2022年(令和4年)3月31日に、「事業承継・引継ぎ補助金」の公募要領が公表されました。2021年(令和3年)補正予算で成立した、中小企業などの事業承継や引継ぎにかかる経費の一部を補助する制度です。この記事では、事業承継・引継ぎ補助金の要件や補助対象者、補助金額などの支援概要を解説します。※記事は2022年9月5日時点の情報です。事業承継・引継ぎ補助金とはまずは、事業承継・引継ぎ補助金の基礎知識を解説します。制度の概要円滑な事業承継やM&Aを希望する中小企業や個人事業主を支援し、経済の活性化を図ることを目的とした制度です。交付申請が可能な補助金は、「経営革新」「専門家活用」「廃業・再チャレンジ」の3つの類型で構成されています。申請にあたっての留意点補助金の交付申請には、いくつかの条件があります。補助の対象となる事業者・経費・上限額は類型ごとに異なるため、 自社の事業がどの類型に該当するのか確認しましょう。また、申請は電子申請システムを利用します。紙の書類では申請ができない点に注意してください。事業承継・引継ぎ補助金の支援内容対象となる3つの枠組みの概要を、以下にまとめました。補助率と補助上限金額補助上限金額は類型によって変わりますが、補助率はすべての類型で同一です。類型と型補助率補助上限金額経営革新(創業支援型・経営者交代型・M&A型)補助対象経費の3分の2600万円専門家活用(買い手支援型・売り手支援型)補助対象経費の3分の2600万円廃業・再チャレンジ補助対象経費の3分の2150万円経営革新事業承継やM&Aを契機に、新たな商品開発や顧客開拓に取り組む事業者を支援する制度です。事業承継や引継ぎにおいて経営革新を図るとき、要した費用の一部について補助を受けられます。要件経営革新はさらに創業支援型・経営者交代型・M&A型の3つに分類されます。補助対象者は、地域経済や雇用に貢献している企業であることなど、公募要領で定められた要件を満たす必要があります。創業支援型廃業などを理由に、ほかの事業者から経営資源を引き継いで創業した中小企業や個人事業主が対象です。経営者交代型親族内承継など、以前の経営者から経営資源を引き継いだ中小企業や個人事業主が対象です。M&A型事業再編・事業統合・株式譲渡といった、M&Aにより経営資源を引き継いだ中小企業や個人事業主が対象です。補助対象経費出典:事業承継・引継ぎ補助金「経営革新・公募要領」補助対象経費の下限額は100万円です。補助対象経費が150万円未満になった場合は、補助対象経費の3分の2(補助率)は100万円未満となります。補助下限額を下回ると交付申請ができないため、補助対象経費の金額には注意しましょう。専門家活用支援の対象者は、M&Aにより経営資源を引継ぐ予定の中小企業や個人事業主などです。この制度を利用することにより、事業承継や引き継ぎにあたって専門家活用に要した費用の一部について補助を受けられます。専門家とは、ファンアンシャルアドバイザー(FA)・仲介業者・弁護士・司法書士などを指します。要件専門家活用には、買い手支援型と売り手支援型の2種類があります。M&A支援機関に登録されたFA・仲介業者のみ補助対象など、公募要領で定められたいくつかの要件を満たさなければなりません。買い手支援型事業再編や事業統合に伴い、株式・経営資源を譲り受ける(買う)予定の中小企業や個人事業主などが対象です。売り手支援型事業再編や事業統合に伴い、株式・経営資源を譲り渡す(売る)予定の中小企業や個人事業主などが対象です。補助対象経費出典:事業承継・引継ぎ補助金「専門家活用公募要領」補助対象経費の下限額は100万円です。補助対象経費が150万円未満になった場合は、補助対象経費の3分の2(補助率)は100万円未満となります。補助下限額を下回ると交付申請ができないため、補助対象経費の計上は漏れがないようにしましょう。事業スケジュール申請や交付のスケジュールを以下にまとめました。現時点で暫定的な項目もあるため、詳細は随時事業承継・引継ぎ補助金Webサイト(専門家活用)で確認してください。1次公募(申請受付終了)申請受付期間2022年(令和4年)4月22日~2022年(令和4年)5月31日17:00まで交付決定日2022年(令和4年)7月中旬~下旬事業実施期間交付決定日から最長2023年1月31日まで※ 受付期間より事前着手の場合は、事務局が承認した日から2023年1月31日まで実績報告期間交付決定日〜2023年2月中旬まで補助金交付手続2023年4月下旬2次公募(申請受付終了)申請受付期間2022年7月27日(水)〜2022年9月2日(金)17:00まで交付決定日2022年10月上旬~中旬事業実施期間交付決定日〜2023年4月30日(日)(補助事業完了期限日)実績報告期間交付決定日※〜2023年5月上旬(予定)※受付開始時期は別途お知らせします補助金交付手続2023年6月上旬以降(予定)3次公募申請受付期間2022年10月上旬~11月下旬交付決定日2022年12月下旬(予定)事業実施期間交付決定日~2023年7月31日(月)(補助事業完了期限日)実績報告期間交付決定日※〜2023年8月上旬(予定)※受付開始時期は別途お知らせします補助金交付手続き2023年9月上旬以降(予定)4次公募申請受付期間2022年12月下旬~2023年2月上旬交付決定日2023年3月中旬(予定)事業実施期間交付決定日~2023年10月17日(火)(補助事業完了期限日)実績報告期間交付決定日※〜2023年11月上旬(予定)※受付開始時期は別途お知らせします補助金交付手続き2023年12月上旬以降(予定)廃業・再チャレンジ既存の事業を廃業し、新たな取り組みに挑戦する予定の中小企業や個人事業主などが支援の対象です。廃業を伴う再チャレンジにかかる費用の一部を補助する制度であり、債務整理を支援する目的ではない点に注意しましょう。要件この制度には、経営革新事業・専門家活用事業との併用申請と再チャレンジ申請の2種類があります。補助対象者には、補助期間終了日までに廃業が完了しているなど、公募要領で定められた要件を満たす必要があります。補助対象経費出典:事業承継・引継ぎ補助金「廃業再チャレンジ公募要領」補助対象経費の下限額は50万円です。補助対象経費が75万円未満の場合は、補助対象経費の3分の2(補助率)は50万円未満となります。補助下限額を下回ると交付申請ができないため、補助対象経費の計上は慎重に行いましょう。また、廃業支援費の補助上限額は50万円であることにも注意してください。事業スケジュール申請や交付のスケジュールを以下にまとめました。現時点で暫定的な項目もあるため、詳細は随時事業承継・引継ぎ補助金Webサイト(廃業・再チャレンジ)で確認してください。1次公募(申請受付終了)申請受付期間2022年(令和4年)4月22日~2022年(令和4年)5月31日17:00まで交付決定日2022年(令和4年)7月中旬~下旬事業実施期間交付決定日から最長2023年1月31日まで※ 受付期間より事前着手の場合は、事務局が承認した日から2023年1月31日まで実績報告期間交付決定日〜2023年2月中旬(予定)まで補助金交付手続2023年4月下旬(予定)2次公募(申請受付終了)申請受付期間2022年7月27日(水)〜2022年9月2日(金)17:00まで交付決定日2022年10月上旬~中旬(予定)事業実施期間交付決定日〜2023年4月30日(日)(補助事業完了期限日)実績報告期間交付決定日※〜2023年5月上旬(予定)※受付開始時期は別途お知らせします補助金交付手続2023年6月上旬以降(予定)3次公募申請受付期間2022年10月上旬~11月下旬交付決定日2022年12月下旬(予定)事業実施期間交付決定日~2023年7月31日(月)(補助事業完了期限日)実績報告期間交付決定日※〜2023年8月上旬(予定)※受付開始時期は別途お知らせします補助金交付手続き2023年9月上旬以降(予定)4次公募申請受付期間2022年12月下旬~2023年2月上旬交付決定日2023年3月中旬(予定)事業実施期間交付決定日~2023年10月17日(火)(補助事業完了期限日)実績報告期間交付決定日※〜2023年11月上旬(予定)※受付開始時期は別途お知らせします補助金交付手続き2023年12月上旬以降(予定)事業承継・引継ぎ補助金の申請方法と申請期間ここでは、電子申請の詳細と注意点、申請できる期間の概要について解説します。受付は電子申請のみ事業承継・引継ぎ補助金では、紙の書類による申請はできません。申請にはjGrants(Jグランツ)を利用します。jGrantsは経済産業省が運営する電子申請システムで、補助金申請の簡素化を目的として導入されています。jGrantsの利用には、gBizIDプライムアカウントの取得が必要です。アカウントを取得するには数週間かかるため、手続きは早めにしておきましょう。申請は4期間事業承継やM&Aのタイミングに合わせられるように、申請できる期間を4つに分けています。申請期間は事業承継・引継ぎ補助金Webサイトにて公表されるので、希望する場合は随時確認してください。まとめ事業承継・引継ぎ補助金の申請交付には、細かな規定や手順があります。各類型の公募要領をよく確認して、正しく手続きをしましょう。西日本シティ銀行では、円滑な事業承継のためにさまざまな課題解決策を提案しています。 後継者育成・自社株対策・資産構成見直しなど、気軽に相談してください。
2022年(令和4年)1月に電子帳簿保存法が改正されて、企業や個人事業主の間で話題になっています。緩和された要件が多いですが、厳格化されたものもあるので注意が必要です。この記事では、電子帳簿保存法の基礎知識や改正のポイントについて解説します。電子帳簿保存法とはまず、電子帳簿保存法が制定された経緯や基礎知識について確認しておきましょう。電子帳簿保存法の概要電子帳簿保存法は、帳簿や領収書などの証ひょう書類を電子データ(電磁的記録)で保存することを認める法律です。正式名称は「電子計算機を使用して作成する国税関係帳簿書類の保存方法等の特例に関する法律」で、省略して電帳法と呼ぶこともあります。電子帳簿保存法創設の背景電子帳簿保存法は、1998年(平成10年)に税制改革の一環として創設されました。しかし、真実性や可視性の確保のため要件が過度に厳格化し、非効率な部分がありました。これを解決するために政府は業界団体等へのヒアリングや協議を通し、度重なる改正をしています。電子帳簿保存法の対象者国税に関する法律の規定により、国税関係帳簿書類の保存をしなければならない保存義務者が対象です。改正前は主に、ペーパーレス化を積極的に推進する企業や個人が導入する取り組みでした。改正後は、すべての事業者に関わる法律といえるでしょう。保存方法と適用される書類電子帳簿保存法では、電子データ保存とスキャナ保存の2種類が認められています。それぞれに適応する書類を、以下にまとめました。国税関係帳簿決算関係書類自己が作成する取引書類の写しなど相手から受領した取引書類など電子取引※2022年(令和4年)改正対象となる帳簿書類仕訳帳総勘定元帳その他の帳簿など貸借対照表損益計算書棚卸表など見積書契約書請求書領収書など見積書契約書請求書領収書などインターネット取引電子メール取引クラウド取引など保存方法電子データ保存電子データ保存電子データ保存スキャナ保存電子データ保存保存が義務づけられている期間帳簿書類や電子取引の電子データは、紙の書類と同じく7年間保存が必要です。電子帳簿保存法の改正ポイント経済活動のデジタル化が進み、税務や会計の分野でもIT技術を活用した業務効率化のニーズが高まっています。昨今は緊急事態宣言やまん延防止等重点措置下でテレワークの徹底やキャッシュレス決済が普及したため、電子化は緊急課題です。ここからは、2022年(令和4年)度の税制改正大綱における電子帳簿保存法の改正点について解説します。国税関係帳簿・書類関連今回の改正で緩和された要件は、主に以下の5つです。1.事前承認制度の廃止改正前は、国税関係帳簿・書類で電子データ保存やスキャナ保存を導入するには、事前承認手続きが必要でした。改正後は、この手続きが不要です。これにより、すべての電子データ保存が承認申請なしで行えるようになりました。2.適正事務処理要件の廃止適正事務処理要件とは、不正を防止するための3つの項目(相互けん制・定期的な検査・再発防止策)を指します。改正前は、年に1回以上の複数人によるチェック体制や検査に必要な書類の原本の保管が必要でした。改正後は、これら3つの項目が廃止になります。これにより、事務処理をひとりで担当することが認められ、スキャン後の書類の原本はすぐに廃棄できるようになりました。3.検索要件の緩和改正前は、国税関係帳簿の種類に応じて検索条件が詳細に設定されていました。改正後は、最低限必要な検索項目が「日付」「取引金額」「取引先」の3つに限定されます。税務職員からダウンロードを求められたときに対応が可能であれば、すべての検索要因は不要になります。また、基準期間の売上高が1,000万円以下の小規模事業者も、上記の検索要件は不要です。4.タイムスタンプ要件の緩和タイムスタンプとは、電子データの信頼性を証明するために時刻認証局(TSA:Time-Stamping Authority)が発行している情報セキュリティ技術です。タイムスタンプの付与によって証明されるのは、以下の2点です。その時間に電子データが確実に存在したことその時間から電子データが変更・改ざんされていないこと改正前は、スキャナ保存されたデータには「受領者の自署」と「3営業日以内のタイムスタンプ付与」が必要でした。改正後は、「受領者の自署不要」と「最長2ヶ月以内のタイムスタンプ付与」に要件が緩和されます。また、訂正や削除の履歴が残るクラウドサービス等を利用している場合は、タイムスタンプは不要です。5.優良な電子帳簿にかかる過少申告加算税の軽減措置優良電子帳簿の要件を満たせば、過少申告税が5%軽減される措置を受けられるようになりました。優良電子帳簿とは、下図の優良要件を満たした国税関係帳簿を指します。出典:国税庁「電子帳簿保存法が改正されました」ただし、該当する申告漏れに対して仮装や隠蔽などが行われた場合には適用されません。電子データ保存の義務化改正により緩和された要件がある一方、電子取引に関する要件については厳格化されました。対応が必要となる取引電子取引とは、取引情報の授受を電磁的方式により行う取引を指します。代表的な電子取引を、以下にまとめました。電子メール(添付ファイル)取引情報が記載されているメール本文証ひょう書類などの添付ファイルWebサイトWebサイト経由でダウンロードしたPDF形式の証ひょう書類などクラウドサービスクラウドサービス上にアップロードされている取引情報クラウドサービスなどを利用して授受した証ひょう書類などカードWebなどを利用して授受したクレジットカードや交通系ICカードの明細などスマホアプリ決済アプリ提供事業者から発行された利用明細スマートフォン上に表示された取引のスクリーンショット電子取引の紙への出力・保存の廃止改正前は、電子取引に該当するデータを紙へ出力して保存することが認められていました。改正後は、すべての電子取引において電子データのみで保存しなければなりません。保存要件を満たさなかった場合の罰則規定電子取引の電子データ保存が正しく行われなかった場合の罰則について、国税庁は以下のような見解を示しています。電子取引の取引情報に係る電磁的記録については、その電磁的記録を出力した書面等による保存をもって、当該電磁的記録の保存に代えることはできません。したがって、災害等による事情がなく、その電磁的記録が保存要件に従って保存されていない場合は、青色申告の承認の取消対象となり得ます。引用元:国税庁「電子帳簿保存法一問一答」電子保存義務化の猶予期間と条件調査の結果、政府は対象事業者の半数以上が改正電子帳簿保存法の対応が遅れていることを把握しました。そこで、一定条件下で完全義務化までの猶予期間が設けられたのです。猶予期間は2年間保存要件に従った電子データ保存の義務化は、2024年(令和6年)1月からです。対象事業者は、それまでに電子データ保存に対応できる体制の整備が求められています。2年間の猶予は、義務化に向けての準備期間と考えましょう。また2023年(令和5年)10月からは、インボイス制度(適格請求書等保存方式)がスタートします。さらなる業務の煩雑化が懸念されるため、10月以前に準備を完了しておくことが理想です。猶予期間が認められる条件財務省の省令によると、以下のような条件に当てはまる場合は猶予を認めるとしています。災害その他やむを得ない事情により、一定の要件に従って当該国税関係書類に係る電磁的記録の保存ができなかったことを証明した場合当該国税関係書類に係る電磁的記録の提示、又は提出の要求に応じられるようにしている場合出典:財務省「2021年度(令和3年度)税制改正 省令要旨」「やむを得ない事情」の具体的な内容は、現時点ではあきらかにされていません。猶予期間が認められるための理由を考えるよりも、義務化に向けて体制を整えることを重視しましょう。まとめ今回の改正では、電子保存を簡略化するための要件緩和が多く盛り込まれました。その一方で、電子取引の電子データ保存は2024年(令和6年)1月以降から完全義務化になります。守れなかった場合は、青色申告の承認取り消しの可能性が示唆されています。猶予期間を活用してペーパーレス化を進めるなど、今後の対策を考えておきましょう。
軽減税率の導入に伴って、2023年(令和5年)10月よりインボイス制度が導入されます。消費税の課税事業者に限らず、免税事業者にも影響があるとされているのです。この記事では、インボイス制度の概要や導入に至った理由、その基礎となる消費税の知識と事業者への影響などについて解説します。インボイス制度(適格請求書等保存方式)とはインボイス制度は、2023年(令和5年)10月1日から導入予定の消費税にまつわる新しい制度です。正式名称を「適格請求書等保存方式」といいます。インボイス=適格請求書インボイスとは、法律で定められている事項(税率・税額・登録番号など)が記載された請求書です。「適格請求書」ともいいます。インボイス制度のポイントこの制度のポイントは、以下の3つです。2023年(令和5年)10月以降に「仕入税額控除」を受けるには適格請求書(インボイス)が必要適格請求書を発行できるのは「適格請求書発行事業者」のみ適格請求書発行事業者になれるのは「消費税の課税事業者」のみ仕入税額控除とは、簡単にいうと消費税を節税するしくみです。仕入税額控除を受けられない事業者が納める消費税は、実質的に増税になります。このようにインボイス制度は、消費税を納めている事業者と納めていない事業者のどちらにも影響を及ぼす可能性があります。インボイス制度と消費税のしくみ消費税は、わたしたちの生活にもっとも身近な税金です。欧州連合(EU)の共通税制をモデルに制定されており、主要国の多くがインボイス制度を採用しています。インボイス制度を正しく理解するには、事業者と消費者双方の立場から見た消費税の知識が必要です。軽減税率と標準税率2022年(令和4年)現在、消費税の税率は軽減税率と標準税率の2種類に分かれています。各税率の対象商品を、以下にまとめました。軽減税率と標準税率の対象商品8%(軽減税率)10%(標準税率)外食・宅配サービスや出前・ファーストフード店の持ち帰り・コンビニで販売されている食料品・列車の移動販売・ホテルの冷蔵庫内にある飲み物・レストランなどでの飲食・ファーストフード店の店内飲食・コンビニのイートインで食べる食料品・列車内の食堂利用・ホテルのルームサービス酒類・飲料・ノンアルコールビール・みりん風調味料・ペットボトルで販売されている水・酒類全般・みりん・水道水医薬品など・栄養ドリンク風清涼飲料水・健康食品やサプリメント・重曹やクエン酸(食品)・医薬品・医薬部外品の栄養ドリンク・重曹やクエン酸(清掃用)新聞・週2回以上発行される定期購読の新聞・駅の売店やコンビニで購入する新聞・電子版の新聞なお、商品やサービスの価格を表示する際には、消費税を含めた金額の表示(総額表示)が義務化されています。消費税の非課税取引消費税法では税の性格上、課税対象としてなじまないものや社会政策的配慮から非課税となる取引が定められています。代表的なものは、土地や住宅の貸付、有価証券、郵便切手、社会保険医療の給付、学校教育などです。課税事業者と免税事業者出典:国税庁「消費税のしくみ」課税事業者とは、消費税を納める義務がある事業者(法人や個人事業主)を指します。免税事業者とは、消費税を納める義務のない事業者のことです。課税事業者は、定められた期間内に消費税の確定申告と納税をしなければなりません。自社がどちらの事業者であるかで、インボイス制度で受ける影響も異なります。課税事業者の代表的な判定方法は、以下のとおりです。1.消費税課税事業者選択届出書を提出している事業開始年度や課税売上の金額に関わらず、消費税課税事業者選択届出書を税務署に提出している場合は課税事業者となります。2.基準期間の課税売上が1,000万円超基準期間の課税売上が1,000万円を超える場合は、課税事業者になります。基準期間は、法人であれば前々事業年度、個人事業主は前々年です。上図で例えると、2020年(令和2年)の課税売上が1,000万円を超えると2022年(令和4年)は課税事業者になります。もし翌年2021年(令和3年)の課税売上が1,000万円以下になれば、2023年(令和5年)は免税事業者に戻ります。3.特定期間の課税売上が1,000万円超特定期間の課税売上が1,000万円を超える場合は、課税事業者になります。特定期間とは、法人であれば前事業年度開始日から6ヶ月間、個人事業主は前年の1月1日から6月30日の間です。上図で例えると、2020年(令和2年)の課税売上が1,000万円以下であれば、2021年(令和4年)は免税事業者です。しかし2021年(令和3年)の特定期間に1,000万円を超えれば、2021年(令和4年)から課税事業者になります。消費税の負担者と納税者消費税は、消費者が税金を負担し、事業者(法人や個人事業主)が納税します。つまり、消費者が支払った消費税は事業者が一時的に預かり、事業者が消費者に代わって税務署に消費税を納めるという流れです。この税金のしくみを、間接税といいます。そのほかの代表的な間接税は、酒税・たばこ税・印紙税などです。消費税の納付税額課税事業者が納付する消費税額の原則的な計算は、以下のとおりです。売上1,100円の場合、預かった消費税は100円仕入660円の場合、支払った消費税は60円預かった消費税100円-支払った消費税60円=納付すべき消費税額40円仕入税額控除について先ほどの計算式で、預かった消費税から仕入で支払った消費税を差し引きました。これを仕入税額控除といいます。仕入税額控除は、ある商品に対して仕入れにかかった消費税と販売時に消費者から預かる消費税の重複を防ぐしくみです。仕入税額控除を受けられないと、預かった消費税から支払った消費税を差し引けなくなります。インボイス制度がスタートすると、適格請求書の発行と保存が仕入税額控除の要件になります。インボイス制度の導入理由インボイス制度導入の主な理由を、以下にまとめました。消費税率を確認するため消費税の課税事業者は、基準期間の消費税額を計算して税務署に申告・納税をしなければなりません。適格請求書の発行により、複雑な税率を整理して正確な金額の納税が可能になります。消費税に関する不正やミスを防止するため適格請求書は税率の区分が必要記載事項のため、不正や税額計算などのミスを防ぐ効果があります。また、消費税を納付せずに事業者の利益とする「益税」を抑制し、納税の公平性を確保する目的もあります。インボイス制度と従来の請求書の違い仕入税額控除が適用される請求書の書式は、法律により必要な記載項目が定められています。そして税率が変わるたびに、必要記載項目もいくつかの段階を経て変化してきました。各請求書保存方式の実施期間実施期間書類などの保存方式税率制度2019年(令和元年)9月末まで請求書等保存方式単一税率2019年(令和元年)から2023年(令和5年)9月末まで区分記載請求書等保存方式複数税率2023年(令和5年)10月から適格請求書等保存方式複数税率請求書等保存方式2019年(令和元年)10月の消費税増税以前までに採用されていた保存方式です。請求書等保存方式の記載項目は、以下のとおりです。請求書発行者の氏名または名称取引年月日取引の内容請求書受領者の氏名または名称この頃の消費税率は単一税率だったため、税率や税額の記載は義務ではありません。区分記載請求書等保存方式2019年(令和元年)10月の軽減税率導入以降に採用されていた保存方式です。インボイス制度に先立って、税率の区分記載に慣れることを目的として導入されました。請求書等保存方式の記載項目に加えて、軽減税率の対象商品と税率ごとの対価の記載が必要です。区分記載請求書等保存方式の記載項目は、以下のとおりです。請求書発行者の氏名または名称取引年月日取引の内容(※印をつけて明記するなど軽減税率対象品目の旨)税率ごとの合計対価請求書受領者の氏名または名称適格請求書等保存方式2023年(令和5年)10月以降から採用される書類の保存形式です。区分記載請求書等保存方式の記載項目を基に、登録番号や消費税(税率・税額)に関する項目が追加されました。発行できるのは、適格請求書発行事業者のみです。記載項目適格請求書等保存方式の必要記載項目は、以下の6つです。請求書発行者の氏名または名称取引年月日取引の内容(※印をつけて明記するなど軽減税率対象品目の旨)税率ごとの合計対価および適用税率税率ごとに区分した消費税額等請求書受領者の氏名または名称発行事業者の義務従来の保存方式の場合、発行側と受領側の同意があれば請求書の発行は任意でした。インボイス制度導入後は、課税事業者(取引の相手)の求めに応じて適格請求書の発行をしなければなりません。また、発行した適格請求書の写しの保存も必要になります。交付義務の免除適格請求書の交付義務が免除される主な取引は、以下のとおりです。税込み3万円未満の公共交通機関(船舶・バス・鉄道)の旅客の運送税込み3万円未満の自動販売機の商品郵便切手を対価とする郵便サービス卸売市場での生鮮食料品農協などの協同組合に委託する農林水産物適格請求書発行事業者について適格請求書発行事業者になるには、原則として2023年(令和5年)3月31日までに税務署への登録申請が必要です。登録申請は、2021年(令和3年)10月1日より始まっていますが、登録申請ができるのは消費税の課税事業者に限られます。出典:国税庁「適格請求書等保存方式が導入されます」免税事業者が登録するには、原則として消費税課税事業者選択届出書を提出する必要があります。特例として、2023年(令和5年)10月1日を含む課税期間中であれば、登録申請書のみで課税事業者になることが可能です。インボイス制度が免税事業者に及ぼす影響以前は記載要件を満たした請求書であれば、仕入税額控除の適用が受けられました。インボイス制度が始まると、適格請求書でなければ仕入税額控除を受けられなくなります。この点が、適格請求書を発行できない免税事業者に大きな影響を与えるといわれています。具体的にどのような影響があるか、そしてどのように対処するべきかを以下にまとめました。適格請求書を発行できない免税事業者はどうなる?インボイス制度において最も問題とされるのが、課税事業者が免税事業者と取引をすると納税の負担額が増える点です。そのため課税事業者は、適格請求書を発行できない免税事業者との取引を避ける可能性が示唆されています。免税事業者がとるべき対応インボイス制度下において、適格請求書を発行できない免税事業者は取引上不利になることがわかりました。そこで免税事業者が選択するべき対応と、それぞれのメリット・デメリットを以下にまとめました。課税事業者になる消費税の課税事業者になるメリットは、適格請求書発行事業者の登録をして適格請求書を発行できることです。そうすることで、現在の取引先は以前と同様に仕入税額控除を適用できるため、関係を維持しやすくなるでしょう。デメリットは、消費税の納税義務の発生です。現状の売上水準では利益の減少につながるため、売上を上げるための経営戦略が重要になります。また、所得税に加えて消費税の確定申告も必要になるので、経理の円滑化も課題となるでしょう。免税事業者のままでいるメリットは、引き続き消費税の納税義務がないことです。免税事業者でも売上に消費税を含めて請求できるため、預かった消費税がすべて益税として手元に残ります。デメリットは、適格請求書を発行できないことに起因する取引の制限です。インボイス制度が開始すると、課税事業者からの取引停止や値引き要求による売上や利益の減少などが予想されます。それまでによく話し合い、信頼関係の維持に努めることが重要です。インボイス制度の影響が少ない免税事業者とは仕入先や顧客が一般消費者や免税事業者のみの場合は、インボイス制度の影響が少ない傾向にあります。しかし、適格請求書の要件が広がる可能性もあるため、今後の税制改革に注意しましょう。インボイス制度の経過措置免税事業者への影響を考慮して、一定期間は免税事業者からの仕入でも部分的な控除を認める経過措置が設けられました。経過措置を適用できる期間と控除できる割合を、以下にまとめました。インボイス制度の経過措置期間控除対象2023年(令和5年)10月1日から2026年(令和8年)9月30日まで仕入税額相当額の80%が控除可能2026年(令和8年)10月1日から2029年(令和11年)9月30日まで仕入税額相当額の50%が控除可能この経過措置を受けるには、必要事項が記載された帳簿や請求書の保存が必要です。まとめ2023年(令和5年)10月から始まるインボイス制度は、年間売上1,000万円以下の免税事業者に影響を及ぼす可能性があります。正しく理解するには、消費税のしくみや導入に至った理由を知ることが重要です。ITツールを積極的に導入して、複雑な経理業務の円滑化を図りましょう。西日本シティ銀行では、株式会社ラクスやエコー電子工業株式会社と連携したデジタルソリューションをご提案しております。経理業務のデジタル化等にお困りであれば、お気軽に営業担当者へご相談ください。
飲食店の売上を伸ばしたり経費を削減したりするためには、基本的な経営数値の把握が大切です。特に利益率や原価率の理解を深めれば適正な目標設定が可能になり、経営改善への取り組みに活用できます。この記事では、飲食店経営に必要な数字である利益率や原価率の基礎知識をご紹介します。飲食店の利益って?飲食店における利益とは、売上から必要経費を差し引いて残ったものです。飲食店の売上と経費飲食店の売上とは、お店で提供するフード・ドリンク・その他物品販売の対価となる金銭です。売上高と呼ぶこともあります。飲食店の経費とは、食材費・人件費・店舗の賃料・消耗品費など、飲食店経営に必要不可欠な費用を指します。飲食店経営者が個人的に消費したり所有したりするものは、経費として認められません。個人的な費用の経費計上が税務調査で発覚すると、脱税行為とみなされる可能性があります。その際は追徴課税などの厳しいペナルティが課されるため、経費の計上と管理には細心の注意が必要です。飲食店経営で注目すべき利益「損益計算書」に記載される利益には、5つの種類があります。その中でも売上総利益と営業利益は、飲食店経営において特に注目するべき利益です。それぞれの違いを以下にまとめました。利益の種類利益の名称算出方法売上総利益(粗利)売上-売上原価営業利益売上総利益(粗利)-販売費及び一般管理費経常利益営業利益+営業外収益-営業外費用税引前当期純利益経常利益+特別利益-特別損失当期純利益税引前当期純利益-法人税等売上総利益(粗利)全体の売上から売上原価を差し引いた金額です。「粗利(あらり)」と呼ぶこともあります。売上原価以外の経費を差し引く前の金額であるため、経営上のおおまかな収益性を表しています。売上原価とは、実際に販売した商品の仕入や製造にかかった費用です。飲食店では主に食材費が該当します。営業利益売上総利益から販売費と一般管理費を差し引いた金額です。本業から得られた利益を表しています。販売費は商品の販売に関して発生する費用で、一般管理費は飲食店の管理業務に関して発生する費用です。これらを合わせて、販管費と呼ぶこともあります。代表的な販管費は人件費・賃貸料・水道光熱費・通信費・保険料・消耗品費などです。経常利益営業利益に飲食店の本業以外で得た営業外収益を加算し、そこから営業外費用を差し引いた金額です。本業以外の収益や費用とは、株や為替などの金融商品の売買による利益や損失を指します。経常利益は主に、会社の業績が反映される数値とされています。税引前当期純利益法人税などを支払う前の利益です。経常利益に特別利益を加算し、そこから特別損失を差し引いて算出します。特別利益・特別損失は、臨時的に発生した利益や損失のことです。代表的なものとして、固定資産売却益・固定資産売却損や投資有価証券売却益・投資有価証券売却損などが該当します。当期純利益税引前当期純利益から法人税などを差し引いた最終的な利益です。一事業年度におけるさまざまな要因が反映されるため、マイナスになる場合は「当期純損失」と呼ぶこともあります。利益率と原価率とは売上に対する利益の割合を、利益率といいます。利益率は、飲食店経営の収益性や効率性を見るための指標です。店舗の規模や売上が大きくなると利益も増えますが、その分コストもかかります。単純に利益の額だけではなく、利益率・原価率・その他費用を考慮したトータルな経営判断が重要です。利益率の種類利益率には以下の5つの種類があります。売上総利益率(粗利率)営業利益率経常利益率自己資本利益率(ROE)総資本利益率(ROA)この中でも一般的に飲食店経営において重要とされているのは、売上総利益率(粗利率)と営業利益率です。売上総利益率(粗利率)飲食店の商品・サービスの実力や、おおまかな収益性を示す指標です。売上に対する売上総利益の比率が大きくなるほど、売上総利益率も高くなります。この数字が高いほど商品・サービスに付加価値をつけて効率よく売上をあげていると考えられます。そのためには、原価を低く抑えた利幅の大きい商品を売るなどの努力が必要です。売上総利益率は販管費を差し引く前の割合であるため、より正確な経営判断にはコスト意識が重要になります。営業利益率売上に対する営業利益の割合を示す指標で、売上高営業利益率と呼ぶこともあります。一般的に営業利益率が高い場合、固定資産の売却や資産運用以外の本業で稼ぐ力が高いと判断されます。飲食店の存続を左右する非常に重要な指標といえるでしょう。飲食店の利益率の目安飲食店業界における売上総利益率の目安は、平均値で68.6%です。飲食の種類別の売上総利益率を以下にまとめました。売上総利益率の目安業態売上総利益率の目安日本料理店63.9%西洋料理店65.8%中華料理店66.8%そば・うどん店66.6%すし店57.6%カフェ・喫茶店70.5%ハンバーガー店(イートイン)62.8%お好み焼き店68.7%バー・クラブ82.9%出典:日本政策金融公庫「2019年(令和元年)中小企業の経営指標調査」をもとに筆者作成また経済産業省の調査によると、飲食企業の営業利益率の平均は8.6%でした。個人経営の店を含めると、約5~8%が営業利益率の目安です。これらの数値はさまざまな業種や業務形態の平均値であるため、必ずしも自社に当てはまるとは限りません。自社の前年比や同業他社の動向なども合わせた目標の設定が大切です。原価率とは売上に対する売上原価の割合です。飲食店経営において重要視される指標で、主に食材費を指します。一般的に30%が目安とされていますが、扱う食材や店舗の業態によって適正な原価率は異なります。業態別原価率業態原価率ラーメン35%居酒屋38%焼き肉35%喫茶25%ファーストフード35%西洋料理35%レストラン38%日本料理35%東洋・エスニック25%カフェバー35%出典:カシオ独自統計「小規模飲食店各業態の平均利益率・原価率・人件費率を大公開」より抜粋すべてのメニューの原価率を30%にすると、食材ロスが増えて結果的に原価率が高くなってしまう可能性があります。原価率の高いメニューを安く提供し、原価率の低いメニューも一緒に注文してもらうための工夫が必要です。利益率と原価率の算出方法について飲食店経営の指標となる数値の目安を紹介しましたが、大切なのは自社の利益率や原価率の把握と改善です。基本的な指標となる売上総利益率・営業利益率・原価率の計算方法について解説します。利益率の基本的な計算方法利益率は基本的に以下の計算式で算出します。【利益率(%)=利益÷売上×100】売上総利益率(粗利率)の出し方売上から売上原価を差し引いた利益が売上総利益で、以下の計算式で算出します。【売上総利益率(%)=売上総利益÷売上×100】売上総利益率は、景気や商品力に左右される傾向があります。売上総利益率が低い場合は、原価率が高くなっていないか、店舗や商品の訴求力が落ちていないかを確認しましょう。営業利益率の出し方売上総利益から販管費を差し引いた利益が営業利益で、以下の計算式で算出します。【営業利益率(%)=営業利益÷売上×100】営業利益率が低い場合は、売上自体が少ないか売上原価やその他経費がかかりすぎている可能性があります。原価率の簡単な計算方法原価率は、以下の計算式で算出します。【原価率(%)=売上原価÷売上×100】上記の計算式は売上に対する売上原価の算出方法です。逆に原価率から売価を設定する場合の計算式は、以下のように算出します。【原価÷原価率=売価】たとえば、原価300円の商品を原価率を30%で販売するときの売価は【300÷30%(0.3)=1000円】です。飲食店の適正なFLコスト比率の考え方とは飲食店の経営指標には、利益率や原価率のほかに「FLコスト比率」があります。言葉の意味や経営に活かす考え方を、以下で解説します。FLコストとはFood(食材原価)とLabor(人件費)の合計額を指し、売上に対するFLコストの比率を「FLコスト比率」または「FL比率」といいます。FLコスト比率は、売上に対して食材費と人件費がどれくらいかかっているかを見る指標です。営業利益は売上から経費を引いて算出しますが、飲食店経営ではその多くをFLコストが占めています。また、Rent(店舗の家賃)を含めてFLRコスト比率を指標にする場合もあります。FLコスト比率の計算方法FLコスト比率は、以下の計算式で算出します。【FLコスト比率(%)=(食材原価+人件費)÷売上×100】FLコスト比率の目安飲食店経営では、一般的にFL比率を60%以下(F=30~35%・L=25~30%)にするのが適正とされています。売上が200万円の場合は、Fコストを70万円、Lコストを50万円に収めるのが目安です。FLコストを下げる方法一般的にFLコスト比率が65%を超えると、経営の存続が危ぶまれるといわれています。FLコストを下げる方法を、以下にまとめました。仕入原価を下げる仕入れ先に価格交渉をする仕入れ量を増やして単価を下げてもらう仕入れ先の変更や見直しを検討する市場や生産者から直接仕入れる原価率を下げるためだけに安易に材料の質を落としたり、極端な人件費削減をしたりすると、顧客離れやクレームの原因になります。仕入原価を下げる際は、上記の方法もふまえて検討することが大切です。食材廃棄ロスを減らす棚卸や在庫管理の徹底廃棄ロスの傾向を知る売上予測を立てて仕入れ量を調整するメニューの数を減らして使い回せる材料を選ぶ食材の廃棄ロスを減らすと、原価率は下がります。定期的な棚卸を行って廃棄ロスの傾向を掴み、正確な原価率を把握するように努めましょう。価格を見直す競合店との差別化を図るため価格を安くして提供しているなら、適正価格での提供を検討しましょう。また、気候による材料費の高騰や輸入品の為替相場による価格変動も原価率が上がる要因になります。柔軟に対応できるメニュー作りも重要です。オーバーポーションを防ぐオーバーポーションとは、規定されているレシピの分量よりも多く食材を使用することです。その結果、不安定な量によるクレームや顧客満足度の低下につながる恐れがあります。原価率が上がる原因にもなるため、レシピ遵守などの従業員教育も重要です。適正なシフト管理自社の繁忙期や繁忙時間の売上データを参考にして、従業員を配置しましょう。アイドルタイム(顧客のいない空き時間)における業務のマニュアル化も必要です。客入りが見込めない場合は、従業員のシフトアウトを検討します。ただし、あまりに頻度が多いと仕事に対するモチベーションの低下につながるため、注意が必要です。オペレーションの改善オペレーションマニュアルの作成POSレジシステムの導入券売機やドリンクバーの導入食器洗い洗浄機や掃除ロボットの利用店内レイアウトや動線を見直す円滑なサービス提供のために、オペレーションの改善を検討しましょう。マニュアルの作成と周知徹底は、サービス品質を安定させるためには必要不可欠です。厨房機器の設備投資やシステム導入にはコストがかかりますが、作業の簡略化と効率化が期待できます。業務効率化ツールの導入近年、非接触決済が注目されており、店を選ぶ際の判断基準になっている傾向が見られます。キャッシュレス決済やオーダーシステムは、会計業務の効率化が図れて釣り銭間違いなどのミスを防げるのが大きなメリットです。ただし導入にはコストや手数料がかかるため、費用対効果をしっかり見極めることが求められます。「Paymul(ペイマル)」は、初期費用・月額使用料0円で利用できるテイクアウト予約システムです。手数料も5%と比較的低い水準で利用できるのが特徴です。「ペイマル」資料請求はこちらまとめ利益率をあげるにはコストカットが手近な方法ですが、必要な経費まで削減しないように注意しなければなりません。特に食材原価や人件費は、顧客満足に直接つながる重要な費用です。自社に適正な数値を参考にして、無駄にしたり削減しすぎたりしない工夫をしましょう。
ホワイトペーパーはマーケティング手法のひとつで、主にBtoB(法人向け)ビジネスで採用されています。種類や目的はさまざまあり、どのように作成するべきか迷う人は多いようです。この記事では、ホワイトペーパーを作成する際の基礎知識や活用方法について解説します。ホワイトペーパーの意味とは?ホワイトペーパーは、語源になった言葉とマーケティング用語で意味が異なります。以下に、2つの違いをまとめました。ホワイトペーパーとは「白書」のこと語源は、欧米の政府や公的機関が問題の調査や実情を報告する「白書」です。表紙が白紙(WhitePaper)であることが、名前の由来とされています。日本では、「経済財政白書」や「厚生労働白書」などの政府刊行物が有名です。WEBマーケティングにおける定義マーケティング用語としては、主にBtoB(法人向けビジネス)企業が顧客に向けて提供する「役立つ情報をまとめた資料」です。その有用性からホワイトペーパーの作成代行会社も存在しており、購入意思を決定する要素として活用する企業が増えています。ホワイトペーパーと営業資料との違いホワイトペーパーと営業資料はともに企業が顧客に向けて発信する資料ですが、対象となる読者と内容が異なります。営業資料との違いやホワイトペーパーの目的・種類を解説します。ホワイトペーパーは顧客視点の情報提供ツール顧客の問題解決の手段として、自社製品・サービスが役に立つことを述べる内容が特徴です。営業資料に比べて売り込みが抑えられているため、気軽にダウンロードできる利点があります。営業資料の主な目的は、自社製品・サービスの優位性を訴求し、顧客との商談に活用することです。すでに他社や他サービスとの比較検討をしていたり、購入意思が強かったりするときは、営業資料が効果的です。2つの違いを、以下の表にまとめました。見込み顧客の獲得見込み顧客の育成契約・商談顧客の満足度ホワイトペーパー◯◯△◯営業資料△△◯-出典:筆者作成ホワイトペーパーの目的一般的にホワイトペーパーは無料でダウンロードできる代わりに、個人情報を入力してもらう仕組みになっています。そのため、自社製品・サービスに対して関心の高い見込み顧客を集めることができます。見込み顧客との信頼関係を築く個人情報を獲得したあとは、メールマーケティングやインサイドセールスなどのアプローチをします。双方向的なコミュニケーションにより、強引な売り込みをかけることなく信頼関係の構築につなげることが可能です。購買意欲を推測する見込み顧客がダウンロードしたホワイトペーパーから、製品・サービスに対する関心度が図れます。購買意欲が高まるタイミングで、購入意思決定を促すことも可能です。ブランディングになる業界の専門用語を解説したりトレンド調査の結果を発信したりして、自社の専門性の高さや先見性を示せます。公的機関や専門家に基づくエビデンスを提示できれば、顧客の信頼感をさらに高めることが可能です。ホワイトペーパーの種類ホワイトペーパーは、読者の関心度合いに合致した内容であることが重要です。以下に、主な種類をまとめました。診断・チェック用シート読者が現状を把握したり導入前にセルフチェックしたりする、診断形式のホワイトペーパーです。結果に応じて、別の資料や自社製品・サービスの案内などにも活用できます。課題認識前の潜在顧客に有効です。レポート・アンケート調査自社製品・サービスに関する独自の市場調査を行い、その結果をまとめたホワイトペーパーです。業務上の課題に気づいていない、もしくは日々の業務に漠然と課題を感じている人に向けて作成されます。価値の高い調査結果を提供できれば、課題認識から導入検討段階へのステップアップも可能です。用語集自社製品・サービスに関する分野の専門用語を解説するホワイトペーパーです。課題を認識しており、その分野の基礎知識を得たい人からのニーズが考えられます。製品・サービス内容の紹介自社製品・サービスの概要や性能などを掲載したホワイトペーパーです。一緒に掲載するのに相性がよいコンテンツとして、業界のトレンドや顧客ニーズなどがあります。具体的な解決策の検討や、他社製品・サービスと比較している人が求める内容です。導入事例自社製品・サービスの導入事例や使い方を解説するホワイトペーパーです。実際に使用している人の意見や成功事例を提示して、活用方法を具体的にイメージしてもらう効果があります。特定の製品・サービスの情報を積極的に集めている人に必要な情報といえるでしょう。ホワイトペーパーの書き方効果の高いホワイトペーパーを書くためには、企画立案や構成などの事前準備が重要です。ホワイトペーパーの企画の立て方自社の有益性を意識しすぎると、内容を詰め込みすぎて売り込みの強い文章になる恐れがあります。最後まで興味を持って読んでもらうために、見込み顧客や目的に合わせた企画を立案しましょう。課題と目標の設定まず顧客が抱える課題に対して、自社製品・サービスがどのように貢献できるかを把握します。そしてホワイトペーパーで提供するコンテンツによって、見込み顧客に起こしてもらいたい行動を明確にします。ターゲットの設定次に、「このような人にダウンロードしてもらいたい」という理想のターゲット像を設定します。ターゲットの価値観や属性を具体的に絞り込むことで、より強く課題を意識してもらえる可能性が高まります。以下に一例をまとめました。ITに強い人材を採用して、作業効率化を図りたいと考える経営者経費削減を課題にしている経理担当者テレワーク導入により働き方改革を推進し、社員の士気を高めたい人事担当者全体の流れを決める全体の構成は後述する「イントロダクション」・「問題提起」・「解決策の提示」・「製品、サービス情報」・「結論」という5つのパラグラフで組み立てましょう。強調したいコンセプトはストーリーテリング*の手法を用いると、読み手の共感や感情に訴えかけやすくなります。自社製品・サービスが開発された背景やエピソード、印象的な体験談などを物語のように表現しましょう。*ストーリーテリング・・・伝えたい思いやコンセプトを、それを想起させる体験談やエピソードなどの物語を引用し、聞き手に強く印象付ける手法のこと。ページ数を決める最適とされるページのボリュームは、ターゲットや内容によって異なります。比較検討段階ならば10ページ以上、課題認知前の見込み顧客の場合は10ページ以内が理想です。少なすぎると顧客満足度の低下を招くため、どのような段階でも5ページ以上を目標にしましょう。タイトルは慎重に読み手の関心を引くために、端的に内容がわかるタイトルをつけましょう。タイトルは最初にユーザーが着目する部分のため、そこで興味を持ってもらえなければダウンロード数に大きく影響が出ます。想定したターゲットが必要としているキーワードや、具体的な数値を入れるのがポイントです。表紙の役割ホワイトペーパーで何を説明しているのかを伝える役割を果たします。主な構成要素を、以下にまとめました。タイトルロゴコピーライト表記イメージ画像目次ページ番号ホワイトペーパーの基本構成企画のコンセプトを明確にしたら、ホワイトペーパー作成の基本的な書式と構成を理解しましょう。研究論文やエッセイを作成する際に用いられる「5パラグラフ」で構成を考えるのが一般的です。1:イントロダクションこれから読むホワイトペーパーがどのような課題を解決するのか、内容の一部や要約を提示して読者の関心を引きつけるパラグラフです。全文を読む価値がある資料であるとアピールすることが重要です。2:問題提起問題の呼びかけと課題発見を促すパラグラフです。読者の悩みや課題を掘り下げて、気づきや共感を起こさせます。3:解決策の提示課題に対する解決策を明示するパラグラフです。解決までのステップを具体的に説明すると、読者の信頼を得やすくなります。4:製品・サービス情報自社製品・サービスの紹介をするパラグラフです。興味段階の顧客に有用性を強くアピールしたり、比較検討段階の顧客に対しての情報が少なすぎたりしないように注意してください。内容のボリュームは、関心の状況に応じて調整します。興味段階の読者には導入事例やメリット、実際のユーザーの声など軽く読めるものが適しているでしょう。比較検討段階に入っている読者には、製品・サービスの詳細やスペック、他社との違いなどを中心とした情報が必要です。5:結論全体を総括し、提示した解決策がなぜ最善なのかを述べるパラグラフです。読者によっては結論だけ読んで利用を判断する場合があるため、必要な情報を簡潔にまとめることが重要です。お問い合わせや申し込みフォームなどのCTA(行動喚起)や、会社概要・作成者情報などを設置することもあります。ホワイトペーパー作成のポイントホワイトペーパーの作成・配信時に心がけたいことや注意点を、以下にまとめました。結論は最初に明示するホワイトペーパーで文章の基本とされる起承転結の構成を用いると、結論を待ちきれない読者の離脱を招く原因になります。文章を書くときは、(1)結論(2)理由・説明(3)具体例・補足の順番を意識しましょう。根拠となるデータや数字を提示するレポート・アンケート調査・導入事例は、客観的なデータやエビデンスに基づく数字を使いましょう。数値的根拠を示すと、信ぴょう性の高い内容になります。視覚的要素と文章のバランスをとる文字ばかりのホワイトペーパーは読みづらく、読者の離脱を招く恐れがあります。読みやすさを考えて、画像やグラフなどの視覚的表現も取り入れましょう。専門用語を使いすぎない同じ業界の人がターゲットの場合は問題ありませんが、一般的な読者を対象にしている場合は専門用語を多用した文章は避けましょう。想定する読者にあわせた言葉を選ぶことが大切です。過度の売り込みをしないホワイトペーパーの目的は、見込み顧客の悩み解決や課題認識です。営業資料のように、自社製品・サービスの優位性ばかりを伝えるのは本来の主旨ではありません。売り込み要素が強くなりすぎないように注意しましょう。配信する前に入念なチェックをするダウンロードされたホワイトペーパーは、修正ができません。間違った情報で顧客に不利益を与えてしまうと、自社の評判や信頼に影響を及ぼす可能性があります。複数人によるチェック体制を整えてから、配信するのが理想です。ホワイトペーパーの活用方法完成したら、見込み顧客に認知してもらわなければなりません。主な活用方法を、以下にまとめました。自社のWEBサイトやSNSなどで宣伝する自社や自社製品・サービスに興味をもって訪れた人に訴求する、オーソドックスな方法です。メールマガジンなら通常配信しているコンテンツに加えて宣伝すれば、読者との関係性向上が期待できます。フォロワー数の多いSNSを運用しているなら、定期的に投稿して拡散するのもよいでしょう。費用がかからない利点はありますが、Webサイトの認知度を高める努力とダウンロードを促すための施策が必要です。他社媒体に掲載する掲載料を支払って、ホワイトペーパーを紹介している他社媒体へ掲載を依頼する方法です。自社に興味のない顧客層にもリーチできるため、認知度を高める効果も期待できます。ただしダウンロードした顧客の情報を得られない場合があるので、掲載の目的を明確にしておく必要があります。セミナーで配布する自社で開催するセミナーの参加特典で配布する方法です。セミナーを入り口として、自社製品・サービスの認知度を上げる効果が期待できます。事前アンケートを実施して参加者の課題にあわせたホワイトペーパーを準備すると、顧客満足度や信頼感をあげられるでしょう。営業資料として活用する営業資料に比べると訴求力は落ちますが、ホワイトペーパーは商談にも活用できます。顧客の関心度合いに合わせて複数作成しておけば、営業精度の向上に役立ちます。まとめホワイトペーパーは近年注目されているマーケティングツールで、受注率が高い見込み顧客の獲得や育成が期待できます。うまく活用するためには、どのような読者に向けて情報提供するか、目的や内容を掘り下げることが重要です。企画構成の段階からしっかりと練り上げて、営業活動に有益なホワイトペーパーを作成しましょう。
新規事業や設備投資など、自己資金のみの準備では難しい場合があります。ビジネスを展開していくうえで、資金をどこから調達するかは重要なテーマです。この記事では、自己資金以外の資金調達の方法のひとつである「エクイティ」を中心に解説します。エクイティって?エクイティとはどのような資金調達方法なのでしょうか。意味や種類についてわかりやすく説明します。エクイティとは「株式」「株主資本」を意味するエクイティ(Equity)は、「株式」や「株主資本」をさす言葉です。一般的には、新株などの発行により株主資本の増加を伴う資金調達を「エクイティファイナンス」といいます。エクイティファイナンスの種類エクイティファイナンスによる主な資金調達の方法は、以下の4つです。公募(時価発行増資)不特定多数の第三者から時価や時価に近い価格で新株を発行する方法を、公募(時価発行増資)といいます。自社の株価が比較的高い水準にあるときに実施すると、少ない株式発行数で多額の資金を調達できるのが特徴です。一般投資家などから幅広く資金調達が可能なため、株主層の拡大にもつながります。その一方で、株主が増えると発行済株式数も増加するので、株主構成比率が変化します。既存株主の利益を保護するため、時価よりも有利な価額で新株を発行する場合は株主総会での特別決議が必要です。株主割当増資既存の株主に対して新株を発行するときに、持ち株数に応じて「新株の割り当てを受ける権利」を与える方法です。「株主割り当て」ともいいます。既存の株主は、割り当てられた新株の申し込みや払い込みを行う義務はありません。申し込みをしなければ権利は失効します。既存の株主に対して新株を発行するため、株主構成比率に大きな変化が生じにくいです。時価よりも低い価格で発行が可能で、既存株主は有利な発行価格で申し込めます。なお、自社への株主割当増資はできません。第三者割当増資特定の第三者に新株を割り当てて、資金を調達する方法です。第三者は主に取引先や業務提携先などの縁故者が対象のため、「縁故割当増資(縁故募集)」ともいいます。既存株主に対する割り当てであっても、持ち株数に応じていなければ第三者割当に該当します。相手との連携強化目的で利用することが多く、第三者に有利な割り当ての場合は株主総会での特別決議が必要です。転換社債型新株予約権付社債新株予約権が付与された社債(投資家から資金を募るために会社が発行する債券)です。「転換社債」や「CB(Convertible Bondの略)」とも呼ばれます。新株予約権とは、発行した株式会社に対して株式の交付を受けられる権利です。新株予約権を行使して株式に転換するか、社債として利金や償還金を受け取るかは選択できます。普通社債に比べて利回りは低くなりますが、株価が上昇すれば株式に転換して値上がり益を得られるメリットがあります。エクイティとデットの違いとはどちらも資金調達の方法ですが、エクイティとデットには違いがあります。ここではその違いについて解説していきます。デットとは「債務」「負債」を意味するデット(Debt)とは「債務」「負債」をさす言葉で、一般的に借り入れによる資金調達をデットファイナンスといいます。株式発行などで資金調達するエクイティファイナンスとは、まったく別の方法です。デットファイナンスの種類デットによる資金調達の方法を、以下にまとめました。銀行など民間の金融機関による融資銀行や信用金庫などから借り入れる方法です。融資を受けるには審査が必要で、審査に応じて返済の方法や期間、金利などが決定します。メガバンクよりも地域密着型の地銀や信用金庫の方が、融資を受けやすい傾向にあります。地方自治体の融資制度地方自治体が民間の金融機関などと連携して実施する制度です。活気のある街づくりを目的とする、地域ビジネスの創業支援などに活用されています。民間の金融機関に比べて低金利で融資を受けやすい傾向にありますが、融資実行までの手続きに時間を要することがあります。ノンバンクからの融資銀行や信用金庫以外の金融機関(ビジネスローン会社・信販・クレジットカード会社)や消費者金融による融資を受ける方法です。銀行や公的機関よりも審査が通りやすく融資までの期間が短いですが、金利は高い傾向にあります。日本政策金融公庫を利用する日本政府が100%出資する金融機関です。銀行などに比べて融資を受けやすく、金利も低く設定されています。とくに中小企業や小規模事業者、資金力や業務実績に乏しいスタートアップ企業などで利用されます。審査に時間がかかる点がデメリットです。社債の発行社債は、企業が投資家から資金調達する場合に発行する債券(借用証明)です。発行する会社の財務状況などによって、利回りや価格を決定します。社債の発行理由は株式と同じですが、利息の支払いに加え満期(償還日)には償還金を返還する必要があります。私募債の発行少数の投資家に引き受けてもらう社債が私募債です。50人未満の投資家を対象とした少人数私募債や、銀行が引き受けてくれる銀行保証付私募債などがあります。社債などに比べて調達できる金額は少なくなりますが、毎月の返済をする必要はありません。また、資金調達までの手続きが簡略化されているのも特徴です。エクイティとデットの違いエクイティデット返済義務なしあり資本の区分自己資本他人資本貸借対照表の扱い資本負債資金調達先のリスクとリターンハイリスクハイリターンローリスクローリターン株主の権限経営権に影響あり経営権に影響なし返済義務エクイティファイナンスは基本的に返済義務がなく、利息もありません。ただし、利益が出た場合は株主に配当金として分配する必要があります。デットファイナンスは、融資元に対して返済義務のある借り入れです。ほとんどの場合、借り入れ元本の他に利息を支払う必要があります。資金調達後は毎月返済しなければならず、借り入れ額が多くなると金銭的な負担も大きくなります。資本の区分エクイティファイナンスは株式による資金調達のため、自己資本として扱われるケースが一般的です。デットファイナンスは借り入れによる資金調達のため、他人資本です。貸借対照表の扱いエクイティファイナンスは貸借対照表の「資本」に分類され、会社の純資産に対する自己資本比率の増加につながるのが特徴です。返済義務のない資本金の割合が大きいほど、投資家や金融機関などから財務的に安定していると評価されます。デットファイナンスは貸借対照表の「負債」に分類されます。負債の額が増えると自己資本比率が下がって印象が悪くなるため、自己資本と借り入れのバランスが重要です。資金の出し手のメリットとデメリットエクイティファイナンスの資金調達先(株主など)のメリットは、配当金と株の売却益で、投資した会社の業績が良ければリターンが増えることです。デメリットは、事業が失敗した場合に、資金が優先的に返済に充てられるので、配当がなくなる可能性が高いということです。デットファイナンスによる資金調達先(金融機関など)のデメリットは、元本の返済と利息の支払いが行われないことです。ただし、元本の回収は株主に支払われる配当金よりも優先されるため、比較的リスクは低いです。リターンは借り入れに対する利息のみで、会社がどれだけ利益を出しても決められた分しか受け取れません。株主の権限エクイティファイナンスは新株を発行すると持ち株比率が変わるため、経営権に影響が出る可能性があります。デットファイナンスは株式には関係しないので、経営権に影響は出ません。エクイティファイナンスの魅力デットファイナンスとエクイティファイナンスの違いについて説明しましたが、エクイティファイナンスの魅力はどのようなところなのでしょうか。ここでは、その魅力について紹介します。返済義務に追われる必要がない返済義務のあるデットファイナンスは、借り入れの元本と利息の支払いが経営に大きな影響を与える可能性があります。エクイティファイナンスは、基本的に利息も返済義務も生じないのが1番のメリットです。毎月の返済に追われて経営が圧迫されることがないため、余裕のある資金繰りが期待できます。財務体質を強固にするエクイティファイナンスは、会社の財務体質を強化するのに役立ちます。自己資本比率が高くなると、投資家や金融機関から資金調達力のある会社だと評価されます。資金的に余裕があると判断されれば、さらなる増資や融資が期待できます。それらを元手に設備投資をしたり新規事業を開拓したりと、会社の規模拡大が可能です。多額の資金調達も可能エクイティファイナンスには上限がありません。企業の価値が高く魅力のある事業であると評価されれば、増資を受けやすくなります。さらにIPO(株式公開)ならば、株式市場を利用した資金調達が可能になります。一般投資家が証券取引所を通して自由に売買できるため、巨額の増資の実現も不可能ではありません。上場会社になるための審査は厳しいですが、社会的信用は向上します。そのため取引先の幅が増えたり、優秀な人材を採用できたりするのが大きなメリットです。赤字でも調達できるデットファイナンスはその時点で担保がなかったり、赤字経営で返済能力がなかったりすると融資を受けられない可能性があります。一方エクイティファイナンスは、市場の将来性や会社の成長が指標です。そのため、今の経営状況が悪かったとしても資金調達できる可能性はあります。経営スキルやノウハウを学べるスタートアップやベンチャー企業の場合、ベンチャーキャピタルから資金調達を受ける選択があります。ベンチャーキャピタルは事業を成長させる知識やアイデアを提供してくれるため、資金調達以外のメリットがあるといえます。エクイティファイナンスの4つの注意点エクイティファイナンスをより深く理解するために、注意点についても押さえておきましょう。株式の希薄化新株を発行すると市場に出回る株式の数が増えて1株あたりの価値が下がり、既存株主の利益が減少する恐れがあります。この株式の希薄化は、株価下落の要因のひとつといわれています。既存株主の利益を守るための法令順守や、理解してもらえるような合理的な説明が必要です。経営権への影響株主には株主総会での議決権があり、会社の経営に関われます。エクイティファイナンスで第三者の持ち株比率が高くなると、場合によっては株主に経営権を渡してしまうリスクにつながります。投資家へ配当金の支払いが必要エクイティファイナンスでは、各株主の持ち株数に合わせて利益を分配する必要があります。株式への投資は一般的にはハイリスクで、借り入れによる利息よりも高いリターンが求められるためです。よって、配当金が増えすぎると会社の利益が減る可能性があります。なお、配当金の支払いは経費にできない点にも注意が必要です。資金調達に時間と費用がかかるエクイティファイナンスは、会社法に則った手順で実施しなければなりません。そのため、早急に資金調達が必要なときは間に合わなくなる可能性があります。利用する際は、余裕のある時間配分が大切です。また、必要書類の作成や提出を専門家に依頼する場合は、報酬の支払いも発生します。エクイティファイナンスで資金調達しよう!では、実際にエクイティファイナンスで資金調達をするにはどうしたらいいのでしょうか。以下より手順について説明します。エクイティファイナンスによる資金調達の手順価格を決める一般的に増資の価格を決めるのは、ブックビルディング(需要積み上げ)と呼ばれる方法です。ブックビルディングでは、まず勧誘で引受証券会社が仮の発行条件を提示し投資家に需要調査をします。そして調査結果に基づき、公募価格を決定します。株主への説明非公開会社の場合、株主総会の特別決議で定められる主な項目は以下のとおりです。募集株式の数募集株式の発行価格と算定方法払い込み期間・期日申し込み期間・期日増加する資本金および資本準備金に関する事項公開会社の場合は、募集事項は取締役会(※)にて決定します。※譲渡制限株式の募集事項は株式総会の決議による出典:会社法201条有価証券届出書の作成・提出有価証券届出書は、株式や債券の発行時に必要な書類です。株式や債券を発行し募集する際は、財務局への提出が法律で定められています。出典:金融商品取引法第2条第7項新株発行事項を通知する新株を発行する会社は募集株式の引受けの申し込みをしようとする者に対し、会社の商号や募集事項などを通知しなければなりません。出典:会社法203条1項株式申込証(新株引受権証書)による新株引き受け新株を引き受ける人(株式引受人)は、株式申込証による申し込みをします。会社は割り当てる株式引受人を確定し、株式引受人が期日までに払い込みをすると新株発行の効力が生じます。必要書類を作成して登記申請する増資時に必要な登記申請は、会社の所在地を管轄する法務局で行います。登記申請に必要な書類を以下にまとめました。登記申請書株主総会議事録 ※取締役会の場合は取締役会議事録も必要株主リスト株式申込証(新株引受権証書)払い込みを証明する書類(通帳のコピー)資本金の計上に関する証明書まとめ資金調達にはエクイティ(株式)やデット(借り入れ)などがあり、それぞれ異なる特徴があります。専門家の意見などを参考に違いを理解して、会社の経営状況にあわせた方法を選ぶのが大切です。西日本シティ銀行に相談する資金調達には決められた手順や必要書類の記入方法など、自分で行うには難しい手続きがたくさんあります。西日本シティ銀行でもいくつかのサポートをご準備しておりますので是非チェックしてみてください。西日本シティ銀行の「NCB創業応援サロン」は、事業計画作成やデットファイナンス、創業後の課題などの創業にまつわる相談ができる交流拠点です。エクイティファイナンスに関するご相談は、西日本シティ銀行の「NCBベンチャーキャピタル」をご活用ください。
業務効率化やワークライフバランス実現を目的にビジネスの分野でIT化が推進され、さまざまなツールが利用されています。しかしその一方で、必要性を感じているけれど導入に至っていないという企業も多数存在します。この記事では、業務の作業効率向上を図るためのツールを選ぶときのポイントや注意点を解説します。企業が業務効率化ツールを活用するメリットとはいま業務効率化が注目されている理由日本は少子高齢化による人口の減少が原因で、将来的に労働力の確保が困難になるといわれています。また、長時間や時間外労働の規制・多様な働き方の選択で、人生の充実感を増やすワークライフバランスも求められているのです。これらの理由から、業務効率化の必要性は高まりつつあります。そこで、業務効率化を積極的に導入するメリットを以下にまとめました。メリット1:コスト削減業務効率化ツールを活用すれば、用紙代や印刷代、残業の軽減による人件費削減が可能です。スマートフォンやタブレットの普及により、企業や自治体、教育現場でのペーパーレス化が進んでいます。しかし紙の資料に比重を置く場面も多く、作成にかかる経済的・人的コストの削減は重要課題といえるでしょう。さらに業務の内容や進捗状況を可視化するツールを用いれば、人為的なミスによる残業を減らす効果も期待できます。メリット2:労働時間の短縮長時間労働や残業を減らせば、従業員のワークライフバランスを整えて生産性向上につなげることが可能です。業務効率化ツールには、日常的な業務にかける時間を短縮できるものがあります。また普段から活用して業務に取り組んでいれば、災害時や緊急事態宣言下でも在宅勤務やリモートワークで対応が可能です。多様な働き方ができるのも業務効率化ツールを導入するメリットといえるでしょう。メリット3:労働力不足の解消業務効率化ツールの導入により、労働力不足による業務負担の軽減が期待できます。深刻な社会問題となっている人手不足を受けて、業務のオートメーション化が進んでいます。たとえば単純な定型作業を自動化する「RPA」は、さまざまな業界で導入されているのです。今まで人が行っていた業務をツールで自動化すれば、より生産性の高い業務に人的資源を投入できるのは大きなメリットです。業務効率化ツールを選定するための5つのポイント業務効率化ツールは数多くあり、それぞれに特徴があります。自社に適したツールを選ぶときの5つのポイントを、以下にまとめました。1:現状を把握する業務効率化ツールを選ぶためには、自社の現状把握と課題を明確にするのが重要です。現状把握と課題の明確化は、実際に業務効率化ツールを利用する予定の従業員に参加してもらうことがポイントです。以下のような項目について業務ごとのタスクの細分化・可視化を行い、現在の労働環境におけるムダを洗い出します。単純で定型的な業務発生頻度が高く、負担の大きい業務外製(アウトソーシング)が難しい業務2:自社の問題点を改善できるサービス内容か現状を把握し問題点が可視化されたら、それらを改善できるツールのリサーチをします。話題性や人気を選定基準にすることは極力避けてください。現場で働く社員はもちろん、アルバイトやパート従業員から業務効率化のアイデアを提案してもらうのもよいでしょう。2つの異なるツールや外部アプリケーションを連携させて、さらなる業務効率化を図れる場合があります。自社で導入しているシステムとの連携が可能な場合もあるので、あわせて確認しましょう。3:使いやすさ・操作性の確認使い方がわかりやすくて操作性がよく、容易に運用できるツールであるかを確認しましょう。ポイントは、業務担当者がストレスを感じずにツールを使いこなせることです。そのためには問題点の現状把握の段階から業務担当者が関わり、トライアルや検証に協力してもらうことが必要です。また、不明点や不具合があった場合の問い合わせ方法や対応可能時間、サポートが充実しているかどうかも確認しましょう。業務効率化ツールを提供しているベンダーや導入支援代理業者が、初期設定や運用のサポートをしている場合もあります。4:セキュリティ対策がされているか情報漏洩を防ぐために、以下のセキュリティ対策が適用されているかを確認しましょう。アクセス制御権限管理ログイン時の2段階認証データの暗号化不正アクセス対策などの有無顧客の個人情報・業務の機密事項・人事に関する情報などは、会社にとって無形の財産です。セキュリティに問題があるとこれらが流出し、インターネットを通じて拡散されてしまう恐れがあります。セキュリティ面の不備は顧客との信頼関係が失われて、風評被害や損害賠償請求訴訟に発展する可能性があります。なお、法人向けの有料サービスは個人向けや無料サービスに比べて、セキュリティ対策が強固な傾向にあります。5:スモールスタートできるか導入にあたって理想的な方法は、機能やサービスを限定してコストをかけずに簡易な業務からスモールスタートすることです。たとえば無料で提供されている業務効率化ツールには、以下のような種類があります。有料版の機能が期間限定で利用できる製品有料版の機能の一部を無制限で利用できる製品1は有料版の使用を前提としたトライアルとして、2は使いやすさや操作性を確認するのに適しています。慣れてきたら必要にあわせて使用人数や規模を拡大していくなど、ツールの導入が既存業務を見直すきっかけにもつながります。どんな機能がある?業務効率化ツールの種類を紹介効率化を目指すべき業務は多岐にわたっており、それにあわせたツールも多数リリースされています。代表的な業務効率化ツールの種類を、以下にまとめました。コミュニケーションツール社内外の連絡事項や日常会話などのコミュニケーションを、円滑に行うためのツールです。SlackSlack Technology社が開発した、ビジネスチャット。外部サービスと連携でき、通知も細かく設定が可能。ChatWork国内利用者No.1の、中小企業向けビジネスチャット。社内外で関係なくグループを作れるので、他社を交えたチャットも可能。Zoomパソコン・スマートフォンなどの端末から、オンラインでミーティングができるWeb会議ツール。Qiita Team日報や議事録などの情報共有を、クラウド上で行える。メモ帳のような書きやすさと共有のしやすさが好評。ワークフローシステム業務の一連の流れを自動化し、稟議申請・承認・決裁などの意思決定を高速化するツールです。ジョブカンワークフロースマートフォン対応で、使いやすさを追求した設計。申請書の記載事項を変更できるなど、自由度が高い。Create!Webフロー紙による申請・決裁業務を、そのまま電子化するためのワークフローシステム。シンプルなフォームで、直感的に操作が可能。X-point Cloud直感的でシンプルな操作性で使いやすい。従業員数1000人以下の中小企業に適している。RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)単純作業をソフトウェアロボットが自動化して処理する仕組みです。主に事務などのバックオフィス業務に導入されています。人間の作業よりも正確でスピードも早いため、人的ミスの防止にも効果を発揮します。AIとは異なり不測のアクシデントには対応できないため、導入後の改善や検証は欠かせません。UiPath世界的規模の導入実績を持つベンダー。簡単な操作で作業の自動化を構築できる。WinActor国内シェアNo.1の日本語対応RPA。操作手順を学習して、自動操作が可能。Blue Prismロボットの統制管理に優れ、安定稼働と高いセキュリティの面で多くの金融企業が採用している。タスク・プロジェクト管理目標達成に必要なタスクやプロジェクトを、チームメンバーに共有できるツールです。情報をひとつのツールに集約するため、リアルタイムで進捗状況を確認できます。back logリストやガントチャートによるプロジェクト管理、Wiki機能などが充実した使いやすさが人気。Trello「カンバン方式」で視覚的にタスク管理できるのが特徴。機能をカスタマイズできるプラグインが豊富。Jootoカード形式のタスク管理ツール。スマートフォンやタブレットにも対応しており、直感的に操作ができる。顧客管理(CRM)名刺管理や顧客名簿など、顧客情報を一元管理するツールです。顧客情報の検索や分析もスムーズになり、営業活動やカスタマーサポートを効率化できます。最近では、顧客管理と営業支援(SFA)の機能をあわせもつツールが主流です。Sansan紙の名刺をデータ化して管理できる。スキャナ機能で読み込んだ画像はAIやオペレーターが入力するため、手間がかからないのが魅力。Salesforce世界No.1シェアを誇るクラウドサービス。顧客管理と営業支援の両方に対応可能。バックオフィス(事務作業)ツールペーパーレス化に代表されるのが、バックオフィスツールです。用紙代や印刷代など、直接的なコスト削減に効果があるため、優先順位の高いツールといえるでしょう。重要な契約や申請に関わる書類を扱う場合は、ツールのセキュリティ対策にも配慮が必要です。boardクラウド上で見積書・請求書などの書類作成の他、支払やキャッシュフロー予測などの経営管理も可能なサービス。Dropbox Business企業用に開発されたオンラインストレージ。管理者権限・アクティビティ監視・2段階認証など、セキュリティ対策に注力している。業務の効率を向上させるために!知っておきたい注意点業務効率化ツールは、導入したらすぐに効果が出るわけではありません。以下の点に注意しましょう。ツールの活用を徹底する業務効率化ツールは使い続けることで効果が出るため、導入したら活用の徹底を心がけましょう。社内チャットツールを導入した場合、すべての連絡事項をチャットで統一しましょう。チャットの使用が徹底されていないと、従業員同士の連携がとれずミスコミュニケーションにつながる可能性があります。活用を徹底するには、最初に行う自社の現状把握とツール選定が非常に重要です。導入後の負担が増える導入してしばらくは新しいツールや工程に慣れておらず時間がかかるため、業務効率化を急ぐとかえって手間やコストがかかります。十分な作業時間の確保がないと業務担当者の負担が大きくなり、予期せぬミスにつながる可能性があります。同様の理由で、一度に複数のツールを導入するのも避けましょう。負担を軽減するには導入前にマニュアルの整備や社内研修を行い、従業員の理解とモチベーションをあげる工夫が必要です。現場の声に耳を傾けるどんなに優れたツールでも、業務担当者が対応できなければ効率化は望めません。問題の現状把握からツールの選定・導入・運用・検証において、現場の意見は必要不可欠です。また、ツールは導入したからといってすぐに効果が出るわけではないため、あらかじめ経営層の理解を得ておく必要があります。初期費用やランニングコスト、効果が出るまでの期間をシミュレーションして提示するとよいでしょう。従業員のリテラシーを高めるツールを活用するにあたって、従業員のITや情報のリテラシーにも気を配りましょう。ITリテラシーが低いと、企業機密が漏洩したり顧客の個人情報が流出したりと、トラブルの原因になります。リテラシーを高めるためには、リテラシー教育の場を継続的に設けるなどの対策が有効です。検証と改善は必ず行う新しいツールを導入しただけでは、業務効率化が図れたとはいえません。使用した結果、どれだけの改善効果があったのかという検証が必要です。導入したツールの内容に合わせて、以下のような項目を検証しましょう。業務効率化が実現できているかツールの活用が従来の業務を圧迫していないか作業の品質は低下していないか効率化の精度を高めるために必要なのは、PDCAサイクルを回しながら改善しつづけることです。検証の結果、想定していたような効果がないと判断した場合は、使用を中止するという決断も必要です。まとめ業務効率化は、労働意欲を高めて生産性を向上するための手段です。自社にあったツールを選んで、コスト削減・労働環境の改善につなげましょう。西日本シティ銀行の便利なサービスのご紹介九州の金融機関では初めて、法人・個人事業主のお客さまが、預金残高や取引明細をいつでも無料で確認できる法人版プラットフォーム「NCBビジネスステーション」を導入しました。残高照会や入出金明細などの照会サービス、ビジネスに役立つ情報配信サービスに加え、今後はオンラインで完結する融資商品や、グループ会社が提供する法人向けクレジットカード、各種セミナーの申込みなどを、プラットフォームで提供できるよう機能拡充を計画していますので、ぜひ積極的にご活用ください。
勤め先が源泉徴収や年末調整をしてくれる会社員とは異なり、自営業者などの個人事業主やフリーランスは税務や会計をすべて自己責任で行わなければなりません。そこでこの記事では、個人事業主やフリーランスが支払う税金と節税対策、さらに法人化による節税効果について解説します。Amazonの電子書籍が読み放題!Kindle Unlimitedの詳細はこちら個人事業主・フリーランスが支払う必要のある税金とは?所得税所得税とは、個人事業主やフリーランスが1月1日から12月31日までに稼いだお金(所得)に対してかかる税金です。日本は所得の額が多いほど税額も高くなる『累進課税制度』を採用しています。そのため、経費を計上したり控除を差し引いたりして所得金額を減らすことで節税できる金額が変わってきます。所得の種類所得は10種類あり、該当するものがあれば合算します。所得の名称概要利子所得公社債や預金などの利子による所得配当所得株の配当金や投資信託の分配金による所得不動産所得不動産の貸付などによる所得事業所得商業・自由業・サービス業などの事業による所得給与所得給与・賞与による所得退職所得退職金による所得山林所得山林伐採や立木を譲渡したときなどの所得譲渡所得土地・建物・株式などの資産を譲渡したときの所得一時所得懸賞や賞金・満期保険金などによる一時的な所得雑所得上記のどの区分にも当てはまらない所得所得税の税率所得税の税率は原則的に以下の7段階に分かれています。課税所得金額税率控除額1000円~194万9000円5%0円195万円~329万9000円10%9万7500円330万円~694万9000円20%42万7500円695万円~899万9000円23%63万6000円900万円~1千799万9000円33%153万6000円1千800万円~3千999万9000円40%279万6000円4千万円以上45%479万6000円所得税の計算式所得税額の計算は以下の手順で行います。①売上-経費=所得金額1年間の売上から経費を差し引いて所得金額を算出します。②所得金額-所得控除=課税所得金額さらに所得金額から適用できる控除がある場合は、控除額を差し引いて課税所得金額を算出します。※控除に関しては後ほど説明します。③課税所得金額×税率(-税額控除)=所得税額課税所得金額に税率をかけて算出したものが納めるべき所得税額です。税額控除がある場合は、算出した所得税額から差し引きます。所得税の納付対象年の所得税は、原則として翌年の3月15日までに確定申告をして納税します。期日を過ぎると延滞税などのペナルティを課せられる可能性があるので注意しましょう。住民税住民税とは、都道府県や市区町村から教育・福祉・医療・環境保全などの公的サービスを受けるために納める地方税です。原則的にその年の1月1日の住所地で課税されます。税額は所得割と均等割の合計額で決まります。所得割所得割は前年分の所得額を元に算出されます。税率は10%(市区町村民税6%、都民税・道府県民税4%)です。均等割所得額に関わらず、住民すべてが等しい額を納めます。各自治体によって異なることもありますが、目安としては市町村民税が3500円、都民税・道府県民税が1500円です。住民税の納付毎年6月ごろに住民税の納税通知書が届きます。一括、もしくは4期に分けて納付が可能です。個人事業税個人事業税は、個人事業主やフリーランスが自治体(都道府県)に納付する地方税です。すべての個人事業主やフリーランスが納付するのではなく、課税所得金額が290万円以下であれば非課税(税金がかからないという意味)です。個人事業税の税率税率は3%から5%で、業種によって変わります。出典:東京主税局『個人事業税』個人事業税の納付納付がある場合、8月ごろに都道府県より納税通知書が届きます。期限は8月と11月で2期に分けて納付します。消費税個人事業主やフリーランスの前々年の売上が1000万円を超えると、消費税の課税事業者となります。売上が1000万円以下であれば、免税事業者のため消費税の納税義務はありません。Amazonの電子書籍が読み放題!Kindle Unlimitedの詳細はこちら税金を減らすために!知っておきたい節税方法個人事業主やフリーランスの節税対策として意識したいのが次の3つです。経費控除青色申告以下、順番に説明します。経費をもれなく計上する接待交際費・旅費交通費・通信費・地代家賃など、事業活動を継続させて売上を得るための費用が経費です。『必要経費』ともいいます。売上-経費=所得金額所得金額は個人事業主やフリーランスが支払うほとんどの税額計算の基礎となるため、もれのないように経費を計上することが節税への第一歩となります。領収書やレシートは支払いの証明書経費の支払いの証明書となるのが領収書やレシートです。もらい忘れたり捨てたりすることのないように、きちんと保管することを習慣づけましょう。経費かどうか不明なら税務署に確認するインターネットの情報は古いものや間違っているものも少なくありません。国税庁の『税の相談窓口』のページでは、チャットボットや電話による相談の案内があります。経費の判断で悩んだときは積極的に活用しましょう。参考:国税庁『税についての相談窓口』各種控除の解説控除という言葉の意味は『ある金額から一定の金額や数量を差し引くこと』です。節税においての控除とは、主に所得控除と税額控除のことを指します。控除の節税効果控除の目的は、医療費が多くかかったり、保険料をたくさん支払ったりなどの個人の事情を考慮して税負担を公平にすることです。所得税は前述のとおり課税所得金額に税率をかけて算出します。適用できる控除がある場合、売上から経費を引いた所得金額からさらに控除することで課税所得金額が減り、節税につながります。控除の種類所得控除は以下の14種類です。控除の名称控除の内容雑損控除災害・火事・盗難などで損害があったときの控除医療費控除医療費が一定の額を超えたときの控除社会保険料控除社会保険料を支払ったときの控除小規模企業共済等掛金控除小規模企業共済の掛け金を支払ったときの控除生命保険料控除生命保険料、介護医療保険料、個人年金保険を支払ったときの控除地震保険料控除地震保険料を支払ったときの控除寄付金控除特定の団体や地方自治体などに寄付したときの控除寡婦(寡夫)控除シングルマザー(シングルファーザー)である場合の控除勤労学生控除働いて一定基準の所得を得ながら特定の学校の学生である場合の控除障害者控除本人、配偶者、扶養家族が障害者に当てはまる場合の控除配偶者控除所得税法上の控除対象配偶者がいる場合の控除配偶者特別控除配偶者控除の適用外でも配偶者の所得金額に応じて受けられる控除扶養控除配偶者以外に扶養家族がいる場合の控除基礎控除すべての人に適用される控除青色申告で確定申告を行う確定申告には白色申告と青色申告の2種類があります。青色申告は個人事業主やフリーランスにとって節税効果の高い申告方法です。【メリット1】 青色申告特別控除が受けられる青色申告の中でも高い節税効果を持つのが『青色申告特別控除』です。青色申告特別控除の額は、帳簿の形式や確定申告書の提出方法によって3種類あります。帳簿の形式と確定申告書の提出方法青色申告特別控除の額簡易簿記10万円複式簿記・手渡しまたは郵送55万円複式簿記・e-Taxで提出65万円簡易簿記とは家計簿や小遣い帳のような簡易な記帳方法で、複式簿記は『正規の簿記の原則』に従った記帳方法です。複式簿記による記帳は複雑で簿記の知識を必要とします。それにより簡易簿記形式に比べて正確な会計処理となるため、控除の額も優遇されています。青色申告にするだけで最低でも10万円の控除を受けられますので、節税対策としてぜひ選択したい方法です。参考:国税庁『青色申告特別控除』【メリット2】30万円未満のものなら一括で経費にできる白色申告では、パソコンのように1つにつき10万円以上かかる経費は減価償却の対象となり、その年に一括で経費に計上できません。しかし、青色申告であれば30万円未満なら一括で経費に計上して所得金額と納税額を減らせるため、節税にも効果があります。参考:国税庁『中小企業者等の少額減価償却資産の取得価額の損金算入の特例』【メリット3】赤字の損失分を翌年の所得から差し引ける仮に赤字になってしまったとしても、青色申告者であれば3年に渡って損失分を繰り越すことができます。損失分を繰り越すと、翌年の所得金額を減らすことができて節税につなげることが可能です。参考:国税庁『青色申告制度(4)純損失の繰越しと繰戻し』【その他のメリット】その他、以下のようなメリットがあります。青色事業専従者給与を経費にできる白色申告に比べて経費として認められる範囲が広がる貸倒引当金を計上できる青色申告をするには青色申告承認申請書が必要このように節税効果の高い青色申告をするためには、事前に青色申告承認申請書を税務署に提出する必要があります。提出のタイミングは開業届を出してから2か月以内、もしくは青色申告を始めたい年の1月1日から3月15日の間です。法人化した方がお得になる?個人事業が軌道に乗ってきたら、法人化による節税対策も気になるところです。ここでは個人事業主やフリーランスが法人化するメリットとデメリットを説明します。法人化のメリット一定以上の所得があると個人事業主よりも税負担が低い個人事業主の税率は、前述のように最大45%の累進課税制であるのに対し、法人税は課税所得金額800万円を基準として2段階です。課税所得金額税率800万円以下15%800万円超23.20%たとえば、課税所得金額800万円の法人の場合、税負担は【800万円×0.15(税率15%)=120万円】です。同じ課税所得金額の個人事業主の場合、累進課税制の税率に当てはめると、税負担は【800万×0.23(税率23%)-63万6000円(控除額)=120万4000円】です。社会的信用度の向上個人事業主やフリーランスでは契約できなかった企業や金融機関との取引が、法人化によって可能になる場合があります。会計期間と決算期を自由に決定できる個人事業主の会計期間は1月1日~12月31日で、確定申告と納税は3月15日までに行うことが原則的に決められています。しかし法人であれば、繁忙期を避けたり節税や資金繰りを考慮したりなど、会社の都合に合わせて決定できます。法人化のデメリット毎年必ず法人住民税の納付が必要法人化すると、赤字であっても法人住民税の均等割の7万円は必ず納税しなければなりません。社会保険の加入義務法人では、たとえ自分1人しか従業員がいなくても社会保険(健康保険と厚生年金)に加入しなければなりません。将来的に受給できる年金額も増えるので一概には言えませんが、個人事業主やフリーランスが加入する国民健康保険と国民年金よりも負担する金額が大きくなります。設立や申告に費用がかかる法人化には『設立登記』をします。たとえば合同会社を設立する際の登記の費用として、 定款認証手数料の4万円、登録免許税の6万円が必要です。その他、実印の作成や印鑑証明、登記簿謄本なども含めると、最低でも約20万円はかかると考えてよいでしょう。また、決算や申告には専門的な知識が必要となります。税理士等への報酬が発生するため、費用の負担が増えることになります。節税対策で注意すべきポイントとは節税対策時、特に経費について気をつけるべきポイントを説明します。領収書やレシートの紛失・もらい忘れに注意経費を計上するには、支払いの証明となる領収書やレシートが必要です。支払いの証明書が手元にないと、税務調査が入った場合に脱税行為とみなされる可能性があります。クレジットカードの明細書クレジットカードで経費の支払いをしたときは、発行されたレシートと共に購入したものの詳細が分かる利用明細書を一緒に保存しておきましょう。購入画面のスクリーンショットスマートフォンやインターネットで買い物すると、領収書やレシートを入手できない場合があります。 その際は、購入した内容が分かるようにスクリーンショットを撮って支払いの証明として保管しましょう。元から領収書がないときは出金伝票を起こす経費にできるものには、以下のように元から領収書がない、または入手困難な場合があります。無人駅を利用したときの運賃取引先や顧客をもてなすために購入した自動販売機の飲み物代仕事関連の食事会で支払った割り勘の代金取引先や顧客に関連した祝儀や不祝儀などの慶弔費このようなときには出金伝票を利用します。利用に至った理由や詳しい内容を摘要欄に記載しておくことが重要です。経費に計上できないものがある本人の給料個人事業主やフリーランス本人が自由に使えるお金、いわば『給料』にあたる部分は経費にできません。帳簿をつける際は『事業主である自分から貸してもらう』という意味のある【事業主貸】という特別な勘定科目を使って処理します。プライベートの支出や生活費節税のためだからといって、事業に関係のないプライベートの支出や個人の生活費を経費にはできません。税務調査などで発覚した場合は脱税行為とみなされる可能性があります。プライベートと仕事の区別がはっきりしないときは、後述する家事按分をして計上します。経費にできない税金所得税や住民税は経費として計上できません。また、申告納税に遅れが生じた際に課せられる延滞税や加算税、交通違反等の罰則金も経費ではなくプライベート扱いになります。仕事と生活費は完全に分ける個人事業主やフリーランスは、仕事とプライベートの生活費の区別があいまいになりがちです。経費を適正に計上するためには、完全に分ける意識を持つことが大切です。家事按分で事業のみの割合を出す自宅で仕事をする際の光熱費・インターネットや携帯電話の使用料 ・仕事でも利用する自動車関連の費用など、明確な区別が難しい経費があります。そういう場合は、家事按分(かじあんぶん)をして事業で使用している部分の割合を出して経費に計上します。家事按分の例家事按分の割合は自己申告のため、その割合を出すに至った合理的かつ客観的な理由を説明できるかどうかが重要です。使用面積(〇〇㎡の部屋のうち〇〇㎡が仕事用のスペース)使用日数(1か月のうち〇〇日仕事に利用した)使用時間(1日のうち〇〇時間使用した)たとえば20㎡の部屋のうち4㎡が仕事のために使っているスペースだとすると、事業割合は20%になります。その部屋の家賃が10万円だとしたら、経費として計上できる金額は【10万円×20%=2万円】です。事業用クレジットカードを持つプライベートと経費を完全に区別するためには、 事業用クレジットカードを持つことが有効です。キャッシュレス化で経費の管理にかかる負担を減らせるのもメリットのひとつです。ビジネスカード『for Owners』は、個人事業主・フリーランスがはじめて持つ事業用クレジットカードとしておすすめです。クラシックカードなら初年度の年会費は無料で、2年目以降も年間10万円以上のショッピング利用等で年会費はかかりません。営業年数は不問で決算書等の提出も必要ないため、Webですぐに申し込みが可能です。まとめ個人事業主やフリーランスにとって税金や節税の知識は必須といっても過言ではありません。領収書やレシートを管理し、帳簿をきちんとつけることは節税の基本中の基本です。特に経費に関してはプライベートの支出と事業の経費をしっかりと分けて、もれなく計上するようにしましょう。