【解説】健康経営優良法人の認定制度とは?補助金加点や企業イメージ向上の効果も

「健康経営優良法人制度」は、従業員の健康増進に取り組む企業を日本健康会議が認定する制度です。中小企業でも活用しやすく、認定法人は年々増加しています。
認定のメリットのひとつに、補助金申請の際に加点対象となる点があります。ただし、加点対象となるのは「前年度に認定を受けた法人」に限られます。
また、申請には健康経営の取り組み実績が必要で、準備にも時間を要します。
そのため、令和7年10月に申請受付が締め切られる「健康経営優良法人2026」に間に合わない場合でも、次回の申請を見据えて今から取り組みを始めることが大切です。
そこでこの記事では、「健康経営優良法人2026」の「中小規模法人部門」に焦点をあて、制度の概要やメリット、申請の流れについて解説します。
※記事内容は、令和7年10月6日時点の情報です。最新の情報は、必ず公式HPをご確認ください。
健康経営優良法人認定制度とは
健康経営優良法人認定制度とは、従業員の健康増進に積極的に取り組む大企業や中小企業等の法人を、日本健康会議が認定する顕彰制度です。
認定を受けることで、補助金の審査での加点や優遇税制の適用など、さまざまなメリットがあります。
認定を受けるメリット
健康経営優良法人の認定を受けた場合のメリットは、次のとおりです。
補助金審査において加点対象となる
健康経営優良法人に認定されると、一部の補助金の審査で 加点対象 となります。
例えば、前回の「健康経営優良法人2025」に認定された企業が、次の補助金に申請した場合、審査時に加点の対象となります。
補助金名 | 補助対象 | 補助内容 |
|---|---|---|
中小企業等が取り組む、革新的な新製品・新サービス開発等を行うための設備投資等を支援する | 補助率:1/2*もしくは2/3 補助上限額:750万~4,000万円** *最低賃金引き上げに係る特例を適用した場合は補助率を2/3に引き上げ **従業員数・申請枠により異なる | |
生産性向上に資するITツール(ソフトウェア・サービス等)の導入を支援する | 補助率:原則1/2* 補助上限額:150~450万円 *枠・類型により異なる | |
事業承継に際しての設備投資や、M&A・PMIの専門家活用費用等を支援する | 補助率:1/3、1/2、2/3* 補助上限額:150万~1,000万円* *枠・類型により異なる | |
中小企業等がものづくり基盤技術及びサービスの高度化に向けて、大学・公設試と連携して行う研究開発を最大3年間支援する | 中小企業等は補助率2/3以内 通常枠:最大9,750万円 出資獲得枠:3年間合計3億円以下 | |
企業の成長・拡大に向けた新規事業への挑戦を行う中小企業等を支援する | 補助率:1/2 補助上限額:2,500~9,000万 ※従業員数により異なる |
「働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)」において特別利率の対象となる
健康経営優良法人に認定されると、日本政策金融公庫による「働き方改革推進支援資金(企業活力強化貸付)」において、特別利率で融資を受けることができます。
資金使途 | 「働き方改革」に取り組むために必要な設備資金や長期運転資金 |
融資限度額 | 7億2千万円 |
利率(年) | 健康経営優良法人:2億7千万円まで特別利率①(※) うち、ブライト500:2億7千万円まで 特別利率②(※) 2億7千万円超 基準利率(※) |
返済期間 | 設備資金:20年以内(うち据置期間2年以内) 長期運転資金:7年以内(うち据置期間2年以内) |
(※)基準利率:1.75%、特別利率①:1.35%、特別利率②:1.10%(いずれも令和7年2月3日時点。貸付期間5年の場合。)
上記利率は、標準的な貸付利率であり、信用リスク(担保の有無を含む。)等に応じて所定の利率が適用されます。
なお、「ブライト500」は、中小規模法人部門の上位500法人を指します。
人材確保に有利
健康経営優良法人の認定を受けることで、ハローワーク求人票に「健康経営優良法人」のロゴマークを使用することができます。
認定ロゴマークは自社ホームページやチラシ・名刺等に掲載することもできることから、労働市場へのアプローチや企業イメージ向上が期待でき、人材確保に有利になると言えます。
中小規模法人部門について
本制度は、中小企業などを対象とする「中小規模法人部門」と大企業などを対象とする「大規模法人部門」の2部門に分かれており、この記事では「中小規模法人部門」を中心に解説します。
対象法人

出典:健康経営優良法人申請区分
掲載ページ:健康経営優良法人認定制度 公式HP(申請について 中小規模法人部門)
「中小規模法人部門」の対象法人は、業種や従業員数、出資金または出資金額によって定義されています。
例として、卸売業の場合、常時使用する従業員数が1人以上100人以下、もしくは、資本金または出資金額が1億円以下であれば、「中小規模法人部門」への申請が可能です。
ただし、他にも区分や要件が設けられているため、申請前に必ず公式ホームページで詳細をご確認ください。
申請要件

出典:健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)認定要件
掲載ページ:健康経営優良法人認定制度 公式HP(申請について 中小規模法人部門)
健康経営優良法人2026(中小規模法人部門)には、上表のとおり、認定要件があります。申請の際は、これら5つのカテゴリ・計24項目の認定要件を満たしている必要があります。
<参考:申請要件のカテゴリ(大項目)>
1. 経営理念・方針
2. 組織体制
3. 制度・施策実行
4. 評価・改善
5. 法令遵守・リスクマネジメント(自主申告)
なお、次回「健康経営優良法人2027」では、認定要件が変わる可能性があります。申請時には必ず最新情報をご確認ください。
認定申請料
認定申請には申請料の支払いが必要です。「健康経営優良法人2026」の申請料は、1件あたり 15,000円(税込16,500円) です。
申請期間が終了すると、メールまたは郵送で請求書が届きます。請求書を受け取った後、指定の口座に申請料を振り込みます。
掲載ページ:健康経営優良法人認定制度 公式HP(申請について 申請料のお支払い)
申請期間
「健康経営優良法人2026」の申請期間は、次のとおりです。
申請受付開始 | 申請受付締切 |
|---|---|
令和7年8月18日(月) | 令和7年10月17日(金) 17時 |
申請の流れ

中小規模法人部門への申請には、まず加入している保険者(協会けんぽの各都道府県支部、健康保険組合連合会の各都道府県連合会、国保組合など)が実施する健康宣言事業への参加が必要です。
健康宣言事業とは、保険者が加入者(従業員)の健康増進を支援するため、企業の健康づくりをサポートする制度です。
実施状況については、加入している保険者にお問い合わせください。
加入保険者が健康宣言事業を実施していない場合は、自治体が行う健康宣言事業への参加、または自社独自の健康宣言の実施で代替できます。
その後、専用サイトから中小規模法人部門の認定申請書をダウンロードし、必要事項を入力した電子データを同サイトにアップロードして提出します。
※初めて申請する場合は、事前に ID の取得が必要です。
取り組み事例
以下のページでは、「健康経営優良法人2025」中小規模法人部門の認定法人の中から、特に優れた取り組み・先進的な取り組みの事例を紹介しています。ぜひ、ご参照ください。
健康経営優良法人認定制度 公式HP(認定法人取り組み事例集2025 中小規模法人部門)
「健康経営優良法人認定制度」における注意点
「健康経営優良法人認定制度」における主な注意点は、次のとおりです。
加点対象は「前年度の認定法人」
補助金審査において加点措置の対象となるのは、「前年度の認定法人」です。
例えば、令和7年10月に申請を開始する補助金の場合、加点対象となるのは「健康経営優良法人2025」の認定を受けた法人です。
「健康経営優良法人2026」の認定を受けた場合は、令和8年度の補助金から加点対象となります。
「中小規模法人部門」と「大規模法人部門」いずれも該当する場合は申請区分を選択
「中小規模法人部門」と「大規模法人部門」は、従業員数や資本金・出資金額によって区分されます。
ただし、従業員数は大規模法人に該当し、資本金は中小規模法人に該当するなど、両方に当てはまるケースでは、どちらかの部門を選択して申請することが可能です。
ただし、両部門に同時申請することはできませんのでご注意ください。
まとめ
この記事では、「健康経営優良法人2026」の「中小規模法人部門」に焦点をあて、制度の概要やメリット、申請の流れについて解説しました。
認定を受けた場合、補助金申請の際に加点対象となる、人材確保に有利となるなどメリットがありますので、ぜひ、取り組みの実施をご検討ください。
Writer
株式会社Staywayディレクター 公認会計士
中央大学商学部・グロービス経営大学院卒業(MBA) / 公認会計士及び経営革新等支援機関デロイト トウシュ トーマツ出身。監査法人、飲食チェーンの経営企画、人材大手の社内ベンチャーの事業推進・営業企画を経て、株式会社Staywayに参画。Staywayでは、事業開発、営業、カスタマーサクセス、補助金申請支援に従事。
※本記事の監修者です。
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