インタビュー

便利で安心。顔が見える「キッズ・ベビーシッターサービス」で子育て世代をサポート|株式会社ジョイクリエイト

By 戸田千文

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2022.03.02

業界・業種の垣根を越えたスタートアップ企業と地場企業の「価値共創」を目的とした、オープンイノベーション型のビジネスコンテスト「西日本FHビジネスコンテスト OPEN INNOVATION HUB」。2021年秋から第2回目のエントリーと選考が始まり、いよいよ2022年3月11日に最終選考会を迎えます。今回は最終選考に残った10社の皆さんに、応募したビジネスモデルやそのビジネスにかける想いを伺いました。

■提案者プロフィール
株式会社ジョイクリエイト 代表取締役 野口達哉さん

長崎県出身。福岡県内の大学卒業後、株式会社ホープに入社。個人的に寄付を行っていた児童養護施設関連のNPO法人を通して、虐待の実情や子育て環境の厳しさを知り、もっと子育てをサポートする仕組みが必要であると判断し、2014年に株式会社ジョイクリエイトを設立、ベビーシッターの派遣事業をスタートした。

親が楽しく過ごせることで、家族が明るくなる

――まずは株式会社ジョイクリエイトの事業内容について教えてください。

野口:「子育てを楽しくする環境を作ることで、家族全体を楽しくしたい」という想いで、子育て支援ビジネスに取り組んでいます。

個人的に寄付をしていた児童養護施設関連のNPO法人を通して、虐待の実情を知り、その後の子育て世帯へのヒアリング活動を経て子育て環境があまりにも厳しいことを知り、もっと社会として子育てをサポートする仕組みを作らなければならないと決意したのが会社設立の経緯です。

仕事や家事、子育て、すべてを頑張るうちに精神的に追い詰められてしまっている方は多く存在します。自分の時間が作れない、夢ややりたいことを諦めるしかない…。子どものためなら、自分のことは後回し。夢だって諦める。素晴らしい愛情だと思います。しかし、その結果ストレスの溜まった状態でお子さんに接していたら、子どもにとってもいい状態ではありません。そんな頑張る親たちが、自分の時間も大切にし、人生の選択肢を広げられるようにしたい。そうすることで、より多くの愛情が子どもたちに注がれるようになる。そこで辿り着いたのがリフレッシュの時間を作り、自己実現を助ける「キッズ・ベビーシッター事業」です。

気軽に、安心して利用できるシッターサービス

――今回のビジネスコンテストに応募いただいた、『ジョイシッターセレクト』とはどんなサービスなのでしょうか。

野口:『ジョイシッターセレクト』は、スマホで呼べるベビーシッターサービスです。これまで日本ではシッターサービスがなかなか浸透してきませんでした。それは、登録料や年会費などが高額であったり、受付時間が限られ、さらに手続きが煩雑で急な利用に対応できなかったりと理由はさまざま。一方便利で低価格に利用できるマッチングサイトでは、シッター個人が責任を持つ体制であり、ときに会社のサポートが行き届かなかったり、一部では事件や事故が起こってしまったりして、利用するのは不安という声も近年高まってきました。

我々が『ジョイシッターセレクト』で目指すのは、シッターを雇用し、会社が責任を負う「雇用型シッターサービス」でありながら、マッチングサイトのように即時性や指名制など、コアな利便性を取り入れたサービスです。

利用にあたり事前の会員登録が必要ですが登録料や年会費は設けずシンプルな料金設定に。さらにリモート面談を取り入れたり、WEB上で24時間受付可能なシステムを構築することで、急な依頼も引き受けることができます。多くのシッターが顔写真やプロフィールも公開し、さらにユーザーが指名依頼することもできます。

――これまで利用の壁となっていた部分をクリアにしたのが「ジョイシッターセレクト」なのですね。大切なお子さんを預けるシッターさんがどんな方か、気になる親御さんは多いと思いますが、質の高いシッターを確保するために、どんな工夫をされているのでしょうか。

野口:保育には正解がない。だからこそ、よりよい保育を求めて、常に改善していく必要があります。

保育の質を高く保ち続けるために組織化したのが「保育ラボ」。保育士が中心の部署で、自らも現場に赴き、利用者や現場で働くシッターから、生の意見を聴きながらその収集した情報や課題を社内で共有、改善活動を行うのが主な業務の職種です。そうして仕組みや研修内容を常にアップデートし、雇用するシッターに保育研修を行ったり、シッターマイページを使ってしっかり共有したりしています。

この保育ラボ制度こそが最大の強みであり、完全ネット化により煩雑な受付作業をなくしたり、指名制度などによりシッターの手配も負荷を減らせていたりするため、その分の人材を充てることができるようになっています。また、この職種に必要な保育の知識・経験、コミュニケーション力、リーダーシップを兼ね備える特殊で優秀な人材を採用できていることも他社に負けない点であり、ラボ制度の肝になるところです。

シッターの質に不安を感じて、頼むのを躊躇していた人が、安心して利用できるよう、今後も質の高いシッターサービスを提供できるよう取り組んでいきます。

▲保育ラボ

目指すのは、お子さんに100%の愛情を注げる社会

――この『ジョイシッターセレクト』のサービスを通して、今後どんな社会を目指したいですか?

野口:子育てをされている皆さんが、子育てを楽しみながら、しっかりリフレッシュしたり、自己実現したりできる環境を作り、それによっていい心の状態を作ることで、お子さんに100%の愛情が注がれる社会を目指します。

仕事を休めないときだけでなく、美容室や趣味の習い事に行くちょっとした時間、育児に疲れてゆっくり身体を休めたいとき、気軽に、安心してシッターを利用していただきたいです。それは子どものためにもなると思っています。

また、今後は社内託児や福利厚生ベビーシッター(企業負担制)の展開にも力を入れていきたいんです。金額的にも安価なサービスではないので、企業も働く社員もwin-winになるこの制度を普及させたいと思っています。例えばコロナ禍では、多くの学校や保育園・幼稚園が休校・休園となり、仕事を休まざるを得なくなった保護者の方も少なくありませんが、お子さんがいる方だけでなく、会社としても大きなダメージを負ってしまいます。通常時でも、子どもが理由の欠勤は頻繁にあります。急な欠勤を最小限にできるのはもちろん、働きながらも子育てしやすい環境になることで離職率の低下や、採用の強化にもつながります。

今後は、子育て中の従業員の皆さんが安心して仕事に取り組めるような福利厚生サービスを法人の皆さんと一緒に取り組んでいき、より多くの人に届けたいと思います。

子育てがしやすい社会を実現し、子供により多くの愛情が注がれる環境にすることで、社会の役立ちたいと考えています。

女性の社会進出や男性の育休の促進もあり、共働き世帯が6割を超える現代。それでも、子育てを機に夢やキャリアを諦める方は少なくありません。さらにコロナ禍で預け先を失い、誰にも相談できず、ひとりで悩みを抱え込んでいる方も。そんなとき、心の拠り所として、気軽に安心してお願いできるシッターさんがいてくれたら、どんなに心強いことでしょう。シッターを依頼するハードルの高さを取り払った『ジョイシッターセレクト』は、多くの子育て世代にとって救世主となるサービスかもしれません。

お知らせ

「第2回西日本FHビジネスコンテスト OPEN INNOVATION HUB」最終選考会の様子は3月11日(金)13時より、以下YouTubeよりオンライン配信されます。さらに詳しい株式会社ジョイクリエイトのプレゼンの様子、ぜひご覧ください。

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