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美容室・サロンの独立開業時に必見!美容系の開業までの流れから創業計画書の書き方まで

By 森本 由紀 |
公開日 2020.08.12

美容室等の美容系のお仕事をしている人は、いつかは独立して自分の店を持ちたいと考えることも多いのではないでしょうか?本記事では美容関係で独立・開業を考えている人のために、開業の流れや創業計画の立て方について説明します。融資の際に必要となる創業計画書の書き方についても解説しますので、参考にしていただければ幸いです。

美容系のやめの開業手順書

美容系事業の開業の流れとは?

美容室や美容院、ネイルサロン、エステティックサロンなどの美容系事業で開業したい場合、一般的な流れは次のようになります。

事業内容を考え構想を練る

どのような形で開業するのか、十分構想を練る必要があります。サロンのコンセプト、ターゲット、開業の時期などを考えておきましょう。

事業計画を立てる

構想がまとまったら、事業計画(創業計画)を立てます。事業計画は創業計画書にまとめましょう。

店舗物件を選定する

店舗の立地によって事業の成否が分かれることがあります。出店場所を決めて、コンセプトに合った物件を探しましょう。

資金を調達する

創業時に必要な資金は、自己資金だけでは十分でないことが多いと考えられます。不足する分は、金融機関から融資を受けて準備する方法があります。

内装・外装工事を行う

サロンの内装工事や外装工事を行って、オープンの準備をします。

各種届出

美容室を開店する場合には、保健所に美容所開設届を提出する必要があります。その他に、税務署への開業届提出なども行います。

オープン

準備が完了すれば、いよいよオープンです。オープン前には近隣にチラシやクーポンを配るなどして、宣伝活動を行いましょう。

美容系の創業計画策定のポイント

美容関係事業の創業の構想がまとまったら、創業計画を立てます。創業計画を策定するときには、次のようなポイントを意識しておきましょう。

創業準備のチェックポイント

創業計画を策定する前に、創業準備でやるべきことを確認しておきます。創業準備のチェックポイントは、次のとおりです。

  • 創業動機は明確か
  • 創業する事業について経験や知識はあるか
  • 事業を継続していく自信はあるか
  • 家族の理解はあるか
  • 創業場所は決まっているか
  • 必要な従業員は確保できるか
  • セールスポイントはあるか
  • 売上高や利益などを予測してみたか
  • 自己資金は準備しているか
  • 事業計画書としてまとめてみたか

販売計画

経営戦略を考えるために、次の項目を明確にしながら販売計画を立てます。

誰が

従業員を必要とするのか、家族のみでよいのか

誰に

どのような顧客層をターゲットにするのか

何を

顧客層や立地条件などによりどのようなサービスをするのか

どのように

どのようにサービスを提供するのか

どこで

顧客層にマッチした立地を選定

どんな条件で

現金のみかカード決済可能か

いつ

営業時間をどうするのか

仕入計画

仕入は売上や利益に直結する重要項目です。仕入計画では、次の項目を確認しておきましょう。

何を

提供するサービスに合った材料の確保が可能か

どこから

必要な時期に必要な材料を安定供給してくれる仕入先の確保

どんな条件で

現金なのか買掛は可能か、支払いサイトはどうなっているのか

どんな計画で

過剰在庫を防ぐため計画的な仕入が重要

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資金計画

設備資金や運転資金を計算し、資金調達の方法を検討します。自己資金、親・兄弟・知人・友人等からの借入、日本政策金融公庫からの借入、他の金融機関等からの借入といった選択肢があります。

売上予測

創業後の売上高を予測します。美容室の売上予測は、「客単価×席数×回転数」という算式により行います。

売上予測の例

美容椅子2台、1日1台あたりの回転数4.5回転、客単価3,950円とすると、月25日稼働した場合の1か月の売上予測は次のようになります。

3,950円×2台×4.5回転×25日=88万8,750円

収支計画

収支計画は、創業後の収支の見込みです。売上高、売上原価、経費を予測し、利益を計算します。

利益=売上高-売上原価-経費

収支計画(月平均)の例

創業当初

軌道に乗った後

売上高①

95万円

142万円

売上原価②

15万円

22万円

経費

人件費

10万円

25万円

家賃

10万円

10万円

支払利息

2万円

2万円

その他

20万円

30万円

合計③

42万円

67万円

利益①-②-③

38万円

53万円

返済計画

融資を受ける場合には、利益の中から返済を行います。ただし、税金や個人の生活費に充てる分もあるため、全額を返済に充てられるわけではありません。下の算式を参考に、無理のない返済が可能かどうかを検討しましょう。

返済財源=減価償却費+当期利益

減価償却費とは

減価償却費とは機械や備品等の価値の目減り分ですが、現金の支出がない経費なので、返済財源になります。

収支見込=返済財源-借入金返済元金-家計費(個人企業の場合)

美容系の創業計画書の書き方

創業計画書は創業計画をまとめたものです。創業計画書は金融機関から融資を受ける際に提出が必要ですが、作成過程で創業準備のチェックポイントを確認することもできます。

以下、日本政策金融公庫の創業計画書の書式に沿って、美容室を創業する場合の創業計画書の書き方を説明します。

創業動機

「お客さまから独立をすすめられた」といった受け身の理由はマイナス評価につながると考えられます。創業に向けて準備してきたことや経営方針、支援者の協力、立地の選定理由などを具体的に書き、意欲をしっかりアピールしましょう。

書き方の例

  • 勤務当初から自分の店を持つことが夢で、12年の勤務経験で技術や経営ノウハウを身につけることができた。
  • 現勤務先で固定客がついてきたので、美容師の資格を持つ妻とともに店を持つことにした。
  • 適正価格で、髪を傷めない施術中心の店を経営したい。
  • ○○駅近くのショッピングセンターへの通り道に面したビルに良い物件が見つかった。

事業経験

美容室の創業では、美容師としての勤務経験が十分であることが重要になります。勤務時代の担当業務や役職、担当顧客数、自らの売上、コンクール入賞歴などを記入しましょう。

商品・サービス

特に重要なのはセールスポイントです。技術面・接客面のセールスポイントを明記しましょう。「アットホームでくつろげる店にする」「最新のヘアスタイルやサービスを提供する」などの漠然とした記載ではなく、誰が見てもイメージしやすいよう具体的に書くことが大切です。

セールスポイントの例

  • 天然のハーブを主原料としたヘアケア剤を使用し、髪が傷まない施術を心がける
  • ハーブティーの無料サービス、無料ヘッドマッサージなどでお客様に最高の癒しを提供
  • 顧客1人1人のカルテを作成し、施術の対話を大事にしてお客様に合った新しいスタイルを提案

取引先・取引条件

販売先は一般個人になりますが、ここではターゲットや見込み人数を書きます。現勤務先の固定客の人数のほか、新規顧客獲得の見込みについても書いておきましょう。

仕入先が信頼できる業者であることも大切です。独立後も現勤務先の仕入先を利用する場合には、現勤務先の仕入先である旨を書いておきます。

必要な資金

必要な資金には、設備資金と運転資金があります。設備資金は、店舗内外装工事、セット椅子、シャンプー台、什器・備品類、保証金などに分けて、それぞれ内訳を書きます。運転資金は少なくとも3か月程度は用意しておきましょう。

資金調達の方法

資金調達の方法を自己資金と借入に分けて記入します。調達した資金の合計金額は、必要な資金の合計金額と一致しなければなりません。

自己資金が少なければ、毎月の返済が大変になってしまいます。創業までに自己資金はできるだけ多く貯めておきましょう。

事業の見通し

売上予測にもとづく収支計画を記入します。計算の根拠として、売上高の計算式や原価率、経費の内訳なども書いておきます。

創業計画書の書き方の相談先

創業計画書を一人で作り上げるのは大変なうえ時間もかなりかかります。西日本シティ銀行の「NCB創業応援サロン」では創業計画書の作成支援も行っているので、作成される際は資金調達と合わせて是非ご相談ください。

西日本シティ銀行の創業絵応援サロンへご相談を

美容室やネイルサロン等の起業で、お金を借りる際に注意しておくべきこと

美容関係で起業するとき、大部分の人は金融機関から融資を受けることを考えるでしょう。融資の際には審査があり、信用力がなければお金を貸してもらえません。創業時にスムーズに融資を受けられるようにするために、次の3つの点に注意しておく必要があります。

1. 勤務経験を積む

創業前の勤務年数については、何年以上という基準があるわけではありません。しかし、技術力や店舗運営についてのノウハウは十分習得しておく必要があります。勤務期間中どのような実績を残したかも評価のポイントとなるので、日々の個人の売上をメモしておくなどしましょう。

2. 自己資金を貯める

起業には自己資金も必要になります。コツコツと準備しましょう。計画的に自己資金を準備していることで、経営者としての能力や創業意欲を評価されます。

3. 諸支払いをきちんとする

融資を受ける際には、公共料金、家賃、住宅ローン等を滞りなく行っていることも重要になってきます。支払いが遅れているものがあれば信用力がなくなってしまうため、生活費の支払いの管理もきちんとしておきましょう。

美容関係の創業時に使える主な融資制度

日本政策金融公庫の融資制度

日本政策金融公庫では、長期安定的に利用できる創業者向け融資を行っています。美容業の創業時に使える融資制度としては次のようなものがありますので、検討してみましょう。

生活衛生新企業育成資金

美容業など生活衛生関係の事業を創業しようとする人または創業後概ね7年以内の人を対象とした融資制度です。生活衛生同業組合に加入すると、有利な条件で貸付が受けられます。

新創業融資制度

新たに事業を始める人または事業開始後税務申告を2期終えていない人が利用できます。最大3,000万円までの融資が受けられますが、雇用の創出や勤務経験等の要件があり、創業資金総額の10分の1以上の自己資金を用意していることも要件となっています。

西日本シティ銀行の融資制度

西日本シティ銀行では独自の創業融資商品をご用意しています。

融資商品の詳細は、NCB創業応援サロンにお問い合わせください。

まとめ

美容関係で創業を考えているなら、十分な勤務経験を積むと同時に、自己資金を蓄えておくことが大切です。開業のイメージが明確になったら、創業計画を作成し、創業に向けて準備を進めましょう。融資を受けて資金調達するには、創業計画書で意欲をアピールすることも必要になってきます。事業の目的や将来的なビジョンをはっきりさせ、夢を実現させましょう。

西日本シティ銀行の「NCB創業応援サロン」では創業計画書の作成支援も行っているので、作成される際は資金調達と合わせて是非ご相談ください。

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