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【クリエイターエコノミーとは】注目の背景や市場規模、収益化の方法が丸わかり!

By もろふし ゆうこ

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2022.10.28

個人クリエイターが自由に作品を発表し、収入を得られる時代になりました。SNSやプラットフォーム、NFT・メタバースにより、ビジネス環境が確立されたためです。そこから形成されたクリエイターエコノミーは、世界中で大きな影響力を持つほどに成長しています。今回は、その背景と市場規模、収益モデルを解説します。

クリエイターエコノミーとは

主にWebの世界で広がっているクリエイターエコノミーについて、意味と注目されている理由を紹介します。

クリエイターエコノミーの定義

時代の進化とともに「クリエイター」に含まれる人々の範囲が拡大しています。その広がりが、新たな経済圏を形作っているのです。

クリエイターとは

そもそも「クリエイター」とは、何かしらのコンテンツ・情報を発信する人々を指します。デザイナーやカメラマンなど創作活動を行う人から、ブロガーやインフルエンサーなどトレンドを発信する人まで多岐にわたります。

近年では、あらゆるジャンル・レベルの創作者がクリエイターとして活動しているのです。特にデジタルメディアにおけるクリエイター活動は盛んで、現代の主流といっても過言ではありません。

クリエイターエコノミーとは

クリエイターによる情報発信や創作活動によって形成された経済圏が「クリエイターエコノミー」です。この経済圏は、個人のクリエイターが収益を得られるプラットフォームの誕生をきっかけに形成されました。

これまで消費者の立場であった個人も、インターネット上で気軽に発信やコンテンツ販売ができる時代です。多数のクリエイターが登場し生産側に立つ個人が増え、クリエイターエコノミーの規模も拡大し続けています。

クリエイターエコノミーが注目される理由

世界中のさまざまなジャンルで、クリエイターが活発に活動できるようになりました。その主な理由として、Web環境の進化や価値観の変容が挙げられます。

SNSやプラットフォームの活性化

Web環境の進化により、クリエイター自身で活動の場を広げやすくなりました。特にSNSや動画配信サービス、クリエイター向けプラットフォーム(土台となる環境)が大きな役割を果たしています。

いずれのサービスも気軽に商品やコンテンツを販売できるシステムが装備され、収益化のチャンスも増えました。

NFT・メタバース空間の台頭

「NFT」「メタバース」とは、以下のとおりです。

  • NFT:デジタルコンテンツの改ざん・複製を防ぐための所有証明書・鑑定書。ブロックチェーン(取引情報のデジタル台帳)上でやりとりされる。

  • メタバース:ユーザー同士がアバターを通じて交流したり、コンテンツ等を購入したりする仮想の世界。

オリジナルのデジタルコンテンツが持つ価値を保てるNFT技術は、クリエイタービジネスで重要な役割を果たします。また、仮想空間で人やモノ・サービスの交流ができるメタバースの世界は、新たなクリエイター市場として注目されています。どちらもクリエイターの収益化を支えるものです。

>>話題の「メタバース」とは?概要や仕組み、今後の展望をわかりやすく説明!
>>「NFT」って?これから始める人向けに仕組みや注目される理由について解説!

価値観の変化

昨今、世界情勢の影響により、生き方や働き方に対する価値観も変わりつつあります。独り立ちしやすい環境が身近になり、クリエイターを志す人々が増えたこともクリエイターエコノミーが活況である理由です。

さらに、クリエイターエコノミーを取り巻く他のビジネス市場においても、クリエイターエコノミーの存在感が高まっています。ユーチューバーやインフルエンサーの情報発信力を活かしたマーケティング戦略は、その代表格です。

クリエイターエコノミーの歴史と市場規模

クリエイターエコノミーが世界で注目される規模に成長を遂げた理由と現状について、紹介します。

クリエイターエコノミーの歴史

2000年代以降、クリエイター向けのプラットフォームが確立されたことで、クリエイターエコノミーの形成が大きく進みました。その流れをおおまかに把握してみましょう。

Web上で作品発表できるサービスが登場

1990年代の終わりから2000年代初頭にかけて、個人でも気軽に情報発信できるWebサービスが相次いで誕生しました。特に無料で利用できるBlogger、YouTube、Instagramはユーザーが爆発的に増え、クリエイターエコノミーの中心的サービスです。

どのサービスも専門知識がなくても文章や写真をインターネット上で公開でき、コメントやチャットでユーザー同士の交流も簡単にできます。

広告収入による収益還元がスタート

次第に、Webサービス上で大きな影響力を持つユーザー「インフルエンサー」が登場します。

当初、彼らが自身の活動で収益を得るのは難しい環境でした。マーケティングにおけるインフルエンサーの存在感が増すにつれ、コンテンツを収益化できる仕組みへのニーズが高まります。

そんな中、YouTube広告を筆頭に、SNSでも収益化できるシステムが続々と開発・提供されるようになったのです。

デジタルコンテンツの利用者数が増加

その後も現在に至るまで、SNSや動画配信サービス等、個人が気軽に発信し収益化できるWebメディアが生まれ続けています。それに伴い、ユーザー数も増加傾向です。

従来、メディアといえばテレビや雑誌などが代表格でした。現在はデジタルメディアの影響力が高まり、広告収入も右肩上がりで増えています。ユーザーがクリエイターを支援する仕組みが定着したことで、クリエイターエコノミーの規模も膨らみ続けているのです。

クリエイターエコノミーの市場規模

クリエイターエコノミーは具体的に、どのくらいの市場規模を持っているのでしょうか。

世界で見ると巨大な市場規模に成長

海外での調査によると、2021年(令和3年)5月時点でクリエイターエコノミーの市場規模は1,042億ドルとされています。日本円で十数兆円以上のお金が動いている計算です。

クリエイターにも、専業から兼業まで、多彩な働き方をしている人がいます。ミニマムな活動をしているクリエイターも含めると、実際はより大きな市場規模になっているといえるでしょう。ビジネスにおいて無視できない、巨大な市場に成長し続けているのです。

出典:NEOREACH「クリエイター収益レポートの内訳、クリエイター経済のどこにいるのか?

日本は成長段階

日本でも、クリエイターエコノミーは同様の広がりを見せています。いわゆる「有名人」には、デジタルメディアで名を知られるようになったクリエイターも数多く挙げられるようになりました。今後もこの流れは続くとみられています。

とはいえ、日本国内ではクリエイター活動を支える法制度やビジネス環境が完全に整っているわけではありません。新たな経済圏をどう発展させていくか、各方面での取り組みが始まった段階です。

クリエイターエコノミーの収益モデルと課題

「経済圏」と呼ばれるほどに、クリエイタービジネスは成長を遂げています。現代におけるクリエイターの収益モデルと、今後考えていきたい課題について見ていきましょう。

クリエイターエコノミーの主な収益源

サービスの進化とともに、クリエイターが収入を得る手段も増えています。その中でも代表的なものを紹介します。

広告・アフィリエイト

動画やブログなど、投稿したコンテンツに広告を掲載することで利益を得る方法です。

アフィリエイトは、クリエイターのコンテンツに掲載された広告がきっかけで成約した場合、報酬が支払われます。デジタルメディアにおけるクリエイター活動の収益化は、広告やアフィリエイトからスタートしました。

サブスクリプション(定期購読)

メールマガジンやブログ、音楽・動画配信など、会員限定サービスを有料で定期購読する仕組みです。クリエイターが継続的な支援を受けられるメリットがあります。

サブスクリプションでユーザー限定コンテンツを配信すれば、ファンのニーズに応えてつながりを強めることも可能です。ファンの数だけでなく関わりも増やすことで、クリエイターの存在感を高めます。

各種コンテンツの販売

セミナー動画や小説、イラストなど各種デジタルコンテンツに価格を設定し、販売する方法です。クリエイターが活動しやすい仕様のプラットフォームにより、収益につなげやすくなりました。

商品やサービスの開発プロジェクトを公開し、資金を集うクラウドファンディングもなじみのある方法となっています。クリエイターの思いや開発ストーリーも公開できるためユーザーの共感を得やすく、新たなファンの獲得に有効です。

ファンクラブ・オンラインサロン

自宅にいながらクリエイターを応援できる、オンライン上のファンクラブやオンラインサロンもあります。インターネットでレッスンが受けられるサービスもあり、知識やスキルを元に教室を持ちたいクリエイターに多く活用されている方法です。

一定の知名度や実績があるクリエイターなら特に、定期的な収入を得るのに有効といえます。ファンに向けた発信やイベント開催が容易で、ファンからの声が届きやすいのも特徴です。

クリエイターエコノミーが抱える課題

魅力の多いクリエイターエコノミーですが、急成長に伴う課題もあります。

法や環境の整備・周知活動

著作権や肖像権、プライバシー権や税申告など、クリエイター活動に関わる法律や権利・義務についてよく理解する必要があります。クリエイター自身はもちろん、ユーザー側も同様です。

また、クリエイターとして生計を立てる人が増えている一方で、その実情に法制度やビジネス環境が追いついていない面もあります。新たな経済圏の流れを止めないためにも、国や企業は現状にマッチした体制づくりが急務です。

クリエイター間の格差

クリエイター向けのプラットフォームは、広く一般に公開されています。しかし、よく見てみると一部のクリエイターに収益が集中しているのが実態です。

もちろん、専業と兼業、活動規模など立場の違いにより収益額に差が出ます。他のクリエイターとの差別化を工夫することは必要です。とはいえ「稼げている人と稼げない人」の格差が大きすぎるのは、メリットを得られる機会の不平等性につながる課題といえます。

NFT・メタバース経済圏での課題が曖昧

他のビジネスにおいても、クリエイターエコノミーの存在は非常に大きいものとなっています。経済産業省もこの動向に注目しており、調査を実施しているところです(2022年(令和4年)9月現在)。

クリエイターエコノミーの活性化にあたり、特にNFTやメタバースの安全性や活用方法の検討が不可欠になっています。経産省の調査はこうした課題を明確にし、より多くのクリエイターや投資家の参入を目指すものです。

出典:経済産業省「「Web3.0時代におけるクリエイターエコノミーの創出に係る調査事業」の研究会委員及び全体ロードマップを公開します

まとめ

ビジネスの単位が細分化され、個人クリエイターの活躍できる機会が増えました。クリエイターと企業とのコラボレーションも盛んになり、今後もクリエイターエコノミーは時代に応じて発展していくことでしょう。日本のクリエイター市場もこの流れに乗るべく、課題を乗り越えながら進む動きが出始めています。

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