人材確保等支援助成金とは?建設業向け3コースの概要を解説

建設業では、人手不足や担い手の高齢化が課題となっており、人材の確保・定着に向けた取り組みの重要性が高まっています。
こうしたなか、人材確保等支援助成金では、建設業を対象としたコースを設けており、建設キャリアアップシステムの活用や若年者・女性の入職促進、作業員の労働環境整備などにかかる費用を支援しています。
そこでこの記事では、人材確保等支援助成金のうち、建設業向け3つのコースについて、対象となる取り組みや助成額などを解説します。
※記事内容は、令和8年6月5日時点の情報です。最新の情報は、必ず公式HPをご確認ください。
人材確保等支援助成金とは
人材確保等支援助成金は、魅力ある職場づくりに向けて労働環境の向上などに取り組む事業主や事業協同組合等を支援する制度です。
人材確保や人材定着の促進を目的としており、建設業向けには建設キャリアアップシステムの活用促進や若年者・女性の入職促進、作業員の労働環境整備などを支援するコースを設けています。
人材確保等支援助成金には複数のコースがありますが、この記事では、建設業向けの以下3コースについて解説します。
- 建設キャリアアップシステム等活用促進コース(建設分野)
- 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
- 作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)
建設キャリアアップシステム等活用促進コース(建設分野)

出典:建設キャリアアップシステム等活用促進コース(雇用管理改善促進事業)
掲載ページ:厚生労働省 建設事業主等に対する助成金
建設キャリアアップシステム(CCUS)を活用して、雇用する建設技能者の処遇改善に取り組む中小建設事業主等を支援するコースです。
CCUSは、建設技能者の資格や就業履歴等を登録・蓄積し、その情報を能力評価や処遇改善に活用する仕組みです。
本コースは、能力や経験等に応じた適切な賃金支払いを促進し、建設技能者全体の処遇改善につなげることを目的としています。
助成対象となる取り組み
本コースの助成を受けるためには、次の2つの取り組みを行う必要があります。
- 雇用する全ての建設技能者について、CCUSの技能者登録(詳細型登録)を行うこと
- 能力評価制度のレベル判定によりレベルが上がった技能者の賃金を5%以上増加させること
賃金が5%以上増加しているかどうかは、増額改定前後12か月間の賃金総額を比較して確認します。
支給額
算定対象となる建設技能者1人あたり16万円を助成します。
算定対象となる建設技能者とは、能力評価制度のレベル判定でレベルが上がり、かつ賃金が5%以上増加した建設技能者です。
なお、助成額の上限は、1事業年度あたり160万円(16万円×10人)です。
申請手続
申請は、次の流れで行います。
計画届の提出 | 賃金を増額改定する月の6か月前から2か月前までに「計画届」を提出します。 |
技能者登録の完了 | 雇用するすべての建設技能者について、CCUSの技能者登録を完了します。 |
レベル判定 | 能力評価制度のレベル判定を行い、レベルを上げます。 |
賃金の改定 | レベルが上がった技能者の賃金を5%以上増加させ、12か月間支払いを行います。 |
支給申請書の提出 | 増額後賃金の12か月間の支払い完了から2か月以内に「支給申請書」と添付書類を提出します。 |
参照:厚生労働省 建設事業主等に対する助成金
参照:国土交通省 建設キャリアアップシステムポータル
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)

出典:若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
掲載ページ:厚生労働省 建設事業主等に対する助成金
若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)には、次の2つの区分があります。
- 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)
- 若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)(定着助成)
ここでは、若年者及び女性に魅力ある職場づくり事業コース(建設分野)について解説します。
建設業における人手不足が深刻化する中で、若年者や女性の入職・定着促進に向けて建設業の魅力向上のための取り組みを行う事業主に対し、経費などの一部を助成するコースです。
助成対象となる取り組み
若年者や女性の入職・定着を図るための取り組みが幅広く対象になります。
主な取り組みの例は、次のとおりです。
● 建設業の魅力発信から入職者の育成・定着まで一体的に行う事業
・ 建設業の魅力発信や入職者の技能向上のための取り組みを一体的に実施する事業
● 建設業の役割や魅力を伝えるための事業
・ 講習会
・ 加工技術等の体験会
・ 現場見学会
・ 体験学習
・ インターンシップ など
● 従業員の技能向上のための事業
・ 新規入職者向け研修会
・ 従業員向け公的資格取得講習会 など
● 労働災害予防等のための事業
・ 安全衛生管理計画の作成
・ 工事現場の巡回
・ 期間雇用労働者の健康診断 など
● 技能向上や雇用改善の取り組みを奨励する事業
・ 優良な技術者・技能者の表彰制度
・ 雇用改善に関する優良な取り組みを行う者への表彰制度
● 雇用管理に関する知識の習得のための事業
・ 雇用管理研修
・ 職長研修の実施・受講
● 女性の入職・定着促進のための事業
・ 女性向けキャリアパスの作成
・ 男性の育児休業取得促進に向けた取り組みなど
支給額
助成率は次のとおりです。
- 中小建設事業主:対象事業の実施に要した経費の60%
- 中小建設事業主以外:対象事業の実施に要した経費の45%
また、雇用管理研修等を受講させた場合は、受講した労働者1人につき「研修受講日数×9,500円」を助成します。
申請手続
申請は、次の流れで行います。
計画届の提出 | 事業を実施する日の原則2か月前までに、計画届および必要書類を提出します。なお、事業計画期間は最大1年間です。 |
事業の実施 | 計画届の内容に沿って事業を実施します。 |
支給申請書の提出 | 事業終了後、定められた期限までに「支給申請書」と添付書類を提出してください。 |
作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)

出典:作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)(女性専用作業員施設設置経費助成)
掲載ページ:厚生労働省 建設事業主等に対する助成金
作業員宿舎等設置助成コース(建設分野)には、次の2つの区分があります。
- 作業員宿舎等経費助成(石川県)
- 女性専用作業員施設設置経費助成
ここでは、女性専用作業員施設設置経費助成について解説します。
女性が安心して働くことのできる建設現場づくりを促進するため、女性建設労働者向けの施設を賃借する中小建設事業主に対して、その経費の一部を助成するコースです。
助成対象となる取り組み
元方の中小建設事業主が施工管理を行う工事現場において、女性建設労働者のための施設を賃借する取り組みが対象となります。対象となる施設の例は、次のとおりです。
- トイレ
- 更衣室
- シャワー室
- 浴室
支給額
賃借料等の60%を助成します。
また、一定の要件を満たした場合は、助成額の加算を受けられる場合があります。
なお、助成額の上限は1事業年度あたり90万円です。
申請手続
申請は、次の流れで行います。
計画届の提出 | 賃借事業を開始しようとする日の原則2週間前までに「計画届」と添付書類を提出します。 |
施設の賃借 | 作業員施設の賃借を行います。 |
支給申請書の提出 | 賃借終了後、定められた期限までに「支給申請書」と添付書類を提出します。 |
まとめ
この記事では、人材確保等支援助成金のうち、建設業向け3つのコースについて、対象となる取り組みや助成額などを解説しました。
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Writer
株式会社Stayway 代表取締役CEO 公認会計士
東京大学経済学部卒業 / 公認会計士・経営革新等支援機関。デロイト トウシュ トーマツ出身。東京及びシアトルにおいて、IPO支援に従事したのち、香港本社のPEファンド・経営コンサルティングファームに勤務。「中小企業や地域のポテンシャルを開放」するため、2017年株式会社Staywayを創業。
※本記事の監修者です。
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