クラウドファンディングに失敗すると、どのようなことが考えられるのでしょうか?この記事では目標未達成時のリスクと対処法を紹介します。また、成功確率を上げるための心得も解説しますので、クラウドファンディングを検討している人はぜひ参考にしてください。
未達成の場合、支援金は返金されるのか
クラウドファンディングの仕組み
日本のクラウドファンディングは、プロジェクトの性質によって「購入型」「寄付型」「投資型」の3つに大別されます。また、決済の形式としては「All or Nothing(オールオアナッシング)型」と「All in(オールイン)型」の2種類があります。
クラウドファンディングに失敗した場合、「All or Nothing型」なのか「All in型」なのかで、起こり得ることが異なります。
All or Nothing(オールオアナッシング)型
目標達成時のみプロジェクトが成立
All or Nothing型クラウドファンディングとは、支援金が目標金額に達した場合にプロジェクトが成立する形式です。逆にいうと、支援者がプラットフォームを通じて支援を表明しても即時決済はされず、目標達成ができて初めて決済がなされます。
All or Nothing型クラウドファンディングは、「購入型」「投資型」に多い形式です。
失敗した場合は全額返金
事実上、支援表明から決済まで支援金を預かっているような形となるため、All or Nothing型クラウドファンディングで失敗した場合、支援金は全額返金となります。
また、プロジェクト募集サイトであるプラットフォームへの手数料は不要です。
All in(オールイン)型クラウドファンディング
目標未達成でも支援を受けられる
All in型クラウドファンディングは、支援者がプラットフォームを通じて支援を表明した時点で即時決済が行われる形式です。そのため、目標未達成でも一定の支援を受けられます。
All in型クラウドファンディングは、「寄付型」に多い傾向があります。
失敗の概念はないが、採算割れのリスクがある
未達成でも支援を受けられるため、All in型クラウドファンディングは失敗という概念がないといえます。ですが、支援が少なければ、プラットフォームへの手数料やリターンにかかる費用など採算割れのリスクがあります。
目標未達成時の対処法
失敗の原因を検証する
クラウドファンディングに失敗してしまったときは、未達成につながった原因の検証と見直しを行いましょう。世間に受け入れられる内容であったか、魅力的なリターンを用意できていたかなどが挙げられます。
次回のプロジェクト達成のためのヒントを得る
クラウドファンディングはノーリスクではないものの、低リスクでプロジェクトの資金集めができる方法です。そのため、一度失敗したとしても、資金調達として有効な方法であることは変わりません。
失敗の原因を洗い出し、どうしたら次回はうまくいくのかを検証することで、成功のコツをつかみましょう。失敗を失敗だけに終わらせず、次回のプロジェクトのヒントとして活用することが大切といえます。
失敗の原因を想定しておく
ここでは、クラウドファンディングで失敗する場合にありがちな原因について紹介します。あらかじめ未達成になり得る原因を想定しておくことで、失敗を予防しましょう。
目標金額が高すぎないか?
達成時のみ支援が受けられるAll or Nothing型において目標金額が高すぎると、せっかく支援が集まっているにもかかわらず、決済がなされない可能性があります。採算との調整は必要であるものの、目標金額が高いほど決済のハードルも高いと認識しておきましょう。
プロジェクトが自己満足になっていないか?
自己満足なプロジェクトは、支援を得られにくいと考えられます。多くの人に支援をしてもらうためには、「社会に役立つ」「多くの人が喜ぶ」ようなプロジェクトを検討する必要があります。
プロジェクトの目的について、「自分はこういうことをやりたい」「これができれば収益になる」といった、募集者側だけの自己満足な理由になっていないか確認しましょう。
プロジェクトに合ったプラットフォームを選んでいるか?
どれだけ良いプロジェクトを立ち上げても、プラットフォームが合っていないと支援を集めるのは難しいでしょう。プラットフォームのジャンルが合わなければ、支援者が関心を持ちにくいと考えられます。
購入型に強いところ、寄付型に強いところなど、まずはプラットフォームの特徴を吟味しましょう。プラットフォームの特徴を理解する方法としては、成功しているプロジェクトをチェックすることが有効といえます。
その上で平均額なども確認すれば、自身の目指すプロジェクトに合うプラットフォームかどうかを確かめられるでしょう。
事業の成功確率を上げるための心得
申し込み前の採算チェックを徹底する
達成しなかった場合の損失を確認
All in型クラウドファンディングで目標を達成できない場合、採算割れのリスクがあります。ある程度厳しく支援金の予測を立て、損益分岐点を検討することが大切です。仮に支援金が最少の場合の損失リスクも想定しておきましょう。
All or Nothing型クラウドファンディングの場合には、資金調達に関する労力が無駄になる可能性があります。これらの損失を想定した上でチャレンジするかどうかを考えましょう。
借金が必要となるケースも
プロジェクトの採算についてしっかり検討していないと、借金を背負う可能性があります。支援金をアテにしたものの、思ったよりも集まらなかったケースにありがちな事例といえます。
最初から想定した計画的な借金ならよいですが、無計画な借金は返済できないリスクが高くなるでしょう。
リターンを抑える
クラウドファンディングでは、支援してくれた人たちに商品サービスの提供などのリターンを行います。採算割れリスクを少しでも回避するなら、リターンにかかる費用を抑えることが重要といえます。
魅力あるリターンほど支援金は集まりやすいですが、高価なリターンだからといって魅力があるとは限りません。リターンの質や特性など、支援者が喜ぶ工夫をしながらかかる費用を抑えましょう。
適切な目標金額を設定する
クラウドファンディングで成功確率を上げるには、適切な目標設定が大切です。低すぎると資金が乏しくなりますし、高すぎると目標未達率が上がってしまうと考えられます。
必要な資金と採算性のバランスを考慮して、目標金額を設定しましょう。もしもこのバランスが取れないのであれば、そもそもプロジェクト自体に無理がないかを検証する必要があります。
募集目的を明確にする
クラウドファンディングでは、募集する目的が重要といえます。言い換えるならば、大義名分が大切ということです。プロジェクトが世の中にどう役に立ち、そのためになぜ支援が必要なのか、支援者に伝わるほど支援金が集まりやすいと考えられます。
ただ募集者が得をするだけのプロジェクトや、支援しなくても成り立ちそうなプロジェクトではなく、出資者側が支援をしたいと感じるような内容を検討しましょう。
魅力的なリターンを用意する
上記でも軽く触れましたが、魅力的なリターンを用意することで、支援金が集まりやすいと考えられます。たとえば、限定品やレアなグッズ、支援したことを実感できるものなどがおすすめです。
記念品や支援者のクレジットが入った商品、お礼のビデオメッセージなど、さまざまなリターンが想定できます。アイデア次第ですので、支援者目線で熟慮してみましょう。
メディアにアピールする
どれだけ優れたプロジェクトでも、人に知られていなければ支援金は集まりません。メディアを活用してしっかりと広報活動を行いましょう。
プレスリリースを利用する
プレスリリースとは、事業内容を報道発表する方法です。プロジェクト内容を一定書式(フォームはネット上に多数あります)にまとめて、経済記者クラブや各メディアに送信することで取材を促します。無料でPRできる方法ですので、利用しない手はありません。
SNSを駆使する
SNSも無料でできる広報活動の一つといえます。ブログやFacebook、Twitter、noteなど複数のSNSを活用しましょう。
繰り返し投稿することで多くの人の目に触れやすくなり、結果的にプロジェクト自体の広報になります。支援金集めと広報の一石二鳥となるため、多くのSNSを試してみるのがおすすめです。
友人や知人に紹介する
友人や知人にしつこく支援金のお願いをしてしまうと、勧誘として嫌悪感を抱かれる可能性があります。しかし、「自分は今こういうプロジェクトをしています。よかったらチェックしてください」という風に声をかける程度なら、嫌われるリスクは低いと考えられます。
反対に、知らせないことで「よそよそしい」と感じられることもあり得るため、友人や知人にはやりすぎない程度で紹介しましょう。
まとめ
クラウドファンディングは目標未達成となるケースがありますが、申し込み前に採算チェックさえしておけば、失敗を想定内の範囲に抑えながらチャレンジできるでしょう。成功確率を上げるためには、適切な目標金額を設定したり、メディアにアピールしたりするなどさまざまな方法があります。この記事を参考に、失敗確率を下げながらクラウドファンディングに挑戦してみてはいかがでしょうか。
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