
多様な生き方や働き方が広がりつつある現代。企業にはこれからますます、さまざまな人が働きやすい環境を整えることが求められます。社員の働きやすさを叶える企業の取り組みとは?この連載では、実際に働き方改革を積極的に取り組む企業で働く人や経営者にインタビュー。今回は熊本を基盤に不動産売買やファイナンシャルプランニング、保険の見直しなどの幅広い事業を展開する「CRAS(クラス)」を運営する「株式会社みらいコンシェルジュ」にお話を伺いました。
※ここで紹介する企業は私募債発行に際してSDGsに資する取り組み、中でも働き方改革を積極的に行うことを要件に取り込んだ、西日本シティ銀行が提供する、次世代ワークスタイル応援私募債「ミライへの路」を発行している企業です。※私募債についてはこちら
社員インタビュー

株式会社みらいコンシェルジュ 本店店長(2019年入社) 森川優(もりかわすぐる)さん
Q:この会社を選んだ理由、入社の決め手を教えてください。
以前は別の不動産会社に勤めており、売買の仲介を担当していました。その時、先輩を通じて現代表の山浦に会う機会があったことが入社のきっかけです。話をいろいろと聞く中で、山浦の不動産業に対する考え方や理念に共感し、「株式会社みらいコンシェルジュ」に入社しました。
Q:共感した考えとは、具体的にはどのようなものだったのでしょう?
目先の利益ではなくお客さまの今後を見据えた不動産取引をお手伝いするという考え方です。私自身、不動産は“売って終わり”ではなく“住み始めてからがスタート”だと思っています。そのため、お客さまが不動産物件を購入した後に後悔しないよう、適正な金額を提案したり、購入後のサポート環境を整えたりするなど、お客さまを一生涯にわたってサポートしていく当社の事業に魅力を感じました。
Q:現在の業務を教えてください。
私が担当している営業職では、お客さまからの問い合わせに対応するインサイドセールス係、契約書の作成やチェック、物件調査を行う係、ライフプランシミュレーションという形で資金的な提案をする係などの業務があります。多くの不動産会社はこれらの業務を1人で担当するケースが多いのですが、当社は細分化して業務を行うようになっています。
私は営業職に加えて現在は本店と支店の統括も務めており、店舗ごとの売上数値の管理や目標達成に向けたアドバイスを行なっています。
Q:入社して感じた、この会社の良さはどのようなところでしょうか?
発言しやすい環境が整っているところだと思っています。先輩・後輩に関わらず“報連相(報告・相談・連絡)”がしやすく、私も後輩に相談を受けてアドバイスすることも多いです。代表の山浦がすごく話しやすいので、社内も自然とそういう雰囲気になっているのではないでしょうか。

もう一つ、DXに力を入れているところも魅力です。パソコンやスマートフォン、スマートウォッチなどが支給され(営業のみ)、リモートで打ち合わせや会議に参加することもできるので時間を有効に活用できます。
Q:業務でのやりがいや嬉しかったことを教えてください。
不動産物件を販売したお客さまから感謝の言葉をいただいた時や、お客さまから別の方をご紹介していただいた時です。当社は不動産売買をした後にも、住宅ローンの控除や税金関係の問い合わせ、リフォームに関するご相談などで定期的に連絡を取ることも特徴です。末長いお付き合いができる上に「ありがとう」と感謝の言葉をいただける際には、とてもやりがいを感じます。
Q:業務に必要な資格は取得されていますか?
宅地建物取引士は前職の時に取得していたので、入社後にファイナンシャルプランナー2級の資格を取得しました。ほとんどの社員がこの二つの資格を持っており、先輩方に勉強の仕方やコツを教えていただけたので、試験は1回で合格することができました。資格を持っている社員には資格手当が支給されます。
Q:福利厚生や制度はどうですか?
社内には栄養補助食品を設置する「みらいサプリ」、カップ麺やゼリーなどを設置する「みらいミール」などの食や健康に関するサービスのほか、スーツのクリーニング機を利用できる「みらいクリーニング制度」があることは珍しいかもしれません。最近ではグループ会社が運営している民泊施設を利用できるなど、福利厚生はかなり充実していると思います。
休日に関しては、不動産業ですので平日にシフト制で休みを取ることが多いです。ただしゴールデンウィークや夏季休暇もありますし、別のタイミングで連休を取得することもできます。
Q:仕事を通じて学んだことはありますか?
毎日学ぶことばかりで、楽しく仕事をさせていただいています。当社では社員一人ひとりが明確なビジョンを持ち、それに向かって全員が力を合わせて取り組んでいます。ただやみくもに働くのではなく、目標に向かって働くことで楽しく仕事ができると思っています。ビジョンを持つこと、そしてメンバーと共有することの大切さについて、この会社に来て学ぶことができました。
Q:今後の目標を教えてください。
不動産売買において熊本ナンバーワンになること。そのためにも会社の知名度を広げていきたいですし、みんなで力を合わせて毎日コツコツと目標を達成していきたいと思います。
トップインタビュー

株式会社みらいコンシェルジュ 代表取締役社長山浦章太(やまうらしょうた)さん
1990年(平成2年)生まれ、熊本県合志市出身。地元の高等専門学校(高専)を3年修了して退学し、不動産会社に勤務。2017年5月、26歳の時に同社を創業。
お客さまの真のニーズに応える、画期的な不動産サービスを展開
私は中学卒業後に5年制の工業高等専門学校(高専)に入学し、プログラミングに関する勉強をしていました。ところが3年生の終わり頃、不動産業をしていた父の影響を受けて退学し、父の会社を手伝うことにしたのです。それから間もなくして、熊本の大手建築会社が新たに不動産部門をスタートするということで一緒にやらないかと声をかけていただき、記念すべき1人目の営業として入社しました。その会社で6年半ほど不動産営業として経験を積み、26歳の時に独立して立ち上げたのが「株式会社みらいコンシェルジュ」です。
前職で不動産売買の営業をしていた頃、自社の物件を積極的に販売しないといけないシーンが多々あり、“これではお客さまの本当のニーズに答えられない”と葛藤を抱えることがありました。その経験を元に、自分たち営業がストレスなく、なおかつお客さまにも喜んでいただける仕組みを作りたいと思って整えたのが、現在の事業体制です。
賃貸や売買の仲介だけでなく、希望の物件と予算、住宅ローンの借入可能額と支払い可能額に大きな差異がないかどうかもアドバイスできるように、お金の相談や保険の見直しに関する提案をしていることは不動産業界では珍しいかもしれません。会社の立ち上げの際には元々生命保険会社に勤務していたメンバーを誘い、私と彼の2人が核となって事業を構築していきました。
働きやすい環境を整えて、仕事のパフォーマンスを向上
社員はグループ会社を合わせると全部で約50人が在籍しています。平均年齢は34歳で、下は18歳、上は59歳と若いメンバーが多く活躍しています。
全員が働きやすい環境を整えるために、当社ではストレスチェックの取り組みに力を入れています。これはストレスに関する質問票に労働者が記入し、それを集計・分析することで自分のストレスがどのようにある状態か調べる検査です。2023年より毎年行っていますが、全国平均値と比べて当社の社員はストレス度が低いことが分かりました。
ストレス度が低い要因の一つに、分業制を取り入れていることが影響しているように思います。森川も少し触れていましたが、営業ではお客さまの問い合わせに対応してアポイントを取る係、商談をして契約を交わす係というように仕事を細かく分けているため、それぞれが自分の業務に集中できるというメリットが生じます。
さらに社員との共通認識を持って気持ちよく働いてもらえるために、毎月面談を行うようにしています。社員一人ひとりと業務の進捗や仕事の悩み、目標などについて細やかに話す時間を設け、その内容についてはデータ上に残して“見える化”できるようにしています。
メンバーがお互いを理解するために3ヶ月に1度経営方針発表会を開き、そこで経営の現状や各部署の取り組み、ビジョンを共有していることも特徴です。全員でビジョンの達成に向けて認識することで働きがいも生まれると思っています。
循環型の総合不動産企業として新たなビジネスにも挑戦
当社の企業理念は、「愛と信頼を永続する企業となります」です。この理念の根底にあるのが、その場限りや短期ではなく、中長期的な目線でお客さまに提案をするという考えです。この理念が全ての事業に繋がっていると思っています。
そして当社ではこれまでにない「循環型の総合不動産企業」として世の中のためになるサービスを展開するべく、不動産をメインにしながらも相乗効果が生まれるようなビジネスを多岐にわたって企画しています。
これらを「みらい360」と呼んでいるのですが、民泊やインテリアに関する事業などを企画し、実現に向けて取り組んでいるところです。熊本市に水族館を作るといった、夢のある事業にも取り組んでいけたらと思っています。
株式会社みらいコンシェルジュ
創立:2017年
代表者:山浦 章太
所在地:熊本県熊本市中央区本荘5丁目10-18
TEL:096-284-5033
FAX:096-284-5034
URL:https://cras-life.com/
福岡県福岡市出身・福岡市在住。地元の大学を卒業後、ペット雑誌「犬吉猫吉」や旅行情報誌「九州じゃらん」の編集に携わり、フリーライターとして独立。ペット雑誌の経験を活かし、ペット関連の取材や執筆をする"(自称)ペットライター"としても活動中。趣味はネコグッズ集め、ライブ鑑賞、プロ野球観戦。