
「企業版ふるさと納税」についてご存じでしょうか?企業が地方自治体へ寄附をすることで地域の活性化や地方創生プロジェクトの支援になり、社会貢献やブランディングにつながるとして、注目されています。
そこで今回は志免町に寄附を行った「株式会社飯田工務店」を取材し、代表取締役社長 小山田義人さんに寄附に至った思いなどをうかがいました。
※ここで紹介する企業は、西日本シティ銀行が運営する企業版ふるさと納税ポータルサイト「ふるかむ」を利用して実際に寄附をしている企業です。
建設業から人に寄り添う“建設サービス業”へ

お話を伺ったのは…
株式会社飯田工務店 代表取締役社長 小山田 義人さん
現場監督から営業担当、営業課長を経て現職へ。現場で身につけた知識や技術、営業で培ったノウハウがあるため、お客さまの元でちょっとした困り事が起きた際には今でも自らが現場に駆けつけることもあるのだとか。ものづくりだけでなく野菜づくりも趣味のひとつ。会社の玄関先で育てる野菜は社員が自由に収穫して持ち帰ることができる。
ー飯田工務店はどのような会社ですか?
昭和24年に創業し、その翌年には法人化したという歴史があり、当初からたくさんの方に支えられてきました。そうした方々や地域の皆さまに「恩返しすることを忘れてはいけない」という思いが強く、そうした企業文化を創業者からずっと受け継いでいます。
ものづくりが好きな人間が集まり建設業を営んできましたが、より地域の方々に喜んでいただけるよう「建設サービス業」への転換を行なってきました。公共の工事、民間の工事を半々ぐらいの割合で行なっていますが、マンションのリニューアルを行う大規模改修工事については、福岡では当初、先駆者的な存在でした。住民の方々と密に話をしながら進めていく「住民の方の暮らしに寄り添った仕事」というのが私たちのこだわりになっています。
長年の思いを叶えてくれた『ふるかむ』
ー企業版ふるさと納税ポータルサイト『ふるかむ』を利用したきっかけは?
当社は志免町を拠点に日々活動をしていますし私自身も志免町を第二の故郷のように思っています。そんな思い入れのある町だからこそ「何か役に立ちたい」と日頃から悩んでいたのですが、町は企業からの寄附を受け付けることができないと思っていました。
そんな時、西日本シティ銀行の方から『ふるかむ』を利用すれば、当社は志免町に「企業版ふるさと納税」として寄附することができると教えてもらいました。「これはぜひやりたい!」と思い、寄附をさせていただきました。後日、志免町から当社の寄附が総合公園野球場の整備に使われたと報告を聞いたときは本当にうれしかったですね。
お世話になった地域に貢献できる企業版ふるさと納税制度を、もっと他の企業にも知ってもらえたらと思います。私たちが寄附を実施した話が業界内で広がれば、「うちもしようかな」と思ってもらえるかもしれないと期待しています。
地域への思いを、これからも受け継いでいきたい
ー地域貢献活動への思いをお聞かせください。
本社住所は別の自治体ですが、創業の地は志免町です。お世話になったこの町に何かがしたいという気持ちは創業当初からあり、「飯田工務店らしい地域貢献って何だろう」と考えたとき、すぐ近くに小学校があるので、「子どもたちのために何かできることを」という考えに至りました。
そこで、交差点の掃除や挨拶運動をしたり、クリスマスの時期にイルミネーションを実施しています。イルミネーションはもう10年ほど続けているのですが、社員たちの頑張りで年々派手になっています。点灯式の時には「わ~!」という声が聞こえてくるので、地域の方に喜んでいただけていることがわかってうれしいですね。ご家族で見に来てくださったり、遠くからわざわざ来てくださる方もいて、おかげさまでご好評いただいています。そのほかにも、中学生を招いて職場体験をするなど、さまざまな活動を行なっています。
地域貢献の積極的な取り組みは、飯田工務店の文化のひとつ。それを次世代に受け継いでいくために大切なのは人づくりだと考えています。会社として利益を出すことももちろん大切ですが、私たちが最も大切にしているのは人としての基盤をつくること。「飯田工務店らしい人づくり」を続けていくことで、地域を大切にする思いを忘れない会社でいられたらと思います。
従業員の方に聞いてみました
地域貢献は、自然とそこにあるもの
株式会社 飯田工務店 取締役 企画推進部長 東 新一郎さん 中途採用で入社して15年目になるのですが、当時から「地域に貢献しよう」という考えが企業文化のひとつとして自然とあったように感じます。私は福岡県内の出身ではありますが、入社するまで志免町にはなじみがありませんでした。今は仕事だけでなく地域での活動を通して町の方々との交流を楽しんでいます。
「地域貢献活動」という言葉だけを聞くと、恥ずかしさや少し仰々しい雰囲気もあり、新しく始めるのは容易なことではない気がするんです。でも、飯田工務店の中ではそれが昔からごく自然に行われてきたものなので、誰もが「当たり前のこと」として自分の中に取り入れ、前向きな気持ちで取り組んでいます。それがとても良いですよね。入社前は地域貢献についてあまり考えたことがなかった社員も、入社後は当たり前のように動いています。「一人ではできないことが飯田工務店ならできる」こともありがたいです。
地域の祭りなどに参加していると、私たちの制服を見て「いつもありがとう」と声を掛けてくださる方もいます。誰かに言われたり感謝されるためにやっていることではないのですが、それでも「ありがとう」という声をいただくとうれしくなります。「またがんばろう」と思えるのでありがたいですね。
志免町から感謝のメッセージをいただきました!
『企業版ふるさと納税事業』を地方創生の力に
飯田工務店のみなさまには、私たち志免町の『企業版ふるさと納税事業』へのご理解とご協力をいただき、心より感謝しています。今回寄附いただいた事業費で、志免町総合公園野球場のレフト側照明設備と1塁側のダグアウトおよび観覧席の整備を行うことができました。
▲1塁側のダグアウト志免町は野球が盛んで頑張っているチームがたくさんあるのですが、夜間でも快適にプレイできるようになり、とても居心地の良い環境になったと思います。飯田工務店のみなさまには町内のさまざまな工事でもお世話になっておりますが、常に丁寧かつ迅速なご対応をしていただいています。このようなご縁を大切に、今後も町政へのご理解とご協力をよろしくお願いいたします。
『企業版ふるさと納税事業』は地方創生に取り組む地域にとって、かけがえのない制度です。私たちもこの事業への思いを発信するとともに、より効果的に活用しながら地方創生に取り組んで参ります。
◎お知らせ|企業版ふるさと納税についてご案内
企業版ふるさと納税とは
平成28年度に創設された企業版ふるさと納税は、国が認定した地域再生計画に位置付けられる地方公共団体の地方創生プロジェクトに対して企業が寄附を行った場合に、法人関係税から税額控除する仕組みです。
損金算入による軽減効果(寄附額の約3割)と合わせて、令和2年度税制改正により拡充された税額控除(寄附額の最大6割)により、最大で寄附額の約9割が軽減され、実質的な企業の負担が約1割まで圧縮されます。
※令和7年度税制改正により、税額控除の特別措置は令和9年度までとされています。(内閣府リーフレット参照)
企業版ふるさと納税ポータルサイト『ふるかむ』について
西日本シティ銀行が運営するプラットフォームで、福岡県内の地方公共団体にて募集している「企業版ふるさと納税」の地方創生プロジェクトに3ステップで簡単に寄附することができます。
※寄附お申込み受付時間は平日9時~15時となります。15時以降のお申込みの場合、受付が翌営業日となりますのでご注意ください。
※renewのサイトポリシー/プライバシーポリシーはこちら。
大学卒業後、印刷会社に就職し『FUKUOKA STYLE』編集部に所属。独立後は企業や官公庁、大学などの広報物の編集・取材・ライティング等に携わる。現在は福岡市内でクリエイティブオフィス「shirotoiro」を運営。プランナー・編集者・ライター・ディレクターとして活動しながら、エステサロン「momotoiro」の運営も行う。食べることが大好きですが、グルメライターではありません。