは、マネジメント体系の確立と普及に大きな影響を与えた人物です。「マネジメントの父」「知の巨人」と称されています。ピーター・ファーディナント・ドラッカーは1909年(明治42年)、オーストリア・ウィーンで生まれました。イギリスやアメリカに拠点を移す中で、当時台頭していた大企業の経営について研究を深めていきます。ドラッカーの考え方や手法は、世界中の経営者が今もなお受け継ぎ、実践するほどです。ドラッカーのマネジメント手法が注目される理由ドラッカーの専門領域は経営学、というイメージが浸透しています。しかし実際には、政治や歴史、哲学、心理、教育、美術など多岐に渡るものでした。ドラッカーが生涯を通じて追い求めたテーマは「人間の自由・平等」です。企業経営や組織のあり方だけでなく、人が幸せに暮らすための自己実現や成長について言及した数々の書籍・記録もあります。その手法・考え方は現代に通ずるものも多く、現在も支持されています。ドラッカーのマネジメントとは一般的に、マネジメントとは「経営、管理」という意味を持つ言葉です。特にビジネスシーンにおいては、組織運営に必要なヒト・モノ・カネを管理することを指します。そしてドラッカーは、マネジメントという言葉の意味についてより深く、多角的な考察を行なっています。自身の著書では、次の名言を残しました。マネジメントという言葉は難しい言葉である。完全なアメリカ英語であって、イギリス英語を含めいかなる外国語にも翻訳できない。それは機能であって、かつ人である。社会的な地位であって、一つの体系、研究分野である。引用元 | P.F.ドラッカー「ドラッカー名著集13 マネジメント[上]ーー課題、責任、実践」ドラッカーのマネジメント理論ドラッカーが掲げるマネジメントは、企業をはじめとするあらゆる組織が「社会の機関」であることが前提にあります。著書の中で、彼はこう語っています。マネジメントは、それらの組織の機関である。マネジメント自体には機能はない。それだけでは存在もしえない。組織から離れたマネジメントは、マネジメントでさえない。引用元 | P.F.ドラッカー「ドラッカー名著集13 マネジメント[上]ーー課題、責任、実践」社会や個人の目的実現やニーズ達成のために組織が存在し、その一機関としてマネジメントが存在するとドラッカーは指摘しています。そのうえでマネジメントの本質を知るために、まずはマネジメントの役割を定義する必要があるというのです。マネジメントの役割組織の本質的な目的である社会への貢献を実現するために、マネジメントには3つの重要な役割があります。(1)自らの組織に特有の目的とミッションを果たす。(2)仕事を生産的なものとし、働く人たちに成果をあげさせる。(3)自らが社会に与えるインパクトを処理するとともに、社会的な貢献を行う。引用元 | P.F.ドラッカー「ドラッカー名著集13 マネジメント[上]ーー課題、責任、実践」ビジネスにおいては、経済的成果をあげることが企業の目的です。その目的を果たすためには、組織を構成する「人」の生産性が鍵となります。生産性を高める戦略を立案・実行する重責を担うのが、マネジメントです。その結果得られた成果が社会に与える影響を適切に処理し、社会貢献につながるようコントロールすることも重要な役割だとドラッカーは指摘します。マネジメントとリーダーシップの違いマネジメントは組織が成果をあげるための「機関」です。リーダーシップは、組織が正常に機能するための統制をとる「仕事」とされています。言い換えると、マネジメントは組織の成果に関する責任を担うことです。一方、リーダーシップはビジネスパーソンが後天的に習得する仕事の能力を意味します。立場は関係なくビジネスパーソンに求められるのが、リーダーシップです。さらに組織全体の管理や成果を担うのがマネジメントです。ドラッカー理論におけるマネージャーとは一般的に、企業におけるマネージャーとは、組織が掲げる目標を達成するためにメンバーを管理するポジションを指します。チームの方向性を決め、進捗状況を監督しながらゴールを目指す存在です。 組織のマネジメントを担うマネージャーについて、ドラッカーは次のように定義しています。マネージャーに求められる2つの役割ドラッカーのマネジメント理論によると、マネージャーには2つの役割があるとされています。ドラッカーが著書に記した名言をもとに解説します。(1)成果をあげられる人・組織を創造する立場第一の役割は、部分の和よりも大きな全体、すなわち投入した資源の総和よりも大きなものを生み出す生産体を創造することである。引用元 | P.F.ドラッカー「マネジメント【エッセンシャル版】ーー基本と原則」企業の資源である人材・モノ(技術や設備、情報など)・資金を活用し、投じた資源以上の成果を上げることが求められます。特に競合他社との差を考えるとき、投入資源はどちらも類似しているケースが多いです。その中でどれだけ成果を多くあげられるかが、勝負どころといえます。マネージャーは、その舵取りを担う存在です。(2)目先の仕事だけでなく、中長期的な視点で捉えるバランサー第二の役割は、そのあらゆる決定と行動において、ただちに必要とされているものと遠い将来に必要とされるものを調和させていくことである。引用元 | P.F.ドラッカー「マネジメント【エッセンシャル版】ーー基本と原則」急いで仕上げなければならない仕事については、どんなマネージャーであっても対応可能でしょう。より一歩進んだマネジメントを目指すなら、将来を視野に入れた仕事も並行させることです。たとえば人材育成や新規ビジネスの構想、自身のスキルアップに必要な勉強などが挙げられます。緊急度の高い仕事に隠れてしまいがちですが、将来のために取り組むべき仕事も重要です。両者のバランスを取るのも、マネージャーの役割といえます。マネージャーに必要な5つの仕事上述した2つの役割は、マネージャーという役割の大きな柱です。それを踏まえて、ドラッカーは著書や講演において、マネージャーに必要な仕事は5つあると述べています。目標を設定すること組織すること動機付け・コミュニケーションを図ること評価測定をすること人材を開発することこれらの項目は「ドラッカーのマネジメントで重要視される能力」にも通ずるものです。とりわけ、目標の設定についてドラッカーは非常に注目していました。マネジメントでは、成果が重視されます。成果を出すためには、適切な目標設定が必要です。しっかりした目標は、組織や人、事業戦略の柱となり、企業の社会貢献度を判断する材料となり得えます。目標設定は、ドラッカーによるマネジメントの考え方の重要なポイントです。マネジメント層が避けるべきポイント逆に、マネージャーにふさわしくない考え方やマネジメント方法も知っておく必要があります。マネージャーの職務設計について、ドラッカーは以下の項目を避けるべきとしています。職務範囲を狭く設計すること主に補佐役としての役割であることマネジメント業務だけ担当し、プレイングマネージャーにならないこと他との調整が必要な、自分のチームだけで遂行できないこと仕事の中身や報酬の不足を肩書きで補おうとすること連続で失敗している仕事をそのまま引き継がせること組織の成果をあげるという責任を担うマネージャーは、上記のような条件下では機能しないというのがドラッカーの考え方です。限られた職務のみ担当すること、本来すべき仕事とは異なる仕事を担うこと、成功の可能性が低い業務を手がけることを避ける必要性を説いています。マネージャー自身が適切な職務設計をするだけでなく、マネージャーの上司も上記項目を認識することが大切です。「真摯さ」があるかマネージャーとして避けたい態度について、ドラッカーは指摘しています。マネージャーは、人という特殊な資源とともに仕事をする。人は、ともに働く者に特別の資質を要求する。(中略)根本的な資質が必要である。真摯さである。最近は、愛想よくすること、人を助けること、人づきあいをよくすることが、マネージャーの資質として重視されている。そのようなことで十分なはずがない。引用元 | P.F.ドラッカー「マネジメントーー基本と原則」「真摯さ」という単語は、さまざまな考え方が可能です。たとえば、ドラッカーの原本では「真摯さ」の箇所はIntegrityと書かれています。「誠実、高潔」という意味ですが、あえて「真摯さ」と訳しているのです。これは、その人が持って生まれた誠実さを原動力として取り組む姿勢というニュアンスを出したかったためとも考えられます。真摯さがないマネジメント手法は部下もすぐ見抜く、とも著書には書かれています。ドラッカーが考える企業の2つの機能マネジメントについて考えるのに不可欠なのは「企業」についてしっかり捉えることです。ドラッカーのマネジメント手法では特に、企業の定義を深く理解しておく必要があります。彼の名言とともに見ていきましょう。企業とは企業とは何かを知るには、企業の目的から考えなければならない。企業の目的は、それぞれの企業の外にある。企業は社会の機関であり、その目的は社会にある。企業の目的の定義は一つしかない。それは顧客の創造である。引用元 | P.F.ドラッカー「マネジメント【エッセンシャル版】ーー基本と原則」このドラッカーの名言からもわかるように、企業は本来、顧客の創造のために存在しています。社会における人々の欲求を有効需要に変え、モノ・サービスを提供する市場と顧客を創造できたとき、企業は企業として存在しうるのです。つまり「顧客を基盤とする組織が企業である」というのがドラッカーの考え方です。2つの企業家的機能ドラッカーは、企業にはマーケティングとイノベーションという2つの機能があると語っています。 一般的にマーケティングとは、商品・サービスを販売するための仕組みづくりのことです。そしてイノベーションとは日本語で「技術革新」と訳され、これまでにない商品・サービスを新たに生み出すことを指します。企業の目的は顧客の創造である。したがって、企業は二つの、ただ二つだけの企業的な機能をもつ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。他のものはすべてコストである。引用元 | P.F.ドラッカー「マネジメント【エッセンシャル版】ーー基本と原則」マーケティング真のマーケティングは、(中略)顧客からスタートする。「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を考える。「われわれの製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が見つけようとし、価値ありとし、必要としている満足はこれである」という。引用元 | P.F.ドラッカー「マネジメント【エッセンシャル版】ーー基本と原則」ドラッカーが定義するマーケティングとは企業の成果を指し、それは顧客側から見た企業そのものであるといえます。従って、マネジメント戦略を成功させるためには、企業のあらゆる分野においてマーケティングに関心と責任を持ち、浸透させていくことが不可欠です。イノベーションしかし、マーケティングだけでは企業としての成功はない。静的な経済には、企業は存在しえない。企業人さえ存在しない。(中略)企業の第二の企業家的な機能は、イノベーションすなわち新しい満足を生み出すことである。引用元 | P.F.ドラッカー「マネジメント【エッセンシャル版】ーー基本と原則」マーケティングに加えて、イノベーション戦略も重要です。企業が常によりよいものであるためには、よりよいサービスや満足を供給しつづける必要があります。イノベーションはその目的を目指すサービス・戦略の改良であると同時に、財とサービスの創造であるとドラッカーは定義しました。ドラッカーのマネジメントで重要視される能力最後に、彼が考えるマネジメントで重要な能力についてまとめます。主に5つの能力が重要であると、ドラッカーは考えました。目標設定能力ドラッカーは目標設定について、多彩な視点を持つことの大切さを述べています。企業が目指すべき「組織の成果」をあげるために、以下の目標軸を持つことを提案しています。短期的な目標長期的な目標無形の目標部下の目標(仕事内容、働きぶり)社会への責任に関する目標自分が企業内のどのチームに所属していても、企業全体や部門の成果目標に沿ったチーム目標を掲げることが重要です。大きな目標から、個人の目標へ落とし込むことも求められます。また、自分たちの成果を目指すだけでなく、社会的な責任についての目標を持つことが望ましいとしています。組織化能力マネージャーは、自らの資源、特に人的資源のあらゆる強みを発揮させるとともに、あらゆる弱みを消さなければならない、これこそ真の全体を創造する唯一の方法である。引用元 | P.F.ドラッカー「マネジメント 基本と原則」組織化、つまり企業の資源である「人」を一つにまとめていく能力も欠かせません。自分のチームにはどんな強みを持つメンバーがいて、その強みを引き出すマネジメントが理想です。同時に、個々の弱みを消すことも考える必要があります。コミュニケーション能力成果を上げること、多彩な人材を組織化することに不可欠なのが、コミュニケーション能力です。他者からの意見を受け入れる能力と、マネジメント側の考えを相手に伝える能力も高いレベルを要求されます。会話する相手の期待や欲求を踏まえながら、自分の真意を伝えるコミュニケーションスキルが必要です。評価測定能力人には、それぞれの理想、目的、欲求、ニーズがある。いかなる組織であっても、メンバーの欲求やニーズを満たさなければならない。この個人の欲求を満たすものこそ賞や罰であり、各種の奨励策、抑止策である。引用元 | P.F.ドラッカー「マネジメント 基本と原則」企業は人材あっての組織です。マネジメント側の考えとは別に、働く従業員それぞれの想いがあることも忘れてはいけません。評価測定においては、面談などを通じて個々の意見をしっかり把握しましょう。特に、定量評価できない面にも意識を向けることがポイントです。それぞれの頑張りが評価されることで、チームメンバーのモチベーションが上がります。それがチームや企業全体の向上につながり、成果につながるのです。問題解決能力業務が多忙になればなるほど、気がついた課題から速やかに着手しようとする傾向が強くなるものです。マネジメントにおいて押さえておきたいのは、時間軸に沿って課題を振り分け、取り組む意識です。ドラッカーは、すぐに解決すべき課題から着手することを提案しています。そして将来的な課題については適切なタイミングで対応するようにします。喫緊の課題から解消していけば今すべき仕事が整理され、より冷静な判断が可能です。まとめスピーディに進化しつづける社会においてもなお、ドラッカーのマネジメント理論は多くの経営者にとってよい指標となっています。マネジメントは重い責任が伴う仕事です。マネージャーとしての「正解」を自ら導かねばならないとき、ドラッカーの考え方や手法はそっと背中を押してくれることでしょう。
業務の割り振りは、組織や企業経営の効率化に大きな影響を与えます。権限委譲を意味するデリゲーションは、ビジネス拡大に直結すると言っても過言ではないほど、重要なマネジメント手法です。この記事ではデリゲーションの意味やエンパワーメントとの違い、効果的な権限委譲方法について解説します。デリゲーションの意味と目的安定かつ継続的に成長し続けられる組織づくりにおいて、デリゲーションは非常に有効な経営戦略です。まずは、デリゲーションの意味と目的について解説します。デリゲーションとはデリゲーション(delegation)は「委任、代表団」などの意味を持つ言葉です。ビジネスシーンでは「権限委譲」を指します。具体的には、管理職や経営陣の業務を部下や若手社員に任せることです。たとえば、マネージャーがプレイヤーも兼ねている場合、デリゲーションを行えばマネジメント業務に集中できます。デリゲーションの目的デリゲーションは組織の業務効率化を高め、持続的に成長できる体制を作ることが主な目的です。特に経営決定権を持つマネジメント層が、自身の業務に集中できる環境づくりへと主眼を置いています。上司は部下に権限委譲することで、マネジメント業務に集中できるのです。仕事を任された部下は上司の意図を踏まえ、自分なりの方法でその仕事に取り組みます。デリゲーションを行うことで、組織の適切な運用が可能になるでしょう。デリゲーションとエンパワーメントの違いデリゲーションと似た言葉に「エンパワーメント」があります。ここからは、エンパワーメントの意味やデリゲーションとの違いを見てみましょう。エンパワーメントとはエンパワーメント(empowerment)も、日本語で「権限委譲」と訳される言葉です。さらに「力をつけてあげること、自信を与えること」という意味もあります。組織におけるエンパワーメントの目的は、仕事の権限委譲を通じて担当者に力をつけてもらうことです。そのために、仕事を任せた上司は都度、部下を指導します。権限委譲から助言・フォローまで実施し、メンバーの成長を目指すことがエンパワーメントの目的です。デリゲーションとエンパワーメントの違いまとめデリゲーションエンパワーメント意味権限委譲委任、代表団権限委譲力をつけてあげること、自信を与えること主な目的マネジメント層が事業経営に集中できる体制づくり→企業成長各担当者の育成→企業成長業務の基本体制権限委譲後は原則、担当者に運用を任せる必要があればサポートする権限委譲後も、上司が取り組み方などの指導・管理を行うデリゲーションとエンパワーメントの大きな違いは、権限委譲後の取り組み方にあります。デリゲーションは、業務の進め方などを全て担当者に任せます。エンパワーメントは継続的な業務の指導・管理を通じて、業務遂行と担当者の成長を目指すものです。組織におけるデリゲーションのメリットと阻害要因個人の力には限界がありますが、組織力を最大限活かせれば大きな効果を得られます。その土台となるデリゲーションで得られるメリットと、阻害する考え方について紹介します。デリゲーションで得られる効果・メリット企業で働く従業員には本来、仕事を通じて企業の発展を目指すという共通の目標があります。一方で、日常の業務においてこの目標を実感しにくいという課題も抱えています。権限委譲にはチームメンバーの意識を高める作用があり、企業にとってメリットの大きい経営手法です。具体的な効果を以下に挙げてみます。業務を適切に割り振れる一部の担当者へ業務量が偏っていたり、本来担当すべき人が他の業務を担っていたりすると、チーム力を発揮できません。業務項目を再確認して適切なデリゲーションを実行すれば、この課題を解消できます。仕事の効率アップを目指すのに最適です。各自の責任感を高められるデリゲーションは、業務の進め方を担当者に一任するものです。そのため、担当者の責任感を高める効果が期待できます。会社のビジネスを自分ごととして捉え、意欲的に働く人材が集まるチームビルディングにもつながるでしょう。スピーディーな意思決定が可能になる上司の指示や許可を待たずに担当者自身で意思決定できるようになるのも、デリゲーションの大きな利点です。これまで時間がかかっていた確認業務がいらなくなり、業務効率や生産性の改善・向上を図れます。結果を出せる人材・組織へと成長できる業務の適切な割り振りや担当者の責任感向上は、徐々に成果として現れます。結果が出れば人や組織の成長を実感でき、仕事に対するモチベーションをより高められるでしょう。デリゲーションには組織の成長を得るためのヒントが隠されています。権限委譲を妨げる考え方以下の項目に当てはまる場合、デリゲーションの実施がスムーズにいかない恐れがあります。組織が持つ力をいかんなく発揮するために、次に挙げる考えについて見直してみましょう。「自分が担当しなければうまくいかない」本来マネージャー層は、部下の仕事を管理・評価する立場です。そのため、プレイヤー業務とマネジメント業務をしっかり分ける必要があります。仕事を任せられる人材がいない場合、自分を適任者として案件を抱えるのは極力避けましょう。チーム体制の見直しを行うなど、マネジメントの観点からアプローチします。「自分のやり方がベストである」同じ業務でも、取り組み方は千差万別です。デリゲーションを行う際、上司は部下を信頼してやり方を任せる必要があります。上司がこれまで成果を挙げてきた方法が、部下にとって最適なものとは限りません。上司の方法をベストだからとそれに従わせるのは、デリゲーションの考えから外れます。「自分が手掛けたい」ずっと担当している、思い入れがあるなどの理由でプレイヤーとしての仕事も継続したい気持ちは理解できます。しかしその分、チームを率いるマネージャーとしての業務にかける時間が減ってしまいます。また、本来は部下が担当すべき業務を上司が奪っているともいえるでしょう。デリゲーションの効果的な活用方法デリゲーションを実行して業務改善を目指すためには、いくつかのポイントがあります。最後に、組織で実践するためのステップと注意点を見ていきましょう。デリゲーション実現のための4ステップ一方的に仕事を任せてしまうと担当者は困惑し、思うような効果を得られないことがあります。上司から部下への権限委譲は、以下の4つの段階を踏むとスムーズです。1)どの仕事を任せるか考えるまずは自分が現在担当している業務について、できるだけ細かくピックアップしましょう。そのうえで、「自分の立場でないと遂行不能なもの」と「部下や他のメンバーで対応できるもの」に分類します。自分以外の担当者でも対応可能な業務が、デリゲーションの対象となります。2)誰に権限委譲するか検討するデリゲーションの対象業務について内容を精査し、担当者を選出します。場合によっては、担当者候補の年次やスキルに応じて業務内容を再編してもよいでしょう。権限委譲後のサポート体制も視野に入れておくと、よりスムーズです。デリゲーションは、全権を担当者に委任して業務を丸投げにすることとは違います。「進め方は任せるけれどフォローは丁寧に行う」体制を取れるか、この段階で確認しておきましょう。3)権限委譲したい担当者と業務内容をすり合わせる権限委譲する業務と担当者が決まったら、その旨を担当者に伝えます。特に次の項目について、丁寧に情報共有しましょう。担当業務の内容目標設定(いつから・いつまで・何を・どのくらい達成するか)新たに使うことができるリソース(予算・人員・技術など)守るべきルール評価基準この段階で担当者としっかりすり合わせしておけば、権限委譲後、互いの認識のズレに悩むことが減ります。情報共有の時間を大切にすることは、信頼関係を築くうえでも重要です。4)権限委譲を受けた部下を信じ、見守るデリゲーションでは「とことん任せきる」ことが大切です。もちろん担当者が困ったときのサポートは必要ですが、原則は担当者の取り組みを邪魔せず見守ります。自分のやり方を担当者に踏襲させたり、その都度指示や注意を出したりしていては、業務の権限委譲にはなりません。上司として、担当者がやりやすい方法で成果を上げられる環境づくりに努めましょう。「見守り」と「助言」のバランスが求められます。権限委譲を実施する際の注意点メリットが多いデリゲーションですが、取り組み方によっては逆効果になってしまうこともあります。権限委譲時に注意しておきたいポイントは、以下の2つです。業務の丸投げにならないよう配慮するデリゲーションは、方法を誤ると業務の丸投げになりかねません。業務の引継ぎ時には、任せる仕事の内容を詳細までよくすり合わせましょう。そして担当者のやり方に口を出しすぎないことと、担当者が困ってさまざまなサポートすることの両立が必要です。先述した4ステップを実践することで、この課題はおおよそ解決できるでしょう。業績改善・効率アップの成果を急がない思うように成果が出ない、自分が担当していたときと比べて業務効率が落ちたと感じることがあるかもしれません。上司としてはもどかしい部分もあるでしょうが、適切に業務を割り振った後はできるだけ辛抱強く担当者を見守りましょう。組織の体制を強化するには、一定の時間がかかります。効率化ばかりを優先してしまうと、将来を担う人材の育成が進みません。長い目で見た企業成長のために、じっくり取り組む時期も必要です。まとめデリゲーションは、事業拡大を目指すために必要不可欠なものです。上司は自身の業務に集中でき、部下は自信と責任感を得られます。組織全体が活性化されて社員や企業の成長につながりますが、従業員一人ひとりの力をどう活かすかが課題です。適切に権限譲渡できるよう、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
DX対応は、どの企業でも大きな課題のひとつです。変化の波に対応できる人材を育てるために、リスキリングを実施する企業が増えてきました。職種に関係なくそれぞれの人材がデジタル化に適応できるよう、学びの機会を設けているようです。この記事では、リスキリングの意味や導入のステップ、企業事例を解説します。リスキリングの意味と注目される背景まずはリスキリングについて、概念や背景、意味が似ているビジネス用語を具体的に解説します。リスキリングとは社会人が新しい職業につくため、もしくは現在の仕事の大きな変化へ適応するのに必要なスキルを習得するという意味です。企業が従業員に対して職業能力の再教育・再開発を実施します。リスキリングを実施する意味デジタル化が発展する中で、先端技術を持つ人材へのニーズが高まり続けています。リスキリングを通じてデジタルスキルの再開発を目指すことは経営戦略においても大きな意味があり、重要性を増しているのです。経済産業省でもリスキリングが推奨されており、サポート体制がてこ入れされました。世界の潮流であるデジタル化に対応し、ITを駆使した経営戦略を実行できる日本企業の創出を目指しています。出典:経済産業省「経済産業省の取組」リスキリングが注目されている背景社内人材の職業教育については、これまでもさまざまな形で取り組まれてきました。その中でもなぜ今、リスキリングが意味あるものとして注目されているのでしょうか。2020年(令和2年)開催の「ダボス会議」2020年(令和2年)、世界経済会議の年次総会であるダボス会議でリスキリングが議題の1つとして取り上げられました。2030年までに、全世界の10億人に対してより高い水準の教育・スキル・仕事の提供を目指すことが提案されました。DX対応の重要性第4次産業革命といわれている技術革新の中でも、DX(デジタルトランスフォーメーション)はあらゆる分野で取り組むべきテーマとなっています。技術革新のスピードが速い分野のため、リスキリングはDX人材の育成という意味で語られることが多いです。リスキリングの類似語意味が似ている言葉として、以下の3つが挙げられます。アウトスキリングアウトスキリングとは、転職などの理由で将来会社を去る見込みのある従業員への職業訓練を意味します。企業の価値創造の一環として、特に従業員の出入りが激しい欧米で注目されている方法です。リスキリングは自社の従業員に向けた職業教育を意味する点で、アウトスキリングと異なります。アップスキリングアップスキリングとは、従業員が現在の職種の中でさらに技術を高めていくという意味です。職種内での担当部門や職位アップを主な目的としています。リスキリングは、現在の職種以外の新たな知識・技術の習得も視野に入れた職業訓練です。アップスキリングと比べて、学びの範囲がより広いという違いがあります。リカレントリカレントとは、社会人が自らの意思・タイミングで新たなスキルを身につけるという意味です。主に大学や外部機関などで学び直します。リスキリングは学びを促す主体が企業、リカレントは学ぶ人自身という点が大きな違いです。とはいえ「仕事に役立つスキルを習得する」という概念自体は、リスキリングと共通しています。リスキリング実施のメリットとデメリット企業がリスキリングを行うにあたり、具体的にどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。リスキリングのメリットリスキリングの意味や重要性を理解し実践することで、以下のメリットを得られます。人材不足解消の対応策になるどの業種においても、人材不足の課題を抱えています。特にDX人材は、新たに外部から雇用するのが困難になりつつあるのが現状です。デジタル化に対応できる人材を社内で確保するための具体策として、早期のリスキリング実施は意味のある方法といえます。企業への愛着心(エンゲージメント)向上につながるリスキリングを行うことで、従業員から見た企業の印象も変わるでしょう。従業員の業務に対する意欲を高めたり、キャリア形成につながったりと、よい効果が得られます。その結果、企業への愛着心(エンゲージメント)も向上するのです。従業員のエンゲージメントが上がれば、生産性や業績アップも期待できます。リスキリングにより、企業と従業員双方にメリットがあるのです。自律意識の高い人材を育てられるリスキリングは、従業員が自発的にスキルを磨こうとする社内風土形成のきっかけにもなり得ます。自律意識の高い人材は、企業にとって貴重な財産といえるでしょう。特にDXについては、技術の進化スピードに後れを取らないことが肝要です。自ら学び実践する姿勢がある従業員は、企業価値を高める起爆剤となります。ビジネス活性化と従業員満足を両立できるリスキリングは社内で新たなアイデアが生まれたり、DX推進により業務効率化を図れたりする意味もあります。企業の価値や業績が上向くだけでなく、従業員のワークライフバランスをとりやすくなるといったメリットも得られるでしょう。リスキリングで得られたデジタル化のスキルを最大限活かせれば、会社業績の追求と従業員の満足度向上を両立させることも可能です。リスキリングのデメリット一方、リスキリングには以下の課題もあります。リスキリングに注力できる教育担当者が必要になる社内のリソースでリスキリングを進めるときは、DX教育のプログラムを綿密に組む必要があります。他の業務と掛け持ちしている教育担当者では、手が回らなくなるケースもあるので注意しましょう。教育プログラムのアウトソーシングをしないのであれば、リスキリング専任の教育担当者を設置するのがおすすめです。時間と手間、コストがかかるプログラムの作成や対象となる従業員の選出には、時間と手間がかかります。また、研修教材や資格取得等に必要な費用も、視野に入れる必要があります。時間とコストを抑えようと単発の研修や最低限の学習内容にしてしまっては、せっかくの機会が台無しです。リスキリングを意味あるものにするため、スケジュールと予算をしっかり確保しましょう。社内人材の転職リスクを考慮した環境・制度づくりが求められる散見されるケースとして、リスキリングによりスキルを習得した従業員の退職・転職があります。特にスキル習得後のキャリアステップが明確でない場合、そのリスクは高まります。自分が学んだ知識や技術を活かせる職場で働きたいと考えるのは、自然なことです。リスキリング後のキャリアステップや待遇について、企業と従業員で必ず共有しましょう。リスキリング導入のステップと企業の実施事例自社でのリスキリング導入を具体的に進めるには、どうしたらよいのでしょうか。ここからは、導入のステップと、すでに実施している企業のケーススタディを紹介します。リスキリングを価値あるものにする導入ステップリスキリング導入の意味を高めるには、実施計画と研修プログラム、社内体制を整える必要があります。次の5ステップを参考に、一歩ずつ進めていきましょう。1)経営戦略に沿ったリスキリング計画を立てる経営戦略を再度確認し、これから重要性が増しそうなスキル・人物像をはっきりさせるところからスタートします。現時点で社内に該当するスキル・人材が見当たらない場合、リスキリング実施の必要性が見えてくる、という流れです。強化したスキル・人物像が明確になることで、リスキリング計画を立てやすくなります。リスキリングを行う期間や対象者、実施後の効果測定について、計画を立ててみましょう。2)計画に基づいたプログラムと対象者を決めるリスキリング計画に基づいて、具体的な学習プログラムを作成します。リスキリング対象者が学びやすい学習方法を用意しましょう。社内研修、eラーニング、ウェビナー、外部機関での講習など、多彩な種類があります。できれば、対象者が複数の選択肢から選べるようにするとよいでしょう。3)リスキリングに適した社内体制を整える通常業務を続けながら新たなことを学ぶのは、リスキリング対象者にとって何かしらストレスのかかることです。リスキリングの概念や学ぶことの意味をしっかりすり合わせ、対象者の意見によく耳を傾けましょう。就業時間内での学習時間を確保したり、キャリア・報酬面の条件を整えたりなど、社内体制を構築することも大切です。対象者に学習することを丸投げするのではなく、丁寧にサポートすることが欠かせません。4)習得したスキル・知識を実践できる場を設けるリスキリング終了後、実務で活かす機会を多く作ることも重要です。学んだことは、実践しなければ意味がありません。業務で実際に取り組み、結果をフィードバックするというサイクルを繰り返します。特に新しい取り組みを実践するのは、時間や労力を要します。リスキリング対象者が悩むことなく、前向きに取り組めるような環境づくりに努めましょう。5)振り返りの機会を設け、継続的に効果を測定する新たなスキル・知識のもとで業務に取り組んでもらいながら、リスキリング対象者と定期的に意見交換をします。フィードバックを丁寧に行うことで業務改善や対象者自身の成長意欲、他の対象者へのサポート体制充実につながります。効果測定は、定期的に実施しましょう。時間をかけて成果が出てくるケースもあるため、すぐに結果が出なくても慌てないことです。リスキリング導入企業の取り組み事例実際にリスキリングを行なっている企業は、どのように取り組んでいるのでしょうか。代表的な事例を見ていきましょう。社内および関連企業にDXの基礎教育を実施DX対応に注力すべく、関連企業を含めた基礎教育を行なっています。社内に複数あった教育機関も1つに統合されました。専任の担当者を置くことで、リスキリングの概念に基づいたプログラムを進められています。研修を実施する意味を高めるべく、研修後のキャリアステップについてもより明確化されました。研修後、戻った職場で学んだことを実践しやすい環境づくりも進んでいます。文系社員向けのリスキリングプログラムを策定文系社員の割合が多めの企業では、デジタル化に対応できる人材の育成が急務でした。そこで、文系社員向けのリスキリングプログラムを新設したのです。リスキリングを行う意味から丁寧に説明し、研修の必要性についてしっかりと共有していきます。また、国家資格の取得を視野に入れた研修もあり、初めてIT学習に触れる人でも目標を立てやすい環境づくりが行われています。社外の人材にも学びの機会を提供社内のリスキリングと共に、社外の関係者も学べる機会を提供している企業もあります。社外関係者への研修機会を持つことで、将来の人材雇用につなげたいという狙いもあります。デジタル化に対応できる人材は世界的に見てもニーズが高く、採用に苦戦する企業も増えているのです。DX対応に向けた社内整備をリスキリングで行いながら、人材の外部調達も視野に入れている事例です。リスキリングを意味あるものにするためのポイントリスキリングを成功させるには、いくつかのポイントがあります。意味のあるリスキリングにするためにも、以下のポイントを押さえましょう。リスキリングの重要性を周知するなぜ今リスキリングが必要なのか、対象者に意味をしっかり伝えることが大切です。リスキリングは、単発の研修とは異なることを説明します。変化の波に対応する最先端で活躍できる人材になって欲しいなど、企業側の考えをシェアし理解を深めてもらう機会を持ちましょう。経営戦略にマッチするコンテンツを選ぶ研修コンテンツが充実していても、社内の課題や経営戦略に合うものでなければ意味がありません。コンテンツの選出はとても重要なため、時間をかけてしっかりと検討すべきでしょう。場合によってはアウトソーシングも検討するコンテンツ選びを適切に行える人がいないこともあります。特にDX分野は難解なものも多く、自社の担当者だけでは判断できないこともあるでしょう。その場合は、外部機関の専門家に委託するのもよい方法です。リスキリングに長けた機関とタッグを組めれば、より適切なリスキリングを実施できます。知識・スキル習得への意欲を維持できる仕組みづくりを実施する学ぶ側の従業員は、リスキリングにより業務以外にやらなければならないことが増えます。当初はリスキリング研修に意味を見出せていても、学び始めの意欲を維持し続けるのはなかなか大変です。スケジュールやキャリアステップ、待遇面などの仕組みを整え、従業員がモチベーション高く学べるよう工夫しましょう。社員の意見に耳を傾け、積極的に導入する実際に学んでいる側からの意見は貴重です。リスキリング担当者には気づけない現場の声に耳を傾けましょう。研修は受けたが学んだことを活かせる場がないという声は、意外と多くあります。また、教育担当者と部門担当者との間で意思疎通ができているかも重要です。「業務時間内の研修実施は労働力を奪われてしまう」と不満に感じる上長がいることもあります。研修の必要性について丁寧に説明し、意見を聞くことが大切です。まとめリスキリングは従業員自身も、企業もステップアップできるチャンスです。また、リスキリングの実施計画を立てる取り組みは、自社の現状を把握するよい機会にもなります。概念を理解して実践することで、経営戦略を前に推し進める鍵となるでしょう。
人材不足を補う施策として注目されている外国人雇用は、企業にとってさまざまなメリットがあります。日本人雇用とは異なる手続きや申請が必要ですが、ポイントを理解すれば十分対応可能です。この記事では外国人雇用について、近年の動向や手続き方法、採用時の注意点を解説します。外国人雇用の動向とメリット日本で働くことを法的に許可されている外国人を従業員として受け入れる企業は、増加傾向にあります。外国人雇用の利点を活かすことで、事業のさらなる発展を目指すためです。外国人雇用の動向世界情勢の影響を受けながらも、外国人労働者の人数、外国人雇用を実施する企業数は増加が続き、過去最高を更新しています。外国人労働者数は横ばい厚生労働省の調査によると、2021年(令和3年)10月末時点での外国人労働者数は1,727,221人です。これは、届出が義務化された2007年(平成19年)以降で過去最高となっています。ただ、前年比では0.2%の増加率で、2020年(令和2年)の増加率4.0%と比較して横ばい傾向です。新型コロナウイルス感染症の世界的流行による渡航制限の影響を、大きく受けることとなりました。出典:厚生労働省「「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)」外国人雇用を行う事業所は増加傾向外国人を雇用している事業所数も、過去最高を更新しました。2020年(令和2年)と比べて17,837か所増加し、計285,080か所となっています。増加率は対前年比で6.7%で、2020年(令和2年)の増加率10.2%よりも落ち着いています。新型コロナウイルス感染症の流行の影響を受けながらも、増加傾向は継続しているといえるでしょう。出典:厚生労働省「外国人雇用状況」の届出状況まとめ(令和3年10月末現在)」外国人雇用のメリットなぜ近年、外国人雇用へのニーズが高まっているのでしょうか。この背景には、若手労働者の不足や、事業のグローバル化を推進する動きがあります。若手の労働力を確保しやすい日本は少子高齢化が進んでおり、若手従業員の確保は企業の大きなテーマの一つです。従業員数が不足している部門での外国人雇用は、業務の円滑化につながります。世界各国の中でも、日本は特に言語の習得が難しい国として挙げられます。日本での就職を希望する外国人労働者は、勤労意欲と優秀さを兼ね備えた人が多いのも特徴です。モチベーション高く仕事に臨む彼らの姿勢は、他の若手従業員にも良い刺激となります。インバウンド対策を推進できる母国の言葉や文化を理解できる人が窓口となることで、日本に来ている外国人の視点を踏まえて対応できます。インバウンドにてこ入れしている接客・サービス業において、外国人雇用は大きな効果があるのです。海外からの利用者誘致においても、外国人労働者は即戦力になります。WebサイトやSNSを通じた情報発信や友人知人へのクチコミなどを、翻訳・通訳を介さず実施できるのも魅力です。海外事業の立案・展開にプラスとなる事業の海外展開を視野に入れている企業にとって、外国人雇用はその第一歩を踏み出すチャンスになり得ます。海外の文化や言語を知ることができ、強みとして活かせるからです。たとえば、進出対象の国・地域出身の人材を自社で受け入れ、情報収集やマーケティング、企画立案の業務を任せます。知識や経験がゼロの日本人よりも効率よく、対象国のニーズに十分合う事業展開が期待できるでしょう。外国人雇用に必要な手続きと就労ビザ外国人を採用する場合、日本人を雇用するときとは異なる手続きが必要になります。外国人雇用の流れと就労ビザについて見ていきましょう。外国人雇用の基本的な流れ就労ビザを取得できそうか確認したうえで、面接に進む人を決定します。内定者の経歴や採用地等に応じたビザ申請を行い、ビザ取得後に雇用という流れです。就労ビザ取得の見込み調査採用面接の応募者について、まずは就労ビザを取得できる見込みがあるか調査します。どんなに高い能力がある人でも、就労ビザの取得が難しければ日本企業で働けません。応募者の学歴や職歴を、面接前に必ず確認しましょう。なお、外国人の就労ビザは、職種等により複数の種類があります。オフィスワークに従事する外国人を雇用する場合は「技術・人文知識・国際業務ビザ」が必要です。面接・内定就労ビザの取得見込みがある応募者と面接し、採用者を選出します。面接時には在留カードを必ず確認しましょう。在留資格の種類や期間満了日、資格外活動許可の有無は特に確認すべき項目です。不法滞在者や就労不可の記載がある人は、採用できません。内定者が決まったら、雇用契約書を作成します。記載内容は、基本的に日本人を雇用する際と同様です。雇用契約書は就労ビザ申請で必要になります。ビザの申請前に必ず作成しましょう。就労ビザ申請雇用契約書を取り交わしたのち、就労ビザを申請します。会社の所在地を、管轄している入国管理局で手続きしましょう。入国管理局による審査後、ビザ発給の可否が決まります。採用スタイルにより、申請から就労ビザ取得までの流れが若干異なります。「技術・人文知識・国際業務ビザ」の場合は次の3つです。1つ目は、日本留学中の外国人を新卒採用するケースです。留学ビザから「技術・人文知識・国際業務ビザ」への変更手続きを行う(在留資格変更許可申請)2つ目は、海外にいる外国人へ内定を出し、日本で雇用するケースになります。雇用元の企業が「在留資格認定証明書」を日本の入国管理局へ申請する「在留資格認定証明書」の発行後、外国にいる内定者へ送付する内定者本人が現地の日本大使館で就労ビザの申請手続きを行う3つ目は、日本国内の別会社で働く外国人を中途採用するケースです。新たな雇用元の企業が「就労資格証明書交付申請」を日本の入国管理局で行う入国管理局により就労可能と判断されたら正式に雇用できる就労ビザ審査・取得後、雇用就労ビザの審査・取得後、雇用となります。就労ビザの審査期間は通常、1〜3ヶ月程度です。審査内容は採用予定者に関することだけでなく、企業の財務状況や外国人労働者の給与水準なども含まれます。雇用後は、ハローワークへ届け出ることが法律で義務付けられています。また、就労ビザに基づき、担当する業務内容に制限があるので注意しましょう。在留期間の更新を怠らないよう、管理の徹底も求められます。就労ビザ調査・申請のコツ外国人雇用を実施するにあたり、就労ビザの申請・審査・取得手続きが大きな山場となります。採用フローにおいては、以下のポイントを押さえておきましょう。候補者の学歴・職歴を知る外国人雇用の面接前に確認すべき主な事項は、以下の2つです。面接予定者の卒業学校における専攻内容が、仕事内容に関連しているか上記に該当しない場合、採用職種に関連する業務において10年以上の実務経験があるか就労ビザの取得可否には、主に学歴・職歴が関わっています。採用予定者の専攻科目や職務内容、実務経験の年数などが審査されるため、あらかじめこれらの情報を収集します。卒業証明書や成績証明書、過去の勤務先での在職証明書などで調査可能です。例外となるケースもある次のケースに該当する場合「技術・人文知識・国際業務ビザ」の取得が不要になることがあります。在留資格が「日本人の配偶者等」在留資格が「永住者」「永住者の配偶者等」在留資格が「定住者」内定者が対象になるかは、在留カードの記載事項で確認できます。外国人雇用時のポイントまずは、自社で外国人を雇用する目的・理由を明確にしましょう。求める人材の国籍や経歴、言語能力など、具体的な募集要項を決めやすくなります。そのうえで次に挙げる項目に取り組んで、外国人雇用の成功につなげましょう。求人の出し方求人対象者への訴求力を高めるためのポイントを紹介します。求人媒体の選出外国人の求人をかけられる媒体は、多岐にわたります。外国人雇用時の主な求人媒体は、以下のとおりです。紙面(新聞、雑誌、チラシ等)インターネット(LinkedIn、wantedly、Indeed、SNS等)留学生を受け入れている学校の就職課外国人雇用に対応している人材紹介会社公的機関(ハローワーク、外国人雇用サービスセンター等)求人媒体ごとに特色があります。どのツールが自社の求人プロジェクトに向いているか、検討しましょう。たとえば読者数の多い紙面で人材募集することで、応募者数を集められます。インターネット求人は世界中に情報を拡散でき、アップデートしやすいです。学校の就職課は、外国人留学生の新卒採用に向いています。また、人材紹介会社や公的機関を利用すれば、求人に長けた担当者と相談しながら募集をかけられるメリットを得られます。求人広告の多言語記載「日本語能力の高い人材が欲しいから」と、求人広告に日本語のみ記載するのは少しもったいないです。日本語での会話は難なくできる反面、文章を読むのは苦手という外国人もいます。また、多言語での求人募集は、自社が外国人雇用を積極的に行なっているというアピールにもつながるのです。仕事内容のミスマッチを防ぐという観点からも、募集要項は多言語対応することをおすすめします。労働環境・社内制度の整備「正社員として働きたい」という外国人からの応募が集まっても、働きやすい環境・制度が整っていなければ人材は定着しません。外国人雇用を検討する際は、以下の注意点を踏まえて社内整備に取り組みましょう。労務管理外国人雇用は、正社員や契約社員など形態がさまざまです。どの立場の労働者に対しても、日本の労働法に基づいた労務管理が求められます。特に年次休暇や労働時間、税金制度など、日本ではなじみのある制度でも外国人には不慣れなことも多く存在します。また、文化・価値観の違いや宗教への配慮も不可欠です。やさしい日本語や母国語による資料を用意する、相談に応じる時間を持つ等、より丁寧な労務管理を実施しましょう。出典:厚生労働省「外国人の方に人事・労務を説明する際にお困りではないですか?」人事施策社内評価や昇格・昇給は仕事の良いモチベーションとなります。ただ、外国人の従業員はステップアップしにくい、給与水準が変わらない等の課題を抱えるケースもあるようです。外国人雇用を実施する場合、人事制度の整備と周知にも取り組みましょう。キャリア形成や給与は、外国人従業員が仕事において重視するポイントです。能力に応じて公平に評価する組織づくりが欠かせません。出典:厚生労働省「外国人の雇用」外国人雇用の注意点日本人従業員を雇い入れるときとは異なる注意点があります。採用予定者へ確認すべき事項をおさえ、企業として適切な対応をとりましょう。採用予定者への確認最も大切なのは、在留資格の内容を把握することです。そして、業務に必要な日本語能力を見るときのポイントもあります。在留カードを確認する外国人を雇用するときは必ず在留カードの提示を受けなければなりません。在留資格の内容を丁寧に確認しましょう。外国人雇用は、入管法(出入国管理及び難民認定法)によりルールが定められています。入管法で規定された在留資格を持つ外国人か、内定を出す前にチェックします。日本語力を多角的に見るビジネスで用いる日本語にも対応できる外国人従業員は、引く手数あまたです。ただ、現時点では日本語力に少し難があっても、入社後にスキルアップできる可能性もあります。日本語の文章を読んで理解できても、会話はスローペースになる人もいます。その逆もあるでしょう。「雇用後、業務を通じて成長できそうか」という視点を持つことも大切です。日本語能力試験の結果や応募書類・面接だけでなく、多角的に判断しましょう。企業側の対応求人に応募した側の目線に立った採用活動を意識しましょう。特に、以下の注意点を念頭におく必要があります。ミスマッチを防ぐ仕事内容や職場の雰囲気について、募集要項など文章だけでは伝わりにくいこともあります。面接は応募者と直接会話できる良い機会です。会社の概要や任せたい仕事、福利厚生や評価制度などをわかりやすく伝えましょう。英語や母国語で書かれた資料を用意できると、相互理解が深まります。また、実際に働いている外国人従業員と交流できる場を持つのもおすすめです。発言や態度に気をつける自分はそのつもりでなくても、外国人から見ると批判的・差別的に感じる発言や態度をしてしまうことがあります。特に面接の場面では企業が人材を選考するだけでなく、人材が会社を選ぶ場でもあることを忘れないようにしましょう。まとめ外国人雇用は、さらなる成長を目指す企業にとって重要な取り組みになりつつあります。今回挙げたポイント・注意点を踏まえれば、決してハードルの高いことではありません。なお、外国人の受け入れをはじめ、人材に関する相談はNCBリサーチ&コンサルティングでも可能です。ぜひ活用してみてはいかがでしょうか。
個人クリエイターが自由に作品を発表し、収入を得られる時代になりました。SNSやプラットフォーム、NFT・メタバースにより、ビジネス環境が確立されたためです。そこから形成されたクリエイターエコノミーは、世界中で大きな影響力を持つほどに成長しています。今回は、その背景と市場規模、収益モデルを解説します。クリエイターエコノミーとは主にWebの世界で広がっているクリエイターエコノミーについて、意味と注目されている理由を紹介します。クリエイターエコノミーの定義時代の進化とともに「クリエイター」に含まれる人々の範囲が拡大しています。その広がりが、新たな経済圏を形作っているのです。クリエイターとはそもそも「クリエイター」とは、何かしらのコンテンツ・情報を発信する人々を指します。デザイナーやカメラマンなど創作活動を行う人から、ブロガーやインフルエンサーなどトレンドを発信する人まで多岐にわたります。近年では、あらゆるジャンル・レベルの創作者がクリエイターとして活動しているのです。特にデジタルメディアにおけるクリエイター活動は盛んで、現代の主流といっても過言ではありません。クリエイターエコノミーとはクリエイターによる情報発信や創作活動によって形成された経済圏が「クリエイターエコノミー」です。この経済圏は、個人のクリエイターが収益を得られるプラットフォームの誕生をきっかけに形成されました。これまで消費者の立場であった個人も、インターネット上で気軽に発信やコンテンツ販売ができる時代です。多数のクリエイターが登場し生産側に立つ個人が増え、クリエイターエコノミーの規模も拡大し続けています。クリエイターエコノミーが注目される理由世界中のさまざまなジャンルで、クリエイターが活発に活動できるようになりました。その主な理由として、Web環境の進化や価値観の変容が挙げられます。SNSやプラットフォームの活性化Web環境の進化により、クリエイター自身で活動の場を広げやすくなりました。特にSNSや動画配信サービス、クリエイター向けプラットフォーム(土台となる環境)が大きな役割を果たしています。いずれのサービスも気軽に商品やコンテンツを販売できるシステムが装備され、収益化のチャンスも増えました。NFT・メタバース空間の台頭「NFT」「メタバース」とは、以下のとおりです。NFT:デジタルコンテンツの改ざん・複製を防ぐための所有証明書・鑑定書。ブロックチェーン(取引情報のデジタル台帳)上でやりとりされる。メタバース:ユーザー同士がアバターを通じて交流したり、コンテンツ等を購入したりする仮想の世界。オリジナルのデジタルコンテンツが持つ価値を保てるNFT技術は、クリエイタービジネスで重要な役割を果たします。また、仮想空間で人やモノ・サービスの交流ができるメタバースの世界は、新たなクリエイター市場として注目されています。どちらもクリエイターの収益化を支えるものです。>>話題の「メタバース」とは?概要や仕組み、今後の展望をわかりやすく説明!>>「NFT」って?これから始める人向けに仕組みや注目される理由について解説!価値観の変化昨今、世界情勢の影響により、生き方や働き方に対する価値観も変わりつつあります。独り立ちしやすい環境が身近になり、クリエイターを志す人々が増えたこともクリエイターエコノミーが活況である理由です。さらに、クリエイターエコノミーを取り巻く他のビジネス市場においても、クリエイターエコノミーの存在感が高まっています。ユーチューバーやインフルエンサーの情報発信力を活かしたマーケティング戦略は、その代表格です。クリエイターエコノミーの歴史と市場規模クリエイターエコノミーが世界で注目される規模に成長を遂げた理由と現状について、紹介します。クリエイターエコノミーの歴史2000年代以降、クリエイター向けのプラットフォームが確立されたことで、クリエイターエコノミーの形成が大きく進みました。その流れをおおまかに把握してみましょう。Web上で作品発表できるサービスが登場1990年代の終わりから2000年代初頭にかけて、個人でも気軽に情報発信できるWebサービスが相次いで誕生しました。特に無料で利用できるBlogger、YouTube、Instagramはユーザーが爆発的に増え、クリエイターエコノミーの中心的サービスです。どのサービスも専門知識がなくても文章や写真をインターネット上で公開でき、コメントやチャットでユーザー同士の交流も簡単にできます。広告収入による収益還元がスタート次第に、Webサービス上で大きな影響力を持つユーザー「インフルエンサー」が登場します。当初、彼らが自身の活動で収益を得るのは難しい環境でした。マーケティングにおけるインフルエンサーの存在感が増すにつれ、コンテンツを収益化できる仕組みへのニーズが高まります。そんな中、YouTube広告を筆頭に、SNSでも収益化できるシステムが続々と開発・提供されるようになったのです。デジタルコンテンツの利用者数が増加その後も現在に至るまで、SNSや動画配信サービス等、個人が気軽に発信し収益化できるWebメディアが生まれ続けています。それに伴い、ユーザー数も増加傾向です。従来、メディアといえばテレビや雑誌などが代表格でした。現在はデジタルメディアの影響力が高まり、広告収入も右肩上がりで増えています。ユーザーがクリエイターを支援する仕組みが定着したことで、クリエイターエコノミーの規模も膨らみ続けているのです。クリエイターエコノミーの市場規模クリエイターエコノミーは具体的に、どのくらいの市場規模を持っているのでしょうか。世界で見ると巨大な市場規模に成長海外での調査によると、2021年(令和3年)5月時点でクリエイターエコノミーの市場規模は1,042億ドルとされています。日本円で十数兆円以上のお金が動いている計算です。クリエイターにも、専業から兼業まで、多彩な働き方をしている人がいます。ミニマムな活動をしているクリエイターも含めると、実際はより大きな市場規模になっているといえるでしょう。ビジネスにおいて無視できない、巨大な市場に成長し続けているのです。出典:NEOREACH「クリエイター収益レポートの内訳、クリエイター経済のどこにいるのか?」日本は成長段階日本でも、クリエイターエコノミーは同様の広がりを見せています。いわゆる「有名人」には、デジタルメディアで名を知られるようになったクリエイターも数多く挙げられるようになりました。今後もこの流れは続くとみられています。とはいえ、日本国内ではクリエイター活動を支える法制度やビジネス環境が完全に整っているわけではありません。新たな経済圏をどう発展させていくか、各方面での取り組みが始まった段階です。クリエイターエコノミーの収益モデルと課題「経済圏」と呼ばれるほどに、クリエイタービジネスは成長を遂げています。現代におけるクリエイターの収益モデルと、今後考えていきたい課題について見ていきましょう。クリエイターエコノミーの主な収益源サービスの進化とともに、クリエイターが収入を得る手段も増えています。その中でも代表的なものを紹介します。広告・アフィリエイト動画やブログなど、投稿したコンテンツに広告を掲載することで利益を得る方法です。アフィリエイトは、クリエイターのコンテンツに掲載された広告がきっかけで成約した場合、報酬が支払われます。デジタルメディアにおけるクリエイター活動の収益化は、広告やアフィリエイトからスタートしました。サブスクリプション(定期購読)メールマガジンやブログ、音楽・動画配信など、会員限定サービスを有料で定期購読する仕組みです。クリエイターが継続的な支援を受けられるメリットがあります。サブスクリプションでユーザー限定コンテンツを配信すれば、ファンのニーズに応えてつながりを強めることも可能です。ファンの数だけでなく関わりも増やすことで、クリエイターの存在感を高めます。各種コンテンツの販売セミナー動画や小説、イラストなど各種デジタルコンテンツに価格を設定し、販売する方法です。クリエイターが活動しやすい仕様のプラットフォームにより、収益につなげやすくなりました。商品やサービスの開発プロジェクトを公開し、資金を集うクラウドファンディングもなじみのある方法となっています。クリエイターの思いや開発ストーリーも公開できるためユーザーの共感を得やすく、新たなファンの獲得に有効です。ファンクラブ・オンラインサロン自宅にいながらクリエイターを応援できる、オンライン上のファンクラブやオンラインサロンもあります。インターネットでレッスンが受けられるサービスもあり、知識やスキルを元に教室を持ちたいクリエイターに多く活用されている方法です。一定の知名度や実績があるクリエイターなら特に、定期的な収入を得るのに有効といえます。ファンに向けた発信やイベント開催が容易で、ファンからの声が届きやすいのも特徴です。クリエイターエコノミーが抱える課題魅力の多いクリエイターエコノミーですが、急成長に伴う課題もあります。法や環境の整備・周知活動著作権や肖像権、プライバシー権や税申告など、クリエイター活動に関わる法律や権利・義務についてよく理解する必要があります。クリエイター自身はもちろん、ユーザー側も同様です。また、クリエイターとして生計を立てる人が増えている一方で、その実情に法制度やビジネス環境が追いついていない面もあります。新たな経済圏の流れを止めないためにも、国や企業は現状にマッチした体制づくりが急務です。クリエイター間の格差クリエイター向けのプラットフォームは、広く一般に公開されています。しかし、よく見てみると一部のクリエイターに収益が集中しているのが実態です。もちろん、専業と兼業、活動規模など立場の違いにより収益額に差が出ます。他のクリエイターとの差別化を工夫することは必要です。とはいえ「稼げている人と稼げない人」の格差が大きすぎるのは、メリットを得られる機会の不平等性につながる課題といえます。NFT・メタバース経済圏での課題が曖昧他のビジネスにおいても、クリエイターエコノミーの存在は非常に大きいものとなっています。経済産業省もこの動向に注目しており、調査を実施しているところです(2022年(令和4年)9月現在)。クリエイターエコノミーの活性化にあたり、特にNFTやメタバースの安全性や活用方法の検討が不可欠になっています。経産省の調査はこうした課題を明確にし、より多くのクリエイターや投資家の参入を目指すものです。出典:経済産業省「「Web3.0時代におけるクリエイターエコノミーの創出に係る調査事業」の研究会委員及び全体ロードマップを公開します」まとめビジネスの単位が細分化され、個人クリエイターの活躍できる機会が増えました。クリエイターと企業とのコラボレーションも盛んになり、今後もクリエイターエコノミーは時代に応じて発展していくことでしょう。日本のクリエイター市場もこの流れに乗るべく、課題を乗り越えながら進む動きが出始めています。
アサーティブコミュニケーションは、円滑な人間関係を築くのに有効な手法です。個々の性格に関係なく、トレーニングにより誰でも実践できます。今回は、仕事でもプライベートでも役立つアサーティブコミュニケーションの意味や、実践のポイントを解説します。アサーティブコミュニケーションの意味と4つの柱ビジネスやプライベートにおいて、自分の気持ちを伝えながら相手と良好な関係を築きたいシーンは多々あります。アサーティブコミュニケーションは、他者との関係構築において大切なポイントです。アサーティブコミュニケーションとはさまざまなシーンで役立つアサーティブコミュニケーションについて、意味と起源を紹介します。相手を尊重しながら自己主張する表現アサーティブコミュニケーションとは、自己と他者の双方を尊重しながら自分の思いを伝える会話方法です。アサーティブ(assertive)は「断言する、はっきり(積極的に)自己主張する」と訳されます。心理学の認知行動療法を源流に持つ「アサーティブネス(assertiveness:自己主張)」から来ている言葉です。一見、自己主張を強く押し出す印象を受けますが、アサーティブコミュニケーションにおいては相手の意見や考え方も尊重します。そして、自分の意志も適切に伝える手法です。アサーティブコミュニケーションの起源起源には諸説ありますが、この会話手法は心理学者のジョセフ・ウォルピによるカウンセリングから生まれたとされています。人間関係を築くのを苦手とする人の課題解決を目的に開発されました。人はそれぞれ独自の価値観を持っています。互いを知るためには、相手の考えを尊重しつつ自分の意志を誠実かつはっきりと伝える必要があるのです。状況に応じて適切な自己主張をすることは、ビジネスシーンに限らず生きやすさにもつながります。アサーティブコミュニケーションが提唱する4つの柱以下の4項目が、アサーティブコミュニケーションを実践する際に重要な心の持ちようとされています。これらを意識した会話や表現は、おのずとアサーティブコミュニケーションができる状況を生み出すのです。1)誠実誠実とは、人や物事に対して真心を持って真面目に接する様子を意味します。私利私欲に突き動かされることなく、相手にも自分にも誠実であることが必要です。2)率直率直とは、嘘をつかず、ありのままであるという意味があります。相手の主張に合わせて自分の気持ちを押し殺すのではなく、伝えるべきことは正直かつ丁寧に表現します。3)対等世の中には先輩・後輩、上司・部下といったさまざまな関係性が存在します。こうした互いの立場や年齢・経験の違いなどに左右されることなく、対等に話し合う姿勢も欠かせません。4)自己責任会話する態度や発言内容について、自分が発信・選択したものは全て自己責任とすることです。会話による決定事項や発言しなかった意見も、自己責任の範囲に含まれます。アサーティブコミュニケーションが求められている理由近年、価値観の多様化が進んでいます。ビジネスにおいても、ダイバーシティの取り組み等を推進する動きが活発です。多彩な人材が活躍できて、生産性の高い職場づくりはどの企業においても急務です。アサーティブコミュニケーションは、こうした課題を解決する大きな鍵といえます。社員同士の良好な関係構築立場に関わらず意見を交換できるようになり、相互理解を深められるのがアサーティブコミュニケーションの大きなメリットです。例えば、上司と部下の関係においては、どちらかというと部下が遠慮しがちです。互いが対等・率直にコミュニケーションできれば一方的な意見の伝達にはならず、本音を知り合えます。部下からすると意欲を削がれない働きやすさ、上司からすると部下について適切に把握できる機会を得られるのです。生産性の向上職場の人間関係がスムーズであれば、生産性も上がります。適切な状況把握ができるようになり、最適な仕事の役割分担も可能です。また、それぞれの立場・意見を尊重しながら必要に応じて提案や議論を行えるので、業務の効率化にもつながります。新たなビジネスや風通しの良い企業風土を育み、生産性を高められる環境づくりが期待できるのも大きな利点です。社員のメンタルヘルスケア社員を注意深く見守り、サポートする社内制度があるのに、休職者や退職者が減らないという企業は意外と多いものです。アサーティブコミュニケーションを実践すれば、この課題にもアプローチできます。職域・職制に関係なく誰もが活発に意見交換できる職場であれば、仕事や人間関係にストレスを感じにくいです。担当業務に対する意欲や自己責任の意識も、自然と湧いてきます。アサーティブコミュニケーションを通じて、実態に即した無理のないメンタルヘルスケアを行えるのです。アサーティブコミュニケーション実践のポイント実際にビジネスの場でアサーティブコミュニケーションを図るために役立つポイントと、注意点を解説します。アサーティブコミュニケーションとそうでない主張との違い互いの意見を伝え合いながら合意点を見つけていくのが、アサーティブコミュニケーションです。ただし、主張の表現度合いによっては、自分や相手にプレッシャーをかける恐れがあるので注意しましょう。アサーティブを含む以下の3つが、代表的なコミュニケーションスタイルです。それぞれの違いを理解すれば、アサーティブコミュニケーションを実践しやすくなります。アグレッシブ攻撃的で自己主張が強いコミュニケーションスタイルです。相手の主張に耳を傾けず、自己主張を押し通して論破します。一方的にプレッシャーをかけ続ける・受け続けることになるため、ストレスフルです。人間関係の悪化も否めません。アサーティブ自分と相手の主張、双方を尊重します。対等に話し合えて、相違点があっても互いが納得できるゴールを目指せるコミュニケーション方法です。必要な事項について冷静に検討できるためストレスが少なく、円滑な人間関係を築けます。ノンアグレッシブ自分の主張は抑え、相手の意見を優先します。どんなに正しい主張でも表に出せず、主張が強い人に振り回されがちです。その場は収まったとしても、主張を飲み込んだ側はストレスがたまります。アサーティブコミュニケーションを実践する「DESC法」アサーティブコミュニケーションを行う際は、「DESC法」をベースに会話を組み立てていくとスムーズです。意識的に繰り返していけば、アサーティブな思考で物事を捉える習慣が身に付きます。D:描写(Describe)事実のみを伝えます。ポイントは自分の感情や憶測、相手に対する評価等を一切入れないということです。客観的に起きた出来事のみ描写し、相手にシェアします。以下は、DESC法「描写」の例です。OK「議事録の納期は1週間前でしたが、現時点で提出されていません」NG「このビジネスに関心がないかもしれないが、納期を1週間も破るなんてありえない」E:表現(Explain)伝えた事実について、自分の気持ちを述べます。大切なのは、感情的な表現をできるだけ避けることです。相手を責めるような言葉を使わないよう注意しましょう。主観的な感情を丁寧に話します。以下が、DESC法「表現」の例になります。OK「何か事情があるのかと心配していました」NG「事情があれば言ってくれればいいのに、どうして何も報告しないのか?」S:提案(Specify)事実と気持ちを述べたら、今後の方向性について提案します。ここでも相手を思いやり、攻撃的にならない表現を選びましょう。具体的な事柄を提案することで、相手からの同意を得やすいです。DESC法「提案」の例が、以下になります。OK「担当業務の配分について見直してみましょうか?」NG「議事録をまとめるのも難しいくらいなら、担当業務を減らすか?」C:選択(Choose)提案内容に対する相手の反応を踏まえて次の選択肢を考え、シェアします。得られる結果がイメージできる一言もあるとベストです。ここでは、相手の状況に応じた柔軟な対応が求められます。自分の事情だけでなく、相手のことも考えましょう。DESC法「選択」の例は、以下のとおりです。OK「または取り急ぎ、他のチームメンバーに依頼してみますか?そうすれば次回の打ち合わせには間に合いそうです」NG「とりあえず先方の打ち合わせがある明日14時までには絶対に仕上げてくれ」企業におけるアサーティブコミュニケーションの取り組み事例ひとりひとりの従業員が活躍し、生産性アップを目指せるアサーティブコミュニケーションの事例を紹介します。アサーティブトレーニングアサーティブコミュニケーションに必要なのは「スキル」です。自身の性格を変えることではなく、伝えるべき意見を適切に発する技術が求められます。このスキルは、トレーニングすれば誰でも習得できるものです。アサーティブトレーニングとはアサーティブコミュニケーションのスキルを学び、鍛えることです。あらゆる状況下で、スムーズにアサーティブコミュニケーションがとれるようにしましょう。職場での日常的な会話から重要な会議に至るまで、日頃から意識的なトレーニングが欠かせません。各企業においては、社員研修にアサーティブトレーニングを採用する事例が増えています。対象者も新入社員から若手、中堅、管理職まで幅広く行われており、社内での立ち位置に合わせた対応スキルを学びます。アサーティブ研修を通じて得られるもの多くの職場において、上司と部下の関係が存在します。ビジネスを推進するためには、両者の良好な関係が不可欠です。しかし、立場や経験、考え方の違いによりコミュニケーションが円滑にとれなくなると、関係の悪化や不信感を抱く結果を招きます。アサーティブトレーニングは、この課題を解決するのに役立つのです。上司にとっては、部下への適切な指導や依頼において効果があります。部下の立場においては、上司への相談や報告を率直に行えるスキルを習得可能です。アサーティブコミュニケーションによる職場改善事例誰もが働きやすい職場環境づくりには、良好なコミュニケーションが必須です。そのため、アサーティブトレーニングを通じて、従業員同士がスムーズに意思疎通できる環境づくりに取り組む企業も増えています。離職率の改善転職が当たり前の世の中になったこともあり、離職率を課題に挙げる企業も多いです。例えば、新入社員と教育担当者とのジェネレーションギャップにより、入社時研修の仕組みがうまく機能しないことがあります。コミュニケーションがうまくいかない環境において、新入社員は「上司は自分のことを全く理解できていない」と感じます。上司側も「今の若い世代は何を考えているか分からない」という印象を抱いてしまうのです。アサーティブトレーニングを実施することで互いの考えを伝えられるようになり、職場環境の向上につながります。ハラスメントの防止法令遵守のためのハラスメント防止研修を実施したのに実態は変わらない、と悩む職場もあります。研修内容をよく見てみると、法律や各種制度に関する話が中心となるケースも少なくありません。また、ハラスメント研修では言ってはいけない言葉がフォーカスされがちです。しかし、本当に必要なのは「業務上伝えるべき話を相手に届ける」ことです。相手が不快になる表現ではなく、アサーティブに対話できるスキルが求められています。アサーティブコミュニケーションを学ぶ時間を定期的・継続的に取ることで、この状況を改善できます。メンタルヘルスの対策組織には、さまざまな立場や価値観のメンバーがいます。それぞれの考えを尊重しながらチームをまとめる立場の担当者は、特にプレッシャーがかかる環境です。また、メンバーにおいても、同意できない考えにも従わざるを得ないこともストレスになります。メンタルヘルス対策のためにアサーティブコミュニケーションについて全社で学び、意識的に実践することは非常に有効です。自分の考えを伝えるアサーティブな表現だけでなく、違う意見を持つ相手のことを受け止めるスキルも身に付きます。アサーティブトレーニングは、協力しあって仕事を進めるチームづくりにもつながるのです。まとめアサーティブコミュニケーションは、自分と相手の双方を尊重できる会話手法です。多様性を大切にする現代社会において、より良い人間関係を築くための必須スキルともいえます。繰り返しトレーニングすれば誰でも習得できるので、意識的に取り組んでみましょう。
ビジネスローンは、個人事業主や法人向けのローン商品です。事業の運転資金や設備投資など、事業運営に関する資金使途に対応しています。この記事では、ビジネスローンの基礎知識や個人向けカードローンとの違い、審査申込から融資実行までの流れについて解説します。ビジネスローンとは?資金調達は、ビジネスを前に進めるための重要な要素です。特に個人事業主は、どこでどのように資金を集めればいいかが大きなテーマといえます。また、今回初めてローンを検討している人もいるでしょう。まずは、ビジネスローンの特徴や対象となる人について解説します。ビジネスローンの特徴ビジネスローンとは、事業資金を調達するための借り入れのことです。事業の立ち上げや運転資金、設備投資、各種支払いなど、事業に関する資金について融資を受けられます。ビジネスローンを取り扱っているのは、銀行や消費者金融、信販会社などの金融機関です。会社により金利や融資額、返済期間などの条件に差があります。一般的なローン商品より審査が短時間で行われ、融資実行までスピーディに進みます。急な資金需要にもビジネスローンなら対応しやすいのも魅力の一つです。ビジネスローンの主な分類ビジネスローンは銀行系・ノンバンク系・信販系の3つに分類できます。融資の申し込みから完済するまでの流れを総合的に捉え、どのローン商品が向いているか検討しましょう。銀行系ビジネスローン金利が低めに設定されています。まとまった金額を借り、時間をかけて返済していくのに向いているローンです。審査に時間を要することがあります。ノンバンク系ビジネスローン早く資金を借りたいときや、少額を借りて短期間で返済できる場合に活かせるローンです。商品によっては使途が事業に限定されないため、資金の融通が利く性質もあります。金利は銀行系より高めです。信販系ビジネスローンクレジットカードとの組み合わせで、金利やポイント還元の優遇を受けられるケースもあります。個人事業主でも借り入れできる法人だけでなく、個人事業主もビジネスローンを利用できます。事業を営んでいればビジネスローンに申し込めますが、利用目的は事業に限定されます。個人の生活費には充てられないので、注意しましょう。個人事業主は自営業者のカテゴリーに入りますが、法人向けのローン商品は借りられません。しかしビジネスローンの場合は対象が自営業者であるため、個人事業主も借りられるのです。「自営業者」に該当する事業者は、以下のとおりです。個人事業主:税務署に開業届を提出した、個人の事業者。法人:商業登記を済ませた事業者。創業資金のビジネスローンもあるまた、これから創業する人に向けて、創業資金を融資するビジネスローンもあります。創業前の資金調達はハードルが高く、審査に通りにくいイメージがあるかもしれません。しかし昨今、創業支援の動きが高まっており、ローン商品もその流れに追随しています。たとえば西日本シティ銀行の場合、創業予定者や創業から5年未満の法人・個人事業主を対象にしたローンを取り扱っています。>> NCB創業応援ローンの詳細はこちら働き方が多様化する中で、個人事業主やフリーランス向けのローン商品も増えているのです。うまく活用すると良いでしょう。ビジネスローンに向いている人以下は、ビジネスローンに向いている人です。できるだけ早く資金を調達したい人担保や保証がいらない借入方法を選択したい人数十万〜数百万円の融資額を希望している人(小口資金が必要)一般的なローン商品(プロパー融資)の審査が通らなかった人事業性資金に絞って融資するビジネスローンは、一般的なローン商品(プロパー融資)よりスピーディに資金調達できます。そして無担保、無保証で借りられる気軽さもあるのです。個人向けカードローンとビジネスローンの違い個人向けカードローンとビジネスローンのどちらを選択すべきか、特に個人事業主は悩むところです。どちらも審査後に提示された限度額の範囲内で借入、返済できる点が同じです。一方、資金使途や総量規制については両者に違いがあります。資金使途資金使途の違いは、以下のとおりです。個人向けカードローンビジネスローン原則自由(ただし事業資金は除く)事業資金に限定個人向けカードローンは一般的に事業資金として利用することはできません。(金融機関によっては認めているケースもあります)一方、ビジネスローンは事業資金に限られており、生活費のようなほかの目的には充てられません。ローン審査を受けるときには、事業目的の資金なのかチェックが入ります。個人向けカードローンならフレキシブルに対応できる個人事業主の場合、「貯金を事業の運転資金に充てて、生活費は一時的にローンでまかないたい」といったニーズもあります。その場合は、個人向けカードローンが向いているでしょう。西日本シティ銀行では来店不要、申し込みから融資まで全てアプリで完結できる個人向けカードローンも取り扱っています。>> NCBアプリカードローンの詳細はこちら総量規制総量規制の影響の違いは、以下のとおりです。個人向けカードローンビジネスローン年収の3分の1以下まで※総量規制の対象外※ノンバンク、信販会社の場合。銀行での借り入れは総量規制の対象外。総量規制とは個人のローン利用者を保護するための法律です。貸金業者から借りられる金額に上限を設けることで、返済能力の範囲内でのローン利用を促します。具体的には、年収金額の3分の1まで借りられます。たとえば年収600万円なら、200万円まで借りられるのです。ただし、銀行は貸金業者ではないため、総量規制が適用されません。その代わりに、独自の規制基準を設けて審査・融資しています。ビジネスローンは総量規制の対象外総量規制は、「個人の」融資に対して適用される法律です。ビジネスローンの場合、融資対象は法人または個人事業主であるため、総量規制の対象者ではありません。個人向けカードローンは総量規制の対象ですが、銀行は貸金業者に該当しません。そのため、銀行の個人向けカードローンは総量規制の対象外となります。個人事業主がビジネスローンを利用するメリット・デメリット日本には数多くのビジネスローンがあり、それぞれ条件が異なります。ここでは、個人事業主がビジネスローンを借りる場合の代表的なメリットとデメリットについて解説します。ビジネスローンのメリット事業資金に特化したローン商品であるため、一般的な借り入れよりも手軽に利用できるのがビジネスローンの大きなメリットです。公的機関や銀行よりも融資実行までの日数が短めビジネスローンは、最短即日〜10日前後で融資を受けられます。通常2週間以上かかる公的融資や銀行融資と比べると、スピーディに資金調達できます。急な資金需要にも対応しやすいのが、ビジネスローンの魅力です。たとえば一般的なローン商品(プロパー融資)の場合、決算書などの資料について深く審査される傾向にあります。ビジネスローンの審査でも決算書内容は問われますが、事業内容や返済能力の確認が主に重視されます。プライベートの融資・返済状況に関係なく資金調達できるビジネスローンは総量規制の対象外のため、個人の収入額から借入限度額は設定されません。年収の3分の1を超える金額を借り入れることも可能です。個人での借り入れや返済状況に左右されることなく、融資を受けられます。保証人や担保が原則不要一般的な融資では担保や保証を求められますが、ビジネスローンは無保証人・無担保で借りられます。担保とは返済が難しくなった場合に担保として指定した財産が差し押さえられ、返済に充てられるものです。保証人とは、滞納している借り手の代わりに返済する人を指します。個人事業主が保証人や担保を準備すると時間とコストがかかってしまうため、ハードルが高いです。一方、ビジネスローンなら保証と担保が不要なので、より資金調達しやすくなります。自分に合う申し込み方法を選べるお金の借り方も多様化しており、店舗に行かなくても融資を受けられるローン商品が増えています。Webで全ての申し込みが完結するビジネスローンであれば時間と手間を抑えられ、ビジネスチャンスを逃しません。西日本シティ銀行にも、口座を持っていればWebで手続きを完結できるビジネスローンがあります。スピーディな審査と融資を希望する人におすすめです。>> NCBビジネスローンの詳細はこちら>>web完結型、最短当日お借入れ可能な NCBビジネスローン_テトラはこちらへビジネスローンのデメリット一方、ビジネスローンを借りるときに確認しておきたいポイントもあります。銀行からの融資に比べて不利な条件が多いビジネスローンは担保や保証がないため、金利が高めで借入限度額は低めに設定されていることが多いです。気軽に融資を受けられる分、入り口の借入条件が厳しめに設定されています。時間に余裕がある人、まとまった金額をできるだけ低い金利で借りたい人は、プロパー融資から検討してみるのも手です。好条件のビジネスローンは保証を求められることがあるビジネスローンは原則、無担保・無保証で利用できます。ただし、低金利で借入限度額が高めのビジネスローンについては、担保や保証を求められることもあります。借り手が返済できなくなったときを考え、あらかじめ保証をつけておくためです。また、保証会社による保証料を、あらかじめ金利に含めて提示しているローン商品もあります。契約時には、担保や保証の条件を必ず確認しましょう。銀行から融資を受ける際の審査に影響するすでにビジネスローンの借り入れがある場合、決算書にその旨を記載しなければなりません。決算書はほかで新たにローンを利用する際に、提出を求められることが多い書類です。そのため、将来公的機関や銀行などで借り入れる際この内容がチェックされ、融資の審査に影響することもあります。また、信用情報も共有されています。ビジネスに特化したローンとはいえ、履歴や現況を踏まえて総合的に判断される点は考慮しておきましょう。ビジネスローンの審査〜融資までの流れ最後に、ビジネスローンを利用するためのフローを見ていきましょう。ほかのローンと基本的な流れは同じですが、事業内容を確認できるものが必要になります。必要書類を準備・提出個人事業主が借り入れに必要な書類は、以下のとおりです。本人確認書類(免許証、マイナンバーカードなど)確定申告書事業内容を示す書類ビジネスローンを借りるための審査には、上記の書類が必要です。特に確定申告書は審査や借入条件に大きく影響するので、事前にしっかりと準備しておきましょう。これから創業する人や創業間もない人は、確定申告書がなくても申し込める創業者向けビジネスローンから検討することをおすすめします。また、所得確認資料が不要というローン商品もあります。>> NCBビジネスローンの詳細はこちら>>web完結型、最短当日お借入れ可能な NCBビジネスローン_テトラはこちらへ審査上記の書類や審査申込書などを提出したら、融資審査に入ります。申込先にもよりますがビジネスローンの場合、最短即日〜10日前後で結果が出るでしょう。金利や借入限度額、返済期限などの条件が提示されます。融資実行提示された条件で問題なければ、正式な申し込みとなります。契約完了後融資が実行され、自分の銀行口座に資金が振り込まれるのです。その後は計算書に基づいて、決められた期日にローンを返済します。まとめビジネスローンは、個人事業主にとって心強い味方になります。急な資金需要にも対応しやすく、個人での借り入れ状況に関わらず利用できるというのは大きなメリットです。西日本シティ銀行にも個人事業主向けのビジネスローンがあるため、ぜひ一度相談してみてはいかがでしょうか。>> NCBビジネスローンの詳細はこちら>>web完結型、最短当日お借入れ可能な NCBビジネスローン_テトラはこちらへ
価値観の多様化や人材獲得競争の激化などにより、業務に応じた即戦力を採用する「ジョブ型雇用」の導入事例が増えています。終身雇用や年功序列を中心とした従来のメンバーシップ型雇用では、対応しきれなくなっているのが現状です。この記事では、ジョブ型雇用の定義やメリット・デメリットについて解説します。ジョブ型雇用の概要と業務内容日本企業の採用シーンにおいて、「ジョブ型雇用」という言葉をよく耳にするようになりました。ジョブ型雇用は、価値観の多様化や労働市場の変化に対応しやすい雇用形態として注目されています。この項目では、ジョブ型雇用の定義やニーズが高まっている理由を解説します。ジョブ型雇用とは職務内容や勤務場所・時間などを明確に定めて雇用契約を結び、雇用された人は契約内容の範囲内で業務を担う雇用体系です。基本的に転勤や他部署への異動、昇進・降格はありません。採用する人材に対して企業が求めるのは、業務内容に合う経験やスキルです。採用時には経験とスキルについてのマッチングを行うとともに、業務範囲や勤務時間、報酬などの明確な条件を提示します。採用される人材側にとっては、自身の得意分野を活かした仕事に専念できるメリットがあります。契約時の条件にしたがって働けるため、希望するライフスタイルを得やすいのも特徴です。日本では管理職クラスから導入が進みつつある欧米など世界では、ジョブ型雇用がスタンダードな雇用システムとして昔から採用されてきました。グローバル化が進み日本人の働き方が多様化している近年、日本でもジョブ型雇用の導入が進んでいます。特に経験豊富な管理職クラスから導入を開始し、社内体制を構築している企業が増加中です。終身雇用・年功序列制度下では、スキル向上や業務貢献の度合いに応じた賃金体系へ移行しにくい状況でした。ジョブ型雇用を実施すれば成果に見合う評価ができ、これまで苦慮してきた課題の解消を目指せます。ジョブ型雇用の考え方が注目されている理由世界ではジョブ型雇用が当たり前になっているにも関わらず、日本ではあまり導入されていませんでした。しかし今、ジョブ型雇用のシステムが熱視線を浴びています。その理由は、社会や個人の価値観、理想の働き方が変わってきているためです。価値観・働き方の多様化ワークライフバランスを重視する人が増えています。長時間労働ではなく、時間内に効率よく働いて休暇をしっかり取るという働き方が支持されるようになりました。これは、会社選びの基準にもなっています。また、副業を持つなどワークスタイルの多様化も背景にあります。「自分らしさを大切にしたい」「自分のスキルを活かしたい」というものさしで、仕事を決めるようになりました。労働環境の見直しが急務にグローバル化の波や働き方の変化、人材不足などにより、日本で主流となっている終身雇用制度では対応しきれなくなっています。転職市場が活況となり、優秀な人材は自身を高く評価してくれる会社へ流出します。また、スピード感ある事業運営・人材配置が競合の中で勝ち抜くためには必要不可欠です。働き方改革を推進し、ダイバーシティに取り組んでいるかどうかが「選ばれる会社」の分かれ道になりつつあります。ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用の違い従来、日本ではメンバーシップ型雇用が主流でした。学校を卒業した若者を採用して、じっくり育てていくスタイルです。時代の流れに見合わない部分ばかりが取り上げられがちですが、実はジョブ型雇用にはない利点もあります。ここからは、メンバーシップ型雇用の概要とジョブ型雇用との違いについて解説します。メンバーシップ型雇用とは終身雇用・年功序列を前提とした人材採用を実施し、研修や配置転換を通じて企業を担う人材をじっくり育成する雇用システムです。多くが新卒一括採用の総合職として入社し、さまざまな職務を経験します。勤続年数に応じた昇進・昇給、会社の指示に基づいた勤務地・労働時間の決定などが行われます。ジョブ型雇用との違いメンバーシップ型雇用で採用された従業員は、「会社のメンバー」というイメージです。一方、ジョブ型雇用は「特定の仕事を担当する経験値の高い人」になります。どちらも会社で働くことに変わりはありません。しかし、メンバーシップ型は組織人、ジョブ型は専門職担当者という意味合いが強いです。両者の違いについて詳しく見ていきましょう。採用形態ジョブ型雇用メンバーシップ型雇用経験者採用メイン新卒採用メインジョブ型雇用で採用された人は指定された業務を専門的に担うため、経験者採用が圧倒的に多いです。メンバーシップ型雇用は業務が限定されず、新卒採用がメインになります。業務の範囲ジョブ型雇用メンバーシップ型雇用限定される限定されないジョブ型雇用では、契約時に取り交わす職務記述書(ジョブディスクリプション)で業務範囲が規定されます。メンバーシップ型雇用は業務範囲が限定されず、ジョブローテーションを行うのが一般的です。賃金ジョブ型雇用メンバーシップ型雇用業務内容により決定総合的に決定ジョブ型雇用では、仕事の中身で給与が決まります。メンバーシップ型雇用では仕事内容だけでなく、勤続年数や社内での経歴などを総合的に判断して報酬額を決めます。人材の定着率ジョブ型雇用メンバーシップ型雇用流動的終身雇用を前提ジョブ型の方が、メンバーシップ型よりも人材が流動的です。業務状況などに応じて、採用・解雇しやすい特徴があります。一方、メンバーシップ型雇用では定年まで働いてもらうことを前提としています。転職が当たり前になりつつあるため、メンバーシップ型雇用においても一昔前と比べて流動性が高くなっているのが現状です。経験・専門性重視か、ゼネラリスト育成重視かメンバーシップ型雇用の利点として、企業の状況に応じた人事を行えることがあります。業務が限定されない人材を採用することで、企業側の都合に応じた育成・配属が可能です。自社のゼネラリストを増やすと、社内の人手不足や業務補強について迅速に対応しやすくなります。また、経営者候補を育てることにもつながります。ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用、それぞれの特性をどう活かすかが経営の鍵といえるでしょう。ジョブ型雇用のメリット・デメリットジョブ型雇用は会社経営においてどんなメリットがあるのかを、デメリットとともに解説します。ジョブ型雇用のメリット即戦力を採用することで得られる、ジョブ型雇用ならではのメリットを紹介します。職務にマッチした人材を採用できる業務範囲や勤務条件などを明確にして採用募集をかけるため、職務に合う人材を採用できます。雇用された人は決められた仕事で責任を果たせばよく、入社後の食い違いが起きにくいとされています。企業と人材、双方にとってメリットが大きい雇用体系です。社内の人にイチから教えるよりも、専門性を身につけた人材を外から採用するほうがリスクを避けられるという見方もできます。希望しない仕事に異動したことで勤労意欲が削がれたり、他社へ転職したりする既存社員を減らせます。また、事業の方向転換により部門が解散したとき、ジョブ型雇用なら契約終了しやすいという面もあるのです。業務効率アップにつながる即戦力がある人を採用できる分、任せたい仕事と人材のマッチングがスムーズです。これまでの経験を活かした業務改善も期待でき、チーム全体の効率アップも図れます。ジョブ型雇用人材は、成果を上げることで高評価を得られます。事業推進を集中的に目指すシチュエーションにおいては、企業の方向性にコミットしやすいです。これは、企業と人材がWin-Winの関係を結びやすいといえます。リモートワークなど多彩な勤務体制に対応しやすいメンバーシップ型雇用の場合、成果以外にも複数の要素を考慮して総合的に評価します。一方、ジョブ型雇用では成果そのものに対する評価がメインです。そのため部門リーダーは、対面による業務管理をしなくても公平な評価がしやすくなります。職種によっては、フルリモートでの勤務であっても成果に基づいて公平に評価できます。「好きな場所・好きな時間に働ける」という魅力は、激化している人材獲得競争においてもプラスに働くでしょう。ジョブ型雇用のデメリット比較的メリットの部分が強調されがちですが、ジョブ型雇用で注意すべきポイントもあります。従来の雇用形態からどう抜け出し競争に勝ち抜くか、というのが主な課題です。採用・育成・評価システムを見直さねばならない日本企業の多くが、メンバーシップ型雇用を土台とした人材戦略を行ってきました。ジョブ型雇用を実施するためには、今までのシステムを見直さねばなりません。人手不足や人材育成を主に社内異動で対応してきた組織運営を変えるというのは、それなりの労力が伴います。また、人事評価の改定も欠かせません。ジョブ型雇用の場合、決められた業務においてどのくらい成果が出せたかが主な基準となります。勤続年数などを総合的に判断するメンバーシップ型雇用の基準とは、異なる指標が求められます。業務範囲外の仕事をどう割り振るかが課題にジョブ型雇用で働く人が増えることで、雑務や一時的な業務に対応する人が減ってしまう点も考慮しましょう。契約外の業務が発生したらどう対応するか、対策が必要です。この課題については、メンバーシップ型雇用の特徴である「ゼネラリストの育成」で補完できます。ジョブ型とメンバーシップ型を組み合わせることで、互いのよさを引き出せるのです。人材獲得競争が激化する専門的なスキルを持ち、ジョブ型雇用で働ける優秀な人材を探すのが難しいケースもあります。ごく限られた業務やメンバーシップ型雇用が主流の業界における採用募集については、人材獲得競争が激化しているのです。特にジョブ型雇用の人材は自身が属する会社への帰属意識よりも、自分に課されたミッションをクリアすることに重点を置いています。より自分を高く評価してくれる会社があれば、そこに移りたいと思うのは自然な流れです。よって、魅力ある企業になるための努力が必要です。ジョブ型雇用の導入手順ジョブ型雇用を行う職務の内容を定義するなぜジョブ型雇用が必要か、どんな業務をお願いするのか、できる限り明確に定義します。現場社員とも綿密に打ち合わせし、任せる仕事の内容や勤務スタイルについて丁寧にすり合わせましょう。職務要件を明確にする任せる業務の内容を踏まえて、職務記述書を作ります。職務記述書とは、担当する職務と職務要件が明示された書類です。必要な実務経験・スキル、資格や知識、求められる人物像など可能な限り具体的に記載しましょう。成果に応じた給与・評価制度を設けるジョブ型雇用に適した給与体系や評価制度を設定します。社内の他職種や役職、責任の範囲などとも照らし合わせながら、納得感のある基準を設けましょう。同時に、市場価値に合う給与かどうか確認が必要です。競合他社に優秀な人材を奪われてしまうリスクもあります。社内に制度導入について周知する社内での周知も大切です。ジョブ型雇用による人材と既存社員が気持ちよく働けるよう、雇用意図や条件などをしっかり伝えましょう。決められた業務内で働くジョブ型雇用人材に対し、既存社員は自身の担当外業務も引き受ける立場です。そのため忙しい現場では、「自分ばかり負担が大きい」などの不満を抱えがちになります。周知が疎かにならないよう、重点的に取り組みましょう。まとめジョブ型雇用を自社で導入すべきか、悩む経営者が多いのが現状です。ライバル企業の動向も伺いながら最適な解決策を見つけるのは、多大な時間と労力が必要となります。雇用体系の見直しや経営に関する各種課題は、西日本シティ銀行営業店やNCBリサーチ&コンサルティングでも相談できます。この機会にぜひ活用してみてください。