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2026年度新入社員は何を重視している?|就活・働き方・生成AIへの意識を調査から読み解く

By renew編集部 |
公開日 2026.07.13
新入社員

西日本シティ銀行のグループ会社である株式会社NCBリサーチ&コンサルティングでは毎年、新入社員を対象とした公開セミナー・企業内研修の受講者にアンケートを実施しています。今回は2026 年3月・4月開催分の結果(有効回答934名・回答率80.9%)をとりまとめました。入社直後の新入社員の意識を定点観測したデータとして、人財の獲得・育成・定着に向けた施策立案の参考にしていただければ幸いです。

◾️今回の参照元はこちらから 2026年度新入社員意識調査アンケート結果
◾️過去の新入社員意識調査アンケートはこちらから 新入社員意識調査アンケート

ポイント

1.生成AI「活用したい」9割、一方で「思考力低下」を懸念する声も4割
生成AIを仕事で活用したいと答えた新入社員は91.3%と、わずか2年前(48.8%)からほぼ倍増しています。(設問5)
一方、活用への不安トップは「情報の正確性」(50.1%)、続く第 2 位が「思考力・学習能力の低下」(41.8%)です。急速な活用拡大の裏で、自分の成長を損なうことへの危機感が明確に表れており、積極的な活用姿勢の裏にある冷静な自己認識が浮き彫りになっています。(設問6)

2.就職活動の負担感、2019年以来の過去最低を更新
就職活動が「大変だった」と答えた新入社員は68.5%と、調査史上最低を更新しています(前年78.3%から約10ポイント低下)。
売り手市場の持続に加え、採用早期化・内定辞退防止策の強化が奏功したとみられます。(設問1)

3.会社は好きだが、定年までいるつもりはない
「希望どおりの会社に就職できた」は 58.4%と高水準にもかかわらず、「定年まで働きたい」は 29.9%と 3 割を割り込んでいます。同時に転職・独立志向は47.1%に上昇(前年42.0%)しています。
「満足しているが、ずっといるつもりはない」という新世代のキャリア観が数字に表れています。(設問2)(設問4)

4.働く目的は「やりがい」より「生活」
今回初調査の「働く目的」では、「生活のため(収入)」が 54.9%と断トツ 1 位です。
「仕事のやりがい」(20.9%)、「安定した生活」(13.5%)を引き離し、「まず飯を食う」という現実主義が新入社員の主流であることが初めて可視化されました。物価上昇・将来不安が直撃している実態が数字で裏付けられました。 (設問12)

調査概要

  1. 調査の目的 職業等に対する新入社員の意識を把握し若手社員育成の一助とする
  2. 調査期間 2026年3月27日〜4月24日
  3. 調査対象 2026年春の新入社員で、株式会社NCBリサーチ&コンサルティングの新入社員公開セミナーまたは企業内研修の参加者1,304名(166社)の うち、アンケートの時間が取れなかった2社149名を除く1,155名
  4. 調査方法 Webまたは紙(スマホ持込み制限がある場合)アンケート

Q1.就職活動全体について、あなたの印象に最も近いものはどれですか(1つ選択)

就職活動全体について、あなたの印象に最も近いものはどれですか

就職活動が「とても大変だった」または「大変だった」と答えた新入社員は、昨年の 78.3%から68.5%へと大幅に減少し、調査開始以来の最低値だった 2019 年(71.0%)をさらに下回り、過去最低を更新しました。今年新設の選択肢「比較的楽だった」は 6.6%となりました。人材不足による売り手市場が続くなか、企業が採用活動の早期化と内定辞退防止策を強化した効果が表れたものとみられます。就活生の"体感的な楽さ"は、企業側の採用競争激化の裏返しともいえます。

Q2.希望していた会社に就職できましたか(1つ選択)

希望していた会社に就職できましたか

「希望どおり」の会社に就職できたと答えた新入社員は 58.4%。昨年(62.4%)より低下したものの、引き続き高い水準を維持しています。人手不足が続くなか各社が初任給引き上げ等の待遇改善を進めており、その効果が就職先への満足感に直結しています。ただし後述の設問4と照合すると、「満足しているが定年まではいない」という複雑な就労意識が浮かび上がります。

Q3.就職先を決める時、重視したものは何ですか(3つまで選択)

就職先を決める時、重視したものは何ですか

「会社の雰囲気・イメージ」が引き続きトップとなりました。注目すべきは「技術・スキルの習得」が昨年 18.5%から 24.4%へ急伸し、上位に浮上した点です。転職意向の高まり(設問 4)と連動しており、今の会社を「スキルを得る場」として位置づけ、次のキャリアを見据える戦略的な就職活動が広がっていることを示しています。

Q4.就職した会社で定年まで働きたいと思いますか(1つ選択、2023年より一部選択肢を二つに分割)

就職した会社で定年まで働きたいと思いますか

「定年まで同じ会社で働きたい」は、昨年の 36.9%から 29.9%へと減少しました。一方、「独立・起業」または「転職」を視野に入れている新入社員は昨年の 42.0%から 47.1%へと増加しました。就職先への満足度が高いにもかかわらず転職意向が増加しているのは、単なる不満ではなく「キャリアの可能性を最大化したい」という積極的な志向の表れです。転職をキャリアアップの手段として当然視する世代が、主力層として職場に入ってきています。早期離職防止には「やりがい」ではなく「成長機会の提供」が鍵となります。

Q5.生成AI(ChatGPTなど)を仕事で活用することについて、あなたの考えに最も近いものはどれですか(1つ選択)

生成AIを仕事で活用することについて、あなたの考えに最も近いものはどれですか

生成 AI を仕事で「積極的に活用したい」または「必要に応じて活用したい」と答えた新入社員は91.3%でした。2024 年調査での同趣旨の設問では 48.8%であり、わずか 2年でほぼ倍増しました。生成AIはすでに「特別なツール」ではなく「当たり前の業務インフラ」として新入社員世代に受け入れられています。

Q6.仕事で生成AIを活用するようになった場合、不安なことはありますか(2つまで選択)

仕事で生成AIを活用するようになった場合、不安なことはありますか

生成 AI 活用への不安トップ 3 は「情報の正確性」(50.1%)、「思考力・学習能力の低下」(41.8%)、「情報漏えいなどセキュリティ」(40.9%)。特筆すべきは第2位の「思考力・学習能力の低下」であり、「情報の正確性」にはハルシネーション(誤出力)への警戒が浸透している表れです。一方、「思考力・学習能力の低下」が技術的なセキュリティ不安を上回った事実は、入社直後という人材育成の起点に立つ新入社員が、AI 依存による自己成長への影響を深刻に受け止めていることを物語っています。この懸念を活かした研修設計が企業に問われます。

Q7.将来、どのポジションに就きたいですか(1つ選択)

将来、どのポジションに就きたいですか

将来のポジションとして管理職以上を希望する割合は、46.4%と 2 年連続で 50%を下回りました。「社長」「役員」の経営者層については、調査開始以来最低となった昨年の 20.0%からわずかに増加し 20.4%となりました。管理職以上を希望する割合が過半数を切り 2 年連続で低下していることは、人材育成・登用計画に直接影響します。「上を目指すことがかっこいい」という旧来の昇進モデルが機能しにくくなっており、多様なキャリアパスの可視化と、管理職の魅力を伝える取り組みが急務です。「その他」では、「周囲から評価されれば役職に就きたい」といった受動的な回答もみられました。

Q8.あなたにとって理想の上司に近いものはどれですか(3つまで選択)

あなたにとって理想の上司に近いものはどれですか

上位の項目に変動はありませんが、「適切なアドバイス、指示、指導をしてくれる」のみ数値が増加し、「人間的に尊敬できる」などその他の項目は減少しています。上位ではないものの、「実行力・統率力がある」(17.5%→19.6%)、「仕事の与え方・評価が平等である」(13.1%→15.6%)など業務遂行に関する項目も上昇しており、上司の人間的魅力に加え、的確なサポートや公平な評価を求める傾向が強まっていると考えられます。

Q9.働くうえで、あなたの考えにより近いのはどちらですか(1つ選択)

働くうえで、あなたの考えにより近いのはどちらですか

「給与が多少低くても、プライベートの時間を重視したい」と答えた新入社員は74.5%と、「プライベートの時間が多少少なくても、給与が高い方がよい」の 25.5%を大きく上回っています。設問の選択肢表現を今年度より一部変更しているため、過去データとの単純比較には注意が必要ですが、ワークライフバランスを重視する傾向が継続していることを示唆しています。

Q10.入社後、指導・教育してもらいたいことは何ですか(3つまで選択)

入社後、指導・教育してもらいたいことは何ですか

「仕事の基本・進め方」、「専門知識」、「ビジネスマナーや社会常識」の順となっており、上位の項目は変わりませんが、他の項目が低下するなかで、「専門知識」のみ上昇しています。「専門知識」の上昇は設問3で「技術・スキルの習得」を就職先選択の重視点に挙げる割合が増加していることとも一致しており、入社後もスキルアップを求める意識の高まりがうかがえます。

Q11.働くうえで、あなたが重要と思うことは何ですか(3つまで選択)

働くうえで、あなたが重要と思うことは何ですか

「賃金引き上げ」、「福利厚生」、「休暇の取りやすさ」の順となっています。昨年と比べて、「賃金引き上げ」は微増となった一方、「福利厚生」、「休暇の取りやすさ」は減少しています。初任給の引き上げが進む一方で実質賃金の上昇が実感されにくい状況が続いていることから、賃金への関心は引き続き高い水準にあると考えられます。また、「教育制度」や「長時間労働の是正」などが昨年比で増加しており、待遇面にとどまらず、長く働き続けるための環境整備への期待が高まっていると考えられます。

Q12.あなたにとって「働く目的」に最も近いものはどれですか(1つ選択)

あなたにとって「働く目的」に最も近いものはどれですか

今回初めて設けた設問ですが、「生活のため(収入)」が 54.9%と過半数を占め、次いで「仕事のやりがいを得るため」(20.9%)、「安定した生活を送るため」(13.5%)、「自分の成長のため」(5.0%)と続いています。やりがいや自己成長、社会貢献といった内発的動機よりも生活基盤の確保を優先する現実的な価値観が多数を占めており、近年の物価上昇や将来の経済的不安が反映されていると考えられます。

まとめ

今回の調査から見えてきたのは、2026年度の新入社員が、ただ受け身で入社しているわけではない、ということです。就職活動では少し肩の力が抜けた一方で、働く目的は現実的。キャリアは一社完結ではなく、自分で選びながら広げていく。さらに、生成AIにはとても前向きです。言い換えると、今の新入社員は「会社に全てを委ねる」のではなく、「会社をどう活用して成長するか」を考えている世代ともいえそうです。

企業にとっては、待遇面だけでなく、学べる環境、相談しやすい職場、納得感のある評価、そして成長を実感できる仕事づくりが、より重要になっていきそうです。

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