
西日本シティ銀行は、香港・上海・シンガポールに海外駐在員事務所を有し、お客さまの海外ビジネス展開を支援しています。
本記事は、各拠点の駐在員が現地ならではの最新情報をレポートとしてまとめたものをご紹介します。
なお、掲載されているレポートは、作成時点の情報に基づいているため、一部の情報が古くなっている場合がございます。あらかじめご了承ください。
はじめに
香港は大規模な酪農基盤を持たないことから、飲用乳の多くを輸入に頼っています。そうした中、香港への日本産牛乳の輸出は増加傾向にあり、香港でも一定の地位を築きつつあります。今回は、香港での牛乳市場の現状や日本から香港へ商品を届けるための企業側のさまざまな工夫についてご紹介します。
高価格でも選ばれる日本の牛乳
香港のスーパーでは、日本産以外にも現地メーカーやアジア・豪州系メーカー等による多様な牛乳が販売されています。一般的なロングライフ(LL)牛乳が15~23香港ドル(約300~460円 *1)で販売される一方、日本産のLL牛乳は22~33香港ドル(約440~660円)と、比較的高い価格帯にあります 。
そうした状況下においても、香港への日本産牛乳の輸出量は2012年の約2,057トンから2025年の約5,751トンへ増加(約2倍)しており、全体のシェアを見ても4.5%から8.5%へ拡大しています *2。
香港で日本産牛乳の浸透が続く背景として、日本産に対する品質や安全・安心への信頼、「大阿蘇」や「北海道」などの産地イメージ、濃厚な味わいなどから、中高所得者層を中心に一定の支持を得ていることが挙げられますが、ここに至るまでには日本企業による様々な工夫がありました。
*1:1香港ドル=20円で換算。
*2:日本は、タイ(34%)、豪州(11%)、ベトナム(10%)に続く第4位。
日本から香港へ牛乳を届ける工夫
▲スーパーの陳列棚の様子(当事務所撮影)従前、日本からの輸出は、常温で2~3か月程度保存でき、海外への長距離輸送に適しているLL牛乳が中心でしたが、近年は、北海道乳業の「北海道函館3.7牛乳」や大山乳業の「白バラ牛乳」など、冷蔵状態で流通する「チルド牛乳」も登場しました。
チルド牛乳とは、ESL製法 *3や高機能包材により冷蔵状態での輸出を実現した製品です。製法や包装資材に日本独自の工夫を凝らすことで、生乳本来の味わいを楽しむことができます。
また、安心感を喚起するために、日本産であることを明示し、パッケージのデザインも日本国内の仕様とほぼ同じにするなどの工夫も施されています。さらに、日本で現地語対応の専用パッケージを製造・輸出することで、現地での作業負担も軽減しています。
*3:Extended Shelf Lifeの略語で、賞味期限の延長という意味。原料乳から殺菌を経て充填されるまでの全工程で、細菌汚染の原因を減らすことによって品質向上を追求し、国内のチルド牛乳より賞味期限が延長される製法。
まとめ
各国商品が競合する香港市場で、日本産牛乳が選ばれる背景には、品質やブランドイメージに加え、鮮度を保ったまま長距離輸送を可能にする保存技術や、現地のニーズに合わせた商品、物流面での工夫があります。
多様な選択肢がひしめく香港市場ですが、こうした企業努力を背景に、日本産牛乳のさらなる普及が期待されます。
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西日本シティ銀行は、香港・上海・シンガポールに海外駐在員事務所を有し、お客さまの海外ビジネス展開を支援しています。本記事では、海外ビジネスに役立つニュースや現地ならではの情報をお届けします。
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