エイジフレンドリー補助金とは?建設業でも活用できる補助金の対象となる取り組みや補助額など解説

高年齢労働者の就業者数が増加するなか、転倒や墜落・転落などの労働災害を防ぐため、安全対策の重要性が高まっています。
特に建設業では、高所作業や重量物の運搬など、身体的な負担が大きい業務も多く、高年齢労働者が安心して働ける職場環境づくりが求められています。
こうした取り組みを支援する制度が、エイジフレンドリー補助金です。高年齢労働者が安全に働ける環境整備や、身体機能の低下を補う設備・機器の導入などを支援します。
そこでこの記事では、エイジフレンドリー補助金の概要をはじめ、対象となる取り組みや補助額などを解説します。
※記事内容は、令和8年7月6日時点の情報です。最新の情報は、必ず公式HPをご確認ください。
エイジフレンドリー補助金とは

出典:エイジフレンドリー補助金リーフレット
掲載ページ:厚生労働省 エイジフレンドリー補助金
エイジフレンドリー補助金は、高年齢労働者の労働災害防止に向けた設備改善や、専門家による指導などにかかる経費の一部を補助する制度です。
補助対象となるのは、次の要件を満たす中小企業事業者等です。
- 1年以上事業を実施していること
- 役員を除き、自社の労災保険適用の高年齢労働者(60歳以上)が常時1名以上就労していること
また、補助対象となる取り組みに応じて、次の3つのコースを設けています。
- 専門家総合対策コース(職場環境改善・運動指導等)
- 熱中症対策コース
- コラボヘルスコース
なお、上記は令和8年度のコース名です。
令和7年度から名称が変更されているため、令和6年度以前のコース名とは異なります。
エイジフレンドリー補助金の3つのコース
ここでは、エイジフレンドリー補助金の3つのコースについて、対象となる取り組みや補助率、補助上限額を解説します。
専門家総合対策コース(職場環境改善・運動指導等)
本コースは、高年齢労働者の労働災害防止に向けて、専門家によるリスクアセスメントや、その結果を踏まえた設備導入・運動指導などを支援するコースです。
労働安全衛生の「専門家」とは、労働安全コンサルタントや労働衛生コンサルタント、安全管理士、衛生管理士を指します。
本コースでは、次の2段階で取り組みを実施します。
<第1段階>
労働安全衛生に係る外部専門家によるリスクアセスメントを実施します。リスクアセスメントでは、職場の危険性や有害性を把握し、高年齢労働者の特性を踏まえた対策を検討します。
また、外部専門家に代えて、自社の安全衛生担当者等(安全管理者、衛生管理者、安全衛生推進者、衛生推進者など)がリスクアセスメントを実施することも可能です。
その場合は、第1段階の申請を行わず、第2段階から申請できます。
<第2段階>

出典:エイジフレンドリー補助金リーフレット
掲載ページ:厚生労働省 エイジフレンドリー補助金
第1段階のリスクアセスメント結果を踏まえ、高年齢労働者の労働災害防止に向けた対策を実施します。第2段階は、次の2種類に分かれます。
【第2段階-1(設備・装置の導入など)】
高年齢労働者の身体機能の低下を補う設備・装置などを導入します(熱中症対策を除く)。
[主な取り組み例]
- 重量物搬送機器・リフトの導入
- 重筋作業を補助するアシストスーツの導入
【第2段階-2(運動指導など)】
転倒や腰痛の予防を目的とした運動指導などを実施します。
主な対象となる取り組みは、次のとおりです。
- 労働安全衛生の専門家による安全衛生教育
- 高年齢労働者の特性を踏まえた運動指導
建設業では、高所作業や重量物の運搬など身体的な負担が大きい業務も多くあります。
そのため、重量物搬送機器やアシストスーツの導入、安全衛生教育などに本コースを活用することで、職場環境の改善につなげることができます。
各段階の補助率および補助上限額は、次のとおりです。
段階 | 補助率 | 補助上限額 |
|---|---|---|
第1段階 | 4/5 | 100万円 |
第2段階-1 | 1/2 | 100万円 |
第2段階-2 | 1/2 | 100万円 |
熱中症対策コース
熱中症対策コースは、60歳以上の高年齢労働者が安全に働けるよう、暑熱な環境における熱中症予防対策を支援するコースです。
暑熱な環境による熱中症予防対策として、身体機能の低下を補う装置や機器の導入、工事の施工などに要する経費を補助します。
主な対象となる取り組みは、次のとおりです。
- 体温を下げる機能を持つ作業服やスポットクーラーなどの冷却機器の導入
- 屋外作業における効率的な身体冷却機器の導入
- ウェアラブルデバイスなどを活用した健康管理システムの導入
建設業は屋外作業が多く、夏季は熱中症リスクが高まります。
冷却機器や健康管理システムの導入などに本コースを活用することで、高年齢労働者が安心して働ける作業環境の整備につなげることができます。
本コースの補助率および補助上限額は、次のとおりです。
補助率 | 補助上限額 |
|---|---|
1/2 | 100万円 |
コラボヘルスコース
コラボヘルスコースは、医療保険者と事業者が連携して行う健康づくりの取り組みを支援するコースです。
コラボヘルスとは、医療保険者と事業者が役割分担のもとで、労働者の健康保持・増進に取り組む仕組みを指します。
なお、本コースを申請するには、事業主健診情報を保険者へ提供している必要があります。

出典:エイジフレンドリー補助金リーフレット
掲載ページ:厚生労働省 エイジフレンドリー補助金
主な対象となる取り組みは、次のとおりです。
- 健康診断結果等を踏まえた禁煙指導やメンタルヘルス対策などの健康教育・研修の実施
- 健康診断結果等を電磁的に保存・管理し、事業所カルテや健康スコアリングレポートを活用するなど、コラボヘルスを推進するシステムの導入
- 栄養指導や保健指導など、労働者の健康保持・増進に向けた取り組み
建設業では、高年齢労働者が長く働き続けられる職場づくりも重要です。
本コースを活用して健康保持・増進に取り組むことで、労働者の健康保持・増進や、働きやすい職場環境づくりにもつながります。
本コースの補助率および補助上限額は、次のとおりです。
補助率 | 補助上限額 |
|---|---|
3/4 | 30万円 |
エイジフレンドリー補助金を申請する際の注意点
エイジフレンドリー補助金を活用する際は、次の点に注意しましょう。
交付決定前に契約・購入した経費は補助対象外
補助対象となるのは、原則として交付決定後に契約や発注、購入などを行った経費です。
交付決定前に設備や機器を導入した場合は補助対象とならないため、事前に公募要領を確認したうえで手続きを進めましょう。
コースごとに補助対象や申請要件が異なる
エイジフレンドリー補助金は、コースごとに補助対象となる取り組みや申請要件が異なります。
自社が活用したいコースの補助対象や申請要件を確認し、要件を満たしているか事前に確認しましょう。
公募期間内に申請する
エイジフレンドリー補助金は、公募期間を設けて申請を受け付けます。申請期限を過ぎると受け付けないため、スケジュールに余裕を持って準備を進めましょう。
【補助金申請受付期間】
令和8年5月20日(水)から令和8年10月31日(土)まで
(労働安全衛生の専門家を活用したリスクアセスメントの実施申請は、令和8年5月20日(水)から令和8年8月31日(月)まで)
【注意】予算額に達した場合は、受付期間の途中であっても申請受付を終了する場合があります。
まとめ
この記事では、エイジフレンドリー補助金の概要をはじめ、対象となる取り組みや補助額などを解説しました。
建設業では、高所作業や重量物の運搬、屋外作業など、高年齢労働者への安全対策が重要です。自社の課題や取り組み内容に応じて、本補助金の活用をご検討ください。
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Writer
株式会社Staywayディレクター 公認会計士
中央大学商学部・グロービス経営大学院卒業(MBA) / 公認会計士 / デロイト トウシュ トーマツ出身。監査法人、飲食チェーンの経営企画、人材大手の社内ベンチャーの事業推進・営業企画を経て、株式会社Staywayに参画。Staywayでは、事業開発、営業、カスタマーサクセス、補助金申請支援に従事。
※本記事の監修者です。
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