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補助金審査で加点対象に!パートナーシップ構築宣言の概要やメリットを解説

By 佐藤 淳 |
公開日 2026.01.27
補助金審査で加点対象に!パートナーシップ構築宣言の概要やメリットを解説

「パートナーシップ構築宣言」は、取引先との共存共栄や適正な取引関係の構築を目的として、中小企業庁が推進している制度です。

企業が自社の取引方針を明確に示し、公表することで、サプライチェーン全体の持続的な発展を目指します。

宣言を行うことで、一部の補助金において審査時の加点対象となるほか、税制優遇や融資制度の活用など、さまざまなメリットがあります。

特に、受託事業者であると同時に発注者にもなり得る中小企業にとっては、取引関係の安定化や発注側企業からの信頼性向上につながる点も大きな利点です。

そこでこの記事では、「パートナーシップ構築宣言」の制度概要をはじめ、宣言を行うメリットや注意点について解説します。

※記事内容は、令和8年1月5日時点の情報です。最新の情報は、必ず省庁や自治体の公式HPをご確認ください。

パートナーシップ構築宣言とは?

パートナーシップ構築宣言のイメージ図

出典:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(パートナーシップ構築宣言とは

パートナーシップ構築宣言とは、事業者が、サプライチェーン全体の付加価値向上や大企業と中小企業の共存共栄を目指し、「発注者」側の立場から「代表権のある者の名前」で宣言する制度です。

「宣言」を行った企業名や宣言の内容は、ポータルサイト上に登録·公表されます。

宣言する内容

宣言では、主に次の2点について方針を示します。

1つ目は、「サプライチェーン全体の共存共栄と新たな連携」です。
直接の取引先にとどまらず、サプライチェーン全体を意識し、付加価値向上に取り組む姿勢を示します。

2つ目は、「中小受託事業者との望ましい取引慣行(振興基準)の遵守」です。
発注方法や対価決定、支払条件、知的財産の保護などについて、適正な取引を行い、不合理な商慣行の是正に取り組むことを宣言します。

参照:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(パートナーシップ構築宣言とは)

宣言の状況

令和8年1月5日時点では、83,392社がパートナーシップ構築宣言に登録されています。宣言を行った企業の業種別ランキングは、次のとおりです。

業種

登録社数

割合

1

製造業

25,983社

約31.2%

2

建設業

11,668社

約14.0%

3

サービス業(他に分類されないもの)

8,306社

約10.0%

4

小売業

5,355社

約6.4%

5

情報通信業  

4,356社

約5.2%

また、地域によっても宣言企業の数は異なります。

地域

登録社数

割合

1

東京都

12,424社

約14.9%

2

埼玉県

7,856社

約9.4%

3

大阪府

4,997社

約6.0%

4

愛知県

4,806社

約5.8%

5

神奈川県  

4,738社

約5.7%

8

福岡県

2,737社

約3.3%

なお、登録社数は随時更新されます。最新のデータをご参照ください。
参照:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(登録企業リスト)

宣言を行う4つのメリット

パートナーシップ構築宣言を行い、宣言を登録すると、大きく4つのメリットがあります。

1. 補助金審査において加点·優遇措置の適用対象となる

登録企業は、一部の補助金について加点や優遇適用の対象となります。

対象となる補助金は、令和7年度補正予算の成立により、今後、変更となる可能性がありますのでご注意ください。

参照:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(宣言するメリット(補助金の加点等、優遇措置)

2. 税制において優遇措置を受けられる

パートナーシップ構築宣言を行うことで、一部の税制において優遇措置の適用対象となります。

「賃上げ促進税制」「地域未来投資促進税制」といった賃上げや設備投資に活用できる制度で一定の要件を満たす場合に、対象となることがあります。

参照:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト (宣言するメリット(税制の適用について))

3. パートナーシップ構築宣言関連の融資制度を利用できる

令和5年度より、日本政策金融公庫の「企業活力強化資金(企業活力強化貸付)」が利用可能となりました。

本制度では、利用要件のひとつとして、「パートナーシップ構築宣言」をポータルサイトに登録·公表していることが求められています。

そのため、宣言を実施し、登録することで、本要件を満たすことができます。

参照:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト 宣言するメリット(融資)

4. 取引先との共存共栄関係を目指すことを対外的にアピールできる

登録企業は、専用のロゴマークを名刺やホームページ、パンフレット等に掲載できます。

これにより、適正な取引を重視する企業であることを対外的に示すことができ、既存取引先との信頼関係の強化や新規取引·人材採用への好影響も期待できます。

参照:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト 宣言するメリット(ロゴマーク)

パートナーシップ構築宣言を登録するステップ

パートナーシップ構築宣言は、公式ポータルサイトから申請·登録を行います。手続きは比較的シンプルで、主に次の流れで進めます。

  1. 社内体制を確認する
  2. 指定のひな形をダウンロードする
  3. 自社の取組を記載する
  4. ポータルサイトからアップロードして申請する

申請後、宣言文は公式ポータルサイトに掲載されます。

ただし、掲載されるだけでは取引先や関係者の目に留まりにくいケースもあるため、宣言を行った事実を積極的に周知していくことが重要です。

具体的には、専用のロゴマークを自社ホームページやプレスリリース、名刺などに掲載したり、商談や打合せの場で宣言内容を説明したりする方法が考えられます。

また、社内においても、経営層から制度の趣旨や方針を共有することで、取引姿勢の統一や意識の浸透につなげることができます。

参照:「パートナーシップ構築宣言」ポータルサイト(登録方法)

パートナーシップ構築宣言の注意点

既述のとおり、パートナーシップ構築宣言では、「振興基準」の遵守についても宣言する必要があります。

この振興基準は改正され、令和8年1月1日から施行されています。これに伴い、パートナーシップ構築宣言のひな形についても、同日付で改正されました。

そのため、令和8年1月1日以降に宣言を登録する場合は、「令和8年1月版」のひな形を使用する必要があります。

また、令和7年12月15日には公表要領も改正されていますので、登録の際は必ず内容をご確認ください。

パートナーシップ構築宣言の事例

パートナーシップ構築宣言を実際に行った企業の事例を紹介します。

協力会社の人手不足対応のための効率化等|建設業(北海道帯広市)

取組の背景

  • 「休みが少ない」「賃金が安い」「仕事がきつい」といった労働環境から、担い手の確保に課題があった

取組の内容

  • 協力会社と連携してDX施工を推進し、業務を効率化
  • 協力会社の多くは人手不足により土日交代出勤が難しいため、週末はできる限り現場を閉所
  • 生産性向上や品質確保、安全衛生活動の成果が極めて顕著な職長を認定し、評価する「優良職長手当支給制度」を導入

取組の効果

  • 協力会社の確保だけでなく、良好な関係構築ができている

参照:中小企業庁 令和7年度パートナーシップ構築宣言取組事例集 

働き方改革のための発注側企業への要請|製造業(東京都中央区)

取組の背景

  • 工場から建設現場への鉄筋の輸送を委託している運送会社が、2024年の時間外労働規制により従来の運用が困難となった
  • 上記背景により、ドライバー不足と輸送力低下が発生する懸念があった

取組の内容

  • 発注側企業約30社に対し、注文データを1日前倒して送るよう要請
  • 1社で前日に働きすぎた場合、翌日に別の運送会社に組み替える等の調整を実施

取組の効果

  • ドライバーの拘束時間や残業時間が減少
  • ドライバーの離職率も低下
  • パートナー企業(運送会社)から「働きやすくなった」という評価を得られた

参照:中小企業庁 令和7年度パートナーシップ構築宣言取組事例集 

まとめ

この記事では、「パートナーシップ構築宣言」の制度概要をはじめ、宣言を行うメリットや注意点について解説しました。

宣言を実施·登録することで、補助金審査での加点や税制·融資面での優遇措置を受けられる可能性があるほか、取引先からの信頼性向上にもつながります。

登録は無料で手続きも比較的簡単なため、補助金活用や取引環境の改善を検討している企業は、ぜひ、実施をご検討ください。

※renewのサイトポリシープライバシーポリシーはこちら。

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