「結婚したいけれど良い相手と出会えない」という人のために、結婚相談所の果たす役割は大きくなっています。結婚相談所は独立開業しやすく、自分のペースで進められる点も魅力です。本記事では、結婚相談所の開業方法や、事業を成功に導くポイントについて説明します。起業を考えている人は参考にしてください。
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結婚相談所の開業前に考えておきたい4つのこと
仕事でなくても、友人や知人に交際相手や結婚相手を紹介することはあります。そのため、結婚相談所の仕事は誰でもできそうだと思うかもしれません。
しかしビジネスとして始めるなら、そのような気持ちでは失敗する可能性が高いです。結婚相談所の開業前には、次の4つについて考えておきましょう。
1.開業の目的は?
結婚相談所に限ったことではありませんが、開業する前には、「何のために開業するのか?」という目的を明確にしておくことが重要です。「簡単にできそう」「楽して儲かるのでは?」というイメージだけで具体的なビジョンを持たずに飛びついても、長くは続かないでしょう。
結婚相談所でなければならない理由は?
結婚相談所を始めるなら、なぜ結婚相談所でなければならないのかを考えてみましょう。たとえば、「結婚相談所こそが自分の強みを活かせる仕事」と感じていれば、簡単に辞めようとは思わないはずです。「この仕事を通じて人の役に立ちたい」という強い意志を持っている人ほど、成功する確率は高くなるでしょう。
2.個人・法人どちらで開業するのか?
結婚相談所を始める場合、個人事業主として開業する方法と、会社などの法人を設立して開業する方法があります。大きなイベントを運営する場合などは、会社の方がお客様の信用を得やすくなります。しかし、会社を設立するには費用がかかってしまう上に、設立後も経理処理などで複雑な手間が発生します。
個人事業からスタートするのがおすすめ
個人開業する場合には、税務署に開業届を出すだけで始められます。結婚相談所の場合、最初は個人事業主でスタートする人が多い傾向にあります。利益が大きくなってきたら法人化した方が節税にもなるため、タイミングを見計らって法人化を検討するのがよいでしょう。
3.本業にするか副業にするか?
今の仕事を辞めて本業として結婚相談所に取り組めば、事業に集中できると思うかもしれません。しかし、開業後すぐに利益が出るとは限らず、収入面の不安があります。
結婚相談所の開業は副業でもできる
結婚相談所の仕事は週末だけでもできるので、副業として起業することも可能です。コツコツ続けることにより、少なくても安定した年収を稼ぐことができるでしょう。なお、副業として始める場合には、会社で副業が禁止されていないかの確認が必要です。
4.連盟に加入すべきか?
自分で会員を集めて結婚相談所を運営する方法もあります。しかし、自分の力だけでは十分な会員数が集まらないこともあるしょう。会員数が少ないと紹介できる相手も限られてしまい、結婚相談所の運営自体が厳しくなってしまいます。そうならないために、開業の際は連盟の加入を検討するのがおすすめです。
連盟とは?
「連盟」と呼ばれるフランチャイズ本部に加盟すると、連盟内の相談所は会員のデータを共有することになるため、会員の出会いのチャンスを広げられます。また、結婚相談所の運営に関するサポートが受けられることもあります。
結婚相談所を開業する前に、そもそも連盟に加入するのか、加入するならどこの連盟にするのかも考えておきましょう。まずは各連盟の説明会に参加し、詳細の説明を受けた上で判断するのがおすすめです。
結婚相談所を開業する方法&手続きの流れ
結婚相談所開業の具体的なイメージが湧いてきたでしょうか?
次に、結婚相談所を開業する方法や手続きの流れについて説明します。
開業に必要な許可や資格はある?
結婚相談所を始めるために必要な資格は特にありません。開業の許可・認可等も必要ないので、準備に多くの時間をかけることなく、すぐに開業できます。
個人事業なら開業届が必要
個人事業主として開業する場合には、税務署に開業届を提出する必要があります。開業届は開業から1か月以内に提出しなければならないので、忘れないように手続きしましょう。
開業資金はどれくらい必要?
開業するにあたって事務所を借りるとなると、敷金(保証金)や仲介手数料などの初期費用がかかります。
しかし、結婚相談所の場合は自宅で開業して、お客様との面談はカフェで行うといった方法も可能です。必ずしも事務所を借りる必要はなく、パソコンと電話だけでも始められるので、初期費用を少なく抑えて開業できます。
連盟に加入する場合は加盟金が必要
連盟に加入する場合には、初期費用として50~150万円程度の加盟金が発生します。その代わり、連盟の看板を利用することによって集客しやすくなり、別途広告費をかける必要がなくなるといったメリットがあります。
当面の活動資金も準備しておく
開業当初はまだ会員も少なく、利益が出ないことがあります。利益がなくても毎月発生する経費は払わなければなりません。当面の活動に困らないように、開業する前にある程度の資金を準備しておきましょう。
開業までの流れは?
結婚相談所を始めるにあたって、具体的な流れは以下のようになります。
1. サービス設計をする
どのようなサービスにするかを具体的に考えていきます。結婚を希望する人同士のお見合いをセッティングするといった活動がメインになりますが、婚活パーティーやイベントを企画して出会いの場を提供する方法もあります。独自のアイディアがあればそれも取り入れながら、事業計画を立てましょう。
また、サービス内容と同時に料金設定も考えなければなりません。一般的な結婚相談所の料金は次の通りです。
費 目 | 概 要 | 相 場 |
入会金 | 入会時に会員から徴収する費用 | 初期費用として合わせて5~10万円程度 |
登録料 | 会員のプロフィールを登録するための費用 |
月会費 | 会員から毎月徴収するサポート費用 | 5,000円~2万円程度 |
お見合い料 | 結婚相談所を通じてお見合いする際の費用 | 1回あたり5,000円~1万円程度 |
成婚料 | 結婚相談所を通じて結婚が決まったときに発生する費用 | 5万円~30万円程度 |
サービスの内容や料金設定については悩むところですが、他の結婚相談所の例を参考にしながら検討しましょう。
2. 集客方法を考える
どのようにして会員を増やすかを考えます。今は結婚相談所をインターネット上で探す人が多いので、ホームページは用意すべきでしょう。なお、ホームページ制作を外注すると、その分費用もかかってしまいます。自分でホームページを作れない場合には、SNSを活用して費用を抑えるのも一つです。
また、広告を掲載してもらったり、チラシを配ったりして集客する方法もあります。ただし、発行部数の多い新聞や雑誌に広告を載せると広告料が高くなります。広告料とのバランスを考えて媒体を選びましょう。
3. 事務所や看板などを準備する
開業にあたって事務所を借りるとなると、物件探しをしなければなりません。あるいは、自宅を事務所にして顧客を呼ぶ場合には、スペースを確保したり看板を作ったりして準備します。
賃貸住宅で自宅を事務所にできないような場合には、シェアオフィスやバーチャルオフィスを利用すると、費用を抑えながら専用の事務所を設けられます。
4. 契約書などの書面を用意する
会員に記入してもらう入会申込書や契約書などの書類を用意します。結婚相談所ではお客様の個人情報を預かるため、個人情報の取り扱いに注意しなければなりません。個人情報の取り扱いについて定めたプライバシーポリシーも作成しておきましょう。トラブル防止のため、契約書類に関しては法律知識のある専門家のサポートを受けると安心です。
5. 結婚相談所をオープンする
準備が整ったら、結婚相談所を本格的にスタートします。どのようなスタイルで開業するかによってスタートまでの期間は変わりますが、早ければ1か月程度で開業できます。
結婚相談所の経営が失敗する原因は?
結婚相談所を開業しても思うように利益が出ず、失敗に終わってしまうこともあります。結婚相談所の開業後に失敗してしまう原因をピックアップしてみました。
会員数が思うように増えない
結婚相談所を継続するには、ある程度の会員数を確保しておかなければなりません。会員数が増えなければ、経営が成り立たなくなってしまいます。
「友人や知人に声をかければ集まるはず」「ホームページを作れば来てくれるはず」と考えていても、なかなか思うようにいかないものです。集客について具体的かつ効果的な方法を考えておかないと、会員数が増えずに失敗につながってしまうでしょう。
友人からお金を取れず収入にならない
結婚相談所を始めるとき、独身の友人に声をかけて会員になってもらうケースもあるでしょう。しかし、友人に会員になってもらっても、「友人からはお金を取りにくい」と考えてしまう人が少なくありません。
会員数が増えてもボランティアのようになってしまえば、利益が出ないことになります。ビジネスとして始める以上はきちんとお金を受け取り、そのお金に見合った価値を提供することを考えましょう。
コミュニケーション能力が不足している
結婚相談所を運営するには、コミュニケーションスキルが必須です。お客様との会話で本人の意向を上手にくみ取ることができなければ、ピッタリの相手を紹介するのは難しいでしょう。
また、連盟に加入している場合には、他の結婚相談所と協力して会員同士の成婚につなげるような場面もあります。そのため、人とのコミュニケーションに慣れていない人は、結婚相談所の運営がスムーズにいかない可能性があります。
最初から費用をかけ過ぎている
利益が出ないのに経費ばかりがかかってしまい、結果として失敗することがあります。たとえば、開業当初から事務所を借りたり、広告にお金をかけたりすると、それを回収できるだけの売上が上がらないまま廃業してしまうかもしれません。事業が軌道に乗るまで、できるだけ費用を抑える形にした方がよいでしょう。
会員とトラブルになった
結婚相談所を続けていくためには、会員の信用を維持することも重視しなければなりません。会員一人一人にきめ細かなサポートをしていなければ、「入会したのに全く相手を紹介してもらえない」「変な人を紹介された」といったクレームが発生する可能性があります。また、会員の同意を得ず個人情報を勝手に伝えるようなこともあってはなりません。
成婚料でトラブルになることも
トラブルになりがちなのが成婚料の徴収です。何をもって成婚とするかを明確にしていなかったせいで、支払いを拒否されたり、返金を要求されたりすることがあります。成婚料については、準備段階でしっかり考えておきましょう。
結婚相談所の開業を成功させる3つのポイント
これまで説明した内容をふまえ、結婚相談所の開業を成功させるために押さえておくべきポイントをまとめます。
最初は副業から始める
結婚相談所に本格的に取り組みたいという理由で、それまでの仕事を辞めてしまう人もいます。しかし、開業しても成功するとは限りません。結婚相談所は副業での運営も可能ですから、まずは試しに副業から始めるのがおすすめです。
自宅開業にする
起業のリスクを抑えるためには、最初から費用をかけ過ぎないことも大切です。事務所を借りると、賃料という大きな経費がかかってしまいます。個人で結婚相談所を運営している人の中には、事務所を持たず、お客様との面談にはカフェなどを利用するスタイルをとっている人がたくさんいます。
リスクを抑えて安定した経営を目指すなら、最初は自宅で開業をした方がよいでしょう。
連盟に加入する
ノウハウや人脈が全くない状態のまま、個人で開業するとリスクが大きくなります。結婚相談所の場合、フランチャイズ形式で事業のサポートを行い、会員データを共有できる連盟組織があります。連盟に加入することで、業界未経験の人でも独立開業しやすくなるというメリットがあります。
まとめ
結婚相談所は自宅開業も可能で、短期間でスタートできます。成婚につながれば大変喜んでもらえるので、やりがいも感じられるでしょう。最初から費用をかけ過ぎることなく、副業から始めて徐々に軌道に乗せていくと失敗が少なくなります。また、連盟に加入してサポートを受けることも検討しましょう。
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会員数が多い × 成婚率が高い = 収益性が高い
結婚相談所にとっての収益源は「会員の成婚」による成婚報酬です。会員の成婚率を高めるためには、より多くのお見合い・マッチングの機会を作り出す必要があります。そのためには、そのためには会員数が多いことが必須条件です。日本結婚相談所連盟では、約6.5万人の会員が毎月約3万件のお見合いをおこなっています。その結果、2019年度は11,909名の成婚者が誕生しています。
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