多様化するライフスタイルや顧客ニーズへの対応が求められる中で、その手法や分析方法も日々進化しています。マーケティング用語はカタカナや英語も多く、苦手と感じる人もいることでしょう。この記事では、初心者向けにマーケティング用語を厳選して解説します。
基礎を押さえよう!マーケティング用語
マーケティングは、商品・サービスの認知度と売上を高める仕組みづくりをするものです。消費者ニーズの多様化によって、その範囲や手法の幅が広がっています。まずは、今知っておきたいマーケティング用語を紹介します。
マーケティングの基本用語
まずはマーケティング業務や営業活動の打ち合わせ時にも頻出するマーケティング用語を見ていきます。*五十音順
アーンドメディア
アーンドには、「獲得する」という意味があります。アーンドメディアとは「獲得するメディア」、つまり消費者からの支持を獲得することを目的としたメディアです。商品・サービスの売り手である企業ではなく、主に個人や専門家等の口コミやブログ、SNSで展開されるメディアを指します。
アラインメント
マーケティングに関わるチーム同士の整合性や、連携を最適化することです。マーケティング部門と営業部門をひとつながりにする、という意味で使われることもあります。
インプレッション
広告やメディア、SNSなどが表示された回数を示す用語です。「imp」と略して表記されることもあります。
エンゲージメント
マーケティング領域で使うエンゲージメントとは、顧客との関係性を表し、顧客が商品やサービスなどに対して、どのくらい愛着を持っているのかを示すものです。
オウンドメディア
自社で運営しているWebメディアのことです。比較的自由度の高い運営が可能で、長期的なマーケティングを行えます。質の高いコンテンツをアップしていけば、検索上位に掲載される可能性も高まります。
オプトイン
マーケティング領域においては、DMやメールマガジンなど宣伝のための広告を顧客に配信する際、事前にユーザーから許可をもらうことです。
オプトアウト
マーケティング領域においては、DMやメールマガジンなどの広告を顧客の許可なく配信すること、または広告の受け取りを顧客が拒否することを指します。DM・メールマガジンの配信停止の手続きなども、オプトアウトに含まれます。
コンシューマー
消費者、および消費者向けの商品・サービスのことです。「カスタマー(顧客)」と比べて、より幅広く「消費をする人びと」という意味を持ちます。
ブランディング
商品や企業に対する競合との差別化で、価値向上を図る戦略です。
ブランドエクイティ
エクイティには「資産価値」という意味があります。ブランドエクイティはブランドが持つ総体的な価値のことで、ブランドそのものを資産価値と捉える考え方です。
プロスペクティング
市場から潜在的な顧客を見つけるための過程のことです。ニーズなどを掘り下げ、見込み客や新規案件につなげていくための活動です。
ペイドメディア
TVや新聞、雑誌などのマス広告やインターネット広告といった費用を払って掲載するメディアです。
ベネフィット
商品・サービスから得られるプラスの効果や影響のことです。
ペルソナ
商品やサービスがターゲットとする人物像のことです。性別や年齢、職業などできるだけ詳細なペルソナを設定することで、より消費者ニーズに合う施策を展開できます。
マーケティングファネル
見込み客の獲得から受注するまでの過程を図で表したものです。
リテンション
企業が既存顧客との関係性を維持していくためのマーケティング活動のことです。すでに購入や契約といった関係性のある顧客に対して、改めて購入を促すことです。
リード
見込み客のことです。企業により見込み客の定義は異なりますが、主に企業やその商品・サービスを知っている見込み客をリードと呼びます。
AIDMA(アイドマ)
商品を購買決定するまでのプロセスを表したフレームワークです。一般的に消費者は、商品やサービスに対して「注意・興味・欲求・記憶・行動」の流れを取るという考え方になります。これらの英単語の頭文字を取ってAIDMA(アイドマ)と呼んでいます。
AISAS(アイサス)
ネット社会においてAIDMA(アイドマ)に変わり主流になりつつある、商品を購買決定するまでのプロセスを表したフレームワークです。AIDMA(アイドマ)の欲求・記憶に変わり検索と共有が含まれた「注意・興味・検索・行動・共有」というフローがあるという考え方です。これら5つの頭文字を取って、AISAS(アイサス)と表現します。
AMP(アンプ)
Webページを高速で読み込み表示させる方法です。
CPL(コストパーリード)
「Cost Par Lead」の略で、リード(見込み客)を1件得るためにどのくらいコストがかかったかを示します。
CRM(シーアールエム)
「Customer Relationship Management」の略です。顧客との関係を管理しながら関係性を継続させ、深めていくための施策です。
PDCA(ピーディーシーエー)
「Plan(計画)・Do(実行)・Check(評価)・Action(改善)」のサイクルを指します。マーケティングに限らず、ビジネスでも幅広く使われ、このサイクルを何度も回すことで継続的な改善と精度を高めることができます。
LPO(エルピーオー)
ランディングページ(LP)の離脱率の低下やコンバージョンの向上を図り、最適化する施策のことです。
SIPS(シップス)
シップスとは主にソーシャルメディアでどのように購買心理が働くかを示したもので、「共感・確認・参加・シェア」という流れで説明されます。
SLA(エスエルエー)
「Service Level Agreement」の略で、サービス提供者と利用者の間で締結されるサービス品質保証の意味ですが、マーケティングにおいては、営業部門とマーケティング部門の間で顧客についてのそれぞれの定義について認識を合わせることを指します。
現代ビジネスには不可欠!マーケティング手法の重要ワード
知っておくとメリットが大きい、マーケティング手法に関する用語を紹介します。*五十音順
インフルエンサーマーケティング
消費者に対して影響力を持つ有名人やインフルエンサーを起用して、商品やサービスを宣伝し行動を促す手法です。
クロスメディアコミュニケーション
複数のメディアを組み合わせて広告効果の向上を図る戦略です。
コンテンツマーケティング
さまざまな価値ある情報(コンテンツ)を通じて見込み客と出会い、醸成し購買につなげていくマーケティング手法です。たとえばWebメディアに有益な情報を掲載することで閲覧者の興味を引き、中長期的に顧客基盤を広げる戦略です。
バイラルマーケティング
インターネットの各種メディアやメール、口コミなどを利用して不特定多数のユーザーに商品・サービスを伝える手法です。
マーケティング分析手法・指標のキーワード
現状や効果を分析すること、指標に基づいた戦略を練ることはマーケティングにおいて欠かせないプロセスです。関連用語を以下で紹介します。*五十音順
インテントデータ
ユーザーのインテント(意思を持った)行動を分析した指標です。インターネット上での行動解析を行うことで、ユーザーがどんな物事に興味を持っているか分析することができます。
センチメント
市場や消費者が商品・サービスについてどんな感情を抱いているか測るもので、肯定・中立・否定の3軸で分析されます。
トラッキング
インターネット上で特定のユーザーがどんな行動をしているか分析することです。「トラッキングコード」をWebサイトに埋め込むことで把握できます。
トレーサビリティ
メールマガジンからのアクセスやWebサイト内におけるユーザーの行動履歴など、ユーザーの行動を追跡することで、商品やサービスへの関心を量る指標です。
スコアリング
行動や属性などを元に見込み客や顧客を数値化することです。商品やサービスへの関心度合いに応じたアプローチのための指標となります。
クラスター分析
データ全体の中で似ているもの同士をグループ化して、統計的に分析する手法です。
ABC分析(エービーシー分析)
分析対象となるものを重要度によってA・B・Cランクに分け、優先度の高いものから重点的に分析していく手法です。
RFM分析(アールエフエム分析)
最終購入日・購入の頻度・購入した金額をもとに顧客をグループ分けして分析する方法です。
SWOT分析(スウォット分析)
自社のマーケティング戦略を立てるために、市場トレンドや競合といった外部環境と自社のブランドや品質といった内部環境を「S(強み)・W(弱み)・O(機会)・T(脅威)」の4指標にわけて分析することです。
CPA(シーピーエー)
1つのコンバージョンを獲得するのに、どのくらいコストがかかったかを示します。「CPC(クリック単価)÷CV(コンバージョン)」で算出できます。
CPC(シーピーシー)
「Cost Per Click」を略した言葉です。1クリックを得るために、いくら広告費がかかったかを示します。
CV(コンバージョン)
「コンバージョン」の略で、会員登録やキャンペーン応募など、Webサイトの来訪者に対して、どれくらいの成果があったのかを表す数値です。
CVR(シーブイアール)
「Conversion Rate」の略で、コンバージョン率とも呼ばれています。Webサイトにアクセスした人数に対して、コンバージョンの割合はどのくらいかを示すものです。
KGI(ケイジーアイ)
「Key Goal Indicator」の略で、「重要目標達成指標」と訳されます。売上や成約の件数、利益率などビジネスの最終目標を定量的に評価するための指標です。
KPI(ケイピーアイ)
「Key Performance Indicator」の略で、「重要業績評価指標」と訳されます。KGI(ケイジーアイ)達成のためのプロセスの中でも、特に重要な項目を定量化した指標です。
初心者はまずここから!インターネット広告用語
インターネット広告は紙媒体にはない特性を活かして、テキストだけでなく動画や音声などを用いた多角的なアプローチが可能です。ここからはマーケティングツールとして不可欠な、インターネット広告に関する用語を見ていきましょう。
広告の種類・サービスに関する用語
人々の興味関心に応じた進化を続けるインターネット広告について、まずは以下の種類を知っておきましょう。*五十音順
インフィード広告
ソーシャルメディアやアプリ内のタイムライン上のコンテンツの間に挿入される広告です。
エキスパンド広告
マウスのカーソルを合わせたりクリックなどにより、一時的に大きく拡大表示される広告です。
ディスプレイ広告
Webサイトなどの広告枠内に表示される広告で、動画や画像、テキスト広告などがあります。「バナー広告」とも呼ばれます。
ネイティブアド
Webコンテンツの内容になじむようなスタイルで挿入される広告です。コンテンツの一部として表示される広告でユーザーに自然に訴求ができる広告手法です。
リッチアド
SNSや動画といった、動きがある広告です。ユーザーの操作に応じて変化するタイプの広告もリッチアドと呼ばれます。
広告手法のキーワード
インターネットでのマーケティングが主流になる中で、Web広告の手法も多岐にわたります。その一部を紹介します。*五十音順
アドネットワーク
複数メディアの広告枠に配信するための配信ネットワークです。複数のメディアへ、横断的に広告を配信できるというメリットがあります。
インプレッション
本記事前半に記載したように、広告やメディア、SNSなどが表示された回数を示す用語です。「imp」と略して表記されることもあります。
シーケンス配信
Web広告において特定ユーザーの広告との接触回数に応じて、表示する広告を変える手法です。
セールスレター
商品やサービスを売ることに特化した広告文章です。セールスレターに似たコピーライティングはイメージ向上も含めた広い意味での広告文章になります。
フリークエンシー
ユーザーが広告と接触した回数を指します。
リターゲティング
一度訪問のあったユーザーに対し、再度訪問してもらうべく自社の広告を再度配信する広告手法です。
DRM(ディーアールエム)
「Direct Response Marketing」の略で、広告に対して問い合わせ等の反応をしたユーザーに対して直接営業をかける方法です。
マーケティングに大きく関係するSEO用語
SEOとは、「検索エンジン(サーチエンジン)の最適化」のことです。近年、インターネットでの集客活動は事業の売上を大きく左右するため、SEO対策が不可欠となっています。
検索エンジン最適化に関する重要ワード
SEO対策でよく使われるワードを厳選して解説します。*五十音順
アルゴリズム
英語で「算出方法」を意味する言葉です。SEOにおいては、キーワードの検索結果で表示されるWebサイトの掲載順位を決定するためのプログラムを指します。
インデックス
WebページがGoogleなどの検索エンジンに登録されることです。クローラーがインターネット上を巡回して、集めたデータが検索エンジンに追加されることで、検索結果にそのWebページが掲載されるようになります。
オーガニック検索
別称は「自然検索」です。あるキーワードを検索した際に表示される検索結果画面の、広告以外の部分を指します。
クエリ
ユーザーがインターネット検索をする際に、データベース管理システムに対してデータ検索などの処理を求めることです。その際に指定する検索キーワードのことを検索クエリと呼びます。
検索エンジン(サーチエンジン)
インターネットで調べたい言葉を入力し検索すると、関連するWebサイトが一覧で表示されます。この関連するWebサイトを探し出すシステムを総称して「検索エンジン」と呼びます。
クローラー
インターネット上を巡回し、Webサイトの各種コンテンツを集めるシステムのことです。特にSEO対策において、検索エンジンのクローラーは検索結果の順位に大きく影響します。
ペイドリンク
Webサイトの評価基準の一つに、「他のサイトからリンクされているか」があります。リンクされている数が多ければ、そのWebサイトは有益であるとみなされるためです。サイトの閲覧数を上げるために、自らお金を払って(ペイして)リンクを貼ってもらうことがあります。これがペイドリンクです。
ロングテールSEO
Web上で検索されることの多いキーワード以外にも、多彩なワードを使って検索上位に表示されるよう対策することです。
まとめ
消費者ニーズや市場環境は変化を続けており、そのスピードは速さを増しています。経営戦略の中で重要な柱であるマーケティングにおいても、時代に合わせたプロセス実行と見直しが求められます。今後も継続的に情報を追い、知識をアップデートしていくことが必要です。