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REIT(リート)とは?不動産投資との違いや種類、仕組みをわかりやすく解説

By もろふし ゆうこ

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公開日 2023.04.14

不動産投資には、物件を保有する以外の選択肢があります。それがREITです。REITとは個人投資家向けに設計された金融商品で、国内外の多彩な不動産へ投資できるものです。この記事ではREITについて、意味や種類、仕組みや現物不動産投資との違いを解説します。

REIT(リート)とは

REITとは、個人投資家にとってどんな可能性を秘めた投資商品なのでしょうか。まずはREITの概要を解説します。

REITの意味

REIT(リート)とは「Real Estate Investment Trust」の略称です。日本語にすると「不動産投資信託」を意味します。この名称のとおり、REITとは不動産を投資対象とする金融商品です。
REITは1960年代にアメリカで誕生した不動産投資の仕組みです。2001年(平成13年)に日本でも市場が新設されました。日本の不動産投資信託は「J-REIT(ジェイリート)」と呼ばれています。

REITの仕組み

REITに投資することで、一般個人でも不動産のオーナーとして間接的に投資・利益享受できます。その仕組みは次のとおりです。

REITにおけるお金の流れ

REITは、不動産投資法人が投資者から運用資金を集め、その資金を元に不動産へ投資します。その結果得られた利益の一部は「配当」として投資者へ支払われる仕組みです。
購入・売却申し込みや投資資金の支払いなど、投資者による実際の手続きは基本的に銀行や証券会社で行います。申し込みを受けた金融機関を通じて不動産投資法人に情報が共有され、投資資金や配当のやりとりが発生する流れです。

REITならではの仕組み・特徴

不動産投資法人とは「窓口」としての機能を担う機関です。実際に不動産を運用するのは資産運用会社で、投資に関する事務・管理業務を行うのは資産保管会社や信託銀行になります。不動産投資法人は法律により自身で不動産運用することを禁止されており、他の企業に外部委託しています。
また、不動産投資法人では投資主総会が開催されます。投資主総会とは株式会社における株主総会にあたり、経営について投資家の意思を示せます。

REITの種類

REITには個別銘柄はもちろん、投資信託やETF商品も存在します。本来、REITとは個別銘柄を指しますが、投資信託やETFなどを含めた総称として使われることもあります。
具体的なREITの種類について見ていきましょう。

個別銘柄

REITの個別銘柄とは「〇〇リート」のように不動産投資法人が発行する投資証券の銘柄のことです。1口単位で購入できます。REIT銘柄には次の2種類があります。

  • 単一用途特化型REIT(オフィスビル特化、物流施設特化、ホテル特化など)
  • 複数用途REIT(複合型REIT、総合型REIT)

単一用途特化型REITとは、特定の用途で使用されている不動産への投資に特化しているREITです。
複数用途REITとは、複数の用途で使用されている不動産へ投資するREITのことです。その中でも複合型REITは、2つの用途を組み合わせた投資先で運用します。また、総合型REITは3つ以上の用途で使用されている不動産をセット、または用途を限定しない投資先で運用します。

投資信託(J-REIT)

日本のREITに投資する場合、投資信託(J-REIT)でも運用できます。REITの投資信託と個別銘柄との違いは、少額で購入できたり、一定額を少しずつ積み立てて投資できたりする点です。
REITを投資信託商品で購入すれば、ファンドマネージャーに運用を委託できます。また、運用によって得られた利益は分配金として受け取れることもあります。運用委託する分、売買手数料以外に信託報酬などが発生します。

ETF

ETFとは、指数の値動きに連動して価格変動する上場投資信託です。REIT型のETFは東証REIT指数に連動した運用を目指します。
ETFでREITに投資する主な目的は、分散投資効果を高めることです。REIT型ETFを1銘柄購入すれば、市場に上場している全REIT銘柄へ間接投資できることになります。値動きは指数に連動するため、REITの個別銘柄よりも価格の上下が緩やかになる可能性が高いのも特徴です。

REITと不動産投資の違い

金融商品であるREIT以外にも、自分が不動産物件のオーナーになって資産運用する方法があります。現物不動産への投資と、REITによる不動産投資との違いを紹介します。

不動産投資とは

一般的に、不動産投資とはビルやマンションなどの現物不動産へ直接投資することを意味します。投資家が自ら不動産のオーナーとなり、テナント料や賃貸料を収入として得る仕組みです。
不動産経営では、管理費や修繕費が必ずかかります。収入からこれらの経費を差し引いた金額が投資利益となります。

REITと不動産投資の比較

同じ不動産への投資でも、REITと現物不動産投資ではさまざまな違いがあります。

投資の元手

通常、現物不動産を購入するには数千万円以上の資金が必要です。ローンを組んで資金調達し、返済しながら不動産経営をするのが一般的といえます。
REITの場合、個別銘柄なら数万円単位、投資信託であれば百円単位から購入可能です。

投資対象

現物不動産は1物件あたりの元手が大きい分、複数の物件を保有するのは個人投資家にとってハードルが高いといえます。
REITであれば個人でも分散投資できます。REIT自体が複数の不動産へ投資する商品設計になっているため、数万円の投資額で大きな分散投資効果を得られるのです。

不動産の管理・メンテナンス

現物不動産を運用するにあたり、建物の管理・修繕は必須です。コストやメンテナンスが定期的に発生することを踏まえた不動産経営が求められます。
REITは現物不動産への投資とは異なり、物件を直接保有するわけではないため、これらの課題から解放されます。

流動性と換金性

不動産物件を売買するには、仲介業者へ委託したり売り手・買い手を探したりと多くの手間と時間がかかります。手続きも非常に煩雑で、オーナーへの負担もそれなりに大きいものです。
資産運用を目的としているREITは、金融商品の一種です。現物不動産とは違い、金融機関で手続きをすれば所定の日数を経て購入・売却できます。

REITのメリットとデメリット

これらの特徴を踏まえて、REITで得られるメリットとデメリットを挙げてみます。

REITのメリット

REITでの資産運用には、以下のメリットがあります。

少額から分散投資できる

REITとは、不動産投資をできるだけ容易にするべく証券化・金融商品化したものです。取引単位も投資信託であれば数百円からとなっており、少額から分散投資できます。

資産管理しやすい

不動産投資のプロが、個人投資家に代わって資金を運用してくれるのも大きな利点です。銘柄選びや運用資金の管理などは、資産運用会社が担当します。具体的な運用状況は定期的に開示される決算書類でチェックできるので、安心です。

安定した高利回りを期待できる

REITとは原則、運用益の多くが投資家へ配分されるものです。その理由は、不動産投資法人の法人税は、利益の90%超を投資家へ還元すればほとんどかからない仕組みになっているからです。
ちなみに株式の場合は、企業利益から法人税や内部留保などが差し引かれた金額を踏まえて、企業が配当額を決定します。REITは利益から引かれる金額が少ない分、安定的に高利回りを得られる可能性があります。

売却しやすい

保有しているREITを売却する場合、株式のように金融市場に売却注文を出し、取引します。換金性が弱点になりがちな不動産投資ですが、REITを選択すれば時間をかけずに手放すことが可能です。

インフレ対策も可能

インフレとは物価上昇のことで、お金の価値が下落することを意味します。不動産は通常、インフレになると価値やテナント・賃貸料も上昇する傾向にあります。その分、利益増加も狙いやすいのが特徴です。REITで不動産に投資することで、インフレによる資産価値下落のリスクを抑える効果も期待できます。

REITのデメリット

魅力の多いREITですが、知っておきたいデメリットもあります。

運用結果が投資資金を下回る恐れがある

REITは投資商品であるため、運用状況によっては元本を下回る恐れがあります。また、分配金の金額についても保証はありません。価格や収益が減少するリスクを頭に入れておきましょう。

分配金に対する控除が適用されない

REITでは、収益に応じて分配金が支払われます。この分配金は株式と同様、配当所得に該当しますが、配当控除の適用外ですので注意が必要です。

倒産・上場廃止リスクがある

不動産投資法人は、投資家の資金以外に金融機関から受けた融資を投資資金としています。融資状況やキャッシュフロー悪化などの影響により、経営破綻する恐れもゼロではありません。
また、証券取引所の上場廃止基準に該当する場合、投資家保護のためREIT銘柄が取引終了となることがあります。

可能性を広げるREITの選び方とは

より効果的な資産運用を目指すために、REITを選ぶ際は次の項目を確認して投資先を選びましょう。

投資先の候補を挙げる

まずは、どんな不動産に投資するか検討します。興味のある分野から選択肢を絞ったり、ニュースなどから得たトレンド情報を元に今後伸びそうなジャンルを見定めたりしながら候補を挙げましょう。

投資目的を定める

REITで得られる利益には、REITの取引価格上昇と分配金があります。どちらを主な目的とするか、もしくは両方バランスよく目指すか、あらかじめ決めておくと銘柄選択しやすいです。

投資先や運用金額・期間に最適な金融商品を選ぶ

どんな分野の不動産に投資したいかある程度明確にできると、REIT商品もおのずと絞られてきます。投資の元手や運用可能な期間から適したREITを選びましょう。

投資先や運用資金、投資スタンスをより具体的に

投資先候補や自身の投資資金を、できるだけ具体的に挙げてみます。そうすることでREITの個別銘柄を買うのか、投資信託やETFで運用していくべきなのか、判断が容易になります。

運用コストを考慮する

購入するREITの種類や取引する金融機関によって、販売手数料などの運用コストが発生します。利益率だけでなく、引かれるコストも確認したうえで最適なREITを選びましょう。

まとめ

REITは個人投資家にとって、不動産投資の敷居を下げてくれる金融商品です。不動産物件への直接投資とは異なり少額で分散投資ができ、インフレ対策も可能など魅力が多いといえます。メリットとデメリットを踏まえてREITを活用し、より意味のある資産運用を目指しましょう。

>>西日本シティ銀行のREIT(リート)商品はこちらです。

*投資信託のご留意事項について
商号等:株式会社西日本シティ銀行 登録金融機関 福岡財務支局長(登金)第6号
加入協会:日本証券業協会、一般社団法人金融先物取引業協会

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